まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第4番「水間寺」~新西国三十三所めぐり・28(水間鉄道おもてなし)

2017年04月11日 | 新西国三十三所
「お客さん、車庫見て行きまへんか?」

水間観音駅に戻り、次の列車まで時間があるので、ホーム横にあるカフェ風の待合室に行こうとした時である。水間鉄道の制服を来た人から声をかけられた。電車の客かドライブついでか、二組の人が後ろについている。別に有料のイベントでも何でもなく、日曜日で天気もいいからお客を案内しようという感じである。私もこの後急ぐわけでもないので、お誘いに応じる。ホーム横の通用口から一度外に出て、コインパーキングを通り抜けた先で境界用のロープを外す。

案内してくれたのは水間鉄道の方で、元々は40年以上南海に勤めていたのが、定年後に水間鉄道からお声がかかり、鉄道が好きということでこうして勤めている。何ともうらやましいセカンドライフである。

水間鉄道は先の記事にも書いたが5.5キロのミニ私鉄。貝塚は駅員はいるがホーム1本だけで、この水間観音が車庫も含めて全てが揃う。車両は元東急のものを2両編成として、全部で5編成。ただし、1日の運転は2編成が行ったり来たりするだけだ。まあ、点検等で休ませることもあるし、予備の車両は必要である。

ここでヘッドマークについても解説がある。10日で1万円というのは結構お手頃感がある(1日1万円ならためらうところだが・・)。そのためか、7月頃までは予約で一杯だそうだ。今は、私が乗って来た「さくらいさん」の結婚式のものや、貝塚の高校の入学祝いのものが走る。また、ヘッドマークは掲示後に進呈される。以前、韓流スターのヘッドマークを掲示したことがあったそうだ。その時は、1万円の費用も、有志で共同で出し合えば一人1000円とか500円でヘッドマークを出せるとして、ファン同士のコミュニティでお金が集まったようだ。ただ問題がその後で、進呈されるヘッドマークは誰が持つのかということでもめたとかもめなかったとか。

うーん、ヘッドマークか・・・。もし私が出すならどんなデザインにするかな。何か記念するような出来事があればと思うが、水間寺も含まれる新西国の満願記念というのもどうかと思うし、かと言って四国八十八所というのも。日本全国の私鉄や地下鉄等含めた全ての路線を制覇しました!!というくらいのインパクトはいるかな。

車庫の中を通る。車輪がむき出しになったのもある。東急車輛製のベースは南海電車、果ては新幹線にも通じるものがあるが、高速走行だと寿命が短い。そこに来て水間鉄道では、最高速度は60キロとあって、20年は持つだろうとのこと。経営の厳しいローカル私鉄のナマの声である。

この後も車庫の端まで行き、洗車台も見ることができた。「ちゃんと洗うてまっせ」ということで、同じ東急の車両を導入している弘南鉄道の関係者が感心していたそうである。ちなみに両鉄道は今年、東急つながりということでコラボレーション企画を行う。

車庫見学の間に貝塚方面から列車が到着して、折り返しで出て行ったが別に構わない。ふらりと来てふいに車庫見学となったのも、水間観音の思し召しということで。

余談だが、駅横のこのお宅は、案内してくれた係の人によれば建築に8年かけたという。確かに立派な造りだが8年とは。「家見せてください言うたら、誰でも上げてくれまっせ」と。

お礼を言って、カフェ風の待合室に入る。鉄道グッズの他に飲み物やソフトクリームもあるが、店の売りは米粉で作ったパン。せっかくなので買い求めて、その後の朝食にいただいたが、手作り感がよく出ていた味だった。

こうして水間観音での一時を終え、水間鉄道で貝塚に戻る。今回急遽続きを始めた新西国めぐりだが、桜の景色も良かったし、水間鉄道も面白かった。仕事が忙しい中だが、良い1日のリフレッシュになった・・・・。
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