まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第21番「穴太寺」~西国三十三所めぐり2巡目・17(かやぶきの里へ・復路)

2017年09月13日 | 西国三十三所
園部駅に戻るバスまで時間があるので、自然文化村まで歩いて往復することにした。府道の歩道を行くとかやぶきの集落が少しずつ離れていく。

由良川の流れに沿い、20分も歩くと次の集落が出てくる。先ほどの北集落と規模はそれほど変わらないが、こちらはかやの上にトタンをかぶせたり、あるいは普通の瓦屋根という家がほとんどである。あの集落だけがかやぶきをそこまで残しているのはなぜか、疑問が深まる。

川の対岸は自然文化村。そこに渡るのは沈下橋である。四万十川で見た景色だが、ここは上流ということであそこまで川幅は広くないし、川に浸かる人の膝元くらいまでの水位である。対岸はキャンプ場やグラウンド、体育館がある。ちょうど少年野球のチームの試合前のようで、子どもたちの中を抜けるように歩くと、頭を丸刈りにした一人の野球少年がつかつかと私のほうに歩いてきて「今日は!」と頭を下げる。道ですれ違った場面ならわかるが、わざわざこちらに来て挨拶とは、誰かの保護者かコーチにでも見えたのかな。

自然文化村の中心である河鹿荘に着く。レストラン、温泉だけでなく宿泊設備もある。レストランは鮎やジビエ料理を出すそうで、そういう食事も良かったかなと思う。もう少し時間があれば入浴も良かったが、帰りの歩きを考えて見送る。なるほど、先の周遊バスでここまで来ていれば、1時間半の折り返し時間の中でそれらを楽しめたわけだ。

帰りは先ほどの府道とは対岸の遊歩道を歩く。歩道といってもずっとクルマの轍が続いているし、アップダウンもほとんどない。周りを木々に囲まれていて川の様子がほとんど見えないのが惜しい。それでも、最後に川の対岸から北集落を見渡す形となり、改めて昔懐かしさを感じさせる景色にうなるばかりである。

少し時間が残ったのでもう一度集落の中を回り、そろそろバスの出発時刻の14時25分が近づく。散らばっていた乗客も無事にバスに戻ってきた。そして園部駅に向けて発車するが、2~3分でまた停車する。

やって来たのは大石酒造の「美山路酒の館」。20分ほどの買い物タイムである。酒蔵ということで、またバスの客相手なので利き酒が行われる。大石酒造は元禄の頃からの老舗で、「翁鶴」というメイン賞品に加えて、美山の米でつくった「美山てんごり」がお勧めという。また、女性には酒精でつくった化粧水が人気のようだ。大陸の人たちも日本酒や化粧水を試したり購入したりしていて、わざわざ京都の山奥でピンポイントでこれらを爆買い・・・とまではいかなくても、慣れた感じでバスツアーの人並みに買っていたのに驚く。

次に停車したのは道の駅「美山ふれあい広場」。2回目の買い物タイムは30分。ここでは、美山の牛乳を使ったソフトクリームやプリンが人気という。ちょうど他のバスツアー客や、バイクのツーリングのグループなども立ち寄っていて、ソフトクリームのコーナーは長蛇の列。ここも、大陸の人たちは慣れた感じでソフトクリームの列に入っている。よほど人気、有名なのだろう。私は普段ソフトクリームを食べないこともあり、別に並ぶまでもないなと思ったが、元の牛乳はどんなものか、道の駅の産直売り場でパックを買って飲んでみた。確かに濃厚な味。こちらでは製造者欄に地元の農家の名前が入った味噌や山椒ちりめんを買う。やはり私はソフトクリームよりも酒のアテのほうが興味を示す。

停車時間も終わりとなり、今度は園部駅に向かう。行きと違って車内は静かになる。かやぶきの里をめぐり、食事や買い物も済んだし、しばしのお休みである。

園部駅に到着。折り返し運転の快速で京都に向かう。嵯峨嵐山や二条からは東洋、西洋の異国の人たちも乗ってくる。さすがは京都という光景であった。

・・・今回はあくまで西国三十三所めぐりの一つだったが、その穴太寺が霞むくらい、美山町はインパクトがあった。大陸の人たちがここ目当てで来るくらいのスポットでありながら、関西にいながらこれまで訪ねたことがなかったのが少し恥ずかしい。ただ、それでも関西にはまだまだ知らない、訪ねたことがないスポットがたくさんある。そうしたものを、各種の札所めぐりをツールとして、足を運んでみたいものだと改めて感じたのであった・・・。
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