Life in San Francisco

Welcome!
サンフランシスコ在住のフローラルデザイナーです。
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PRIDE 2007

2007-06-27 06:47:16 | サンフランシスコの生活
ここサンフランシスコでは、毎年6月の最後の週末に「pride weekend」が開催されます。つまりは、ゲイやレズビアンのひとたちのお祭りですね。この週末は、世界中からゲイの人たちがここサンフランシスコに集まり、街の至る所でゲイに関するイベントが開かれます。特に日曜日にサンフランシスコの目抜き通りであるマーケット・ストリートで行われる「プライド・パレード」は、全米各地で開かれるゲイ・パレードの中でも最大規模を誇ります。

そんなわけで、僕たちもパレードへ出掛けて来ました。元の予定では、今年も昨年同様、パレードに参加する予定だったのですが、残念なことにケヴィンの腰の具合があまり良くなく、前日になってその予定をキャンセルする羽目に・・・。ふたりとも楽しみにしていたので少々残念ではありましたが、まあ、身体の方が大切ですもんね。パレードは来年に持ち越し、今年は沿道からパレードを見て楽しむことにしました。

ところで、毎年、パレードに向けてみんなが頭を悩ますのが、「何を着よう・・・」ということ。さっすがゲイならではの悩みでしょう? あはは。ちなみに僕ですが、去年はカウボーイ・ハットに黒い羽のボア、という「地味派手に、でも、さりげなくイカニモ系」で迫ったのですが、毎年同じような格好をするのもつまらないじゃないですか。そんなとき、ひろくんと電話で話していた際に、「じゃあ、今年はラブリー路線でいってみれば?」という彼の提案に、「ラブリー路線なら、素のままでもOKだし(←いい年してずうずうしい)、そのアイデアいただきっ!」ということで、あっさり「ラブリー路線」でいくことに決定~

そんなわけで、今年のいでたちですが、ヨージ・ヤマモトの麻の帽子にガーベラを一輪、エルモのピチTシャツ、そして膝丈のパンツというコンビネーション。耳の花とセサミ・ストリートのキャラクターTシャツで「ラブリー」さを演出、でも、ピチピチパツパツのTシャツで、さりげ~に筋肉をアピール! という戦法です。あはは。どんなだよ~。

しか~し! これが見事に命中! 特に耳に着けた花は、すれ違う人たちから「すっごくラブリ~!」と褒められ続け、10人以上のひとから、「写真撮らせてよ」というオファーすらも。まだまだ捨てたもんじゃないなぁ>自分(←年齢を忘れて、すっかり有頂天) ケヴィンはシャツを脱いじゃったので上半身裸ですが、ツーショットを載せておきますね~。


ジャン!


















ラブリー路線狙いの僕とケヴィン。成功してます?





と、なんだか話が脱線してしまいましたが、お待ちかね、パレードの模様をコラージュと共に、簡単にレポート。





筋肉あり、ドラァグありの乱痴気騒ぎ! 沿道に集まった人たちから、各グループが通る度に大歓声が沸き起こります。






ちなみに、ポリティカルなグループも多々出場。下のものは、ブッシュ弾劾を求めるグループと、娘がレズビアンでありながらも同性婚などへの理解を示そうをしない冷血なチェイニー副大統領(のそっくりさん)が檻に入れられたフロート。観衆から一際大きな拍手喝采が沸き上がりました。




そして、パレードのお楽しみのひとつが、ド派手なコスチュームを纏った人たち。


全裸の人なんかも多く見掛けました。日本では考えられませんよねぇ。


パレード撮影中の図。ケヴィン、ここでもおちゃらけてますなぁ~



そして、4時間近く及ぶパレードの最終地点が、市庁舎前の広場。ここで大パーティが開かれます。


市庁舎前にはステージが設置され、各自芝生の上に寝転んで鑑賞。ちなみに、出演するアーティストは、3流アーティストがメイン、なんですけどね・・・。

僕とケヴィンとデールの3人も、パレード終了と同時に、まるでラッシュ時の新宿駅状態の広場に到着。待ち合わせた友人たちと合流をし、その後は、ビール片手に、広場一角に設けられた仮設ディスコ会場へ移動。


たっぷり2時間ほど踊って来ました。

そんなこんなの、今年のプライド・ウィークエンドでしたが、お天気にも恵まれ、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。同性愛者が差別を受けることなく、異性愛者同様の生活を送ることが出来る日が近い将来やって来る事を祈りつつ、今回のエントリーを終わります。







最後の最後に、プライド記念の写真を3枚ほど。

まずは一枚目。世界中でもっとも大切な二人と一緒に撮ったスリーショット写真から。



デール、ケヴィン、僕。



そして2枚目。嫌がるチップに協力願って、こちらの一枚。






happy pride!

あれ、チッピーさん、目が怒ってます?




そ、し、て、最後の一枚。去年もケヴィンのブログで公開しちゃいましたし、ま、いっかぁ~、ということでこちらの一枚。昨年に引き続き、僕たちの「禁断写真第2弾」です。一年に一度のことだから、いいですよね、多少刺激が強くても。(不快に感じる方がいらっしゃったら、ゴメンナサイ、です)





ジャジャジャ~ン!





happy pride, everyone!

浮世絵に漫画にアニメにイラスト。

2007-06-18 05:18:18 | サンフランシスコの生活
先日のオフの日は、まさにニッポンの美術を堪能した一日となりました。

そこで、今回のエントリーはこの一日をレポート。

ちょうどケヴィン・パパもシアトルから遊びに来ていたので、まずは僕の手作りのブレックファストで腹ごしらい。もっとも、この朝は特に手の込んだものを作ったわけではないので、写真に撮ってまで紹介するつもりは無かったのですが、「ほらほら、写真、写真。マシュウの食べ物の写真を撮らなきゃダメじゃん!」というケヴィンのキョーレツなプッシュで、写真を撮る羽目に。

M「じゃあ、一応、撮っておきますかぁ」

というわけで、朝食のメイン・ディッシュをテーブルにセットしてカメラを構えた途端に、






バ~~~ンッ!





ファインダーにケヴィンの顔が・・・。


M「・・・・・(汗)。結局、自分が撮ってほしかっただけじゃん」
K「そんなことないよ。僕はあくまでも『添え物』だから、さ」
M「そんな添え物などいらんわい」


そんなこんなで、上が僕の作った朝食、もとい、朝からオチャラケ・モード全開のケヴィンの写真です。なんだかなぁ~。



そして、腹ごしらえを済ませたところで、目指すはサンフランシスコ市内のアジアン・アート博物館


入り口でパチリッ!

この日、楽しみにしていた特別展示は、こちらの二つ。なんとも贅沢な2本立てです。


「大蘇芳年浮世絵展」と「手塚治虫展」。

まずは、大蘇芳年展から。

大蘇芳年について簡単に紹介しておきますと、彼は、幕末から明治前期にかけて活躍をした浮世絵師です。歴史絵や美人画、役者絵などの浮世絵を主に手がけたことでも有名ですが、彼の作品の中でも特に有名なのが、幕末の動乱期を描いた一連の「無惨絵」。後に、江戸川乱歩や三島由紀夫がこれらの作品を偏愛したことは有名ですが、これらの作品には構図や技法の点でいろいろな工夫が見られ、そのあたりが特に高い評価へと繋がっているようです。中でも、動きの瞬間をストップモーションのように止めて見せる技法は、現代のマンガや劇画に通じるものがあり、劇画の先駆者との評もあるくらいです。

展示室内には彼の作品が50点ほど並べられ、それらの作品の随所に見られる斬新な構図や洗練された色使いに魅せられたのは僕だけではなく、最後の浮世絵師とも評される彼の素晴らしい作品の数々に、この日訪れたアメリカ人の観衆も、みんな真剣に魅入っていました。



そして、もうひとつの特別展示室で公開されているのが、「手塚治虫展」。作品ごとに壁の色が塗り分けられていて、そこにそれぞれの作品を紹介したパネルや原画などがところ狭しを展示されています。

実は、僕がまだ子供だった頃、テレビや漫画をあまり見させてもらえませんでした。うちの父は、もともと大衆文化が好きではなく、テレビでくだらない歌番組や漫画を見る時間があったら、本でも読め!という人だったのです。なので、子供の頃は本を読んだり、父のアトリエにある膨大な画集を見て過ごすことが多く、漫画などは父親が家にいない隙を見計らってこっそり見る程度でした。まあ、そんな子供時代を過ごして来たので、オトナになった今も、恥ずかしいことに、手塚治虫の漫画に関してそれほどの多くの知識を持ち合わせていたわけではないのですが、お陰で、今回の展示でいろいろと学ぶことが出来ました。今回の展示を見るまでは、僕の知識はと言えば、「手塚治虫作品、イコール、鉄腕アトムやメルモなどの明るくて楽しいイメージ」程度のものだったのですが、結構、ダークな世界を描いた作品も多いのですね。改めて、手塚治虫の「守備範囲」の広さに驚いた次第です。



これら二つの展示を通し、絵本やイラストレーションを手掛けるケヴィンとしてもいろいろと得るものが多く、とても実りの多い一日となったようです。




そして、鑑賞の後のお楽しみ。ミュージアム内のギフトショップには、手塚治虫作品に登場するキャラクター商品の数々が。僕の友人の一人(アメリカ人)が「大」の上に「大」が三つくらい付くほどのアトム・ファンなので、再来月の彼のバースデー・ギフトをここで購入しました。喜ぶだろうな、きっと! なにしろ、肩にアトムのタトゥーを入れているくらいのファンですから。


アトムだらけのウィンドウ。


アトム関係のギフトがところ狭しを並べられています。



アトムのクッション。と思ったら、こんなところにもケヴィンが・・・。ケヴィンのヤツめ~。






アジア・アート博物館で浮世絵と漫画を堪能した後、僕たち3人が向かった先は、日本町にある映画館。目当ての映画は、以前からケヴィンが見たがっていた「パプリカ」。ついに、ここサンフランシスコでも一般上映されるようになったのです。僕はアニメには然程興味がないのですが、原作が筒井康隆! 高校時代に彼のひっちゃかめっちゃかな作品たちにハマった時期があったので、僕もこの映画をケヴィンとは違う意味で楽しみにしていたのです。すでに日本でも公開されている作品なので、内容などについては書き控えますが、なかなか楽しめる作品でした。夢と現実が交差するストーリーの展開も面白かったですし、同時に、色彩豊かなアート・ワークも素晴らしかったですね。それにしても、2次元空間と3次元空間を颯爽と渡って行く主人公のパプリカを、いずれは実写でも見てみたいなぁ。アメリカ人好みのストーリーですし、ネタに尽き果ててしまったハリウッドが行く行くは実写で製作してくれないでしょうか。大ヒットすること請け合いです。



paprika




映画のあと、3人で食事に出掛けたのですが、この日見た、浮世絵と漫画、そしてアニメの話題に話が尽きませんでした。特に、定年前は大学の文学部で教授をしていたケヴィン・パパの、この映画で取り扱われている「夢」の多面性を語る「パプリカ考」はなかなか面白かったです。




そして、食事から戻ると、僕宛に郵便物が! 宛名を見ると、日本でイラストレーターをして活躍をされている、kiriさんこと霧生さなえさんからではないですかぁ! 嬉しさのあまり、ウヒョウヒョ言いながら封を切ると、中から現れたのは、先日出版されたばかりのさなえさんの本が!!!(感涙)

タイトルは「気持ちよく、上手に暮らそう」。ちょっとした工夫をすることで、日常をより過ごしやすく快適なものにしよう、というのがこの本のコンセプトなのですが、それらのヒントが、さなえさんのイラストで分かりやすく解説されています。「うん、確かに、そうだよな」なんて言いながら、楽しく拝読しました。


可愛いさなえさんのイラストをちょこっと紹介。


さなえさん、素敵な本を、どうもありがとうございました! ケヴィンと一緒に楽しみながらページをめくりましたよ。これからも、ますますのご活躍をお祈りしています。


M「チッピーさぁ、せっかくだから、さなえさんの本を宣伝してくれない? 上目遣いで可愛い感じでヨロシク!」
C「かしこまりました、お任せください!さなえさんのためなら、お安い御用。 みなさん、書店で是非手に取ってみて下さいね~。僕からのお願い、です」


楽しい上に、とても役に立つ内容です。皆さんも機会があったら、是非読んでみてくださいね。




そんなわけで、たった一日の間に体験した「浮世絵」に「漫画」に「アニメ」に「イラスト」。形態こそ違えど、どれも素晴らしい美術です。

世の中を時には鋭い視線から、そして時にはユーモラスな視点から描いた芳年の浮世絵。巧みなストーリーと確かな技法で魅せる手塚治虫の漫画。今では世界的に高い評価を得るまでになった日本製のアニメ。(アニメという言葉は、英語でも認知されているくらいです)。余分なものを排除して、コアの部分に焦点を当ててモノの本質を巧みに表現するさなえさんの素晴らしいイラストレーション。これらに共通するのは、どれも「日本発」だということ。日本人であることを、改めて誇りに思える一日でした。






そして、最後に今回のフローラル・コーナーを。

以前から、「マシュウの作るコサージュやブートニアを見てみたい」というコメントやメールをいただく事が多かったのですが、そこで企画したのが、本日の父の日を祝っての「ブートニア」写真集。

まずは、「ブートニアとはなんぞや?」という方のために簡単に解説しておきますと、女性用の花飾りであるコサージュに対し、ブートニアは、男性がタキシードやスーツの襟もとに飾る花を意味します。日本ではウェディングのときに新郎がつけるくらいでしょうが、ここアメリカでは、パーティなどの際にも、ブートニアを着ける機会が多いですね。

そして、通常、ブートニアというと、バラなどを一輪使って作ったものがほとんどなのですが、そこはマシュウ。それだけでは終わらせませんよ!!アクセサリー感覚で、大人の男性にも十分に楽しんでもらえるようなものを常日頃から作るように心掛けています。

ちなみに、ほとんどの花屋が提供する(というか、こういうのしか作れない花屋がほとんどなのですけど)ブートニアは、こんな感じです。


バラを一輪使っただけのシンプルなブートニア。


今回は僕が作ったちょっと変わったブートニアを一挙に8点ほど紹介したいと思います。


ジャジャ~ン!












一段目左。
デンファレを一輪使ったブートニアは一般的ですが、そこはマシュウ・スタイル。ベアグラスなどのグリーンで遊んでみました。シンプルな中にも、洗練さが漂う、オトナっぽい印象のブートニアです。ちなみに、柄の部分は、上で紹介した白いバラのもののように、緑色のテープをそのままで完成!という花屋が多いのですが、僕はそこに一手間加えて、リボンを巻いて完成させています。テープは僕にとってはメカニックなので、そこで終わらせるのには抵抗があるのです。例えていうなら、せっかくアルマーニのスーツを着てめかしているのに、下着はその辺のスーパーで買った3枚1000円のもの、みたいな、あはは。分かってもらえます、僕の言いたい事?

一段目右。
これは何となくアジアン・テイストが漂いますね。リバーケーンを土台にしてあるのですが、そこにチェーン・オブ・ハートを絡ませてグルーで固定し、さらにその上からバランスを見て、オーニソガラムの花とヒペリカムの実をグルーで留めてみました。


二段目左。
これは、「洗練されているんだけど、遊び心があるようなもの」をイメージして作ってみました。
パンリードの上3分の1のあたりに、スモークブッシュを細いデコラティブなワイヤで固定します。そこに、グルーで、紅葉の種、そして、ラベンダーの花をグルーで留め、最後にパンリードの先端にタロの実を付けて完成です。

二段目右。
こちらは、「ガーデン・スタイル」をイメージして作ったブートニアです。ラベンダー、ニゲラの実、ユーフォビア、ブロディアをゲイラックスの葉で束ねました。柄の部分は、パープルのオーガンザ・リボンで巻いています。

三段目左。
これは敢えて言うなら、ジュエリーのイメージですね。フォーカル・ポイントに使った花は、淡いブルーのベラドンナ。その周りに、デコラティブなワイヤを使って、トグサ、ヒペリカムの実をリズミカルにバランスよく配置しました。ちなみに、ワイヤ自体がデコラティブなので、通常のワイヤやフローラル・テープは使っていません。

三段目右。
オドントグロッサム(タイガー柄の蘭)を使ったブートニアです。この蘭を中心に、ねじって面白いラインを作ったリリーグラスとアマランサスで仕上げました。ちなみに、フローラル・テープは茶色のものを使用。通常はテープが見えるのは好きではないのですが、今回は蘭の中の茶色とリンクさせる意味で見せることにしました。とは言え、テープの上にデコラティブなワイヤを巻いて、「おめかし」させてあります。

四段目左。
リース型のブートニアです。デコラティブなワイヤにグリーンのグラデーション数色のビーズを通して作ったリースが土台になっています。そこに、アラビカムの花とアジサイをグルーで留めて完成です。

四段目右。
レインディア・モスにワイヤを巻いて作った直径15ミリ程度のボールに、ワイヤを巻いたパンリードを突き刺します。(その際に、グルーで固定)。ボールの表面にアジサイをグルーで留め、その上から、ビーズを通したワイヤを何周か巻きます。最後にユーフォビアの花をグルーで留めて完成です。これもジュエリーのような仕上がりですね。



以上、マシュウ・スタイルのちょっと変わったブートニアを紹介しました。楽しんでいただけたら光栄です。

「こんなの、見たこと無い!」って思っていただけたら、僕としてもシメシメってところですね。

今回はブートニアのみでしたが、いずれは気が向いたらコサージュ編もしようかな。どうぞ気長にご期待ください。


ではでは!

アメリカ的ナンセンス

2007-06-06 15:04:53 | サンフランシスコの生活
まず最初に断っておきますと、タイトルに使った「ナンセンス」とは、必ずしも悪い意味を含んだものではありません。日本という国で生まれ、アメリカとは異なる価値観や常識のもとで多感な時期を東京で過ごした、僕という一個人の常識感覚を「基準」としたときに、「ありえねぇ~(いまどきのヤング風に・・・、って、ヤングって言葉がすでにありえませんからー)」って思う事柄を意味しています。その辺をご了承の上、お読みいただければ幸いです。

というわけで、今回のエントリーです。

アメリカでの生活も、延べにすると十数年を数えるのですが、今でも、事ある毎に「ああ、自分はアメリカ人ではないのだなぁ」(当たり前ですけど)、なんて感じることがあります。まあ、例を上げれば切りがないのですが、良い例のひとつとして挙げられるのが、アメリカでの公共の乗り物での出来事の数々。僕はラッシュアワー時の車の渋滞が苦手で、余程忙しかったり朝が早い場合こそ車で移動しますが、それ以外は公共の交通機関(僕の大切な読書タイム)を使っています。そして、ここに「アメリカ的ナンセンス」が凝縮されているんですよねぇ~。まずはそこからいくつかの「ありえねぇ~」っていう出来事をピックアップして書き記してみたいと思います。

サンフランシスコ市内のバス(muni)の場合、日本のような時刻表というものが存在しません。バス停にある案内板には、路線ごとに「何分間隔で運行」という表示のみ。ところが、これがちっとも守られていな~いっ! ひどいときなんて、イライラしながら40分くらい待ち、やっとバスが来たかと思えば、同時に4台のバスがやって来たり・・・(怒)なんてことも。東京と比べたら渋滞らしい渋滞もありませんし、何故、こんなことが起きるのか理解に苦しみますね、まったく!! しかも、こういうときに限って、急いでいるときだったりするんですよねぇ。

そして、バス内での飲食は条例で禁止されているのにも関わらず、何かを食べながら運転しているバスの運転手なんて日常茶飯事。これで乗客に何も喰うな、飲むなって言ったところで、聞く耳を持つひとなんていないと思います。中には、途中でお店を見つけると、乗客が乗っているバスをその店の前に停めて、平気で食べ物を買いに行ってしまう運転手もいるんですよ。ここまで来ると、さすが、アメリカって感じでしょう? 先日も、運転手のオジさんが、「すぐに戻って来るから、ヨロシク!」と言い残してバスから降りる寸前に、乗客の一人が、「じゃあ、俺にもドーナツ買って来てよ」なんて茶化したのですが、バスに戻って来たときには、運転手のオジさんの手にはちゃんと彼へのドーナツが握られていました。言ったもん勝ちとはこの事ですか・・・。まあ、こんなおおらかなところも、アメリカならではですね。

ところで、サンフランシスコのバスは、運転手横の乗り口で備え付けられた料金箱へお金を払う仕組みなのですが、日本のように、釣り銭に対応した機械なんて存在しません。1ドル50セント、きっちり払わなければならないのです。そして、たまにこの料金箱が壊れていることも・・・。そんな時は、無料! 日本だったら、そもそも壊れた料金回収機を載せたバスなんて走らせないでしょうし、もし何かの理由で途中に壊れてしまったら、運転手が自ら回収しますよね? 絶対に。このあたりのいい加減さもアメリカならではですね~。

当然、運転手もかなりの強者ぞろいで、この間乗ったバスの運転手(40代前半くらい、黒人女性)なんて、乗客全員に聞こえるくらいの大声で、携帯で旦那と喧嘩をしてましたし(運転しながらの携帯は危ないですから止しましょう・・・)、先日も、いきなり運転手のおにーさんから、一番近くに立っていた僕へ信じられないような質問が・・・。「よぉ、マイ・フレンド。次の五叉路だけどさ、ここ、右に曲がるんだったよな? いやぁ、実は、このバスを担当するはずだったドライバーがよぉ、家族に不幸があって急に来れなくなっちゃってよぉ、それで俺が突如駆り出されたってわけよ。久々に通るルートだったんで、いまいち不確かでさぁ。いやぁ、助かった助かった、サンキューな、マイ・フレンド」ってな具合・・・。もう、ここまで来ると、何でもあり、ですねー、あはは。


ところで僕の場合、仕事を含め、日常生活の中で接するそのほとんどがアメリカ人なのですが、たまに彼らの何事にも白黒をつけたがる国民性に、うんざりすることがあります。平たく言えば、個人主義なのでしょうが、自分の主義主張を通そうとする人が実に多いですねぇ。しかし、僕が思うに、白と黒の中間地点に、答えや解決方法が潜んでいることだってあるのではないかと・・・。ほら、アメリカの映画やドラマを見ていると、たまに違和感みたいなものを感じる事ってありませんか? 友達同士、恋人同士、夫婦同士、とにかく自分の主張を通そうとする場面が多いじゃないですか。そう言うのを目にする度に、歩み寄ることで簡単に解決出来ることだってあるのに、なんて思うことも多々あります。

もっとも、「アメリカ的ナンセンス」の中にも、日本人にも是非見習って欲しいと思う部分がたくさんあります。ドーナツを買いに行っちゃう運転手のオジさんじゃないですが、こういうおおらかな部分って日本人には欠けていますよね。ルールや規則に縛られれたマニュアル通りの対応のみが、イコール、良いサービスでは無いと僕は思うのです。まあ、時としてアメリカならではのアバウトさに辟易することもありますが、かと言って、日本のように規則規則で縛られて融通がきかないのも、どうかと思うんですよね。

東京にいた頃の一時期、東急ハンズという会社で働いていたことがあったのですが、殊に接客に関しては、かなり細かなことまでマニュアルで定められていました。働いていた当特は、特にそれに対して疑問を感じることもなかったのですが、アメリカにいる今、その頃のことを思い返すと、当時は素晴らしいと信じ込んでいた接客方法が必ずしもそうではなかったのではないかと思えることがあります。マニュアルである程度のことを定めるのは大切なことですが、その部分に頼りすぎると、血が通わなくなることがあると思うんですよね。例えば前回、何年かぶりに東京に帰った時も、マクドナルドの店員さんの爽やか過ぎる笑顔と通り一遍的なサービスぶりに、逆に冷めちゃう自分を発見してしまったり。アメリカのマクドナルドの店員なんて、(って、滅多に行かないですけど)、そりゃもう、「キミにはやる気っていうものがあるのかい、え?」みたいな感じの人ばかりなのですが、そんな彼らのちょっとしたことへのフレキシブルな対応(例えば、ジョークなど)に、こちらの方が余程人間味があるよな、なんて思うのです。日本のマックのおねぇちゃんに冗談言っても、気の利いた答えなんて、期待出来そうにありませんもん。

あ、そうそう、日本での「お客様は神様です」というコンセプトも、ここアメリカではまず通用しないでしょうねぇ。レストランやカフェなどにも、「当方にはサービスを拒否する権利があります」なんていう張り紙がしてあるところも多いですし、例え相手が「お客様」でも、理不尽な言動/行動をする客に対しては、しっかりNOを突きつける。それがアメリカでの接客へ対する一般的な考え方です。客が必ずしも正しいということではないということですね。間違っていることに対してNOを言えるアメリカでの対応の方が、僕には成熟しているように思えます。日本も多いに見習うべき、です。


そんなこんなの「アメリカ的ナンセンス」でしたが、近い将来、アメリカに住む日本人である僕の目に映る「日本的ナンセンス」についても書きたいと思っています。どうぞ、お楽しみに!





さてさて、今回も最後は、「フローラル・デザイン」のコーナーです。

僕の場合、一度完成したデザインを自ら再度作ることは滅多にありません。と言うのも、ひとつの作品が完成した段階で、僕の関心は次のアイデアへすでに移っていますし、一旦完成したものへの興味って、かなり薄れてしまうのです。ところが先週、生け込み先のホテルに勤めるフェルナンドから、「去年だったかなぁ、マシュウのショップに行ったときに星形のリースを買ったんだけど、来週の生け込みはあれと似たものを作ってくれない?」というリクエストがありました。

そこでその星形のリースをフィーチャーして作ったのが、今回の作品です。

いろいろな色でペイントしたパンリードで星形のリースを作り、それらをドライの花材やモスなどでデコレーション。これらを中央に吊るしてディスプレイすることにしました。カラフルな星型のリースは、カリフォルニアの太陽のイメージもありますね。ゲストからも大好評で、めでたし、めでたし、でした。





今回はもうひと作品。

顧客の一人であるルビーナが、彼女の豪邸で誕生日パーティを開いたのですが、その際に10点ほどアレンジメントを用意しました。その中のひとつがこちら。かなりコンテンポラリーな邸宅なので、花のデザインもそれを意識して、シンプルかつスタイリッシュに仕上げてみました。












「アメリカ的ナンセンス」追記 (6月11日)

昨夜、眠い目を擦りながら上のエントリーをアップしたのですが、書き忘れを発見! と言うことで、書き忘れた部分をこちらへ追加しておきます。


アメリカならではの、信じられない法律をいくつか。

ネブラスカ州ウォータールー
  「床屋は、朝の7時から夜の7時までの間、たまねぎを食べることを禁止する」

ノース・ダコタ州
  「靴を履いたまま寝るのは違法である」

ミシガン州
  「女性の髪の所有権は、その夫にある」

メリーランド州
  「ライオンを映画館に連れて行くのは違法である」

モンタナ州サコ
  「女性は、子供、或いは動物が怖がるような帽子を被ってはいけない」

ミネソタ州インターナショナル・フォールズ
  「電柱に犬を追いつめた猫は、違法」

フロリダ州マイアミ
  「公の場所で、男性がストレップレスのガウンを着用することを禁止する」

・・・・・

理解の範疇を超える「アメリカ的ナンセンス」満載の法律の数々! さすがアメリカです!!

で、サンフランシスコにも、こんな条例があることを発見!

「他人の服へ唾を飛ばしながら話すことは違法である」

だそうです。サンフランシスコへいらっしゃる際には、みなさんお気をつけ下さいませ。