ハンドやって、アニメ見て、ゲームして・・・・・・。

主に湘南乃風とMEGARYU、アニメとゲームと漫画が好きな、とある中学校のハンド部キャプテンのブログ

衝撃の第一話

2010年11月14日 | 今世紀最高の超大作「ウイルスバスター」
ウィルスバスター

原作 Y.A(仮名)
設定 俺
ストーリー構成など シレンさん
武器原案 (一応)mg
文章 7zu7さん&俺(6:4)





西暦2030年――――――――。
人は夢を忘れ、人間の愚鈍な欲望と塗れた混沌に満ちていた。
天国と地獄の境もつかないまま、人は初めて滅亡のカウントダウンを耳にする。
5年前、あの悲劇さえなければ俺は普通の生活を送っていたのかもしれない。
そう……人間、いや生物全ての運命を変えたあの悲劇さえなければ―――。
それは一つの科学施設から生まれた。
その研究所は未知の科学兵器を作っているだの、宇宙人の隔離施設だのと囁かれていたが強ち間違いではなかったらしい。
失敗なのか、成功なのか、新たなウイルスが発明されたのだ。
人間獣化複合因子――ビースト・ストレインス。
略称、B.S。
B.Sが世界に蔓延したのは2028年。
ウイルスが開発されてから3年後だ。
まだ開発当時はそれほど強力なウイルスなわけでもなく、人間に感染しても獣化するのは寿命が尽きる直前などと言われていた。
だが、たった3年でウイルスは脅威とも呼べる進化を遂げた。
研究所を破壊。
次に大陸全土へ――――。
ウイルスは驚異的な速さで世界を埋め尽くした。
空気感染などはしないが、その獣化した人間の血を体内に取り入れると、個人差はあるが何時間か過ぎた後獣化する。
学会ではありえないとの声もあったが、こう事が進んでしまうと国も手出しがあまりできないらしい。
自衛隊はそんなウイルスのことは全く知らされてはいなかったためか、もはや人間ではなくなってウイルスに感染してしまっていた。
だが……、そんな堕落した世界の中でも抗体のある人間もいた。
そして生き残った―――という言い方はは少々あれかもしれないが、そういう人間も多数存在した。

また、異種も存在した。
混血種。
獣の血と人の血を通わせるもの。
まぁその話は置いておくとしよう。

そう。
獣化した人間を元に戻すには、対抗できる抗菌の入ったワクチンを打ち込むこと。
その仕事をするのが俺達、ウイルスバスターズ。
そしてもう一つ組織が存在する。
名は、ビーストハンターズ。
獣となってしまった人間を、人間と思わない組織。
そう”獣人”全て抹殺を考えている団体だ。
双方ともに人類平和を考えているのは同じだが、戻すのと殺すのは全く違う。
だから、俺はウイルスバスターズに入ったんだ。
それが――――いつか災厄を呼び起こすことを知らずに。

「あぁ……だるいなぁ」
俺は演習が終わり、寮の部屋でくつろいでいた。
さっき配給されたお菓子を貪りながら己の武器を見つめる。
銃――――――――――。
俺はまだ獣人と戦ったことはないからわからないが、咄嗟の判断ができるだろうか。
―――いや、出来るわけがない。
相手は”元”人間。
人とかけ離れた肉体を有する異形。
『生物を撃つ』という経験がない俺だ。
恐らく一瞬、戸惑いを覚え
その隙に八つ裂きにされるだろう。
今日の演習は通常のウサギに麻酔を打ち込むという訓練だったが、躊躇してしまったせいか銃口をウサギに向けられなかった。
そのせいで教官に罰を食らった。最悪の日だな。
俺にこの仕事は向いていないのだろうか。
いや、違う。
頑張ろうとしないから。
たとえ相手が死なないとしても、『撃つ』というのにはどうしても慣れない。
まだ、殺されるという意識が薄からか。
決心が固まらない―――。
「あれ?もう無くなったか」いつの間にか空になっていたポテチの袋を丸め、ゴミ箱に投げ捨てる。
イエーイ、ナイッシュー青葉選手~。
――――はぁ、くだらね。
もう疲れた。寝よ。
『ピーンポーンパーポーン』
なんだよウザいな。
『青葉祐希、ソフィア、茂呂直史、至急教習所前に来なさい』
今の声は教官か……。

イノ
猪志穂教官―――。
鬼教官と恐れられる上級階級に位置する人間だ。
呼び出しってことは説教か。今日の俺の態度を見れば適切な判断といえるだろう。
疲れた体をゆっくりと起こし、自動ドアをくぐって廊下に出る。
ひんやりと冷たい空気が白い空間に入ってくる。
自然の空気で換気するこの施設。
機械的な施設内部とは裏腹に、空調のほとんどは外気を利用している。
重い足取りでどうかを歩いていると、後ろから影が一つ。
白い肌―――。
腰までかかった白濁の髪の毛。
凛とした少女の姿には惚れ惚れするものもあった。
「…………」
俺の前で立ち止まり、じっと見つめてくる。
「なんだよ」
沈黙を破ったのは俺の方。
口調の悪さは昔からだ。仕方ない。
すると少女は踵を返し、見下したような……さげすむような眼で俺を見据え「甘い」と一言。
呆気に取られている間に少女は廊下の闇に消えていった。
なんだったんだよ。
ふぅと溜息一つつき、また歩き出す。
少女の言った「甘い」という言葉は何を意味していたのだろうか。
わからない。
それは俺自身が甘いということか……。
だが、彼女とは初対面だ。
俺の力量がわかるはずもない。
なのに――――なぜ。
言葉の意味を理解できぬまま、ただひたすらに白く長い廊下を歩いた。

教習所前――――。
この場所は嫌いだ。
失敗と畏怖。教官に怒られるところはいつもここだ。
いやになる。挫折した時もあった。
俺がこの組織に入って三週間。
教官には一回も褒められたことはない。
今日もまた説教だろう。
もう一度深い溜息をはいて、俺は教習所内に立ち入った。
そこには四人の兵士。
左から、茂呂先輩、さっきの少女、見たことのないような巨漢と豪華なメンバー。
「遅いぞ!!青葉ッ!!!」
入って早々、猪教官の怒声。
――嗚呼やっぱり説教か。

「よし各バスター全員揃ったか」
俺達ウィルスバスターの寮生はバスターと言われている。
階級ごとに名前も変わったりするが、ほとんどはバスターだ。
教官の前を通り過ぎ、軽く頭を下げ自分の用意された位置に行く。
猪教官の口調から察するに説教ではないようだ。
安心はしたが、説教でなければ何だろうか?
説教以外で自分が呼び出されることなんて思い当たらないが。
「私の勝手だが、お前ら四人でグループを結成する」
自分の胸が高鳴ったのが感じられた。
そうか。そうだったんだな。俺もやっと実戦に出られるのだ。
他の三人の顔もいろいろだ。
思い思いに考えているのだろう。
戦場で戦えるか……いざとなって殺せるか。
そんなざわつきのある中で声―――。
「教官一つ質問いいですか」
俺の心とは裏腹に、それに抗議するものが一人。
廊下で出会った白髪の少女だ。
何だろうか。
メンバー構成に不満でもあったのか。
もしかしたら……。
「私を含め、他のメンバーはいいとして……祐希君がいるのは納得できません」
「―――っ」
予想はしていたつもりだが、改めて言われるとぐさりと来るものだ。
確かに俺の成績は悪い。
おそらく順位でいえば下から数えた方が早いだろう。
「メンバーの編成はできない。決定事項だ」
「……なぜですか。理由を聞かせてください」
教官は少し間をおいた後、溜息をつきあきれ半分は顔で言った。・u・BR>「司令長官のご達しだ。もう一度言うが、変更はない。以上だ」
そう言うと教官は一人ずつ資料を渡していった。
内容は―――レヴェル1、獣人鎮圧。
つまり獣化した”元”人間に血清を打ち込み、動きを封じるということだ。
それにしても―――
「3時間後に出撃する。解散ッ!!!!」
猪教官の女性とは思えない低音ボイスによって、思考がシャットアウトされる。
何考えてたんだっけ?
「祐希君。ちょっと……」
またあの少女に声をかけられた。いったいなんだろうか。
まさか、この3時間の全てが説教に費やされるのか。
「こっちへきて」
少女は俺の手をひっぱり、廊下を進んでいく。
この辺りは一度も来たことがない未知のエリア。
何故ならここは女子寮だからだ。
少女はとある部屋の前につくと、俺の手を離し吐息を漏らす。
部屋を開け、俺も付いていく。
どうやら彼女の部屋のようだ。
女の子の部屋……というのを期待していたが、少々違う。
質素な佇まい―――。とてもじゃないがこれをメルヘンな部屋というには、あまりにもかけ離れている。
「なんだよ……こんなとこ連れてきて……」
「……わかるでしょう?あなたは必要がない。成績が下の下。そんな人を実戦に連れて行くわけにはいかない」
「なん―――――」
「危険だから」
即答だった。
あまりにも弱いところを突かれ、身もだえする。
それはそうだ。おそらくこの少女はバスターの中でもトップクラスなのだろう。
威厳というか……そういうものも感じられる。

「そうだな。恐らくアンタは成績トップクラスの優等生だろ。
出来の悪い俺を危険に晒さないための気遣いのつもりでそう言ってるんだろうな。
ありがたいね。俺も正直自信はない。奴らから逃げることも出来ないかも知れない。ここに残った方が安全なのは確実だ。
だ が 断 る 」
「~~~~~~!」
息を呑む彼女。
見開いた眼からは驚きの色が伺える。
さらにたたみ掛ける。
「このツルペタ優等生が!!!!!」
それが自身の胸のことだと気づいた彼女は、赤面。
体を微かに震わせ、俯いてしまった。

俺はその隙を見逃さない。
閉めてあったドアを開け放ち、自室に向かって一目散に逃げた。


――――ハァ、ハァ・・・・・・。
俺は男子寮の廊下で始めて、後ろに振り返った。
さすがにここまで追いかけては来ないか。
それにしても、こんなに全力で走ったのは訓練以外では初めてだ。

自室に戻るとベッドに飛び込んだ。
・・・・・・全身を強打した。
忘れていた、男子寮のベッドが硬いことを。

痛みが引いたところで、仰向けに寝ころぶ。
ただただ天井を見つめ、ふと思った。
彼女の赤面したときの表情は可愛かったなぁ、と。

そのまま集合時間まで、ベッドの上で疲れを取った。

一話 完


―――――――――
あとがき

感想お待ちしています。
疑問、質問等ありましたら遠慮無くどうぞ。

それ以外に書くことねーから!!!!!!!