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国際制裁のプラスとマイナスは表裏一体(2)

2010-06-18 | Weblog
それゆえ国連は徐々に目的を正確に絞った制裁、つまり武器の禁輸措置、個人や組織の銀行口座凍結、指導者の外国への渡航禁止、また特定の商品への供給停止といった措置を取るようになってきた。
こうした制裁は、すでにイランのほかに北朝鮮、アフリカのスーダン、カリブ海のハイチ、アフリカのコンゴ、ソマリアなどに適用されている。
しかし制裁実施の経験からそうした措置は、体制がそもそものはじめから独裁的であるならば、体制を強め結束させるだけで目的を達成できないという考えが生じている。

これは北朝鮮の例が良く示している。2006年の国連安全保障理事会決議の後、北朝鮮は2度にわたって核実験を行い、新たなミサイル打上げも実施した。
おまけに制裁導入の結果、国が孤立してしまった事で北朝鮮の人々は餓死寸前の状態であり、雑草までも食べざるを得ない有様だという情報もある。

ロシアの国際問題の専門家ソニキン氏の意見を紹介したいと思う。
「現段階で影響を与えられる別のメカニズムは、制裁以外にやはりないと思われる。もし国連の枠内で、新しい理事会ばかりでなく、古い理事会のメンバー国が、何か他のメカニズムを作る可能性があると考えたのであれば、恐らくそれは効果を持っただろう。
国際裁判所、つまるところ国際法廷といったシステムだ。例えばヨーロッパ人権裁判所のようなものだ。政治はそもそもかなり繊細なものだ。
恐らくそうしたメカニズム作りでは、特別の繊細さデリケートさと同時に、国同士が協力し管理する効果的手段が求められるだろう。
その意味で現在世界には、そうしたメカニズムに付いて積極的に話し合い、効果的に作り上げることのできるような好ましい状況が作られたと言える」
専門家ソニキン氏は、このように指摘している。

またロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所のエキスパート、エフセーエフ氏も同様の考えの持ち主だ。
「イランは多くの点で、原油輸出のおかげで約600億ドルを得る事で存在している。国連の新たな制裁導入は、これまでのものを補強し、恐らく様々な(???)や貧困層の人々への援助を通じて入ってくるそうした収入を、当局が再分配する可能性を弱めることに繋がると思う。長期的に言えば、そうしたことによって制裁は好ましいものと言えるだろう。制裁は全く有益でないと考えたり、イラン大統領の言ってることを気にしたりする必要はない」
エキスパートは、この様に強調している。

今紹介したようにロシアの専門家たちは、やはり国連による制裁措置というものは長期的展望に立てば有功だと捉えている。
とは言え、様々な国々や体制に制裁を適用する事で生じる結果に付いての問題全般は、余りにも複雑であり、一言では片付けられない。
国連安全保障事会は1990年代末、この問題にかかりきりになってしまった事でも、それはよく判る。その国に住み、その体制の下で暮らす一般市民への、人道的に見て否定的な影響が最も抑えられるように、制裁適用の手続きに向けた法律的また政治的アプローチの改善に向けた作業が、今、続いていると言のが現状だと思う。

(???)は何と言っているのか不明。

6月11日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル

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