ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ロートレックに縁のあるシャトー@ボルドー

2011-12-26 16:56:26 | ワイン&酒
この秋に出会った、印象的なワインをひとつ紹介します。


Chateau Malrome 2007 シャトー・マルロメ (仏、AOCボルドー・シューペリュール)

エチケットの紳士は、画家のアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック (1864~1901)

ロートレックといえば、「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」(1891年)や「ディヴァン・ジャポネ」(1893年などのリトグラフポスターが著名で、見れば誰もがすぐにピンと来るはずの画家。

画家であるロートレックの顔がなぜボルドーワインのエチケットに?



ロートレックは、フランス南西ミディ・ピレネー地方タルン県庁アルビ近郊のボスク城で、名門貴族の子息として誕生します。
足の骨折や大学受験失敗を経て画家の道に進み、パリに出てモンマルトルを拠点に活動をしていましたが、ポスター第1作の「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」で名声を得ます。彼は1901年に37歳で亡くなるまで、約360点もの版画を制作しました。

ロートレックが亡くなったのが、母親が所有するChateau Malrome(マルロメ城) でした。

彼は1899年にアルコール中毒の発作で入院し、パリを離れるも、また戻り、1900年にはボルドーに滞在します。1901年に再度パリに戻りますが、酒好きは相変わらずでアル中の症状が深刻となり、母がマロメ城に呼び寄せましたが、9月9日に同城にて息を引き取りました。ロートレックの墓があるのもマルロメ城に近いヴェルドレという地です。

ということから、シャトー・マルロメにはロートレックの顔が描かれています。

以前はパッとしないワインだったようですが、2005年に経営が替わり、著名醸造家などの関与もあり、急激に品質向上を遂げて高い評価を得ています。

場所はボルドーの南東、ルーピアックやサン・クロワ・デュ・モンの少し南東。
カベルネ・ソーヴィニヨン41%、メルロ39%、カベルネ・フラン15%、マルベック5%のブレンドで、果実味がきっちり凝縮し、気品ある厚みがあり、モダンで洗練されたスタイルの赤ワインです。よくできていると思いました。



ロートレックは相当の 美食家 としても知られており、いくつもの料理レシピを残しています。
彼は本当に、食べること、飲むことが好きだったんですね。
が、お酒のせいでわずか37年の生涯を終えていただなんて、ワイン好きにはちょっと耳の痛い話ではありますが・・・

輸入元希望小売価格は 2,000円(税別)
この品質でこのプライスは非常に魅力的だと思いました。
しかも、素敵なストーリーを持っているので、テーブルが大いに盛り上がるのでは?

ロートレックの絵の好きな方へのプレゼントにもいいですね


(輸入元:株式会社アルカン)





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