インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

5月21日 …インディオになった人の本

2007-05-21 00:24:35 | 古代アメリカの資料
 『ジャングルで乾杯!』(1996、3月)
  ~医師も結婚も辞めてアマゾンで暮らす~
  林恵美子 スターツ出版 ¥1,100

 『ジャングルへ行く』(1996、8月)
  ~医師も結婚も辞めて~
  林恵美子 スターツ出版 ¥1,100

 ある日、スターツ出版社に『原稿』が舞い込んだ。

 編集長は呟いた。
 「本になるか? 物語は落差があるから、転がるのだが…」

 医者はエリート。それも女(インテリ)。
 アマゾンは、密林、住んでいるのは未開人(インディオ!) ←読者のイメージ

「女医が恋人も仕事も捨てて、アマゾンへ行った!」
うん、これは読者が関心を持つかも!(編集長→ 採用)

その後、原稿は、大幅修正(都合の良い所、興味の湧く点を並べる)。

 実際はどうだか(インディオは疑い深い読み方をする)。

 親の壁は厚い。
 格差社会の今、人生は親で決定する。
 政治家、弁護士、医者、歯医者、会社経営者…、全ての利権は「二世」が引き継ぐ。インディオの親の利権は……、田舎の土地ぐらいか(寂)。
 
 著者は私立女子医大出、親は開業医ではない。
 大学病院の外科医の元彼の親は、田舎の教師だといっていたが、自分の親の職業については「借金を背負って苦労して働いていたのを小さい頃から目にした、ああなりたくないと思った…」 建設業か何かか?

 ※後で、別の本で「医院の跡取り」であることが判明しました(肝心な事が書いてない!)

 本音は多分、辛気臭い患者に囲まれるより、大自然の空気を吸いながら生きたい。
 著者はインディオに戻ったのだ!!
 これも遺伝子のなせる業であろう。
 
 BUT、『ジャングルへ行く!』 の後半で、著者は次のように語っている。

「ああ、ここに来る時、お金がなくてもいい、自然の中で、素朴な生活をしたいと思ってきたのに、まず、私の前に立ちはだかった問題が、お金だったとは……」
 私は、自分の人生に対する読みの甘さを、つくづく思い知った。どこで暮らしても、やっぱり人間の暮らしに必要なのは、お金という現実的な問題だったのである。・・・・
 
 インディオ生活を満喫する幻想は、もろくも破れた。

 ブラジルで旅行業。金を稼ぐのに苦労している。一時、断念して日本へ戻ったが、アマゾンの男が恋しく(大自然も)、またブラジルへ。さてどうやるのやら。
 
 
(参考)
 ある日、この出版社に『別の原稿』が舞い込んだ。
 編集長は著者の肩書きを見る。東大医学部卒のエリート医。
 しかし・・・
  男=もともと野蛮(?)
  おっさん=出家志向がある。
 「開業医のおっさんが、何もかも捨てて、アマゾンへ行って治療してます!」
 こんな本、売れねぇや (編集長→ 没)

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