まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第6番「壺阪寺」~西国三十三所めぐり2巡目・11(城下町の雛祭り)

2017年03月02日 | 西国三十三所
早いもので今年も3月に入った。野球の公式戦のチケットも発売開始となり、今年は何試合行けるかなというところである。毎年の楽しみであるバファローズ対カープの交流戦は、平日ナイターで広島開催だから今年は行けないか。

後は、独立リーグの日程も待たれる。四国八十八所めぐりとも絡ませるし、一方では滋賀の新球団の試合も一度はどんなものか行きたい。

さて、話は吉野行きの帰りに壺阪寺に行ったこと。前回は朝から家を出て、壺阪寺の奥にある日本三大山城の一つである高取城跡まで上った。その帰りに、奥の院にあたる五百羅漢を通って壺阪寺に着いた。今回は駅からバスで行くつもりでいた。しかし、バスの待ち時間が20分以上ある。かと言って次の急行(特急ではなく)だとバスが出た直後に着く。ちょっと中途半端だ。

こうなると、駅から寺まで歩いてみようかとなる。4キロあまりだが、寺の手前は結構急な坂だったと思う。まあ高取城跡を意気を切らしながら上ったのに比べればましなのだろうが。それを少しでも楽に感じようというのに思いついたのが、高取の城下町を歩くこと。これなら途中までは町歩き、後半だけ坂歩きとなって気分的に楽になる。

駅に雛人形が飾られている。3月1日~3月31日、高取では「町家の雛めぐり」が行われる。この記事を書いている時はもう始まったわけだが、現地に行ったのは2月26日。何とも惜しいタイミングである。まあ、雛人形はなくても、高取の町家の風情は前に歩いた時に悪くなかったので、ともかく歩くことにする。

祭りは3月からだが、3日後ということですでに準備は進んでいるようだ。駅の雛人形もそうだし、駅前の食堂のショーケースにも飾られている。国道の交差点に見学スポットの表示があるが、これをたどると着くのは人形店。まあそりゃあ、店内に雛人形はいくらでもあるが・・・。

城下町の中心である土佐町に向かう。その昔、土佐の国から役務で連れて来られた人たちが、国に帰ることができずにこの地に住むことになったことから名前がついたところである。駅から歩いて町の入口に入ったところの空き地に巨大な人形が飾られていた。近鉄で来た見物客が最初に来るであろう場所。ちょうど設置したばかりのようで、地元の人たちが周りに集まっていた。

これから通りを歩く。ふと思い出すのが、前回来た時には町家のかかし祭りをやっていたということ。民家の軒先や空き地にかかしが並び、漫画のキャラクターをモデルにしたものもあった。まずはかかしを見つつ、高取の山城に上っていった。それが今度は雛人形。季節が対照的なのにうなるのだが、それ以上に、高取の町の人たちの遊び心のようなものを感じる。雛人形とかかしのイベントは高取の春秋の風物詩として定着しているのではないかと思う。

祭り期間前だが、あちらこちらの軒先を彩る人形たちが心を和ませてくれる。三人官女がメイドカフェのような感じで飾られているのもあったり。

町の四ツ辻があり、直進すれば高取城跡に向かうが、ここは一度右に曲がる。壺阪寺への参道に通じる。途中、「壺阪霊験記」に登場する盲目の沢市と、その妻のお里の墓がある。高取の城下町に住んでいたそうだから、今も家が残っているのかな。

元々の城下町の家々は、殿様の行列を見下ろすことのないよう、多くは平屋で2階建ての家も2階は屋根裏部屋のような造りだった。今もその名残はあるし、建て替えられた家も景観に配慮するよう決められているそうだ。

そんな町並みも途切れ、壺阪寺の参道である県道に出る。少しずつ勾配が急になり、S字カーブが続く。四国の遍路ころがしに比べればまだ楽だが、それでも息切れする。ちょっと身体がなまっているかな。そんな中をタクシーが何台も追い越していく。バスは本数が少ないし、タクシーでもそれほど料金がかからない(グループで割り勘ならなおのこと)ところである。

結局駅から1時間ほどで寺の駐車場に着く。帰りの16時05分発のバスがこの日の最終便である。時間は1時間、まあ、前にも来ているし十分あるところで・・・。
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