まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第4回四国八十八所めぐり~3日間の最後は・・・

2016年10月27日 | 四国八十八ヶ所
充実と消化不良がごっちゃになった感じのある今回の四国八十八所めぐり。最終日の10日の昼には徳島駅に戻った。ここから出かけるなら13番の大日寺~15番の国分寺までだが、この歯抜けはまたの機会に埋めることにした。

そうなると、バスの時間である17時まで別にいることもないかなと思う。風も強く汗をかいたという感じでもないので、以前のように駅前のサンルートの「びざんの湯」に入ることもないかな。ということで、また明日から仕事なので早めに帰ろうとする。とはいうものの、高速バスは軒並み満席である。

そこで、帰りも南海フェリーで和歌山に向かうことにした。乗るのは16時半。これだと予約していた高速バスと帰宅時間はさほど変わらないのだが、フェリーだと安く移動できるのと、ゆったり過ごせるメリットがある。フェリーに乗るため、徳島駅発15時半の路線バスに乗ることにする。

そうなると、ともかく昼食である。何にするかという中で徳島ラーメンには目もくれず、向かったのは居酒屋「安兵衛」。徳島で最も人気とされる大衆酒場である。ちなみに初日の夜に訪れた郷土料理の「味祭」は「安兵衛」の隣で、姉妹店である。夜はなかなか一杯で入れないので、昼間に狙いをつけた。まあ、これで今回の打ち上げである。

大きなバッグは朝コインロッカーに入れたままなのでよいが、金剛杖は袋に収めて持ったままで店に入る。店の人にどこかに立てさせてもらえないか尋ねると、カウンター下の荷物入れに寝かせてはどうかと言われる。ここなら忘れることもない。「これって、杖?四国回ってはるんや」と、珍しそうに言われる。確かに、遍路は居酒屋にあまり来ないのかもしれないが、いつぞやの鴨島駅前の居酒屋とはまた違った反応である。これで思い出したが、無事に今回焼山寺への遍路ころがしをクリアしたことで、いつかお礼を言わなければと思う。

中は賑やかで、特にテーブル席で盛り上がっているグループもある。

一応大衆酒場ではあるが、「安兵衛」は大阪の行きつけの店と比べれば若干単価が高いかなという印象である。特に刺身類。一方で鶏肉メニューは良心的価格である。いろいろいただき、しばしゆっくりした時間を送る。地元の人たちの居酒屋を楽しむなら「安兵衛」だが、旅先で徳島らしいものを食べたいなら、お隣「味祭」のほうがいろいろ楽しめる。

食後、もう少し歩く。せっかくなので眉山に行くのもいいかなと思ったが、結局は駅の北側の徳島城跡に向かう。跨線橋の上から気動車がよく見えるのがよい。

ちょうど城内の公園では、現代アートの展示会が行われている。しばらくそれらを見た後に、かつての御殿跡に建つ徳島城博物館に入る。江戸期に阿波を治めた蜂須賀氏に関する紹介や、阿波おどりの歴史などがある。

駅前に戻ると、今や徳島の年中行事として人気らしい「マチ★アソビ」のイベント開催中である。アニメキャラクターのコスプレの人や、戦闘メカの着ぐるみ姿の人もいる。ステージで盛り上がっている歓声も聞こえる。また駅横のアーケード街では、店舗を利用してアニメイラストやフィギュアの展示などされている。楽しそうに歩く人が多いのでイベントとして盛り上がっている様子だが、あくまで私個人の感想としては、ついていけない。これは趣味のことなので人それぞれだし、私がやっていることも人によっては変なヤツ、痛いヤツにしか見えないであろうことは認識している。この空間は長くいたくないなと、足早に通過する。

そんな私、駅に戻りコンコースにある徳島インディゴソックスの案内板には興味を持って見てしまう。この時は、今月20日のNPBドラフト会議での指名を期待するもので、インディゴソックスにも何人か候補選手がいる。当日はパブリックビューイングもやるそうだ。ちなみに、この旅の後、20日に行われたドラフト会議では、エース格の福永投手が阪神から本指名、抑えの木下投手が中日から育成指名となった。他に四国アイランドリーグでは、巨人の育成で香川の中軸・松澤選手が指名となった。これからの活躍を期待したい。

そろそろ南海フェリー行きのバスの時間となり、満員で出発。待合室にはすでに結構多くの客がいる。中には四国八十八所めぐりの白衣をそのままつけたグループもいる。見た感じ、四国ではマイクロバスか貸切タクシーで移動しているのではと思う(だからと言ってどうというものではない)。

和歌山からの便が来て、折り返しの乗船となる。行きは桟敷席に横になりながらだったが、帰りは最初から甲板のベンチ席に向かう。乗船の様子だと船室内は満員だろうし、帰りは潮風と夕陽を受けようかなと。

風が強く、甲板は寒いくらいだが、その分空気が澄んでいる。写真では上手く表現できないのだが、離れていく徳島市街や眉山のシルエットはよく見えるし、進行左手の淡路島の島影もいい形だ。

そして日暮れ。フェリーが離れる四国の地と重なるように沈んでいく。これだけ長く、ゆっくりと日の入りを見たのはいつ以来かなと思ってみる。

まだ夕陽の余韻が残る中、前方は灯った風情の和歌山港。無事に到着して、大勢の客とともに南海和歌山港駅に向かう。18時半すぎだが、休日ダイヤでは特急サザンは運転しておらず、2両の普通列車である。これが満員で和歌山市駅に着き、ここで始発のサザンに乗る。休日の夕方、人の流れは徳島から和歌山、大阪なのではないかと思うが、そんなおいしい時間に特急を走らせないのはなぜかなと思う。

帰りの南海電車は何事もなく走り、大阪まで戻ってきた。ともかく、長い3日間であった・・・。

これで四国八十八所めぐりは19番まで進んだが、途中3ヶ所が穴あきなので実際は16ヶ所である。徳島県も残り7ヶ所である。当初、別に急がないという気持ちでいたが、四国まで何度も往復するうちに、何とかこの年末年始も使って、徳島は終わらせたいなという思いもある。これからもどのように計画を立てるか、どのようにアクセスするかが考えどころである・・・・。
コメント