MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

頭の体操 (124) 漢字クイズ 問題/解答

2012-12-13 00:00:00 | 頭の体操 漢字クイズ

12/13    頭の体操 (124) 漢字クイズ




        『これまでのカタカナ語句には、

        カタカナ部分のみ各回ごとに載っており、

         それぞれの記事に飛ぶことも出来ます。

   「古い記事 (トップ) → 新しい記事 (奥)」 の順に並んでいます。




      『頭の体操 漢字クイズ』 カテゴリーでは、

     『問題・解答』の全文が直接ご覧になれます。 こちらは

      「新しい記事 (トップ) 古い記事 (奥)」 の順です。





 09/02 ~ 09/11 に登場した外国語の人名、地名、用語が、
カタカナ表記で (1) ~ (19) に、登場した順に並んでいます。

 また、(A) ~ (S) に並んでいるのは、それぞれを漢字で
表記
しようとしたものですが、どう読めばいいでしょうか?



(1) オセット人    (2) シュナーベル    (3) ミケランジェリ

   (4) アーサー・ブリス   (5) アーサー・ベンジャミン

(6) ドクシツェル     (7) ハレー彗星     (8) モルデント

(9) レルシュタープ   (10) ルツェルン湖   (11) プレトリウス

(12) アポロン   (13) バッカス   (14) 歌手のキャスティング

(15) ココア     (16) ナローバンド     (17) フォン・ハイゼ

       (18) ノーベル賞     (19) ドキュメント

(A) 酒無減   (B) 朝振素   (C) 独死潰   (D) 漏天幕

(E) 阿呆論   (F) 暴明日   (G) 古狐浴   (H) 脳減少

(I) 独夢脱人     (J) 不穏盃是     (K) 泣老番頭

(L) 流費運孤    (M) 悪政賭事抜   (N) 悪唆弁邪民

(O) 針椅子威勢   (P) 例流酒食父   (Q) 怖齢取得捨

   (R) 味不蹴自餌狸   (S) 過酒之悲鳴過転愚




[解 き 方]


  ・ 漢字を読み、主にその音を用いて、原語での発音を表わそうと試みた
   ものです。

  ・ 音読み訓読みが混ざっています。 必要な場合は、濁点()、
   半濁点()、送り仮名を補ってください。

  ・  従来のカタカナ表記による読み方とは、必ずしも一致しない場合が
   あります。

  ・  音ではなく、単語の意味を外国語に置き換え、その発音を用いる
   こともあります。 「星 → スター」、「太陽 → サン」のようにです。
    今回は箇所あります。

  ・ 口語的俗語的にくだけた読み方をすることもあります。
   (例) 「汚 → きたねぇ」、「社長 → ボス」。
    今回は箇所あります。

  ・ 漢文もどきに、順番を入れ替えて読む場合もあります。
   (例) 「不読 → よまず、よまん、よまない」。
    今回は箇所あります。

  ・ 人名漢字の中には、“”、”” ともに含まれている場合もあります。 
   姓に加えて "first name" をご自分で補ってください。
   (例) 「ヨーゼフ・シュトラウス」。
    今回はありません。

  ・ 音や意味とは無関係で、漢字から連想しないと解けないものも!
    今回は箇所あります。

  ・  厳密に見るといい加減なものもありますが、そこは冗談の世界。
   お見逃しくださいませ。



   解答
    ↓





以下、09/02 頭の体操 (115) 漢字クイズ 問題/解答より




(1) オセット人  (M) 悪政賭事抜

 北オセチア共和国南オセチア “自治州”の二つに、
大きく分断されてしまった民族です。

 ソヴィエト連邦の崩壊後、北は共和国として独立を果たし
ました。 南も共和国として独立を宣言していますが、承認
している国家は、ロシアなど数カ国止まり。

 ロシア革命後にグルジアに編入された際、“南” に与えら
れた立場は “自治州”。 しかし、グルジア人優先の政策で
抑圧され続けて来ました。 以後、“自治共和国”、“共和国”
への格上げを宣言するたびごとに、弾圧は強まるばかり。
何度も “格下げ” を余儀なくされた後、再び “共和国” を
名乗っています。



 分断、抑圧は100年近く続いていることになる。 グルジア
内には、別に “オセット人の孤島” もあります。

 ただし以上は、一部外者が、オセット側から見ただけの話。
グルジアから見れば、また別の立場もあるのでしょう。




(2) シュナーベル  (A) 酒無減

 ここでは、ピアニストのアルトゥール・シュナーベル
のこと。 少年時代にはヴィーンで、老ブラームス
から絶賛されています。

 後年は、主にベルリンで活躍しました。 そこでは、
かのアインシュタインに説教を垂れた…。 これは
最近お読みいただきましたね。

関連記事 『頭の体操 (123) 漢字クイズ 問題/解答』 (2) アインシュタイン



 「無類の酒飲みだった」…という記録はありません。




(3) ミケランジェリ  (R) 味不蹴自餌狸

 “アルトゥール” が “アルトゥーロ” になると、イタリア
のトスカニーニ。 もう一人、忘れてならないのは、この
ピアニストです。

 1965年、初来日の際のこと。 とにかく、「自分の楽器
を飛行機に積んで来る」…というので、それだけでも大き
な話題になりました。

 考えてみれば、「使い慣れた理想の楽器を用いたい」
…というのは、演奏家にとって当たり前のこと。 しかし、
コントラバス、各種打楽器など、オーケストラの現場では、
なかなかそうも行きませんね。

 でも、たまに見かけるのは、専用カートにコントラバス
を積み、電車を乗り降りする姿。 それが小柄な女性
だったりすると、痛く心を動かされます。




(4) アーサー・ブリス  (B) 朝振素

 1975年に亡くなった、イギリスの作曲家。 室内楽
では古典的な作風を示す一方、抒情的な舞台作品、
映画音楽、声楽作品もあります。

 また、ラフマニノフを思わせるような、難曲のピアノ
協奏曲も残しています。

   楽譜店の在庫楽譜   音源ページ




(5) アーサー・ベンジャミン  (N) 悪唆弁邪民

 こちらは1960年に他界した、オーストラリア生まれの作曲家。
『二都物語』など三つの歌劇、バレー、合唱、管弦楽、室内楽
作品など、語法は伝統的です。

 楽譜や音源については、残念ながら今回は資料が見つかり
ませんでした。




(6) ドクシツェル  (C) 独死潰

 ティモフェイ・ドクシツェル。 ウクライナに生まれ、ソ連、
ロシアで活躍した名トランペット奏者です。 10才のとき
に家族とモスクワに移り、騎兵連隊の軍楽隊で、初めて
トランペットを手にしました。

 「テモテ、ティモシー、ティムとは同語源」…とあります。

 色んなティモシーがいるけど、知ってる人は…?

 やっぱりこのさんだけだ。




(7) ハレー彗星  (O) 針椅子威勢

 「針のむしろの間違いじゃないの?」

 いいえ。 あるんですよ、こういうの。



 想像してください。 貴方はオーケストラのメンバーで、今
ステージの上にいます。 折しも本番中。 Violin セクション
の一員です。 ところが…。

 盛大に音程を外してしまいました! 犯人は他の誰でも
ない、貴方です。 それは周囲の仲間にも、おそらく解った
ことでしょう。

 「済まない、申しわけない…。」

 しかし、そこで下を向いてしまったら、自ら犯人であることを
認めるようなもの。 貴方は胸を張り、何食わぬ顔で誇らしく
弾き続けます。

 激しい自責の念に駆られながら。



 「そんな状況、よく想定できますね!?」

 任しといてください! こう見えても経験豊富なんです!



 「ちゃんとそう見えますよ。 ご安心ください。」

 ……。




以下、09/05 悲しみは尽きずより




(8) モルデント  (D) 漏天幕

 かつて、黒い天幕という映画がありました。 これを
観に連れて行ってくれたのが、母方の伯父。 私は当時
小学生でしたから、内容など全然覚えていません。 ただ
“カラー映画” で、夕闇の濃紺と黒が印象的だった…という
ことしか。

 家へ帰ると、すぐ報告しました。 「“黒いテンマク” って
映画、観に行ったよ!」

 すると両親は、口を揃えてこう言うのです。 「それは
“黒いテント” だ。」

 割り切れない思いの私。 「天幕を、テントなんて読む
はずがない。 “テンバク” なら、まだ解るけど…。」

 今思えば、これ、意訳読みなんですね。 そんなこと、
小学生の私には想像も出来ませんでした。



 余談ですが、その伯父は桑野仁(ひろし) という経済学者。
その弟は桑野茂で、かつての岩波映画で長く活動した、
記録映画作家です。 私の母は、その下の妹。 二人の
兄は京都大学の出身で、父親は小学校の校長先生だった
そうです。

 ちなみに私の父方は、祖父の秀男がヴァイオリン、祖母
スミがピアノ弾き。 かつての “活弁映画” で、徳川夢声
の身辺で起居を共にした、明治生まれの “楽隊屋” です。

        関連記事 Viola にも鈴を?



 学者肌の母親系と、楽隊屋の父方。 それぞれの気質を
中途半端に受け継いだ私は、突然変異で脳天気になって
しまいました。




以下、09/06 愛~悔恨と情熱より




(9) レルシュタープ  (P) 例流酒食父

 「ベートーヴェンが月夜の街を散歩していると、ある家
の中からピアノを弾く音が聞こえた。 よく見るとそれは
盲目の少女であった。 感動したベートーヴェンはその
家を訪れ、溢れる感情で即興演奏を行った。 自分の
家に帰ったベートーヴェンはその演奏を思い出しながら
曲を書き上げた。 これが『月光の曲』である。」

 これは、戦前の尋常小学校の教科書に載っている
内容だそうです。 でも、それって、全楽章?

 ところが幼少時に、私が戦後の絵本で見た話には、
“盲目” とは書いてなかった。 「…散歩中に、自分の
作った曲が聞えて来た。 ただ、ちょっと音が違う。
そこで家を訪問し、少女の傍らで正しく演奏し、聞か
せてあげた。 これが『月光の曲』である。」

 「少女には、飲んだくれの父親がいて…。」

 そんな記述は、さすがに見かけません。




(10) ルツェルン湖  (L) 流費運孤

 レルシュタープは、ベルリンに生まれた詩人。 16才で
士官学校に入ります。

 しかし士官に就任したものの、22才で除隊、放浪生活
へ。 ドレスデン、ヴァイマル、バイロイト、ボン、ハイデル
ベルク…。

 その間、幾多の作曲家、作家と巡り合ったことが、彼
の人生に大きく影響したようです。

 なぜ、スイスの “ルツェルン湖の月光の波” でなけれ
ばならないのか? 確かに、詩的イメージは充分です。

 それともドイツには、あまり湖が無いから?




以下、09/09 頭の体操 (116) 漢字クイズ 問題/解答より




(11) プレトリウス  (Q) 怖齢取得捨

 “プレトリウス” には、名高い音楽家が二人います。 片や
ミヒャエル、片やヒエロニムス。 それも同時代人です。

 音源サイトでも、ただ “Praetorius” だと両方出て来ます。
中には、どちらの作品なのか、記載の無いものも。




(12) アポロン  (E) 阿呆論

 ① 「音楽の神として名高いが、拳闘の神としての側面をも
持つ。」

 ② 「若く力強い美青年として表わされ、その性格は多様で
あるが、知性と道徳、秩序、律法の保護者で、音楽(ことに
竪琴(リラ))、弓矢、予言、医療、家畜をつかさどる。」



 すごい…。 でもそれだけじゃないようです。

 ③ 「医学、数学、音楽の守り神となった。 太陽神とする
物語や絵画もある。 更には予言を司り、楽人の王、神託
の王、黄金の弓の支配者と数多い名を持つ。」



 “阿呆論” なら負けないんだけどな…。




(13) バッカス  (F) 暴明日

 上の記述③は、アポロンの物語に見られる内容です
が、そこにはこうも書かれています。

 「何故かゼウスやディオニッソス(酒神)は中年から老人
の姿で描かれる事が多い。 しかしながらアポロンは永遠
の若さを持つ青年神とされ、理想的な肉体を持つ神として
たいていは描かれる。」



 ギリシア神話のディオニッソスと、ローマ神話のバッカス。
酒と言えば葡萄酒のことで、豊穣と酩酊の神だそうです。

 放縦と酩酊なら負けないんだけどな…。




(14) 歌手のキャスティング  (S) 過酒之悲鳴過転愚

 フラつく千鳥足。 どういうふうに歩くのか、気になりました。

 「ジグザグに足を踏み出す様子。」 要するに、真っすぐ
歩けないことか…。

 「千鳥の歩くように、足を左右に踏み違えて歩くこと。」
まさか、内股じゃないだろうね。



 でも、なぜ? 普段から酔っ払ってるの? 千鳥って。

 「通常、鳥の足には後ろにも支える指があるが、千鳥の
指は前三本で後ろに足がなく、よろめいた歩き方をする。」

 折しも忘年会シーズン。 お互いに気を付けましょう。

 Violin ケースで体を支えかねない私でした。




(15) ココア  (G) 古狐浴

 「cocoa、英語発音: /?koukou/ コウコウ」…とあります。
でも昔アメリカで店に入り、ちゃんとソウ発音したのに、
出て来たのは “Coke” でした。

 「Hot chocolate って言わなきゃ、通じないよ。」

 じゃ、アイスココアは? Iced hot chocolate ?



 ところで、コーヒーゼリーの “jelly”。 やはりアメリカ
時代、学食での経験ですが、おいしいフルーツゼリー
がメニューにありました。 “Nice jelly!”

 そう言いながら、トレイに置いたときのこと。 係の
おばさんが、大声で言いました。 ”No,Jello!”

 おかしいな。 jelly は立派な単語なのに…。

 以来、私の顔を見るたびに、おばさんは ”Jello!”
怒ったような声で。 私がトレイに取らないときにも。

 これ、体格の立派な黒人おばさん。 南部テクサスの
方言なのかな? そう思いながら、何十年も調べない
まま、放置しています。




(16) ナローバンド  (K) 泣老番頭

 先に出来た言葉が、ブロードバンド。 それに対して、低速の
回線でインターネット接続をする手段を指します。

 言葉の元の意味は、「周波数帯の幅が広いか狭いか。」 電気
信号、電波、光信号など、媒体によって大きく左右されます。




以下、09/11 ホ短調のアガ―テより




(17) フォン・ハイゼ  (J) 不穏盃是

 「ねえ、キミ。 酒なんて、付き合いで飲むものですよね。」

 友人のピアニストのお宅にお邪魔したときの、父君の言葉。
そう言いながら、若輩の私を歓待してくれました。 はるか昔、
学生時代のこと。

 確かにお酒には、コミュニケーションを滑らかにする魔力が
ある。 良くも悪くも。

 ほとんど出歩かず、付き合いの悪い私です。




(18) ノーベル賞  (H) 脳減少

 流行語にもなった、iPS 細胞。 「…… (難しい!) ……分裂
増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞
のこと。」

 これ、分裂、消滅していく脳細胞にも効くの? だったら助け
てほしいのに、脳細胞については、どこにも書いてないよ…。

 よし! こうなったら、片っ端から検索してみようっと。

 でも、貴重な時間も減少しちゃうな…。




(19) ドキュメント  (I) 独夢脱人

 …年内は忙しいから止めよう。 この続きは初夢で
見るとするか。

 でも “人生の夢” は、いつも捨てないようにしようね。



 “document” には、文書 (-s)、書類、原稿、資料、
さらには公文書など、様々な訳語があります。




 お疲れさまでした。