突然ですが、ブログを下記のアドレスに引っ越します。
今後もよろしくお願いします。
心機一転、(ほぼ)毎日更新できるようにしていきます。
松本健史の『生活リハビリの達人になろう』
(↓をクリックしてください)
http://blog.livedoor.jp/medicine2014/
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松本健史の『生活リハビリの達人になろう』
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楽しみな研修会が横浜・大阪 で開催されます。
『実践!認知症ケア研修会2014』
興味のあるかたはぜひご参加ください!僕もとっても聞きたいです。
■研修名
実践!認知症ケア研修会2014
■内容
「なぜ」「どうして」と感じる認知症ケアの疑問に焦点を当て、実践的かつさまざまな認知症ケアの工夫・アプローチが身につく研修会です。
応用行動分析を用いた現状の分析、環境刺激としてのスタッフの関わり方などから、認知症ケアのあり方を見直している高橋恵子氏(有限会社せせらぎ代表取締役)、介護に携わる人が守らなくてはいけない視点、大事な考え方、具現化するための教育法を実践・指導している山口喜樹氏(認知症介護研究・研修大府センター研修指導主幹)、認知症の方のニーズを推測できる力とそれに答える事の出来る知識・技術とチームワークを作り上げている中嶋健児氏(小規模多機能型居宅介護デイハウスあがりみち管理者)、認知症の方に有効なケアを行うためのアプローチ方法と悪化予防のトレーニングを当会会長の妹尾の4名が、「認知症の方のBPSDを軽減する方法」「ターミナルケア」「適切な認知症ケアを実践するために必要な能力」「認知症初期~中度の方へのプログラムづくり」をテーマに12の分科会に渡り事例や実践を交えながら講義を行います。また、参加者体験型で学ぶこの研修は、参加者が興味のあるプログラムを自由に選択し、オリジナルの研修を構築できるようになっています。
■開催日
(横浜会場)2014年3月23日(日)10:00~17:00
(大阪会場)2014年4月19日(土)10:00~17:00
(横浜会場)ウィリング横浜(神奈川県横浜市港南区上大岡西1-6-1)
(大阪会場)ATCホール(大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10)
■参加対象
認知症ケアに携わる方、興味がある方ならどなたでもご参加いただけます。
・本研修は日本認知症ケア学会単位認定講座です。(認知症ケア専門士単位:2単位)
お問い合わせは日本通所ケア研究会事務局 小川さんまで
〒721-0902 広島県福山市春日町浦上1205
TEL:084-971-6686 begin_of_the_skype_highlighting 084-971-6686 無料 end_of_the_skype_highlighting
FAX:084-948-0641
メール:info@tsuusho.com
大会ホームページ
今月末、関西看護出版から 「認知症介護 その関わり方、間違いです!」を出版します。
5章で構成されており、言いたいことを全部言い切った感があります。
世の中の言う認知症のイメージ、治療の最前線とかいうのに違和感のある方はぜひ読んでみてください。
介護現場で認知症といわれている方と関わってきて、世間とのギャップのようなものを感じてきました。もし私もギャップ感じてた!という方は読んでもらうとスーっとすると思います。
ぜひ発売になりましたらお手にとってやってください。
発売日が決まりましたら、お知らせします。
表紙が今日あがってきました。
与謝野町岩滝に第3回京都府保健師会にお邪魔してきました。
地域で頑張る保健師にむけてエールを送って!と講演依頼をいただきました。
保健師さんの豊富な経験と知識の中に生活リハビリの視点が加われば、鬼に金棒。
きっとこの超高齢社会も乗り切っていけるはずです。
百戦錬磨の保健師さんの前、緊張しましたが、笑ってきいていただき、こちらも楽しかったです。
一番ウケたのはこのスライド、入れ歯の話でしたね。
感想などありましたら教えてくださいね。
川口さん、荒堀さんはじめ保健所のみなさんには私のミスで時間変更していただき、大変ご迷惑をおかけしまし。お世話になりました。
今後もこれにこりずによろしくおねがいします!
福知山にて講座『生活リハビリの達人になろう』を開催させていただきました。(写真は前回の様子)
今回で通算10回目となるこの講座。今回は定員の30名を10名オーバーして受講していただきました。
実技を7グループでしたのですが、すこし狭くて申し訳なかったです。
それでも参加いただいた皆さんが熱心に聞いてくださったので私もたのしかったです。なにか感想や質問があればメールくださいね。
明日から役立つことがあればうれしいです。
福知山高齢者福祉課の高岡さんはじめみなさんありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。
おむつはずし学会にて1時間の講師と50分の鼎談をさせていただきました。
鼎談は不安だったので、三好春樹さんに「なに話したらいいんですか」と聞きに行ったら「高口にまかせとけばいい。アイツが勝手に司会進行するからさ」との返事。高口さんはたしかに名前の中に3つも「口」を持つ女なので、大半は彼女がしゃべっている絵が頭に浮かびました。
「対談はどちらかに本当に聞きたいことがないと成立しない」という言葉があり、僕はとにかく二人に聞きたいことをメモしておきました。写真で左手に握りしめているこのメモ、まったく役にたちませんでした。
それでは鼎談「医療に背を向けたPTたち」をライブ中継してみましょう。どぞ。
鼎談開始、いきなり高口の暴走
「松本くんさ、三好春樹ってさ、インドインドとかほっつき歩いてるけど、もう60過ぎてるし、ありゃもうすぐ死ぬよ」
さらに「三好春樹が死んだとして、来年はこんな『おむつはずし学会』なんてあるのかな?ほんとに惜しい人を亡くしたよ。あの人が死んでなにが残ったと思う?」
いきなり三好春樹が死んだ世界からはじまりました。登壇している3人のうち一人は死んでいるのです。なんちゅうシュールなフリ。考えてたことがガラガラと崩れ、あとは荒馬にしがみつくことに・・・。
度肝を抜かれながら僕も必死にこの笑いの中で言葉を発しました。三好さんの思い出を語りました。「僕は三好春樹に出会ったのはある講演会。爆笑をとりながら、介護の深い世界に引き込んでいくあの話に一気に魅了されたのを覚えています。僕は嫁さんと聴きに行ったのですが、彼女も引き込まれて中毒に。嫁さんの三好春樹を見る目は恋する乙女のようにポーッとしていて、内心やばい、嫁さんとられるかも、なんて思ったことを思い出します。」
高口「え、あの三好春樹に女が恋する?はぁ、信じられないねー」
松本「そうです、村上春樹ならいざしらず、あの三好春樹にです。そして関係障害論、身体障害学とシリーズを一気読みして、そのまま病院を出てNPOで働きはじめるんですから、ほとんど人生まで三好春樹に変えられたんです」(←被害者の会っぽく)
高口「そうか、そうか私たちは現場で試行錯誤してさ、あーでもないこーでもないって頑張てるけどさ、あの人何してるんだろうね?三好さん、アンタなにやってきたの?」
ここでやっと三好春樹が話し始めます。「僕は2流の介護職でした。現場にどっぷりと浸かることができず、少し引いて、介護にできること、できないことを考えてきました」
高口「現場でいちばん嫌われるやつだね。」と一蹴し、さらに続ける「松本くんさ、三好春樹が死ぬときはどんな死に方だと思う」
松本「いや、僕は死ぬ前にボケてほしいんですけど」(笑)
高口「あー死ぬ前にボケるのね。あれだけボケについて偉そうに言ってきたんだ。どんなボケ方か見てみたいね」
松本「今回、『医療に背を向けたPTたち』っていうテーマですが、僕は医療に背を向けたなんて口が裂けても言えないのですが、三好さんは医療はサイエンス、介護はアートと言った。これはすごい功績だと思います。世の中にはサイエンスもアートもどっちも大事じゃないですか?」
高口「私だって医療に背なんか向けてないわよ」
三好「医療に背を向けられたPTだろ!」(笑)そして三好は続けた「介護は採算ではなく、一人を大切にする思想がみえる、唯一の仕事になってきています。世の中、効率効率ばっかりでしょ。お年寄りが墓参りしたいといったら、経路を確かめて協力を求めていくわけです。いまブリコラージュに連載してる植くんっていう子なんかすごいよ。」
松本「効率ではない、関わり方、それで思い出すのが三好さんの入れ歯を作り直した人の話。ぼく、アレ大好きなんで皆さんにも聞かせてあげてください」三好春樹の小話の中で僕が大好きな話をリクエストしてみました。そうすると三好春樹がなつかしい語り口で話してくれました。
三好「食べなくなった婆さんがいて、その原因は入れ歯が合ってないからかも?と介護職が考えたんです。婆さんをおんぶして歯医者に連れて行くんです。入れ歯を作り直すために何度も通い、やっと入れ歯が出来た。やった!とうとう食べてくれた!みんなが喜んでよく見ると新しい入れ歯がチョコンとテーブルに載っていた(笑)。でもこの入れ歯は無意味だったのか?私はそうは考えません。入れ歯をつくりなおしてでも、食べて欲しい、そんな人間が周りにいる、それが婆さんに『もう一度生きてやろうか』という気持ちの変化を起こさせたんではないか、と思うのです」
高口「三好さん、あんたやさしいね~。リクエストしたら、そうやって話してくれるんだね。松本くん、アンタ、三好春樹が大好きなんだね~」
松本「大好きです!」
高口「三好さん、アンタこんな後継者が育って、思い残すことはないね。最後に言い残すことはないかい?」
三好春樹最後の言葉を皆が固唾をのんで待ちました。マイクを持ってはっきりと
「高口にだけは弔辞を読ませない」
いや~楽しかった。三好さん、高口さんお疲れさまでした。聞いていただいたみなさん、ありがとうございました!
今回、思ったのは三好春樹の功績はアートとサイエンスどちらも世の中に大切。介護はアートの部分を担うもの、という考え方。それと、そのことが実感できるたのしい小話がセットになってることだと気づきました。僕はこの三好春樹の「ようできた話」を聞きたい時に聴けるそんなボックスセットがあればいいな、と思いました。三好春樹ジュークボックス化計画です。どこか、出版社の方、そんなアイデアどうでしょう?
16日(日)ウィリング横浜で「おむつはずし学会」があります。
高口光子、三好春樹のご両人と面白いことが話せるといいな、とおもいますが、普段の仕事とか思考回路がたぶんそのままでるんでしょうね。
とりつくろってもしょうがない!という気分です。
当日参加される方、聞いた感想を教えてくださいね!
会場で拙著「生活リハビリ術」も置いてます。僕の仕事と思考回路とどーでもいい家庭ネタが満載です。興味のあるかた、お手にとってみてください。
生活リハビリの達人になれるしおり「虎の巻mini」が付録でもれなくついてます。
それではみなさん横浜で!
「生活リハビリ術」(来場できない方はAmazonでどうぞ)
丹後福祉応援団で勉強会。写真は応援団理事長三井のブログより。
応援団ブログ読んでくださいね。
生活リハビリの達人「メデシン仙人」登場。 お笑いに学ぶ認知症ケアで漫才鑑賞ともりだくさんでした。いままでもお笑いからコミュニケーションを考えてきたんですが、今回こうやればいいんやなという実習の落としどころがみつかった気がします。実習として隣の人と対話。一回目はその人が好きなものにツッコミを入れる。二回目はその人の好きなものにノッカリをする。例)「僕ビールが好きなんですよ」「そんなもんアカン!金もかかるし、アル中なるで!」
次にノッカリ。「僕ビールが好きなんですよ」 「ええですね~。僕も一緒です。これ終わって帰ったらクーッと一杯。それを考えるだけでうれしくなります!」
ノッカリの時間は皆さん、とても楽しそうでその場の雰囲気もパッと明るくなった気がしました。実際感想を聞くとSくんも「乗ってもらうと単純にうれしくなってきます」と話してくれました。
認知症のある利用者さんの言うことに突っ込んでしまうのか、受け止めるのか、で次の展開が変わる、そんなことを体験できた楽しい勉強会でした。
持ち回りで月イチ勉強会をしていく予定です。先月の笠井STを皮切りにはじめています。施設外の方もだれでも参加OKです。次回は3月12日(水)PT小牧が担当します。みなさんぜひお越しください!
2月16日(日)『オムツ外し学会in横浜』に呼んでいただきました。
三好春樹、高口光子、松本健史の3人で「医療に背を向けたPTたち」というディスカッションがあります。
僕、背を向けたつもりはないんですが・・・
でも認知症の権威、偉い先生の本に排泄のケアが出てこないなんて「アホか!」と思ってますので背を向けたといわれても『ま、しょうがないか』とも思います。
おもろくて、明日からの仕事にやる気が出る、そんな話ができるように頑張ります!ぜひ横浜でお会いしましょう!
横浜の前日、2月15日(土)大阪にて講座『生活リハビリの達人になろう!』を開催予定です。
施設の介護職さん、リハビリ介護に興味のある方なら、誰でもお気軽に参加してもらえる講座になっています。
横浜は遠い、という関西の方はこちらでぜひお会いしましょう!
「お年寄りが元気になる瞬間」を実技としゃべりの「生」でどうぞ。
講師:松本健史(理学療法士)
参加費:1000円
定員:50名
日時:2月15日(土)13:30~16:30
会場:松下介護学館 3F
(大阪市天王寺区上本町7-1-24 近鉄「上本町駅」よりスグ)
申し込み:NPO法人さわやかプラザ
松下介護学館
℡0120-775-646
E-mail: info@mickaigo.com
ブリコラージュ1・2月合併号にメデシン仙人の10回目を書きました。Mission10 「ソノ福祉用具、通ッテヨシ!」です。
リハビリの学生時代に授業でT先生に見せてもらった「老人Z」。アマゾンで取り寄せて10何年ぶりぐらいに観たんです。この衝撃の映像から福祉用具には人をよくするもの、ダメにするものがあるんちゃうか?いい福祉用具は現場で「通ってヨシ」してアカン福祉用具は「ストーップ!」としていかなければいけないのじゃないか、という仙人からの提案です。
近未来を予言!?映画「老人Z」
業務に疲れたので仙人に相談しました。「仙人、この仕事もうちょっと楽になりませんかね。機械化してパーッと移乗とか入浴とかできたら楽だと思うんですが」
「フム、だいぶ仕事に疲れているようじゃの。この映画は観たことあるか?」
DVDを手渡されました。「えっ『老人Z』?いや、観たことないです」
「今から映写してやるから観てみるのじゃ!」そういうと仙人の目から光線が出て、壁に映像が映し出されました。
「え、仙人、そんな力もあるんですか?」
「もちろん、わしのライバルはドラえもんだけじゃ!」
映画では新開発された人工知能型マシンが老人の食事・入浴・排泄・リハビリのすべてをベッド上でおこなっていました。老人のペースは無視、コミュニケーションはなし、そんなむちゃくちゃな介護をして暴走しはじめる、すごいストーリーでした。映画が終わって仙人は聞いてきました「オイ、この映画観てどう思った?」
「味気ないし、人間的なぬくもりもないように思いました」
「そうか、まだお前は人間の心を忘れていなかったようじゃのう。ま、現場で介護のおもしろさや人間同士の関わりの大切さを知っている介護職ならこのマシンに違和感を覚えるじゃろう。しかし、介護に疲れた家族がこのマシンをみたらどうじゃろう?『わ~、こんなのあったら介護が楽ね~。おいくらかしら?800万円!じゃ、一ついただくわ!』っていうのがおってもおかしくはないじゃろう?」
「確かに。介護に疲れた家族でお金さえあれば、こんなマシンで解決しちゃうかもしれませんね」
その福祉用具、通ってヨシ!
「そこで、現場のお前たちにミッションがある。いかに人との関わりが大切か?マシンまかせではヒトは延命できても、その人らしい生活は奪われてしまうに決まっている。こんな介護ではヒトをダメにします!と声を挙げるのじゃ」
「でも仙人、こんなのまだ実現はしてませんよ」
「これからが本番じゃ!2025年までお年寄りが増え続ける。そのなかで介護はビジネスになり、いろんな用具やマシンが開発されるじゃろう。テクノロジーは進化する。頼る部分は頼ってもいい。しかし、このツールはヒトをダメにするんじゃないか?そう思った時は、現場が最後の砦(とりで)じゃ。この福祉用具はダメ!この福祉用具、通ってヨシ!なんてジャッジをしていくのじゃ」
「なるほど、僕らは交通整理の旗振り役でもあるんですね」
「そうじゃ。『自分の仕事が未来をつくっている』と思え!わしがいま『通ってヨシ!』と思っている福祉用具の一例を紹介しよう」
仙人おススメの一品
①のりすけさん:トイレでの排泄にこだわった福祉用具。ベッド端坐位でお尻を浮かすことができれば、のりすけさんへの搭乗が可能。乗ったままトイレまで移動し、またお尻を浮かせばトイレに座ることができる。最後までトイレでの排泄をあきらめないコンセプトがよいの~。
写真はイデアシステム株式会社のホームページより(http://www.idea-gr.co.jp/index.shtml)
「乗助さん」のいいところ
・トイレでの排泄をあきらめていない
・生理的な立ち上がり動作を大切にしている
・前かがみの排泄姿勢がとれる
②トライメイトN 車いすの座面が床まで降りる。座面昇降型車いす。畳での和式生活の人が移乗しやすい。車いす生活でも床に降りやすいため、ベッドではなく布団で寝ることができる。コタツにも入れるの~。
写真は日進医療器株式会社ホームページより(http://www.wheel-chair.jp/index.php#top)
「トライメイトN」のいいところ
・車いす生活になっても和式の生活が送れる
・布団や炬燵(こたつ)に入りやすい
・老々介護でも使える(ガススプリング式で弱い力で座面が昇降する)
パッドはパッドでも・・・
ふんふんと聞いていた僕の手元に仙人は目をやりました。
「お前さっきから手に何を持っておるんじゃ?」
「え、これですか?業務で使っているipadですけど」
「なんじゃ、お前、もうおもらしするのか?」
「それはパッドです。これはアイパッド、業務の記録をしたり、通信したりするものですよ」
「ワシはもう100歳を越えておる。小難しいことはわからぬ。生まれ育った瀬戸内の島では、そんなものはなかったぞ。そんな画面を見るよりお年寄りの表情を見よ!わけのわからぬものに頼ってはいかんぞ!」
「へ~仙人、瀬戸内の生まれですか?どこの島ですか?」
「わしか?広島の船着き場から小舟で行かねばならぬ島じゃ。お前などに教えようもない」
「え、そうするとこのあたりの島かな」僕はipadで地図を呼び出しました。
「なに、わしの生まれ故郷が見れるのか?」
「このあたりの島々ですかね?」
仙人は画面にグッと顔を近づけて言いました。「もうちょっと大きくしてくれ」
僕は地図を指先で拡大しました。仙人は、震えながら島の一つを指さしました。
「こ、この砂浜から若きワシは故郷に別れを告げたんじゃ!おかあちゃーん!」
仙人が目から涙があふれてきました。
「落ち着いてください。仙人、ipadもいいもんでしょ?」
仙人は一瞬「しまった」という顔をしましたが、すぐに落ち着いた顔で言いました。
「ipad ・・・この福祉用具、通ってヨシ!」うーん、ipadは福祉用具なんでしょうか?
「老人Z」DVD 販売元: SME・ビジュアルワークス
監督: 北久保弘之 原作・脚本・メカニックデザイン:大友克洋 キャラクター原案: 江口寿史
近未来、寝たきり老人の介護はコンピュータにまかせられようとしていた。しかし、この新開発の人工知能型介護機器「Z001号機」が老人を乗せたまま暴走しはじめる。
おかげさまで2010年に出版した「生活リハビリ術」~介護現場の理学療法士が提案する21の方法~が売り切れて新しく増刷することになりました。これもひとえに読んでくださったみなさんのおかげです。今回、増刷にあたって修正することはないか?と編集部から問い合わせがありました。自分としてはとくに訂正はないと持ったのですが、熟読すると結構訂正がありました。お世話になった皆さんへの謝辞を忘れていることに気づきました。
今回リニューアルにあたって追加した謝辞は以下です。
お世話になった方々への謝辞
丹後福祉応援団三井健史理事長はじめ生活リハビリ道場で毎日いろんなことに一緒にチャレンジしている同僚のみんな。リハビリを志した駆け出しの頃から私に暖かい指導をくださった諸先輩方。この本の企画、編集、イラストでお世話になったブリコラージュの川上京さん。楽しいイラストを書いてくださった谷口知子さん。装丁の新井国悦さん。近隣の大宮苑、長寿苑、あじさい苑はじめお邪魔している施設の職員さん。いつもとんでもなくでっかいアイデアをくれる妻、泰子と私の宝物である二人の娘。その他、ご縁をちょうだいした皆様に感謝を捧げます。そしてなによりわれわれのつたないケアに対して文句のひとつも言いながら(?)、老い方とは、人間とは、深くためになる教えをくださる利用者の皆様。お返しにもっとよいケアができるよう努力していく所存であります。たまに笑いながら、たまに泣きながら…今後もどうぞよろしくお願いいたします!
本書を読んでくださった方、本当にありがとうございました。まだ読んでいただいてない方、もし興味が湧いてきたらぜひ本書をお手にとってみてください。ご損はかけない内容と自負しております。とくに介護現場に最近入ってこられた方には良き入門書になると思います。例えば、以下のようなあるあるネタをいくつか書いています・・・・・・
生活リハビリ術より抜粋
18話 男に居場所と役割はあるか?~男に迫る恐怖!「役割消失」~
三好春樹氏かく語りき。
「生物学的には老年を迎えた男たちに役割なんかないんだよね。オスはメスの卵子に自分の精子を受精させた後って特にすることはないんだもん」。
介護の現場で「男は元気がないなー」と感じていた僕は「なるほど!」と膝をたたきました。自然界では男は確かにそんなもんですね。かまきりは交尾の後、オスはメスの滋養になるために食べられてしまうし、アンコウのオスも生殖行為の後はメスの腹にへばりつき、しまいには溶けてなくなるらしい。
これらのオスに与えられた役割はメスの卵子に向けて精子を放つことのみ。なんと虚しい……。生物界のオスたちに合掌(ちょっとそのお気楽さがうらやましくもあるが……)。
お茶と新聞で寝たきりカウントダウン
でもそう考えると、施設にいる男性陣の元気のなさも合点がいきます。みなさんの施設にいる男性の多くはどうやって1日を過ごされてますか?
①お茶飲んで新聞読む
②居眠り
③タバコを吸う
職員からの「ちょっと吸いすぎじゃないの!」の声かけが貴重なコミュニケーション。これではさびしすぎる……。
黄金の3条件
こうした生きがいを消失した人たちに効果のあるケアとして三好さんが『痴呆論』(雲母書房刊)で提唱した「居場所」と「役割」づくりのための3条件を知っていますか?
①かつてやっていたことか、それに近いこと
②今でもできること
③周りの人から認められること
これにハマると、ほんとにピタリ、その人が落ち着くし、主体性が出てきて、元気になります(生活リハビリ道場ではこれを“黄金の3条件”と呼び、壁に貼って暗誦できるようにしています)。何か行事をするにしても、この条件が考慮されているかどうか、でその企画の威力がまったく違ってきます。この3条件がビシッと決まると、レクがその人の人生にまで響くイベントにもなり得ます。これがまったく考慮されていないと、単なるアリバイレクリエーションになっていることが多いのです。
3条件を試してガッテン!(白帯編)
3条件を無理なく、手軽に活用できる方法ベストワンはなんといっても女性に料理をしてもらうことでしょう。
「今でもできること」を満たすためにはその方の身体機能をよくわかっている職員が「今でもできること」を選んであげればいい。献立を立てる、切る、混ぜる、分量を量る、味見をする、レンジをチーンするetc……。そして、できた料理を誰かに食べてもらいます。「これうまいがな! アンタがつくったんかいな!」と言ってもらえれば「周りの人から認められる」の3つ目の条件もそろいます。
ところで僕はこの場面を使って、男にもちゃんと居場所と役割がつくれることを発見しました。料理をしている女性陣の近くで新聞を読んで待っててもらうのです。ま、ぼや~っとした男性1人というこのシーンですが、3条件に当てはめてみましょう。
①かつてやっていたこと=ぼ~っと出来上がりを待つ
②今でもできること=運ばれてきたものを当たり前のように一番に食べる
③周りの人から認められること=食べてうなずき味の違いがわかる男になる
(注:周りから認められるかどうかは日頃の言動に左右される)
このように3条件は案外いろんなところに転がっています! ガッテンしていただけましたでしょうか。
3条件で華麗なる男たちに!(黒帯編)
小学校で長らく音楽の教鞭を執られていた藤川先生にはデイサービスでズバリ音楽の授業をしてもらっています。皆で集まる体操の時間に先生の弾くアコーディオンで合唱するワンコーナーを設けています。93 歳の先生はレパートリーが広く、「来週はこの曲、再来週はこの曲でえっと次は……」と次々と課題曲が積み上げられます。そして課題曲の歌詞を大きく書いて壁に貼っておくことが先生から道場への「宿題」となり、職員は大慌てです。
高齢の方がこれほど主体性をもち、継続できることがあるなんて3条件が整っているからこそじゃないでしょうか。このように3条件のバッチリそろったものを探り当てることができればその活動は長続きします。そしてなによりお年寄りが元気になり、周りを巻き込み始めます。93歳の藤川先生、いまだ現役のすごみがあります。
松本健史 生活リハビリ術(ブリコラージュ)(↓仙人も愛読している本です。よかったら読んでみてくださいね amazonにて入手可です)
東京で初めて講師をつとめました。
写真は林野会館8階からの朝焼けとスカイツリー。
63名が受講してくださいました。みなさん一日お疲れさまでした。
東京で関西のノリは通用するか?ちょっと不安でしたが、お笑いに学ぶ認知症ケア、みなさん楽しく受講していただき、私も話しやすかったです。
いろいろ質問もあり、難題もありました。今回の講座がなにかのお役に立てば幸いです。これからの取り組みで、うまくいったよーという報告とか新たな質問などありましたら、ぜひメールください。それではまたどこかでお会いしましょう!
今年もみなさんよろしくお願いします。日本人の心を知り、介護リハビリをしていこうと考えると「古事記」にたどり着くという意外な展開が自分の中で起こっています。勉強し、いてもたってもいられず、出雲を行脚を敢行しました。出雲大社にて大国主命(おおくにぬしのみこと)にお会いしてきました。
今年も頑張りますので、ご指導よろしくお願いします。
1月11日(土)に関西看護出版主催の研修会を東京でおこないます。
タイトルは・・・
介護現場実践の認知症ケア学習会
介護現場で明日から役立つ認知症ケアの方法論を身につけよう
です。メデシン仙人、初めての東京でドキドキしているようです。「今、散髪してくる」と出ていきました。
現在、60名ほど申し込んでいただいているようです。ぜひにぎやかに笑って勉強しましょう。関東方面の方、東京でお会いしましょうー!
詳しくは以下関西看護出版のホームページをご覧下さい。
http://kansaikango.com/?pid=60411702
編集部から「生活の中でできるリハビリについて書いてください」という依頼からはじまった雑誌「ブリコラージュ」の連載。タイトル「生活リハビリの達人への道」として2013 年1月からスタートしました。でも開始そうそう2話目から『メデシン仙人』と名乗るオッサン仙人が現れ、不法占拠されたままです。連載ハイジャックといったらよいでしょうか?というわけで、最初の構想にはなかった、メデシン仙人は2話から登場します。上の写真のように、来年1月発行の「新しい介護」(講談社)改訂版に仙人をヒントにしたキャラが出ることになりました。仙人の出世、うれしい限りです。
お時間のある方は1話からぜひ読んでみて下さい。下のMission1~9をクリックすると読めます。
Mission1「未来日記ヲ書キ換エヨ」(まじめに連載スタート)
Mission2「メデシン仙人ニ、聴ケ!」(メデシン仙人登場 どうやら酒好きである)
Mission3「フロフェッショナルニナレ!(前篇)」(漫画 テルマエ・ロマエから風呂を考えました)
Mission4「フロフェッショナルニナレ!(後篇)」(風呂でいくつダジャレができる?)
Mission5「待テバ介護ノ日和アリ」(介護者が全部お世話する、ジュウゼロ介護にお別れを!)
Mission6「赤イ彗星ヲ追エ!」(ガンダム世代しかわからないかも。ニュータイプってなーんだ?)
Mission7 宇宙兄弟ニ学べ (重力と介護の深~い関係)
Mission8 座・介護~座るは介護のイロハのイ~ (寝たきりのお年寄りが座るといいことが10個あります!)
Mission9 「上カ下カ、運命ノ分カレ道」 (漫画家になりたかったんですが、僕の画力どうでしょう?)
今年一年は仙人の毒舌、暴言をまとめるのに苦労しました。読むとそんな記憶がよみがえり、愛着が湧いてきます。現場で頑張っている人にも笑いながら読んでもらえるとうれしいです。達人を目指して、一緒に頑張りましょう!
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