まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

JR線完乗への旅~旭川駅で完乗達成!

2009年12月08日 | 旅行記A・北海道

Dscn5811函館線は岩見沢駅のホームに降り立つ。以前に来た時には駅舎が改装中であったが、かつての栄華を示すような駅舎に生まれ変わっていた。ここから乗車するのは13時30分発の旭川行きの普通列車。この岩見沢から旭川までは、幹線でありながら普通列車の本数が少ない区間。結構ローカル線の風情が味わえそうである。

Dscn5812その列車、2181Mにあてがわれているのは711系というやつ。北海道らしからぬ赤い車体にクレーム色の帯をまとった車両である。分類では近郊型というのになるのだそうだが、車両の両端にドアがあるところを見れば、本州の急行型の車両のように見える。

Dscn5816車内には昔ながらのボックスシートが広がり、往年の鉄道旅行の風情がそのまま残されている。汽車旅好きにとっては、乗りつぶしの最後の列車がこういう車両であったというのはありがたい気持ちがする。ロングシートばかりのステンレス車両・・・ということになれば、何だか締まりがなくなるような気がするし。岩見沢~旭川間の普通列車が少ない区間にあって、よくこのタイミングでこういう列車で出会えたなと思う。

Dscn5834_2こういうタイプの車両だからということもあり、乗り換えまでの間でこのようなものを仕入れる。学生時代に北海道に初めて上陸した折に出会ってから、それ以後はビールといえばこれを指名している。夜の部で入った店がスーパードライやモルツだけを扱っているのなら楽しみが半減するというくらいのものである(サッポロといえばもうひとつ「冬物語」という銘柄を思い出すのだが、あれはこの冬は発売されるのかな・・・・?)。

Dscn58213両の編成だが1両に10人くらいしかいない中で発車。薄曇りの中、石狩から空知の平野部を快走する。このあたりは線路も並走する国道も20kmにわたって直線区間が続くところである。両側の車窓に広がる広大な田園風景を眺める。

Dscn5826かつて石狩炭田で賑わった区間も今は近郊の利用客が下車するばかりで、ガラガラになった状態で滝川着。20分ほど停車するので一度改札を出る。根室線の起点の駅でもあり、貨物駅や留置線など広い構内を持つのだが、駅前通りは実にさびれていた。パッと目についたのがチェーン居酒屋の「つぼ八」であるが、昼間の列車の待ち時間に入るところではない(というか、まだ開店していない)。郊外に行けば賑わっているのだろうが、とりあえずはシャッター通りかなというのを確認する。

ここで仕切り直しとして深川に向かう。先ほど滝川まで乗ってきたが、この日購入していた「一日散歩きっぷ」のフリー区間はこの滝川までである。滝川駅の乗降はこの切符で自動改札を通ったのだが、ここからは乗車券なしの状態である。

Dscn5819そこで一計を案じ、通りがかった車掌から乗車券を買い求める。出てきたのは「滝川~旭川」という、両方の駅名が入ったもの。おまけに「2181M」という列車名も印字されており、これはいい記念になりそうだ。

Dscn5830深川でも20分ほど停車。これまでいた乗客もここまででほとんど下車し、車内に残ったのは3両合わせても10人ほど。これが青春18きっぷの有効期間なら「その筋」の客たちで席が秒殺で埋まり、通路やデッキにも立ち客があふれるのだろうが、普段のシーズン、普通の土曜日の午後の列車というのはこういうものだろうか。

Dscn5835ここからが私にとっての「最後の初乗車区間」となり、せめて外の景色をしっかりと眺めようと思う。次の納内(おさむない)までは広大な畑作地域が広がり、改めて農業スケールの大きさを感じる。

Dscn5836納内から伊納まではちょうど空知と上川の「国境」地帯。急に両側に山が迫り、間を石狩川が流れる車窓となる。峠越えという大げさなものではないが、車窓にちょっとしたアクセントを与えてくれる。

Dscn5837伊納を過ぎると少しずつ開けた車窓になる。次の近文(ちかふみ)は広い構内の中にポツンと小ぶりなホームのある駅だが、このあたりまで来ると旭川の近郊住宅街の景色。そろそろ旭川が近くなってきた。

「次は終点の旭川です」というアナウンス。宗谷線や石北線の乗り換え列車の案内が流れる中、列車はスピードを上げる。それと同時に、いよいよ「乗りつぶし」が最後に近づいたのを感じる。

15時46分、ゆっくりとホームに進入し、無事に到着した。列車のドアからはパラパラと乗客が降りる。私もゆっくりと腰を上げて、その人たちに続く。

Dscn5838・・・・とうとう、日本全国のJR旅客線の完乗の瞬間である・・・・。

他の乗客はさっさと地下道へ降りて改札口に向かったが、私はしばらく余韻を楽しむかのようにホームにたたずむ。その後で(本当は「あさひかわ」の駅名標で撮りたかったのだが手ごろなアングルがなく)、今しがた乗ってきた列車をバックにセルフタイマーで写真撮影。

あと、先の列車で車掌に発行してもらった乗車券だが、これは「ウイニングボール」として、懐にしまう。(それならどうやって出たのか・・・?実は長時間停車を見越して、滝川で下車した時には次は自動券売機で深川まで購入し、深川ではそれを使って一時下車し、最後は深川から旭川まで自動券売機で切符を購入してそのまま旭川の改札を出た)

Dscn5843よくJR完乗ともなれば長い盲腸ローカル線の終着駅で達成したり、大勢の知人友人がその場にいたり、昔であれば完乗記念のきっぷもオーダーメイドで作られていたというが、そういうお祭りムードではなくあっさりと終わったなあという印象。プロ野球の2000本安打達成の瞬間でいえば、大勢の観客も見守る大一番でホームランやタイムリーで派手に達成したのではなく、観客の少ない試合で、まだ得点も入らない浅い回の場面でチョコンとバットに当ててヒットになって達成したかのような心持ちだ。

おまけに、旭川で完乗達成というのは元々意識していたわけではなく、他の路線を乗るうちにここだけが残ったというのが実情。それでも完乗を達成した駅ということで、これからも自分にとって印象に残る駅になることだろう・・・・。

Dscn5842市街地を囲む山々は薄っすらと白い雪が積もっていたが、駅前中心部は-2度と冷え込んでいるものの雪の気配はなく、普通に歩くことができる。今夜の宿泊先で荷物を置いた後は、旅先恒例の・・・・・。

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