ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

第21回 Chateau Suau@「キャッチ The 生産者」

2009-02-02 11:06:42 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2006年4月11日)

第21回  Monique Bonnet  <DUO@Chateau Suau>

今回のゲスト、モニク・ボネさんは、フランスのプルミエール・コート・ド・ボルドーにあるシャトー・スオウのオーナーです。
モニクさんは、新しいスクリューキャップワイン「DUO」(デュオ)の紹介のために来日しました。



<Monique Bonnet>モニクさんの父クロードさんが資金提供し、1986年にボネ家がシャトー・スオウを取得。
以降、それまでは栄養士やダイエット関係の仕事に従事していたモニクさんがシャトーのオーナーとして就任。現在に至る 。


ボルドーでスクリューキャップ?

シャトー・スオウはプルミエール・コート・ド・ボルドーに82haの土地を所有し、うちブドウ畑は59ha。小石と粘土がモザイク状に入り混ざった土壌です。
赤品種ではメルロ(50%)、カベルネ・ソーヴィニヨン(30%)、カベルネ・フラン(20%)を、白品種ではソーヴィニヨン・ブラン(40%)、セミヨン(40%)、ミュスカデル(20% )を栽培し、豊富な資金力のもと、最新の醸造設備を駆使したワインづくりを行っています。
特にオーク樽を使用した白ワインは、国際的にも非常に高い評価を得ています。

そうした高品質ワインを生産する一方で、モニクさんは新しいタイプのワイン「DUO」を誕生させました。しかも、スクリューキャップというから驚きです!

ボルドーでスクリューキャップ栓とは、一体どんなワインなのでしょうか?



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AOCプルミエール・コート・ド・ボルドー

ボルドーのワイン生産地域はかなり広範囲に広がっていますが、
ポイントは3つの川
フランスの南西部を東から西に流れるドルドーニュ川と南から北に流れるガロンヌ川が合流してジロンド川となり、大西洋に注いでいます。
これらの川の流域の地形や土壌はさまざまで、それらが各地域のワインに独特の個性をもたらしています。

プルミエール・コート・ド・ボルドーはガロンヌ河の右岸沿いに広がる地域です。赤ワインは早飲みでフルーティーなものが多いといわれてきました。しかし、しっかりした色とコクを持つワインもあり、繊細な味わいのワインもあり…と、ひとことでは言い表せません。 ここは、今後見守りたい生産地域のひとつでしょう。

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Q.DUO はいつから生産していますか?
A.2002年ヴィンテージからです。

Q.DUOと従来のシャトー・スオウのワインと違う点は?
A.私が今まで手がけてきたワインというのは、赤であればタンニンがしっかりとしたクラッシックなもので、つまりボルドーの基本ともいえるワインでした 。

しかしDUOは、赤も白も味わいはフレッシュでみずみずしく、ボトルに詰めたらすぐ飲めるワイン、というコンセプトでつくりました。ボルドーの伝統的な、長く寝かせておいて飲むタイプのワインではありません。

Q.なぜDUOにスクリューキャップを採用したのですか?
A.DUOは、買ってきたらすぐにでも楽しんでいただきたいワインですから、栓が簡単に開けられる方がいいでしょう?

開けて、注いで、キャップを閉めてと、とても簡単だし、ボトルに残ったワインをそのまま取っておけるのもスクリューキャップのメリット。きっちりキャップを閉めておけば、また別の日に楽しむことができますもの。

Qスクリューキャップを採用しているワイナリーは、ボルドーでは現在どのくらいありますか?
A.はっきりとした数はわからないけど、まだそんなに多くないと思うわ。たぶん15ほどじゃないかしら?

Q.DUOに合うオススメの料理は?
A.白はアロマが豊かだけれど口当たりが爽やかなので、さっぱりとした料理に。
赤は中華料理とかのスパイシーな味付けの料理に合うと思うわ。

Q.DUOはどんなふうに楽しんだらいいでしょう?
A.好きなときに好きなように楽しんでほしいと思っています。ちょっとした集まりやピクニック、クリスマスetc…。
どんなときにでも気軽に飲めるのがDUOの良いところよ。

Q.ラベルがとても親しみやすくてキュートですね。描かれているは?
A.これは"特別な鳥よ"(笑)。"ルルー"という名前で、いつも動き回っていて、立ち止まらないの。

Q.特別なギフトパッケージボックスがあるとか?
A.2本入りのかわいいギフトボックスがあるので、一番のお勧めはバレンタインのプレゼント用ね。1本は彼が、もう1本はあなたが飲む、というのはどうかしら?(笑) 母の日や父の日の贈り物にも最適よ。





<テイスティングしたワイン>

DUO@Chateau Suau Blanc 2004<AOCボルドー>
セミヨン(Se)45%、ソーヴィニヨン・ブラン(SB)40%、ムスカデル(Mu)15%のブレンド。ソーヴィニヨン・ブランのアロマがとても豊かに香り立ち、爽やかで、ほどよいコクもあり、みずみずしさにあふれたフレッシュなワイン。これからの季節なら、テラスでくつろぎながら飲みたくなること請け合い!

DUO@Chateau Suau Rouge 2002<AOCプルミエール・コート・ド・ボルドー>
なめらかでスルスルとしたノド越し。果実味がやわらかく、タンニンはまろやかで、バランスも良好。ハンバーグ、焼き鳥、肉ジャガといった、普段のご飯にも合わせられそうな、使い勝手のいい赤。気温が高いときは少し冷やしても。メルロ(Me)60%、カベルネ・ソーヴィニヨン(CS)40%のブレンド。

Chateau Suau Blanc Cuvee Tradition 2004
DUOのワンランク上の白ワイン。ステンレスタンクを使って発酵、熟成を行っているクリーンなスタイルのワインで、ボルドーの気品をしっかり備えながらもリーズナブルなプライスが魅力。SB50%、Se40%、Mu10%のブレンド。

Chateau Suau Rouge Cuvee Tradition 2001
DUOのワンランク上の赤ワイン。Me40%、CS40%、カベルネ・フラン(CF)20%。きれいにバランスが取れた、ふくよかな味わい。CFが入ることで、より複雑になり、エレガントさも感じます。

Chateau Suau Blanc Prestige 2004
オークの新樽を100%使って熟成(8ヶ月)させているため、ボディに厚みがあり、豊かなコクがあります。文句なしにウマイ!と思わせる、本格的なボルドーの白。クリームを使った料理などにピッタリ。SBとSe各50%。

Chateau Suau Rouge Prestige 1999
オークの新樽を使って熟成(12ヶ月)。典型的なボルドーのスタイルと品の良さを持った赤ワイン。タンニンにきっちりとした存在感があり、飲みごたえがあります。ようやく飲み頃を迎えつつあり、まろみも出てきました。CSとMe各50%。


※シャトー・スオウでは、甘口の貴腐ワイン"カディヤック"(Cadillac)も生産しています。
  生産本数が少ない希少なもので、15年以上の熟成が可能です。



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インタビューを終えて


モニクさんは本当に陽気な女性で、ついつい彼女の楽しげな話しぶりに引き込まれてしまいます。

今回モニクさんが紹介してくれた「DUO」は、楽しくおしゃべりをしながら、いつのまにかグラスを重ねてしまう、そんなワインです。

そのまま飲んでもいいし、軽くなにかをつまみながら、また、しっかり食事をしながらでも楽しめるという柔軟さも嬉しいポイント。
特にラベルに描かれている"ルルー"の存在が楽しく、このルルーは格好の肴になってくれそうですよ。



"ボルドーワイン"というと、ちょっと気取っていて、敷居が高くて、なんだか敬遠しちゃうのよねぇ…、それに、どうやって飲んだらいいの?と思う人もいるかもしれません。
でも、この「DUO」なら、思わず手に取って開けてみたくなりませんか?

普段の生活の中で気軽にボルドーワインを楽しめたら、なんだかとっても嬉しいかも。

寝かせて待たなくてもいいし、好きなときに好きなように飲んでいいのなら、ワインの楽しみ方は無限に広がりそうです。

型にはまらないワインの楽しみ方を、モニクさんはこの「DUO」で教えてくれたようです。


(取材協力:中部貿易株式会社)→ 現社名は(株)アグリ に変更


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