06/28 私の音楽仲間 (400) ~ 私の室内楽仲間たち (373)
青は空の色、じゃ緑は?
これまでの 『私の室内楽仲間たち』
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青は空の色、じゃ緑は?
"コーワ、コーワ" じゃないよ
第Ⅲ楽章は、[MENUETTO, Allegretto]。 もちろん
TRIO も付いています。
曲はハイドンの弦楽四重奏曲 作品50-6 ニ長調、
その続きです。
[演奏例の音源]は、MENUETTO の冒頭から。
「繰り返しは無く、TRIO に入ったところで終る」…という、
まったく滅茶苦茶な編集です。 ちゃんとした鑑賞のため
の音源は、一番最後にリンクがあります。
譜例は、それぞれ [MENUETTO の冒頭]、
[TRIO の冒頭]です。
おや、また塗り絵が始まりましたね。
青く塗られた音符は、同じ高さの音の繰り返し。 これは
MENUETTO だけでなく、TRIO にも見られます。
[譜例 ①]
TRIO の最初の4つの音符は、上下に動いています。
これを逆行させると、MENUETTO の2小節目と同じ。
[譜例 ②]
この4つのモティーフ、登場する順番は逆ですが、青同士、
また濃い緑同士は、素材的に関連していることが解ります。
音符の数やリズムには差がありますが。 ハイドンの遊び
心でしょうか。
ところで MENUETTO の3小節目には、やはり緑の2音符が
現われ、以後、頻出します。
短い32分音符と、符点の付いた16分音符。 直前の2小節目
の音符たちの、ちょうど半分の長さになっています。
[譜例 ①] ↓ ↓ ↓
実は、これとよく似た形なら、前回の第Ⅱ楽章で出てきました。
下の譜例で、"fz" の付いた "↓の2音符" です。
音符の "長短" は、ちょうど逆になっています。
[譜例 ③] ↓ ↓
これらは互いに関係があるのか? 意図的、意識的に
作曲者が用いたのか?
それはもちろん解りません。 しかしハイドンの曲では、
これまでご一緒に見てきた他の作品でも、同じようことが
頻繁に出てきました。
「"fz" はね、出来れば第Ⅲ楽章が始まるまで、覚えて
おいてほしいから書いたんだよ。」
そうハイドンが言っているようにも思えます。
さらに眼が行ってしまうのは、[譜例 ③]の、最初の小節の
1、2、3拍。
先ほどの、同じ音符の繰り返しです。
こうしてみると、何もかもが関係しているように思えてきて…。
関連が薄そうな第Ⅰ楽章でさえ、疑えばキリがありません。
次の第Ⅳ楽章は、一体どうなってしまうのでしょうか…。
そして、ハイドンの頭の中は、どうなっているの?
でも、頭蓋骨の研究なんか、しちゃ駄目だよ?
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ハイドンの弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.50-6
[音源ページ]