ハンドやって、アニメ見て、ゲームして・・・・・・。

主に湘南乃風とMEGARYU、アニメとゲームと漫画が好きな、とある中学校のハンド部キャプテンのブログ

爆発するポテンシャル

2010年10月18日 | ハンドボール小説
スカイプレイ―――数あるハンドボールのセットプレイの中でも、一際見ている者の目線を釘付けにするド派手なプレイ。
その感嘆はコートの中も外も関係なく、見た者全てを飲み込んでいく。

「ナイッシュー!!!!」
飛石のスカイプレイで勢いに乗り始める山高。

スコアはまだまだ離されているが、メンバーの気持ちは高まり動きも良くなってきている。

「ディフェンスからしっかりいこう!!!!」
チームの中心人物である智弘も声を出し、リーダーシップを発揮する。

「オウ!!!!!!」
それにチーム全員で答える。

が、士気が上がっても急にデイフェンスが上手くなるわけではない。
最初の時と同じように簡単に左サイドをフリーにさせてしまう。
十分な角度から放たれたサイドシュート。

これをユウが止める。

キーパーがシュートを止めたことによって生まれる攻撃―――速攻。
両サイドの選手が駆け出し、シュートを決めるという単純で、最も得点する確率の高いオフェンス。

そしてコートを誰よりも速く蹴り出して、走り抜けていく男が一人。
チーム最速を誇る男、鈴木修平である。

―――今までの人生で、大抵のスポーツはこなせた。
でも体力とか腕力とか、同世代でも俺より上の人は何人もいた。
その中でも俺が自信を持って「誰にも負けない」って言えるのは、やっぱり足の速さだけだ!!
俺は足の速さじゃ絶対負けない!!負けたくない!!!
だから走る!!!

ボールが俺の何メートルか先でバウンドする。
キャッチ、9メートルライン手前。
右足でジャンプ、この空間には相手のキーパーと俺だけ。
一対一だ!!!

――――――――――――――――――――――――――――――

「ナイッシュー!!!!!」

「ッシャア!!!!!!」
右手で握り拳を作りガッツポーズをする修平。

「馬鹿ッ!!!早く戻れ!!!!!」

龍磨が叫ぶも時既に遅し。

リスタートを仕掛けられ、素早い展開からシュートを打たれる。
しかし
これもユウのファインセーブによって阻まれる。

速攻は―――出ない。

セットプレイからオフェンスを展開する山高。

―――『点を取るだけポストの仕事じゃない』
リュウさんにそう言われた。

じゃあ何すりゃいいんだよ?
『ポストは点を取るだけじゃない、味方がシュートを決める環境を作ることもしなきゃいけねえんだ』
つまりどういうことだよ?
『ポストは自分の体を使って、味方がシュートにいくための道を開くんだ』
・・・・・・体を使って道を開く?・・・・・・ってことは背中で相手を妨害する?
『そういうこと』
・・・・・・何となく分かった。
―――――――――――――――

「富田ァ!!!!」

聞こえるように大声を上げる。
・・・察してくれたようだ。

富田が智弘からボールを持って攻める瞬間
相手の選手に背中をくっつけて、進路を妨害する。

ガチガチに固められていたディフェンスに穴が開く。
富田がその隙間に素早く切り込み、シュートする。

「ナイッシュー!!!!!」

―――なるほど、コレか。
こういう事か。
ポストってこんな事もするんだな。

―――――――――――――

「武山さんナイス!!」

富田とハイタッチをする武山。
乾いた音が体育館に響く。

試合終了まで残り8分を切った。
未だ圧倒的な点差でありながら
選手達に光が見えだしていた。

―――――――――
あとがき

まずまずの更新率と言えるだろうか。

これから頑張るかも知れない。

日記とかも書いた方がいいんでしょうか?

反撃の狼煙

2010年10月03日 | ハンドボール小説
「・・・・・・うーん、ちょっと厳しいな」

「だな。タイムアウトは?」

「・・・・・・もう少し様子を見たいってのが本音」


開始から20分、得点は 20対5

圧倒的な力量差を見せつけられていた。

しかもこちらは3得点全てが、智弘のロングシュート。


――つまりセンター以外のポジションが機能していない。
しかも

「取り返すぞ!!!!!!」

その唯一機能しているポジションの智弘は頭に血が上った状態。

――普段は温厚な男が、バイクのハンドルを握った瞬間
暴走族のように豹変する。
なんてことがある。

あいつはそれのハンド版みたいな感じだな。


出来れば後半に残しときたかったけど・・・・・・そんなことも言ってられないしな。

「タイムアウトお願いします」


『ビーッ』

機械音とともに試合は一時中断。

「よし水飲みながらでいいから聞いてくれ。
まず智弘は残り10分シュート禁止」

「えッ―――」

試合に出ていたメンバー全員の動作が一時停止する。
そりゃそうだ。
現時点で点を取れるのが智弘しかいないからな。

「一旦頭を冷やしてパスに専念しろ」

「・・・・・・はい」

不満げに頷く智弘。

「さて智弘ナシでどうやって点を取るか
難しいなぁ。普通にやっても通用しない相手だからな―――」


『ビーッ』


選手の疲れを僅かに癒し
タイムアウト終了を告げるブザーが鳴る。


「いいか飛石、一発目はお前のセンス次第だ。
デカイの一発決めてこいよ!!」

「・・・・・・」

無言で頷きコートに戻る飛石。

そして山高ボールから試合が再開される。

最初の攻撃の要となるのは飛石直樹。
誰よりも高く、誰よりも遠くへ跳ぶ男。

そしてパス回しが始まる。
これには殆ど変化は無く
遅く、もたついている。

そして左45のムタにボールが渡る。

――暴投、自暴自棄

そんな言葉が浮かんでくるようなパス。
否、パスと呼べるようなものではない、ただボールを放り投げただけ。

ボールは相手ディフェンスの頭上を通過し、6メートルライン内へ。

高さにして2メートルを遙かに超える高さ。

そして飛石が己の武器を開放する。

ふくらはぎ、太もも、全身の筋肉を総動員させた全力の跳躍。
それは『跳ぶ』というより『飛ぶ』

敵も味方も見ている者全ての視線を集めてしまうような
力強さと美しさを兼ね備えていた。

そして空中のボールを掴み、崩れた体制を立て直し、シュートを撃つ。

ボールはキーパーの右腕と右足の隙間を通り抜け
ゴールネットを揺らした。


―――さぁ、こっから反撃開始だ。




―――――――――――――――――――
あとがき

小説の更新率=ブログの更新率みたいになってきとりますナァ。

つまり月に3回程度の更新
       ↓
ほぼ更新しない状態
       ↓
それでも見てくれる方々は神様です

試合開始

2010年09月08日 | ハンドボール小説
試合開始15分前。

ウォームアップを済ませて全員俺の所に集合している。

相手が県内最強チームってことで、どこか緊張している奴も数人。

「よしポジション確認すんぞ。」

「キーパー、ユウ」

「はい・・・・・・」

声が小さいな。

「硬くなんなよ。止めらんねえぞ?」

「次。左サイド、飛石」

「はい・・・・・・」

お前もかよ。

「初心者は体で覚えろ。難しいこと考えんのはナシ!」

「次。左45、ムタ」

ムタっていうのは夢太郎のニックネーム。
誰が付けたかは知らない。
いつの間にか定着してたからな。

なんか可愛らしいけど
なんとなくコイツの雰囲気に合ってるんだよな。

「はい!」

「よし次。センター、智弘」

「はいッ!!」

コイツは大丈夫だな。

「次。右45、富田」

「はぁいっ」

コイツは何なのか分からん。

「次。右サイド、修平」

「待ってました!!!」

緊張してないなコイツは。

「ラスト。ポスト、武山」

「ウス・・・・・・」

これで全員だな。

「まあ県内最強のチームが相手だ。
当たって砕けるつもりで行こうぜ。
って言うけど、負けていいとは言ってねえぞ?
もちろん勝ちに行く。いいか!?」

「はい!!!!」

「違う!!返事は『オウ!』だ!!!」

「オウ!!!」

「声が小さい!!!!」

「オウ!!!!!!」

よしオッケー。

これで気合い入ったな。

「あっそうそう。相手のチーム最初、二軍でくるらしいぞ」

何人かの額に青筋が浮かぶ。

「よし行ってこい!!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「えー、これから明鏡高校 対 山乃海高校の試合を始めます」

「お願いします!!!!!」



前半のボールは明鏡高校。

「ピッ!」

審判の笛で試合開始。


山高はディフェンスからスタート。

素早いパス回しはBチームとはいえ流石強豪校。
ハンド経験者である智弘とユウ以外の選手の表情からは
戸惑いや不安の色が見てとれる。

ある程度のパス回しからボールが左サイドの選手に渡り
左サイドから、ずらしが始まる。

ハンドを始めて1年にも満たない選手がほとんどの山高のディフェンスは
あっという間にずらされ、右サイドの選手が完全にフリーになる。

十分な角度から打たれたサイドシュートはゴールの右上、ピンポイントに突き刺さる。


「ナイッシュー!!」




「ピッ!」

審判の笛から山高のオフェンス。

パス回しは遅く、もたついていて、相手と比べるまでもない。

いつまでも攻めるに攻められないのは
素人集団の性質とも言える。

完全に攻める意識のない相手だと分かり
キーパーが不意に構えていた腕を下げる。

刹那、ゴールの左上に放たれたシュート。

キーパーの一瞬の油断、更に味方チームのディフェンスが
キーパーの視野の壁になり、智弘のシュートモーションをギリギリまで確認できなかった。

ボールはゴール左上に吸い込まれるように入っていった。


智弘のブラインドシュートによって得点。

―――ブラインドシュート―――

相手のディフェンスの間を通すようなシュート。
相手の意表を突ける、通常のシュートよりもキーパーがボールを確認するのが遅れる
などのメリットがあるが
狙いを定めにくく、球速が通常のシュートに比べて遅くなるなどの
デメリットも存在し、一試合でそこまで多用する選手は少ない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


山之海高校VS明鏡大学附属高校


開始から2分が経過し

1対1



―――――――――――――――――――
あとがき

分からないワード、表現などがあったら言って下さい。

あと読んだら感想を下さるとありがたいです。


試合の前に

2010年08月16日 | ハンドボール小説
明鏡高校はここから少し離れたところにある。

大体バイクで20分くらい。

十時に集合の予定だから九時半ごろに家を出ればいいんだけど・・・・・・。

俺の布団の枕元に置いてある目覚まし時計が指している時間は九時五十分。

「へあぁあ!!」


奇声を上げて玄関を飛び出した。

もちろん着替えとかはしたけどね。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―明鏡高校 体育館前―


「おはようございまーす」

「お~す」


何とか間に合ったぁ。

「そういえば啓太は?」

「お前の後ろにいたりして・・・・・・」

振り向けば目の前に啓太の満面の笑み。

「うおゎ!!?」

「よっ」

「ビックリさせんなよ啓太。あと顔がかなり近かったことに対して軽く嫌悪感を抱いたね」

「それが狙いだし」

イタズラっぽく笑う啓太を尻目に人数を確認。

「おっけー。全員いるな。それじゃ行くぞ」

体育館のドアを開け
インシューズに履き替えて次々と中に入っていく。


「お前らは先に上に上がって荷物置いてきな」

さてと、俺と啓太は挨拶行かないとね。

啓太と一緒に、明鏡高校の監督である川村先生を捜しに行く。
川村先生とはちょっとした知り合い。

あの人はかなりのヘビースモーカーだから
何となくいる場所は目星がついてる。

「リュウ。やっぱりあそこしかないよな?」

「だな。そこ以外考えらんねえし」

薄い灰色の床を小走りで駆けていき
目的地に着く。

むせ返るような異臭を放つソレは、スポーツマンの敵。
肺を傷つけるなどのマイナス効果の塊。
何が良くてソレを吸うのか、俺にはさっぱり分からない。

目の前にあるのは大人が数名入れる程度の個室。
白い有毒物質が空気中に漂っている。
以下の事から分かるとおりここは喫煙所である。


短く切りそろえた黒髪に、切れ長の瞳。
その眼光はこの上ないほど鋭い。
おまけに額と右の頬に、十五センチほどの傷まである。
全体的に整った顔立ちなんだが、その顔とニメートル近い長身が影響してかなりの威圧感。

その風貌は修羅場をくぐり抜けてきたヤクザ。

見た目通りというか性格も穏やかではなく
むしろ暴力的。

「オウ、寺上に谷村じゃねえか!」

「ブフゥ!!」「グヘェ!!」と俺達は無様な声を上げる。

ほらね。
目があって早々鳩尾に拳を叩き込みやがった。

「か・・・・川村先生・・・・・・目があっていきなりグーパンチは無いですよ・・・・・・しかも鳩尾・・・・・・」

啓太が息切れ切れに不満を口にする。

ちなみに寺上っていうのは俺の名字で
谷村っていうのは啓太の名字。

「それより練習試合だ。30分―10分―30分でタイムアウトありでいいな?」

「それでオッケーです」

この人は実戦が大好きだ。
だから大抵はいつも試合と同じように練習試合をする。

それは俺らにも好都合だけどさ。

「あっそれと、後半ラスト10分までは絶対にAチーム出さねえから」

「・・・・・・」

Aチーム・・・・・・・・・・・・・・・つまりスタメン。

まあ妥当だろうな。

兎にも角にも試合の準備は出来たってわけだ。


さあてアイツらの実力見せてもらおうか。



―――――――――――――――――――
あとがき

更新が遅い・・・・・・。

スイマセン。

せめて自分用のパソコンが手に入れば更新率は上がるんですが・・・・・・。



正月あけにでもクソ安いパソコン買うかぁ・・・・・・。

そうすれば歌ってみたも出来るハズ。

体力テスト

2010年06月14日 | ハンドボール小説
「はい・・・・・・。
ありがとうございます。
では明日はよろしくお願いします」

携帯の通話ボタンを切り、ポケットにしまう。

敬語ってやっぱり慣れないな。
なんか・・・・・・こう・・・・・・・・・・・・窮屈な感じがあってさ
いつまでも慣れないんだよね。


さてと明日の予定は決まったし
練習見に行かないと。


今日は何しようか。

う~ん・・・・・・・・・・・・


体育館の渡り廊下を歩きながら考える。


・・・・・・そうだ。

体力テストをしよう。

基礎的な運動能力も見ておきたいし。

でも一日で体力テスト全部やるのはキツイだろうから
何個かに種目を減らしてやるか。


今日二回目となる体育館の扉を開ける。

「お前ら一回集合~!!」


全員が集まると同時に話し始める。


「今から体力テストやるぞ~。
種目は50m走、立ち幅跳び、握力、シャトルランだな」

「ええーーー!!
せめてシャトルランは・・・・・・―――」

「うるせえ、さっさとやるぞ」

不満を言ってる奴らを無視して、話を進める。

「まずは50m走から計るから外行くぞ」



――――――――――――――――――――


おおー、やってるね。
予想通りだな。
サッカー部と野球部が校庭の八割くらい使ってる。

まあ50m計るだけだし、こんだけあれば充分だな。

―――数分後―――

準備出来た~。


ストップウォッチは無いから、代わりに俺の時計で計るか。

準備オッケー。

「二人ずつペア組んで一回だけ走るぞ。
最後のグループだけ三人でな。」

最初は飛石と鈴木のサイドコンビか。

「よーい、スタート!!」


―――速いってレベルじゃなかった。

同じ高校生同士とは思えなかった。

鈴木修平は圧倒的なスピードで
校庭の土を砂埃に変えながら
駆け抜けていった。

「ご・・・・・・5秒55!?」

陸上選手かよ、お前は。

「おっし!自己新!!」


「6秒06」

「・・・・・・。」

頬がゆるんでるな。

たぶん喜んでるんだろ。


十分後再び体育館へ――――


「まずは握力から計ってこうか。ホレ武山。」

恐らくこのチームで一番力が強い武山に握力計を渡す。

武山が右手でそれを本気で握る。
針が一気に回り、
見たこともない数字を叩き出した。


「スッゲェ。」

お前ホントに日本人かよ。

・・・・・・とは言わずにおこう。

なんか怖いもん。



数分後立ち幅跳び測定―――


「一発目は飛石行くか」

跳ぶのは得意って言ってたし。

「・・・・・・はい」

と言って所定の位置につく。

にしてもテンション低いな。

まあこれが自然体なんだろうけど。


次の瞬間、飛石の体がため込んだ力を炸裂させ、飛んだ。



――――ハンドは陸上競技の全ての要素が必要とされる。

投擲力、走力、跳躍力

速いシュートを投げるのに必要な投擲力、つまりパワー。肩や腕の強さ。

スポーツをする上で必ず必要とされるスピード、スタミナ。

ハンドには6メートルラインというものがあり
キーパー以外の選手が、そのラインの中に入ることは許されない。

しかしそれが空中であれば話は別だ。

6メートルラインの手前で跳躍し、着地する前にシュートを打つことは許されている。
これがハンドの数あるシュートの中でも基本中の基本であるジャンプシュート。

そのジャンプシュートを打つための跳躍力。

「3メートル45・・・・・・ッッ」

そのジャンプ力においてコイツはズバ抜けた才能を持っていた。


次で最後シャトルラン――――


「最高記録出ても止めんな。限界まで行けよ」

スタートしてから数分経過。

『トータル94』

機械的な声と共に武山が脱落。

そこから更に数分経過。

『トータル171』

残っているのは、山岡智弘ただ一人。


肉体の限界を告げるような激しい息切れが、こっちの耳にも届く。そして―――――

「ハァ・・・・ゼェッ・・・・・・ハッ」

智弘が重く鈍い音と共に倒れ込んだ。

まだ荒い呼吸が続いている。


「よく頑張ったな。ナイスファイト」

優しげな声で話しかける。
疲れのせいで返答はないけど。

「十分間休憩していいよ」

そう言った瞬間全員がゾロゾロと体育館の外に出て行った。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



休憩が終わった皆を集合させて
さりげなく口を開く。

「さ~て明日は明鏡と練習試合だ」


明鏡―――明鏡大学附属高校

全国大会に十年連続出場中の超強豪校。

間違いなく今のチームで勝てる相手じゃない。


「え?明鏡ってあの明鏡ですか?
十年連続で全国大会出場中の?」

おっやっぱり食いついたな智弘。

「そうだけど?」

「イヤイヤ無理でしょ!!?普通に考えて!!」

「とは言っても、もう決まった事だからなぁ」

ヤベエ。絶対今にやけてるよ俺。
俺って本性はドSかもな。

智弘を筆頭に全員が口を開き始めた。

「うるせえ!決まったことなんだからゴチャゴチャ抜かすな!!」

・・・・・・やっと黙ったな。

「大丈夫だって。お前らは一人一人武器を持ってる。
明日はそれを試すんだよ。もちろん勝つつもりだけど」

「今日のところはお疲れさん。
明日は十時に現地集合の予定だけど、お前ら道分かるか?」

ここで智弘が挙手する。

「俺分かるんで大丈夫です」

頼りになるねぇ。

キャプテン。

「それじゃ片付けしたら解散!」


一時間後――――――


今いる場所は教員用の駐車場。

時間は六時五十二分。

季節的には一応もう春なのだが

この時間帯では少し肌寒い。

こんな所で何をしているかというと
ハンド部の顧問(形だけ)の藤森先生と話をしている。

「昨日からハンド部のコーチやらせて貰ってる
寺上って者ですけど」

「・・・・・・はあ」

「なんで真面目に練習見てやらないんですか?」

「別にやりたくてやってる訳じゃないしなぁ。
それにハンド自体パッとしないっていうかマイナーでしょ?
サッカーとかバスケならやる気出たんだけど」

「・・・・・・ふざけんな。

たったそれだけの理由でアイツらの気持ちを踏みにじってんのかよ!!?
アンタに任された仕事なんだ!!
最後までしっかりやれよ!!」


なんて顔してんだよ。

糞野郎。

「アンタ試合見たことあんのか?」

「な・・・・・・無いけど」

だったらいい機会じゃん。

「明日は十時に明鏡大附属高に集合だから。絶対来いよ。」

思い切り睨み付けながら怒りのこもった声で言った。

「ハッ・・・・ハイィ!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


自宅にて


「もしもし啓太?どした?
うん・・・・・・マジで明日来れんの!?
サンキュー!・・・・・・うん。
じゃあ明日十時に明鏡な」


明日は啓太も来れるみたいだ。

楽しみで眠れねえな。

・・・・・・遠足前日の小学生かよ。



―――――――――――――――――――
あとがき

久々すぎる更新。

おかげでいつもの1.5倍~2倍の文章になってしまったorz