インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

泉鏡花賞作家、小檜山氏の盗用事件

2008-01-21 22:48:22 | 考えるインディオ
 毎日新聞の読者投稿を盗用 泉鏡花賞作家の小檜山氏
 札幌市在住の作家、小檜山博(はく)さん(70)がJR北海道の車内誌に寄せた短編小説の内容と、毎日新聞の読者投稿文が酷似していることが分かった。小檜山さんは投稿文をメモにとって参考にしたといい、「盗用と言われれば、認めざるを得ない。もの書きとして恥ずべきことでおわびしたい」としている。JR北海道は車内誌の回収を始めた。短編小説は「電車で」という題で「THE JR Hokkaido」に掲載。けがで通院中の男性が電車内で少女に席を詰めてもらい、感激するという内容だが、毎日新聞に掲載された茨城県土浦市の女性の体験談とほぼ同じ筋立てで、状況描写も酷似している。小檜山さんは、自分が見聞きしたものや読んだものをメモに残し、執筆の際の参考にする習慣があるといい、「(投稿文の)言葉が強烈で素晴らしかったので紙切れにメモを取っていた。咀嚼(そしゃく)できないまま書いてしまった」としている。 (朝日のニュース要約)

 「電車をテーマに、泉鏡花文学賞に恥じない小説を書いてくれ」と言われて、ハクさんは悩んだ。「わしはサラリーマンではないから、毎日電車に乗らん。人生経験が足らんことを想像で書くと、リアリティがないわい。どうしようかのぅ」
 何か材料がないか、新聞を読んで探す。いつもは材料をむしゃむしゃ噛んで食べ、別の代物に変えて吐き出していたのだが、材料が噛めなかったのか(歯がおかしくなったのか)、時間がなかったのか、そのまま吐き出してしまった。

 ハクさんは大ブーイングを受けることになった。「あなたは一体何を考えているのですか! 他人が書いたことを書いてどうするのですか! もしかしてあなたは、他人が書いたことをパクってばかりいたんじゃないですか!」
 かくしてハクさんは、大衆という名のモンスターに襲われる羽目になった。

 小説家に独創的なことを書かせるためには、「与えられたテーマで書かす」というのはダメだ。入学試験や就職試験の小論文ではあるまいし、高く評価される模範解答を探して書くことになってしまう。一小説家が、あらゆるテーマに対応できるわけがない。依頼したJR北海道にも問題がある。
 科学の世界であれ、哲学の分野であれ、本当に独創的なことは少数にしか理解されない(と思う)。

 大企業が作家にテストを与えた。
「電車に乗って感動したショートストーリーを書け」
「ふん、そんな電車ものはわしの書く事柄じゃないわい。不得意分野じゃ。30点じゃ」
 ハクさんは何個か書いたが、60点以上の物語が書けなかった。そんな中、毎日新聞の声の欄に95点の物語を発見したのであった。
「よし、これを出そう!」
 しかしカンニングテストはばれてしまった。
 文壇から追放されてしまったのである。

ハクさんには、いつまでも少数の支持者がいますよ!         
                             
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ

 


 
 

 

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (さっと)
2008-01-26 11:56:30
拙ブログにTBありがとうございました。
まったく、ハクさんはボケてしまったのかと、そう疑いたくなるニュースでした。
ただ、今でもペンをにぎって、「悲しむ」を「心に非ず」と思い浮かべながら一字ずつ書いているというその執筆活動にひかれるのも事実。温かく見守ってあげたい(何様)ですね。
返信する
読みたくなってきました。 (インディオ)
2008-01-26 17:52:04
ハクさんの作品は読んでいませんが、小檜山博文学碑があるほど支持者が多いようですね。インディオの勘違いも多かったようですが、連載ものならやっぱネタに尽きますよ。炭焼き小屋に生まれるなんて、大自然の精霊に囲まれていいなと思います。泣かせる話が多い→読者はそれを期待する→題材探しに苦しい→実話が一番感動する、ってことでしょうか。
返信する

コメントを投稿