この夏、日本に居る間の4週間に、大げさではなく毎日、朝から晩まで、「ミサイルがーミサイルがー」と繰り返すテレビ画面の中の人たちを眺めていました。
戦争に巻き込もうとする輩たちの、権力と金と根回しのテクニックを駆使した、あまりにもあからさまな挑発行為と、それにまんまと騙されていく人々。
それにしてもなぜここまで、マスコミは追従してしまうのか。
ニュースキャスターも有識者も、専門家も新聞記者も素人も、煽る側と煽られる側に分かれてしまって、その間にある真実を調べようとも知ろうともしない。
日本は、無茶苦茶な言動を続ける恥知らずな政権に巻き込まれたまま、一体どこまで落ちようとしているんでしょう。
いや、そんなはずはない、きっと気づいて修正し始める。
そう思って今も待っているのですが、気づきの兆候はまだ見えてきません。
常に公邸に居るべき首相が、平然と私邸に住み続け、重い症状の持病があるにも関わらず、酒を飲んで赤ら顔をさらけ出す。
それだけでも十分、安倍氏は首相不適合のはずです。
今回は、〝完全〟〝完璧〟〝最高〟オタクの自分の見栄えを良くしようと、床屋で髪をスッキリ整えてもらい、記者会見に臨んだようです。
そして、いつもの、カナ振りがあちこちに書き込まれた原稿を読むのではなく、自分で話さなければならなかった彼はいきなり、
「我が国に、北朝鮮がミサイルを発射し」?!などという、トンデモな言葉を吐いたのでした。
これだけでも十分、責任感と認識の浅さを問えるものだと思うのですが…。
その、安倍晋三版『これまでにない深刻かつ重大な脅威』を盛り上げるために、
大都市を除いた各地で一斉に、役立たずなくせにうるさくて有名な『Jアラート』なるものを鳴らし、新幹線や在来線の運転を停止しさせ、テレビでは『空襲警報』さながらの、恐ろしい言葉を繰り返しました。
「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」
似てるんです。
ブッシュ政権が、イラク戦争を始めたくてうずうずしていた頃に。
テレビ画面の端っこにはいつも、危険度を示す棒グラフが表示されていて、危険が赤色、やや危険がオレンジ色、注意が黄色、問題なしはなんだったっけ…。
とにかくその棒が、テレビをつけると真っ先に目に飛び込んで来て、否が応でも平常ではないんだぞ、危険が迫ってるんだぞという警告を受け続けていくうちに、
それまで声高に、戦争を起こすことの愚かさを説き反対を唱えていた新聞やテレビまでもが、だんだんと元気が無くなってきて、そのうちに、わたしたち市民の間にも、その元気の無さが伝染してしまいました。
戦争なんて絶対に嫌だ!
これ以上、どちらの国の兵士も、戦争を理由に人を殺したり殺されたりしないよう、わたしたちは断固反対する!
でもこの国は、世界でも最大最強と言われている軍隊があります。
税金を湯水のように使って作った兵器は有り余っていて、軍産複合体が幅を利かせている上に、目の前で大勢の人たちが殺されたことへの恐怖と憤りが、まだまだフレッシュな時でもありました。
気がついた時には、もう誰も彼もが、戦争は致し方がないという考え方を、堂々と、人によってはこっそりと持っていて、
それでも絶対にやってはいけない、などと言う人は、この国のユナイテッド精神を放棄しているのかというような、いやーな圧力を感じるようになりました。
でも、Jアラートのような暴力的な音で脅かすようなことはしなかったし、頭を抱えて座り込むようなバカげた訓練を強要されることもなかったし、公共機関も全く止められませんでした。
そんなことを強要したら、文句を言う人、怒る人が続出して、話にならないからです。
ただ、冷戦時代は違ったと、夫は言います。
ここでだって、すごいプロパガンダが行われていたと。
古賀茂明氏:
アメリカでは冷戦時代に、連邦各省庁、州政府などが、競って核戦争対策のマニュアルを国民に配布し、
農民はどうやって身を守るか、一般家庭ではどうするかなどが具体的に解説された。核爆発の威力を示す映像も流された。
国民の恐怖感は高まり、それが憎悪に変わって、ソ連を叩けという声が高まった。
お願いです。
メディアの皆さん、記者クラブの皆さん、議員の皆さん、有識者の皆さん、学者の皆さん、そして市井の市民の皆さん、
日本はかなりヤバいところに来ちゃってますよ。
そろそろ重い腰を上げ、重い口を開いて、己の政権の存続、議員生命の維持のためにならなんでもするという安倍政権に、鋭い監視の目を注いでください。
そして、ミサイルが飛ぶ前日だけ公邸に入り、それでも普段通りの豪華な食事を摂り、翌日のカメラ映りのために床屋に行って小ざっぱりしているような男に、
そして、状況判断ができないというより状況そのものが理解できない知能と、浅ましい金銭欲と自己顕示欲の塊のような男に、総理大臣という重要な役割は不相応です。
そのことを十分に察知しておりながら、太鼓持ちを続ける姿は、世にも愚かで醜い。
どうか皆さん、もう瀬戸際まできてしまっていることを知ってください!認めてください!
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フェイスブックで流れてきた、北朝鮮についての一つの見方。
1950年朝鮮戦争。
3年続いた朝鮮戦争は、1953年に停戦。
停戦協定では、「すべての外国軍は、朝鮮半島から撤収する事」「恒久的な平和のために、平和協定を締結する事」に合意。
停戦協定に従って、中国人民義勇軍は北から全面撤収しましたが、ところがアメリカ軍は、今日に至るまで韓国に駐留し続け、平和協定を締結するという約束にも応じていない。
朝鮮半島の戦争の危機の根本的原因は、アメリカによる停戦協定違反です。
1976年、平壌に、核攻撃を加える事を前提にした韓米合同軍事演習が、30万という世界最大、史上最大規模で始まりました。
それまで北の背後には、ソ連と中国の存在がありましたが、1991年にまさかのソ連崩壊。
翌1992年には韓中国交樹立。
後ろ盾を失った、絶体絶命のピンチに追い込まれた北朝鮮は、世界最強の核軍事大国であるアメリカと、単独で向き合わねばならなくなりました。
そして、2003年、ブッシュ大統領がイラク、イラン、北朝鮮を、一方的に「悪の枢軸」と決めつけ、イラクに侵略。
ブッシュは、「イラクの次は北朝鮮だ」と公然と言い放ち、ついに北は、2006年、祖国防衛のために核武装を決断。
トランプが大統領になり、どういう対北朝鮮政策を打ち出すか注視するなか、今年1月、北朝鮮は新年辞で、「ICBMの発射準備はすべて整った」と表明。
ICBMを避けたければ、軍事演習を中止せよとのメッセージを送りました。
北は「軍事演習を中止すれば、核とミサイルを凍結する。そして朝米対話を始めよう。平和協定を締結しよう」と一貫して訴えてきました。
この北朝鮮のメッセージに対し、トランプは3月、韓米軍事演習を始め、軍事演習後もカールビンソンを朝鮮半島近海に派遣し、軍事的圧力を強めていきます。
最近の北朝鮮のミサイル発射も、21日から始まる韓米合同軍事演習へのメッセージです。
日本のメディアでは、「北朝鮮による戦争瀬戸際政策」などと言われますが、今の状況を正確に表現するなら、トランプ政権によって、「戦争瀬戸際政策」が展開されているのです。
8月15日、韓国は、日本から解放された光復節を迎えました。
この日、一万人が、在韓アメリカ大使館に抗議行動を起こしました。
韓国国民は、今の危機的状況を誰が作り、平和に向けて誰が決断すべきか、わかっています。
そして北朝鮮も、着々と、アメリカに対抗する軍事力を誇示し、「いつまでこの状態においておくのか」とアメリカに決断を迫っているのです」
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ツィッターで目についたツィートを、連続で載せておきます。順不同です。
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役立たず「Jアラート」を使ったのは、北朝鮮危機を煽りたい安倍政権のパフォーマンスだった!
【LITERA】2017年8月29日
http://lite-ra.com/i/2017/08/post-3420-entry.html
本日8月29日、早朝の北朝鮮による弾道ミサイル発射は、日本の国民にかつてない恐怖感を与えた。
何しろ、早朝から、全国瞬時警報システム「Jアラート」と、緊急情報ネットワークシステム「エムネット」が発動したのだ。
北海道や東北、北陸、北関東地方の広範囲で警報が鳴り、新幹線や在来線なども運転を停止。
Jアラートを受けたNHKや民放各局も、「国民の保護に関する情報」の速報を打った。
黒塗りの画面の白抜き文字とともに、
「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」なる無機質なアナウンスを聞いて、一瞬、パニックに近い状態なった人も少なくなかったはずだ。
官邸の姿勢も、緊迫感に拍車をかけた。
安倍首相は、官邸に到着したときの会見で、「我が国に、北朝鮮がミサイルを発射し」などと発言。
そのあとの会見でも、
「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威」と記者団に語った。
こうした官邸の姿勢にひきずられるように、テレビ局も朝から報道特番体制をしいて、この問題を大々的に報道。
「これまでにない脅威」「日本にとって非常に深刻な事態」と、首相そっくりのコメントを垂れ流した。
もちろん、北朝鮮が、事前通告もなく、日本の上空にミサイル発射したことは、国際法違反のみならず、国際社会で大きくなっていた対話の動きをひっくり返すものであり、徹底的に批判する必要がある。
しかし、同時に、この日本の騒ぎ方、危機の煽り方にも、違和感をおぼえざるをえない。
象徴的なのが、首相のコメントだ。
上空を通過したミサイルを、「我が国に発射」というのは明らかに言い過ぎだし、「かつてない脅威」というのも事実ではない。
そもそも北朝鮮は、日本全域を射程にしたミサイルを、10年以上前から開発しており、今回のことで脅威が高まったわけではない。
日本上空を越えてミサイルが発射されたのも、過去に2回あり、1998年には今回と同様、事前予告がなかった。
安倍首相の様子は明らかに芝居がかかった表現で、危機を煽ろうという意図がみえみえだった。
◼️全く役に立たないJアラートをなぜ発動したのか
さらにもうひとつ、違和感を覚えたのはJアラートだ。
ホリエモンはじめ、早朝から警報音で起こされたことに、不満の声をあげている国民も多いが、必要な情報なら叩き起こされてもやむを得ないだろう。
しかし、本当にこんなものが必要だったのか。
何しろ、ミサイル発射時間は午前5時58分頃なのに、Jアラートによるアナウンスがあったのは6時2分。
6時5〜7分頃には、ミサイルが北海道上空を通過していたのだ。
わずか4分で、どうやって、「頑丈な建物や地下に避難」しろというのか。
安倍首相は会見で、
「発射直後から、北朝鮮ミサイルの動きは完全に把握していた。国民の生命と安全を守る万全な態勢を取っている」と胸をはっていたが、実際はなんの役にもたたなかったのだ。
それどころか、時間が通勤ラッシュと重なっていたら、パニックを引き起こしていた可能性もある。
100億円以上の予算がつぎ込まれてきたJアラートだが、もともと導入時から、ミサイルからの避難などには全く役に立たないと言われていた。
まさにそのことを証明してしまったわけだが、にもかかわらず、政府が今回、Jアラートを強硬に発動したのはなぜか。
そもそも、これまで、北朝鮮ミサイル関連でJアラートを発動したのは、北朝鮮が事前にミサイル発射を通告していた2012年12月12日と、2016年2月7日の2回だけ。
今年の5月14日に、中距離弾道ミサイルが発射され、日本海に落下したときにも、Jアラートは発動されなかった。
5月の発射の際、菅義偉官房長官は、「日本に飛来しないと判断し、Jアラートは使わなかった」などと述べていたが、しかし、ならば今回も同じだったはずだ。
実際、小野寺五典防衛相は、きょうの会見で、イージス艦や地対空誘導弾PAC3などで、破壊措置を実施しなかったことについて、
「わが国に向けて飛来する恐れがないと判断したからだ」とはっきり説明していた。
5月も今回も同じように「飛来する恐れはない」という認識を持ち、破壊措置を行わなかったのに、今回だけ、全く役に立たないのを承知で、Jアラートを発動したのだ。
いったいなぜか。
◼️Jアラート発動は政権浮揚のためのパフォーマンスだった
考えられるのはただひとつ、安倍政権による北朝鮮危機の政治利用のためだ。
安倍政権はこの間、森友学園疑惑、加計学園義に対する国民からの反発をかわすために、北朝鮮危機を必要以上に煽ってきた。
今回も全く同じで、疑惑に蓋をし、支持率を回復させるために、この北朝鮮ミサイル発射を利用して、Jアラートで危機を煽ろうとしたのではないか。
実際、ミサイル飛来などの国民保護事態案でのJアラートは、菅義偉官房長官が率いる内閣官房が、判断を下すことになっているが、その内閣官房が事前に、Jアラートの発動を決定していたという情報がある。
「そもそも、Jアラートは、ミサイルへの警告で使用するのはかなり困難で、事前に察知していないと、発動するのは無理、という見方が強いんです。
これまで事前通告のあった2回しか使っていないのも、そのためではないか、といわれています。
ところが、今回は、韓国からの情報で、事前に発射を察知できた。
それで、官邸は、ミサイルが発射されたら必ずJアラートを使うことに決めていたようです」(全国紙政治部記者)
たしかに、韓国の朝鮮日報(日本語版)の報道によれば、今朝のミサイル発射に先立って、
「北朝鮮のミサイル発射の兆候をとらえた」との報告を受けた文在寅大統領は、午前2時の段階で、すでに軍を待機させ、対応態勢を指示していたという。
事実ならば、日本政府も、同じ頃には、北朝鮮ミサイル発射の情報を、かなりの確度で得ていたはずだ。
「ただ、コースまでははっきり特定できなかったので、広範囲で警告を鳴らしたんでしょう。
実際、今回は、ミサイルが上空を通過した北海道から、およそ千キロも離れている長野県でも警告が鳴ったわけですからね。
こんなおおざっぱな警告じゃ、なんの対策にもならないと思いますが(笑)」(前出・全国紙政治部記者)
ようするに、あの何の役にも立たない警告音は、安倍政権のパフォーマンスでしかなかったわけだ。
いや、Jアラートだけではない。
安倍首相自身も、明らかに事前に発射を察知し、パフォーマンスを準備していたフシがある。
◼️ミサイル発射を事前に察知してパフォーマンスを用意していた安倍
というのも、普段から公邸をあまり使わない安倍首相が、昨日27日から今朝にかけては、官邸に隣接する公邸に泊まってからだ。
しかも、昨日は、午前10時に官邸に行くと、正午には、北村滋・内閣情報官、午後4時15分に石川正一郎・拉致問題対策本部事務局長、午後5時17分に兼原信克・国家安全保障局次長と金杉憲治・外務省アジア大洋州局長、同30分に薗浦健太郎・首相補佐官(安保重要政策担当)など、諜報、外交、安保周りの要人と面会し、午後6時台には公邸に入って、そのまま永田町で朝を迎えた。
誰がどうみても、本日早朝を見越したような動き方だ。
そして、安倍首相は、北朝鮮からミサイルが発射されるや、すぐさま官邸に向かい、記者団に対して例の芝居がかかったセリフを口にし、国民の危機を最大限煽ったというわけだ。
もし安倍首相が、北朝鮮のミサイル発射を、「これまでにない深刻かつ重大な脅威」ととらえ「国民の生命と安全を守る万全な態勢をとる」などというなら、
事前に察知したミサイル発射情報をきちんと公開して、国民に冷静な対処を呼びかけるべきだろう。
ところが、安倍首相は、実際に発射されるまで情報を隠し、それを自らのために利用した。
Jアラートを使って、不必要な国民の不安を煽ると同時に、自らの「迅速な対応」や「毅然とした態度」を、メディアで大げさに宣伝し、政権浮揚のきっかけにしようとしたのだ。
改めて繰り返しておくが、北朝鮮のミサイル発射自体は危険極まりなく、世界平和を求める国際社会の一員として、冷静に批判していかねばならない。
しかし、一連の北朝鮮危機と生活者の不安を煽って、好戦的な世論形成と、支持率上昇に利用しようとしている安倍政権の企みもまた、平和主義にとって危険きわまりない。
早朝から叩き起こされたことに腹を立てたホリエモンは、「クソ政府」とつぶやいて炎上しているが、それとはちがう意味で、安倍政権はまさに「クソ政府」である。
(編集部)
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常軌を逸した北朝鮮ミサイル騒動の裏に何があるのか <上>
【日刊ゲンダイ】2017年8月30日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/212538/1
◼️まるで空襲警報だったJアラートは、恐怖を煽るだけが目的なのか
朝早くに鳴り響いた「ウォーン」という警報音に、多くが異様な気配を感じたはずだ。
29日午前6時2分、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのを受け、政府は、北海道など12道県のJアラート(全国瞬時警報システム)を作動。
自治体の防災無線の他、携帯電話に緊急速報メールが流された。
テレビ各局の画面も一斉に切り替わり、アナウンサーが屋内への避難を呼びかけるコメントを繰り返す。
6時10分すぎにNHKが流した速報は、「北朝鮮からミサイルが、東北地方の方向に発射されたもよう」。
その後、ミサイルが日本上空を通過したことが伝えられたが、まるで日本列島を直撃する「空襲警報」かというような緊迫感だった。
だから、住民がパニックになったのも無理はない。
北海道警には、「どこへ逃げればいいんだ」という110番が、90件以上あった。
新幹線や在来線は、一時運転を見合わせ。
自治体は大わらわで、休校にする学校も相次いだ。
だが、Jアラートからミサイル上空通過までわずか5分、襟裳岬東約1180キロの太平洋上に落下するまで10分。
そんな短時間に避難などできるわけがない。
「地下に行けと言われたって、この辺りは地下がない」
「頑丈な建物へ逃げようと山形県庁に行ったが、入れてもらえなかった」という、冗談みたいな光景が各地で展開された。
政府は全国でミサイル避難訓練を行ってきたが、これが現実なのである。
北朝鮮のミサイル強行発射はとんでもない。
しかし、ミサイルは日本列島上空を通過しただけであり、人的物的被害は一切出ていないのに、テレビも交通機関も自治体も、大騒ぎしすぎじゃないのか。
「日本国内が過剰に反応すればするほど、北朝鮮の思うツボですよ。
騒ぎを起こして、世界に見せつけようというのが、北の狙いなのですから。
それに、国民が不安を感じざるを得なくなってしまったのは、外交・安保政策の失敗にあるのに、
安倍政権は不安を煽って、対外緊張を支持率回復につなげようとしている。ひどい話です」(政治学者の五十嵐仁氏)
常軌を逸した反応は、そんないかがわしい安倍政権を、後押しすることになるだけなのである。
◼️米朝の戦争に首を突っ込んで、ついに脅しの標的にされるアホらしさ
ミサイル発射後、官邸でぶら下がり会見を行った安倍首相は、
「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威である」とイキリ立った。
過去にも北朝鮮のミサイルが、事前通告なく日本上空を通過したことはあるのだが、今回の脅威はレベルが違うと言わんばかりだ。
「そもそも、北朝鮮が見ているのは、米国の反応だけです。
もし、本当に、日本に対してミサイル攻撃を仕掛けてきたとしたら、北朝鮮にそんな行動を許した日本外交の大失敗ですよ。
なぜ米国や韓国ではなく、日本が真っ先に標的にされなければならないのか。
それだけで、内閣総辞職ものの責任問題です」(元外交官の天木直人氏)
北朝鮮が米国を敵視するのは分かる。
1953年、米国を主体とする国連軍と、北朝鮮・中国軍との間で、休戦協定が結ばれて60年以上が経つが、まだ朝鮮戦争は終わっていない。
停戦状態にあるだけだからだ。
米朝が交戦状態になれば、在日米軍基地が攻撃対象になる可能性はあるが、本来は、日本が軍事攻撃の標的にされる理由はない。
米朝の戦争に首を突っ込んで、脅しの標的にされるなんて、アホみたいな話なのである。
ところが2年前、安倍は、「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にありえない」と言って、集団的自衛権の行使を可能にする安保法を強行成立させた。
同盟強化の名のもとに、米軍との一体化が進めば、日本がミサイル攻撃の標的になるリスクは高まる。
自分で危機を招き入れておいて、ミサイルが上空を通過すると、Jアラートを鳴らして大騒ぎ。
この裏にはどんな狙いがあるのか、気づく必要がある。
◼️北朝鮮がこのタイミングで様々な強硬手段に出ている理由
北朝鮮は、今年になって、13回も弾道ミサイルを発射しているが、特に最近、その攻勢を強めていた。
7月には、ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星14号」を2度発射し、今月9日には、米領グアム沖への「火星12号」の発射計画を発表。
21日から米韓合同軍事演習が始まると、「火遊びする愚か者の行動を黙って見ているだけではない」と警告。
26日には、日本海に向けて、新型多連装ロケット砲弾3発を発射した。
そしてわずか3日後に、弾道ミサイル「火星12号」の発射を強行したのである。
なぜ、北はこのタイミングで、立て続けに強硬手段に打って出るのか。
元韓国国防省分析官で、拓殖大学国際開発研究所の高永テツ客員研究員はこうみる。
「金正恩朝鮮労働党委員長の暴走のように見えますが、優秀なコンサルタントがいて、北は、“一石三鳥”とも言えるシタタカな戦略を持っています。
米韓合同軍事演習への牽制、先軍節など記念日に合わせた国威発揚、確実に進化している技術力の誇示です。
先月28日深夜の火星14号は、ロフテッド軌道で、米本土までの射程を示した。
今回は、通常軌道では難易度が上がる、大気圏再突入にも成功したのです。
北には焦りがある。
国内には、韓国などからの情報が流入していて、金正恩体制に疑問を抱く国民が、現在3割近くに上ります。
北は、オバマと違ってトランプなら、挑発に乗ってくると踏んでいます。
米国からの攻撃をギリギリ避けながら、挑発を繰り返し、この機に米朝交渉まで持っていこうという算段です」
北は、着々と、歩を進めているというわけである。
******* ******* ******* *******
安倍首相公邸泊、ミサイル把握か=野党が指摘―衆院委
【時事通信】2017年8月30日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170830-00000084-jij-pol
「安倍晋三首相が公邸に宿泊したのは、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した前日だけだ」。
民進党の後藤祐一衆院議員は、30日の衆院安全保障委員会で、政府の初動態勢に関し、こう指摘した。
西村康稔官房副長官は、「常日頃から、緊張感を持って情報分析をしている結果だ」とかわしたが、
後藤氏は北朝鮮に見抜かれるとして、「普段から公邸に泊まった方がいい」と助言した。
今月、首相が公邸に泊まったのは、25、28両日のみ。
いずれも翌早朝に、北朝鮮がミサイルを発射しており、事前に兆候を察知していたとみられる。
25日は夜の会合などを入れず、28日夜も公邸内で、自民党役員らと会食したのみ。
出席者の1人は、「首相はあまり酒を飲まなかった」と話していた。
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戦争に巻き込もうとする輩たちの、権力と金と根回しのテクニックを駆使した、あまりにもあからさまな挑発行為と、それにまんまと騙されていく人々。
それにしてもなぜここまで、マスコミは追従してしまうのか。
ニュースキャスターも有識者も、専門家も新聞記者も素人も、煽る側と煽られる側に分かれてしまって、その間にある真実を調べようとも知ろうともしない。
日本は、無茶苦茶な言動を続ける恥知らずな政権に巻き込まれたまま、一体どこまで落ちようとしているんでしょう。
いや、そんなはずはない、きっと気づいて修正し始める。
そう思って今も待っているのですが、気づきの兆候はまだ見えてきません。
常に公邸に居るべき首相が、平然と私邸に住み続け、重い症状の持病があるにも関わらず、酒を飲んで赤ら顔をさらけ出す。
それだけでも十分、安倍氏は首相不適合のはずです。
今回は、〝完全〟〝完璧〟〝最高〟オタクの自分の見栄えを良くしようと、床屋で髪をスッキリ整えてもらい、記者会見に臨んだようです。
そして、いつもの、カナ振りがあちこちに書き込まれた原稿を読むのではなく、自分で話さなければならなかった彼はいきなり、
「我が国に、北朝鮮がミサイルを発射し」?!などという、トンデモな言葉を吐いたのでした。
これだけでも十分、責任感と認識の浅さを問えるものだと思うのですが…。
その、安倍晋三版『これまでにない深刻かつ重大な脅威』を盛り上げるために、
大都市を除いた各地で一斉に、役立たずなくせにうるさくて有名な『Jアラート』なるものを鳴らし、新幹線や在来線の運転を停止しさせ、テレビでは『空襲警報』さながらの、恐ろしい言葉を繰り返しました。
「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」
似てるんです。
ブッシュ政権が、イラク戦争を始めたくてうずうずしていた頃に。
テレビ画面の端っこにはいつも、危険度を示す棒グラフが表示されていて、危険が赤色、やや危険がオレンジ色、注意が黄色、問題なしはなんだったっけ…。
とにかくその棒が、テレビをつけると真っ先に目に飛び込んで来て、否が応でも平常ではないんだぞ、危険が迫ってるんだぞという警告を受け続けていくうちに、
それまで声高に、戦争を起こすことの愚かさを説き反対を唱えていた新聞やテレビまでもが、だんだんと元気が無くなってきて、そのうちに、わたしたち市民の間にも、その元気の無さが伝染してしまいました。
戦争なんて絶対に嫌だ!
これ以上、どちらの国の兵士も、戦争を理由に人を殺したり殺されたりしないよう、わたしたちは断固反対する!
でもこの国は、世界でも最大最強と言われている軍隊があります。
税金を湯水のように使って作った兵器は有り余っていて、軍産複合体が幅を利かせている上に、目の前で大勢の人たちが殺されたことへの恐怖と憤りが、まだまだフレッシュな時でもありました。
気がついた時には、もう誰も彼もが、戦争は致し方がないという考え方を、堂々と、人によってはこっそりと持っていて、
それでも絶対にやってはいけない、などと言う人は、この国のユナイテッド精神を放棄しているのかというような、いやーな圧力を感じるようになりました。
でも、Jアラートのような暴力的な音で脅かすようなことはしなかったし、頭を抱えて座り込むようなバカげた訓練を強要されることもなかったし、公共機関も全く止められませんでした。
そんなことを強要したら、文句を言う人、怒る人が続出して、話にならないからです。
ただ、冷戦時代は違ったと、夫は言います。
ここでだって、すごいプロパガンダが行われていたと。
古賀茂明氏:
アメリカでは冷戦時代に、連邦各省庁、州政府などが、競って核戦争対策のマニュアルを国民に配布し、
農民はどうやって身を守るか、一般家庭ではどうするかなどが具体的に解説された。核爆発の威力を示す映像も流された。
国民の恐怖感は高まり、それが憎悪に変わって、ソ連を叩けという声が高まった。
お願いです。
メディアの皆さん、記者クラブの皆さん、議員の皆さん、有識者の皆さん、学者の皆さん、そして市井の市民の皆さん、
日本はかなりヤバいところに来ちゃってますよ。
そろそろ重い腰を上げ、重い口を開いて、己の政権の存続、議員生命の維持のためにならなんでもするという安倍政権に、鋭い監視の目を注いでください。
そして、ミサイルが飛ぶ前日だけ公邸に入り、それでも普段通りの豪華な食事を摂り、翌日のカメラ映りのために床屋に行って小ざっぱりしているような男に、
そして、状況判断ができないというより状況そのものが理解できない知能と、浅ましい金銭欲と自己顕示欲の塊のような男に、総理大臣という重要な役割は不相応です。
そのことを十分に察知しておりながら、太鼓持ちを続ける姿は、世にも愚かで醜い。
どうか皆さん、もう瀬戸際まできてしまっていることを知ってください!認めてください!
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フェイスブックで流れてきた、北朝鮮についての一つの見方。
1950年朝鮮戦争。
3年続いた朝鮮戦争は、1953年に停戦。
停戦協定では、「すべての外国軍は、朝鮮半島から撤収する事」「恒久的な平和のために、平和協定を締結する事」に合意。
停戦協定に従って、中国人民義勇軍は北から全面撤収しましたが、ところがアメリカ軍は、今日に至るまで韓国に駐留し続け、平和協定を締結するという約束にも応じていない。
朝鮮半島の戦争の危機の根本的原因は、アメリカによる停戦協定違反です。
1976年、平壌に、核攻撃を加える事を前提にした韓米合同軍事演習が、30万という世界最大、史上最大規模で始まりました。
それまで北の背後には、ソ連と中国の存在がありましたが、1991年にまさかのソ連崩壊。
翌1992年には韓中国交樹立。
後ろ盾を失った、絶体絶命のピンチに追い込まれた北朝鮮は、世界最強の核軍事大国であるアメリカと、単独で向き合わねばならなくなりました。
そして、2003年、ブッシュ大統領がイラク、イラン、北朝鮮を、一方的に「悪の枢軸」と決めつけ、イラクに侵略。
ブッシュは、「イラクの次は北朝鮮だ」と公然と言い放ち、ついに北は、2006年、祖国防衛のために核武装を決断。
トランプが大統領になり、どういう対北朝鮮政策を打ち出すか注視するなか、今年1月、北朝鮮は新年辞で、「ICBMの発射準備はすべて整った」と表明。
ICBMを避けたければ、軍事演習を中止せよとのメッセージを送りました。
北は「軍事演習を中止すれば、核とミサイルを凍結する。そして朝米対話を始めよう。平和協定を締結しよう」と一貫して訴えてきました。
この北朝鮮のメッセージに対し、トランプは3月、韓米軍事演習を始め、軍事演習後もカールビンソンを朝鮮半島近海に派遣し、軍事的圧力を強めていきます。
最近の北朝鮮のミサイル発射も、21日から始まる韓米合同軍事演習へのメッセージです。
日本のメディアでは、「北朝鮮による戦争瀬戸際政策」などと言われますが、今の状況を正確に表現するなら、トランプ政権によって、「戦争瀬戸際政策」が展開されているのです。
8月15日、韓国は、日本から解放された光復節を迎えました。
この日、一万人が、在韓アメリカ大使館に抗議行動を起こしました。
韓国国民は、今の危機的状況を誰が作り、平和に向けて誰が決断すべきか、わかっています。
そして北朝鮮も、着々と、アメリカに対抗する軍事力を誇示し、「いつまでこの状態においておくのか」とアメリカに決断を迫っているのです」
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役立たず「Jアラート」を使ったのは、北朝鮮危機を煽りたい安倍政権のパフォーマンスだった!
【LITERA】2017年8月29日
http://lite-ra.com/i/2017/08/post-3420-entry.html
本日8月29日、早朝の北朝鮮による弾道ミサイル発射は、日本の国民にかつてない恐怖感を与えた。
何しろ、早朝から、全国瞬時警報システム「Jアラート」と、緊急情報ネットワークシステム「エムネット」が発動したのだ。
北海道や東北、北陸、北関東地方の広範囲で警報が鳴り、新幹線や在来線なども運転を停止。
Jアラートを受けたNHKや民放各局も、「国民の保護に関する情報」の速報を打った。
黒塗りの画面の白抜き文字とともに、
「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」なる無機質なアナウンスを聞いて、一瞬、パニックに近い状態なった人も少なくなかったはずだ。
官邸の姿勢も、緊迫感に拍車をかけた。
安倍首相は、官邸に到着したときの会見で、「我が国に、北朝鮮がミサイルを発射し」などと発言。
そのあとの会見でも、
「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威」と記者団に語った。
こうした官邸の姿勢にひきずられるように、テレビ局も朝から報道特番体制をしいて、この問題を大々的に報道。
「これまでにない脅威」「日本にとって非常に深刻な事態」と、首相そっくりのコメントを垂れ流した。
もちろん、北朝鮮が、事前通告もなく、日本の上空にミサイル発射したことは、国際法違反のみならず、国際社会で大きくなっていた対話の動きをひっくり返すものであり、徹底的に批判する必要がある。
しかし、同時に、この日本の騒ぎ方、危機の煽り方にも、違和感をおぼえざるをえない。
象徴的なのが、首相のコメントだ。
上空を通過したミサイルを、「我が国に発射」というのは明らかに言い過ぎだし、「かつてない脅威」というのも事実ではない。
そもそも北朝鮮は、日本全域を射程にしたミサイルを、10年以上前から開発しており、今回のことで脅威が高まったわけではない。
日本上空を越えてミサイルが発射されたのも、過去に2回あり、1998年には今回と同様、事前予告がなかった。
安倍首相の様子は明らかに芝居がかかった表現で、危機を煽ろうという意図がみえみえだった。
◼️全く役に立たないJアラートをなぜ発動したのか
さらにもうひとつ、違和感を覚えたのはJアラートだ。
ホリエモンはじめ、早朝から警報音で起こされたことに、不満の声をあげている国民も多いが、必要な情報なら叩き起こされてもやむを得ないだろう。
しかし、本当にこんなものが必要だったのか。
何しろ、ミサイル発射時間は午前5時58分頃なのに、Jアラートによるアナウンスがあったのは6時2分。
6時5〜7分頃には、ミサイルが北海道上空を通過していたのだ。
わずか4分で、どうやって、「頑丈な建物や地下に避難」しろというのか。
安倍首相は会見で、
「発射直後から、北朝鮮ミサイルの動きは完全に把握していた。国民の生命と安全を守る万全な態勢を取っている」と胸をはっていたが、実際はなんの役にもたたなかったのだ。
それどころか、時間が通勤ラッシュと重なっていたら、パニックを引き起こしていた可能性もある。
100億円以上の予算がつぎ込まれてきたJアラートだが、もともと導入時から、ミサイルからの避難などには全く役に立たないと言われていた。
まさにそのことを証明してしまったわけだが、にもかかわらず、政府が今回、Jアラートを強硬に発動したのはなぜか。
そもそも、これまで、北朝鮮ミサイル関連でJアラートを発動したのは、北朝鮮が事前にミサイル発射を通告していた2012年12月12日と、2016年2月7日の2回だけ。
今年の5月14日に、中距離弾道ミサイルが発射され、日本海に落下したときにも、Jアラートは発動されなかった。
5月の発射の際、菅義偉官房長官は、「日本に飛来しないと判断し、Jアラートは使わなかった」などと述べていたが、しかし、ならば今回も同じだったはずだ。
実際、小野寺五典防衛相は、きょうの会見で、イージス艦や地対空誘導弾PAC3などで、破壊措置を実施しなかったことについて、
「わが国に向けて飛来する恐れがないと判断したからだ」とはっきり説明していた。
5月も今回も同じように「飛来する恐れはない」という認識を持ち、破壊措置を行わなかったのに、今回だけ、全く役に立たないのを承知で、Jアラートを発動したのだ。
いったいなぜか。
◼️Jアラート発動は政権浮揚のためのパフォーマンスだった
考えられるのはただひとつ、安倍政権による北朝鮮危機の政治利用のためだ。
安倍政権はこの間、森友学園疑惑、加計学園義に対する国民からの反発をかわすために、北朝鮮危機を必要以上に煽ってきた。
今回も全く同じで、疑惑に蓋をし、支持率を回復させるために、この北朝鮮ミサイル発射を利用して、Jアラートで危機を煽ろうとしたのではないか。
実際、ミサイル飛来などの国民保護事態案でのJアラートは、菅義偉官房長官が率いる内閣官房が、判断を下すことになっているが、その内閣官房が事前に、Jアラートの発動を決定していたという情報がある。
「そもそも、Jアラートは、ミサイルへの警告で使用するのはかなり困難で、事前に察知していないと、発動するのは無理、という見方が強いんです。
これまで事前通告のあった2回しか使っていないのも、そのためではないか、といわれています。
ところが、今回は、韓国からの情報で、事前に発射を察知できた。
それで、官邸は、ミサイルが発射されたら必ずJアラートを使うことに決めていたようです」(全国紙政治部記者)
たしかに、韓国の朝鮮日報(日本語版)の報道によれば、今朝のミサイル発射に先立って、
「北朝鮮のミサイル発射の兆候をとらえた」との報告を受けた文在寅大統領は、午前2時の段階で、すでに軍を待機させ、対応態勢を指示していたという。
事実ならば、日本政府も、同じ頃には、北朝鮮ミサイル発射の情報を、かなりの確度で得ていたはずだ。
「ただ、コースまでははっきり特定できなかったので、広範囲で警告を鳴らしたんでしょう。
実際、今回は、ミサイルが上空を通過した北海道から、およそ千キロも離れている長野県でも警告が鳴ったわけですからね。
こんなおおざっぱな警告じゃ、なんの対策にもならないと思いますが(笑)」(前出・全国紙政治部記者)
ようするに、あの何の役にも立たない警告音は、安倍政権のパフォーマンスでしかなかったわけだ。
いや、Jアラートだけではない。
安倍首相自身も、明らかに事前に発射を察知し、パフォーマンスを準備していたフシがある。
◼️ミサイル発射を事前に察知してパフォーマンスを用意していた安倍
というのも、普段から公邸をあまり使わない安倍首相が、昨日27日から今朝にかけては、官邸に隣接する公邸に泊まってからだ。
しかも、昨日は、午前10時に官邸に行くと、正午には、北村滋・内閣情報官、午後4時15分に石川正一郎・拉致問題対策本部事務局長、午後5時17分に兼原信克・国家安全保障局次長と金杉憲治・外務省アジア大洋州局長、同30分に薗浦健太郎・首相補佐官(安保重要政策担当)など、諜報、外交、安保周りの要人と面会し、午後6時台には公邸に入って、そのまま永田町で朝を迎えた。
誰がどうみても、本日早朝を見越したような動き方だ。
そして、安倍首相は、北朝鮮からミサイルが発射されるや、すぐさま官邸に向かい、記者団に対して例の芝居がかかったセリフを口にし、国民の危機を最大限煽ったというわけだ。
もし安倍首相が、北朝鮮のミサイル発射を、「これまでにない深刻かつ重大な脅威」ととらえ「国民の生命と安全を守る万全な態勢をとる」などというなら、
事前に察知したミサイル発射情報をきちんと公開して、国民に冷静な対処を呼びかけるべきだろう。
ところが、安倍首相は、実際に発射されるまで情報を隠し、それを自らのために利用した。
Jアラートを使って、不必要な国民の不安を煽ると同時に、自らの「迅速な対応」や「毅然とした態度」を、メディアで大げさに宣伝し、政権浮揚のきっかけにしようとしたのだ。
改めて繰り返しておくが、北朝鮮のミサイル発射自体は危険極まりなく、世界平和を求める国際社会の一員として、冷静に批判していかねばならない。
しかし、一連の北朝鮮危機と生活者の不安を煽って、好戦的な世論形成と、支持率上昇に利用しようとしている安倍政権の企みもまた、平和主義にとって危険きわまりない。
早朝から叩き起こされたことに腹を立てたホリエモンは、「クソ政府」とつぶやいて炎上しているが、それとはちがう意味で、安倍政権はまさに「クソ政府」である。
(編集部)
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常軌を逸した北朝鮮ミサイル騒動の裏に何があるのか <上>
【日刊ゲンダイ】2017年8月30日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/212538/1
◼️まるで空襲警報だったJアラートは、恐怖を煽るだけが目的なのか
朝早くに鳴り響いた「ウォーン」という警報音に、多くが異様な気配を感じたはずだ。
29日午前6時2分、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのを受け、政府は、北海道など12道県のJアラート(全国瞬時警報システム)を作動。
自治体の防災無線の他、携帯電話に緊急速報メールが流された。
テレビ各局の画面も一斉に切り替わり、アナウンサーが屋内への避難を呼びかけるコメントを繰り返す。
6時10分すぎにNHKが流した速報は、「北朝鮮からミサイルが、東北地方の方向に発射されたもよう」。
その後、ミサイルが日本上空を通過したことが伝えられたが、まるで日本列島を直撃する「空襲警報」かというような緊迫感だった。
だから、住民がパニックになったのも無理はない。
北海道警には、「どこへ逃げればいいんだ」という110番が、90件以上あった。
新幹線や在来線は、一時運転を見合わせ。
自治体は大わらわで、休校にする学校も相次いだ。
だが、Jアラートからミサイル上空通過までわずか5分、襟裳岬東約1180キロの太平洋上に落下するまで10分。
そんな短時間に避難などできるわけがない。
「地下に行けと言われたって、この辺りは地下がない」
「頑丈な建物へ逃げようと山形県庁に行ったが、入れてもらえなかった」という、冗談みたいな光景が各地で展開された。
政府は全国でミサイル避難訓練を行ってきたが、これが現実なのである。
北朝鮮のミサイル強行発射はとんでもない。
しかし、ミサイルは日本列島上空を通過しただけであり、人的物的被害は一切出ていないのに、テレビも交通機関も自治体も、大騒ぎしすぎじゃないのか。
「日本国内が過剰に反応すればするほど、北朝鮮の思うツボですよ。
騒ぎを起こして、世界に見せつけようというのが、北の狙いなのですから。
それに、国民が不安を感じざるを得なくなってしまったのは、外交・安保政策の失敗にあるのに、
安倍政権は不安を煽って、対外緊張を支持率回復につなげようとしている。ひどい話です」(政治学者の五十嵐仁氏)
常軌を逸した反応は、そんないかがわしい安倍政権を、後押しすることになるだけなのである。
◼️米朝の戦争に首を突っ込んで、ついに脅しの標的にされるアホらしさ
ミサイル発射後、官邸でぶら下がり会見を行った安倍首相は、
「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威である」とイキリ立った。
過去にも北朝鮮のミサイルが、事前通告なく日本上空を通過したことはあるのだが、今回の脅威はレベルが違うと言わんばかりだ。
「そもそも、北朝鮮が見ているのは、米国の反応だけです。
もし、本当に、日本に対してミサイル攻撃を仕掛けてきたとしたら、北朝鮮にそんな行動を許した日本外交の大失敗ですよ。
なぜ米国や韓国ではなく、日本が真っ先に標的にされなければならないのか。
それだけで、内閣総辞職ものの責任問題です」(元外交官の天木直人氏)
北朝鮮が米国を敵視するのは分かる。
1953年、米国を主体とする国連軍と、北朝鮮・中国軍との間で、休戦協定が結ばれて60年以上が経つが、まだ朝鮮戦争は終わっていない。
停戦状態にあるだけだからだ。
米朝が交戦状態になれば、在日米軍基地が攻撃対象になる可能性はあるが、本来は、日本が軍事攻撃の標的にされる理由はない。
米朝の戦争に首を突っ込んで、脅しの標的にされるなんて、アホみたいな話なのである。
ところが2年前、安倍は、「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にありえない」と言って、集団的自衛権の行使を可能にする安保法を強行成立させた。
同盟強化の名のもとに、米軍との一体化が進めば、日本がミサイル攻撃の標的になるリスクは高まる。
自分で危機を招き入れておいて、ミサイルが上空を通過すると、Jアラートを鳴らして大騒ぎ。
この裏にはどんな狙いがあるのか、気づく必要がある。
◼️北朝鮮がこのタイミングで様々な強硬手段に出ている理由
北朝鮮は、今年になって、13回も弾道ミサイルを発射しているが、特に最近、その攻勢を強めていた。
7月には、ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星14号」を2度発射し、今月9日には、米領グアム沖への「火星12号」の発射計画を発表。
21日から米韓合同軍事演習が始まると、「火遊びする愚か者の行動を黙って見ているだけではない」と警告。
26日には、日本海に向けて、新型多連装ロケット砲弾3発を発射した。
そしてわずか3日後に、弾道ミサイル「火星12号」の発射を強行したのである。
なぜ、北はこのタイミングで、立て続けに強硬手段に打って出るのか。
元韓国国防省分析官で、拓殖大学国際開発研究所の高永テツ客員研究員はこうみる。
「金正恩朝鮮労働党委員長の暴走のように見えますが、優秀なコンサルタントがいて、北は、“一石三鳥”とも言えるシタタカな戦略を持っています。
米韓合同軍事演習への牽制、先軍節など記念日に合わせた国威発揚、確実に進化している技術力の誇示です。
先月28日深夜の火星14号は、ロフテッド軌道で、米本土までの射程を示した。
今回は、通常軌道では難易度が上がる、大気圏再突入にも成功したのです。
北には焦りがある。
国内には、韓国などからの情報が流入していて、金正恩体制に疑問を抱く国民が、現在3割近くに上ります。
北は、オバマと違ってトランプなら、挑発に乗ってくると踏んでいます。
米国からの攻撃をギリギリ避けながら、挑発を繰り返し、この機に米朝交渉まで持っていこうという算段です」
北は、着々と、歩を進めているというわけである。
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安倍首相公邸泊、ミサイル把握か=野党が指摘―衆院委
【時事通信】2017年8月30日
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170830-00000084-jij-pol
「安倍晋三首相が公邸に宿泊したのは、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した前日だけだ」。
民進党の後藤祐一衆院議員は、30日の衆院安全保障委員会で、政府の初動態勢に関し、こう指摘した。
西村康稔官房副長官は、「常日頃から、緊張感を持って情報分析をしている結果だ」とかわしたが、
後藤氏は北朝鮮に見抜かれるとして、「普段から公邸に泊まった方がいい」と助言した。
今月、首相が公邸に泊まったのは、25、28両日のみ。
いずれも翌早朝に、北朝鮮がミサイルを発射しており、事前に兆候を察知していたとみられる。
25日は夜の会合などを入れず、28日夜も公邸内で、自民党役員らと会食したのみ。
出席者の1人は、「首相はあまり酒を飲まなかった」と話していた。
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