ハンドやって、アニメ見て、ゲームして・・・・・・。

主に湘南乃風とMEGARYU、アニメとゲームと漫画が好きな、とある中学校のハンド部キャプテンのブログ

反撃の狼煙

2010年10月03日 | ハンドボール小説
「・・・・・・うーん、ちょっと厳しいな」

「だな。タイムアウトは?」

「・・・・・・もう少し様子を見たいってのが本音」


開始から20分、得点は 20対5

圧倒的な力量差を見せつけられていた。

しかもこちらは3得点全てが、智弘のロングシュート。


――つまりセンター以外のポジションが機能していない。
しかも

「取り返すぞ!!!!!!」

その唯一機能しているポジションの智弘は頭に血が上った状態。

――普段は温厚な男が、バイクのハンドルを握った瞬間
暴走族のように豹変する。
なんてことがある。

あいつはそれのハンド版みたいな感じだな。


出来れば後半に残しときたかったけど・・・・・・そんなことも言ってられないしな。

「タイムアウトお願いします」


『ビーッ』

機械音とともに試合は一時中断。

「よし水飲みながらでいいから聞いてくれ。
まず智弘は残り10分シュート禁止」

「えッ―――」

試合に出ていたメンバー全員の動作が一時停止する。
そりゃそうだ。
現時点で点を取れるのが智弘しかいないからな。

「一旦頭を冷やしてパスに専念しろ」

「・・・・・・はい」

不満げに頷く智弘。

「さて智弘ナシでどうやって点を取るか
難しいなぁ。普通にやっても通用しない相手だからな―――」


『ビーッ』


選手の疲れを僅かに癒し
タイムアウト終了を告げるブザーが鳴る。


「いいか飛石、一発目はお前のセンス次第だ。
デカイの一発決めてこいよ!!」

「・・・・・・」

無言で頷きコートに戻る飛石。

そして山高ボールから試合が再開される。

最初の攻撃の要となるのは飛石直樹。
誰よりも高く、誰よりも遠くへ跳ぶ男。

そしてパス回しが始まる。
これには殆ど変化は無く
遅く、もたついている。

そして左45のムタにボールが渡る。

――暴投、自暴自棄

そんな言葉が浮かんでくるようなパス。
否、パスと呼べるようなものではない、ただボールを放り投げただけ。

ボールは相手ディフェンスの頭上を通過し、6メートルライン内へ。

高さにして2メートルを遙かに超える高さ。

そして飛石が己の武器を開放する。

ふくらはぎ、太もも、全身の筋肉を総動員させた全力の跳躍。
それは『跳ぶ』というより『飛ぶ』

敵も味方も見ている者全ての視線を集めてしまうような
力強さと美しさを兼ね備えていた。

そして空中のボールを掴み、崩れた体制を立て直し、シュートを撃つ。

ボールはキーパーの右腕と右足の隙間を通り抜け
ゴールネットを揺らした。


―――さぁ、こっから反撃開始だ。




―――――――――――――――――――
あとがき

小説の更新率=ブログの更新率みたいになってきとりますナァ。

つまり月に3回程度の更新
       ↓
ほぼ更新しない状態
       ↓
それでも見てくれる方々は神様です

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (オナニスト)
2012-03-24 03:01:34
漫画刃牙のナレーションのような文体。いいですね。

コメントを投稿