July 27, 2012
7月26日(水)
今年2月に図書館に予約してやっと手元に届いた、綾辻行人『奇面館の殺人』(講談社)を読んでいる。ミステリはずいぶん読んできたが、日本の作家のものは数えるほどしかない。朝日新聞の「読書」欄での推薦の言葉に惹かれて予約した。著者の履歴を読んでみると、京都大学院卒ということで、硬派のミステリのようだ。まだ途中だが、今までの所では面白い。
今日は、久しぶりにサンドイッチをたくさん作り冷凍した。今井 偕子『フリージング』(婦人の友社)を参考にして、以前はよく作ったものだ。冷凍するので、キュウリやトマトは使えない。せいぜいパセリでグリーンを補う。本の中で野口薫さんが書いているコラムを少し引用しよう。堅実な日常生活を送られていることがうかがえる文章を読むと、どこに行くわけでなくても、何日分か作って、自分の昼食にしたいといった気分になる。
一人暮しの私は毎日のお勤めに、お弁当を持参します。前晩の材料があまった時など、ご飯で和風のものも作りますが、ほとんどの日はサンドイッチを持っていきます。ひとり分のサンドイッチを作ると、種類を多くすれば入れるものに無駄が出来、せいぜい2,3種しか出来ません。そこで冷凍庫を活用し、一度に2斤、6食分をまとめて作ると、一食に6種類ぐらい組み合わせることが出来楽しく、また忙しい朝はそれをバッグに入れるだけなので、大助かりです。
一週間ぐらい前から材料を考え、取り分けておいたり、少しずつ用意して、手順よく作ります。冷凍庫が小さいので、ちょうどそのころまでに6食分の空間が空くように心がけ、中がすいたところで掃除もしておきます。(『フリージング』講談社)
昭和50年発行の本なので、古い感じはいなめないが、私には今でも大いに役っ立っている。
7月27日(金)
50数年ぶりにデモに参加した。いわゆる60年安保の時以来だ。原発再稼働反対を叫ぶデモは、様々な形で行われているようだ。毎週金曜日のデモは、10万人を超え始めたという報道がある中で、友人と出かけた。こういう行動を共にできる友人がいることがうれしい。ほんの1日、1時間ほど、皆と「再稼働反対」を叫んだにすぎず、ちょうど読み終わったばかりの藤原新也『コスモスの影にはいつも誰かが隠れている』(河出文庫)の中に書かれていた、「都会の鳥たちが食べた木の実が消化されず糞とともに屋上に落ち、それが雨で洗われ、あちこちにむき出しになった種子が転がっていたのだ。」という文章から思いついたことではあるが、そんな種子の一粒のような行動だったとしても、無よりは有をと思えば、それなりの力にはなるだろう。しかし、遠い遠い何かに向かて届かないメッセージを送っているような虚しい気持ちにもなった。メディアの取り上げられて、話題を提供しただけで終わりというのではいけないという感想も持った。見まわしたところ50歳以上の人の姿が多かった。日曜日に行われているという集会には、また別な顔が見られるのかもしれない。
画像は、遠くに見える国会議事堂。警察の機動隊の車両が囲んでいて近寄れないのは少し腹立たしいが、60年安保の時の機動隊とデモ隊との敵意に満ちたまなざしはまったくなく、帰りに地下鉄への道を立ち並ぶ警察官の一人に尋ねたりした自分の姿も、内心おかしかった。