私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

エクササイズ

2012-05-30 08:42:25 | Weblog

May 30, 2010

5月28日(月)
朝日新聞、月曜日の俳壇・歌壇のコーナー、私はどちらかというと歌壇の方をしっかり読む傾向があるが、最近歌壇があまり面白くなくなった。そのひとつに子供の歌を取り上げ始めたことだと思う。子供の歌がつまらないというのではない。しかしそれは別のコーナーで扱ってもいいのではないか。さらに、短歌と俳句を左右に掲載した真ん中の場所に、「俳句時評」、「短歌時評」というコーナーが、週替わりで設けられている。これはプロの作家の作品についての時評だ。ここに取り上げられている作品と、左右の投稿作品との間の違いがあまりに大きいことに違和感を覚える。どちらがうまいとか下手とかではなく、うまく言えないが、何かこのコーナーの主旨がはっきりしないことだ。投稿作品の場所であるならば、作品に対する添削の場にこの空白を使ってもいいのではないか、といったことを感じた。でもこの日も心に響く作品がいくつかあった。次に掲載させていただく。 

        原発の世に千の御手差しの述べて立木観音の深きまなざし    (福島市) 美原 凍子
        青き月見上げて聴けばボブ・ディラン恋の歌さえ祈るが如し     (岡山市) 佐藤 茂広

        波に我呑まるるごとく夏来たる   (下関市) 野崎  薫
        庭に咲くものの小さき暮春かな   (富津市) 三枝 かずを
                                  (朝日新聞5月28日「歌壇・俳壇」より)

5月30日(水)
朝日新聞を開くと、一面いっぱいに、中村格子『大人のラジオ体操』(講談社)の広告が載っていた。実は私も昨日、本屋で見つけて買ってしまった。身体の衰えを感じることが多いここ数年、ウォーキングをはじめ、いろいろエクササイズを試みるが、長続きしない。「美客・小尻・くびれ・若返り・肩こり解消… たった3分ですべてが叶う!」と帯に書いてある。私はそんなことはどうでもいい。何しろ今の体力を維持していきたい、それだけだ。ラジオ体操は、運動嫌いだった私も、音楽を聴けば体が反応する。パソコンを始める前に、本についている「DVD」をさしこんで、1日1回はエクササイズを実行しよう。

画像は、「センテッドゼラニューム」。この花は私のベランダの環境があっているらしく、差し木をしてもすぐつき、1年中花を楽しめる。


友人のブログ

2012-05-27 11:41:30 | Weblog

May 27, 2012

よく私のブログを覗いてくださって、時々メールで感想などを書いてくださる友人が、ご自分もブログを始められた。お一人で外国へ旅行することをいとわず、旅のホームページを持っていられるが、ブログはまた趣を異にしている。神奈川近代文学館で開かれた「茂吉を語る会」講演会に行かれた時のことを書かれていた。講演者・品川悦一氏は、茂吉の作品の写実(茂吉はこれを「観入」と言っているそうだ)は、いわゆるロマンチシズムとの二項対立にあるのではなく、ロシアフォルマリズムの「異化」と同じだととらえている、というところが、興味深かった。こんなことを書いても、このブログを読んでくださる方にはわけのわからないことだと思うが、友人のブログでは、グラックの『シュールリアリズムとは何か』をあげて、明解に説明されている。若い頃に少し触れたことがあるが遠くなってしまった世界を、みずみずしく語られている友人の若い感性がうらやましかった。講演後に立ち寄られたという「えのき亭」の写真も素敵だった。硬軟織り交ぜてというところだろうか。これから友人のブログをそっと覗くという楽しみが増えた。少し友人のブログに深入りしすぎて申し訳なかったかもしれない。

ニュース以外はあまりテレビを見ないことにしているが、これからはスポーツ番組が目白押しで、なかなか目が離せない。今日はこれから「バレーボール」の中継があるので、楽しみだ。画像は、先日横浜を訪れた時に、通りで見かけたもの。「エニシダ」がきれいだった。横浜はどこへ行っても、街路樹にしても、こういった小さな花のあしらいにしても、素敵だ。


奈良の仏像

2012-05-26 10:44:21 | Weblog

May 26, 2012

5月24日(木)
美大生の個展を見に、高円寺まで出かけた。読書をする喫茶店といった場所で、ご本人同様ユニークな所だ。書棚には珍しい本が並んでいた。野上弥生子の私の知らなかった本が2冊目に入った。どれも店主の思い入れがある本ばかりのようだ。ここの書棚にある本を読んでもいいし、自分で持ち込んだ本を読んでもいい。なにしろ読書をする場所なので、静寂が保たれている。飲み物の注文も、ささやき声である。近くにあったら時々出かけたいようなところだ。「スイーツをテーマにしたポップな水彩画のイラスト展」と、この読書館のホームページに書いてあった。ケーキをデザインしたかわいい作品を見て、帰宅した。こんな日もあっていい。私はいま、『ミレニアム』ほどの面白さはないが、翻訳ミステリ大賞受賞作品、ジェラルディン・ブルックス『古書の来歴』(ランダムハウス)を読んでいる。上下の文庫本で、そろそろ読み終わる。読書会も近いので、『きけわだつみのこえ』もまとめなければならない。

5月25日(金)
いつも宅食を届けてくれる女性に、来週いっぱいで止める旨を告げた。とても良い方だったし、毎日顔を合わせるので、何かあった時に助けになって頂けるとも思っていたが、もう少し人生をシビアに考えたいと、食事も自前で作ることにした。また買い物をしたり、新聞のレシピを見て今日の献立を考えるといった楽しみも復活させたい。坐ってパソコンに向かっていることが多いので、立ち仕事も運動の代わりをしてくれる。

5月26日(土)
土曜日なので、まず新聞のbe版の「数独」をやる。今日は難易度が星5つだった。長年やっているが、私はどうも星3つの時が、一番間違えてやり直すことが多い。気を許すのかもしれない。点訳で校正をお願いしたり、校正させていただいたりしていると、こういった気分が物事を左右することを実感している。同じページの、「奈良には古き仏たち」のコーナーは、東大寺の大仏様、「蘆舎那仏」だ。こうして頭部だけを写した写真だけでも、見ていると気持ちが落ち着く。「仏様」とはそういうものだろう、と日頃あまり縁のない仏に心を移している。たぶんこの連載が終わったら本になるだろう。それを携えて奈良の仏様巡りをしてみたい。可能ならばの話だが。このページは読むところが多い。「高橋睦郎・季をひろう」は、先週の「薫風」に続いて、「青風」だ。「薫風はクンプウと音読みし、倒さにしてカゼカオルと訓読みするのに対して、青風はもっぱらアオアラシと訓読みにし、セイランと音読みすることは稀。」とある。短歌や俳句は語数を数えて歌を読むので、音読みか訓読みかでその歌の趣も変わることに、今頃気づいた。

         青嵐定まる時や苗の色       素堂
         青嵐一蝶飛んで矢より迅し     虚子  
         鶏うさぎ生れて木曽の青あらし  魚目    (朝日新聞5月26日be版より)

五月晴れももう終わりだ。今日のような気持ちの良い日は外出しよう。久しぶりに図書館に行ってみよう。

画像は、また友人の撮った写真を拝借した。今はやはり「アジサイ」だ。どくだみの花とのコントラストが美しい。


お祭り騒ぎもいいけれど

2012-05-23 09:39:42 | Weblog

May 23, 2012

5月21日(月)
「金環食」の日、用意してあった眼鏡を携えて団地の広い場所に出てみると、小さい子供連れの家族がたくさん集まっていた。学童は学校で一緒に見ることになっているらしい。日本のこんなに広範囲の場所で金環食が見れるのは平安時代以来とういうニュースが、耳に残った。今を生きているので精いっぱいだが、宇宙も人間も古代からつながる歴史の中に存在することが実感される時だった。多分お顔も知らない上階の方とも挨拶したりして、人とのつながりは、ひょんなことから始まるのかもしれないとも思った。先週だったと記憶するが、ニュース番組にちょっと登場していた歌人の俵万智さんが、自分の子供に、独りで強く生きていく人に育ってもらいたいと思っていたが、人はどんなに頑張っても独りでは生きていけない、何かあった時に人が助けてあげたいと思う人に育ってほしいというように変わったと話されていた。東北大震災で沖縄に避難し、そこに永住しようと決めたからの心の変化だという(ニュースで耳にしたことなので、記憶違いもあるかもしれないが)。私はますます老いていく今、人びとから受ける支援は大きい。そんな時、人の助けに感謝する気持ちを持ちつづけられる「おばあさん」でありたい。

5月22日(火)
数学点訳の講座のある日。主催者の女性に、このクラスを開いてくださったことにしっかりお礼をいう機会がなく気になっていた。今日は少し早目に出かけたので、私の気持ちをお伝えすることが出来た。すると、こちらこそありがたいです、根気のいることで、また時間的に余裕も必要で、どなたでも出来ることではないので、よろしくお願いします、といった言葉をかけてくださった。恐縮するとともに、パソコンを使った点訳は、私には合っているようなので、さらに頑張りたいという思いを強くした。

今日は、「スカイツリー」開業の日。昨日の「金環食」と、2日続けてのニュースの花形だ。しかし政治はどうなっているのと、腹立たしくなる。何か口をはさむ気にもならないほどの体たらくではあるが、私たちの生活の基盤は、政治に頼るしかない。冷静になって監視し、意見も述べていかなければならないと思う。

画像は、竜巻のあった日に撮られた写真だそうだ。以前ブログに載せた「虹」も、この友人が撮ったもの、上手ですよね。


セザンヌ

2012-05-18 18:46:57 | Weblog

May 19, 2012

5月17日(木)
国立美術館で、開館5周年記念として開催されている「セザンヌ展」を、友人と見にいった。約90点の作品が一堂に会するのは画期的な試みだと、パンフレットにあった。たしかにさまざまな画集で目にした作品だけでなく、新しく見るものもたくさんあった。2時間以上かけてゆっくり鑑賞した。画集で親しんできた絵も、本物に直面すると感動が違う。「赤い肘掛椅子のセザンヌ夫人」は、セザンヌ夫人の顔をじっと見つめると、夫人に対するセザンヌの思いが伝わってくるようだった。パリの「レ・ローヴのアトリエ」の一部も再現されていて、直接パリでこの場所を訪れている友人には、私よりも深い思いがおありだったと思う。最近こうした展覧会に足を運ぶことがなくなった。今日は思い切って出かけてきてよかった。そのあと友人のお宅に寄っておいしいランチをご馳走になった。ワインも用意してくださったので、二人でセザンヌさんに乾杯した。素晴らしかった絵の余韻に浸りながら、長居してしまった。

5月18日(金)
今週は珍しく月曜日から予定が立て込んでいる。今日は約束していた映画を、友人と駅前のスーパーの最上階にある映画館へ見に行った。映画は、トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ主演の「幸せの教室」。私には共有するところがない内容だったが、経済が厳しい昨今のアメリカらしい映画だ。日本の中年層には何か訴えるものがあるかもしれない。主演のお二人は、ずいぶん歳を取られたという印象だったが、いつまでたっても素敵な男女であることには変わりない。音楽でもファッションでも、今上映されている映画を見ると、いろいろと教わることが多い。

帰宅すると、生協の宅配に頼んであった、「ハワイアンレイフラワー・ピカケ」という植物が、他のものと一緒に玄関先に届いていた。まだ小さい苗で、花が咲くのは秋になるらしい。枯らさないように大切に育てよう。

5月19日(土)
私の英語教室の最後の生徒さんだった女性が、個展の案内状を届けに訪ねてくれた。中学生のころから知っている彼女も、今は美大3年生、20歳になったばかりだというが、その姿に、大人の女性になったと、感慨深い思いを抱いた。この日はいつもの点訳の例会の日だったので、あまり時間がなく、サンドイッチを作り、アボガド入りのサラダとグリンピースのスープを加えた。おいしいといってくれたのでほっとした。今回は冷凍のグリンピースで我慢してもらった。グリンピース一袋(250g)を柔らかめにゆで、みじん切りか薄くスライスした玉ねぎ半分と一緒にバター大さじ1で炒め、水2と2分の1カップとスープの素1個、生クリーム100ccを加えて7,8分煮、ジューサーにかける。レシピにはこれを漉すと書いてあったが、私はそのまま冷やして終わり。好みで胡椒や塩を加えてもいい。豆の甘みがあっておいしい。問題は冷やす時間だけで、シンプルなものだ。

彼女は、美大のホームページに作品が載るなど、才能のある人だ。将来が楽しみだ。本や映画の話をして、楽しい時を過ごした。私にとっては60歳でも若い人に入るのに、突然20歳の人とはかなり年代のギャップがある。しかし全くそんなことを感じないのは何故か。多分この年齢から私の年齢までの間に、人は、良い悪いなど、様々なことを体験しながら成長する。まだ20歳の汚れのない心は、もう人生の最終章に入り汚れようのない者の心と、共通するものがあるのかもしれない。もっともこれは私の側からの見方だが。

画像は、「テッセン」。いつもの友人からのメールによる。「クレマチス」とも呼ばれるが、この色は「テッセン(鉄仙)」がふさわしいように思える。


横浜港大桟橋

2012-05-15 19:44:44 | Weblog

May 15, 2012

5月14日(月)
名古屋港から沖縄、台北をめぐリ横浜港に着くクルーズに参加していた妹夫婦を出迎えに、横浜港大桟橋に出かけた。このあたりは以前油絵教室に通っていた頃よく写生に出かけているので、なじみがないわけではないが、あの頃からかなり時がたっている。何しろ「みなとみらい線」がなかった頃のことだ。今回私は「みなとみらい線」の「日本大通り駅」からバスで国際客船ターミナルまでいった。こんな機会がないと来ることがないので、AM7:00に着くという話を聞いて、早速早起きしてやってきた。船は米国籍の「レジェンドオブザシーズ」、さすがに大きい。妹は、これは小さい方だといっていたが。元町や中華街を散策し、新横浜で、新幹線で名古屋に帰る妹たちを送った。何度来ても「横浜」は素敵な街だと思う。正反対の雰囲気の、「元町」と「中華街」が隣接しているのも面白い。のんびりと「元町」のちょっとおしゃれな店を一軒一軒覗き、がたっと雰囲気の違う「中華街」を歩く。道の両側には、中華料理店や中華の材料や菓子、定番の甘栗や肉まんを売る店舗が所狭しと並んでいて、ここならではの風景だ。私は「ザ―サイ」を買った。薄くスライスし塩抜きしてごま油で軽く炒めると、食事がすすむ「箸休め」が出来る。

5月15日(火)
理数点訳の講習の日。朝から雨模様で、昨日とは打って変わって気温も低い。一時間ほどの授業だが、ものを教わるというのは楽しい。今年から人数が集まらないということで、朝日カルチャーセンターで取りやめになってしまった理数点訳の講座を、私ともう一人の方のために無料で開いてくださる主催者の方と指導してくださる方に感謝している。講座から帰宅して食事をしても身体が冷え切っているので、風呂に湯を張り、ゆっくり体を温めた。独り暮らしで毎回湯を捨てるのは不経済だということと、のぼせ症なこともあって、冬でもシャワーで済ませている。しかしたまにゆっくりと湯船につかると、心身ともにリラックする。

画像は、「レジェンドオブザシーズ」。桟橋の木張りの床が、何とも言えないよい雰囲気をだしていた。


知らない街

2012-05-11 20:35:44 | Weblog

March 12, 2012

5月11日(金)
初回以来滞っていた理数点訳の講座が、火曜日から始まる。この間は友人に伴われて目的地までいったが、私が利用している小田急線の代々木八幡駅からも歩いていけるということを教わった。知らない道を探して時間に遅れてはいけないので、今日代々木八幡からの道を試してみることにした。代々木八幡駅で、渋谷方面への道を中年の女性に尋ねると、一直線に続いている道を示してくれた。「歩いて行かれるのですか、お気をつけて。」と、白髪の私を気遣ってくれた。ということはかなりの道のりかもしれない。もちろん渋谷駅までの途中の神山町7丁目あたりだが、目指す場所の番地や電話番号を書きとめてくるのを忘れたため、こころもとない。たしか遊歩道を通った記憶があったので、バス通りからのぞくと、並行して遊歩道が見えた。この通りを渋谷方面に向かってしばらく歩くと、何んとなくこの前反対から来た時の様子に似た風景が見えてきた。その辺を10分ぐらい行ったり来たりして、目指す場所が分った。時計を見ると、代々木八幡駅からすでに40分近く経っている。再び八幡駅に向かって遊歩道を歩き、途切れたところでバス通りに出て、駅まで戻った。私ののろのろ歩きで20分あれば着くことが分ったので、駅前のドトールコーヒー店で、アメリカンコーヒーを飲んで一休止した。このコーヒーがおいしかったこと、やはりかなりのどが渇いていたのだろう。次回からは、水分を携帯していく必要がある。

遊歩道の両側には、何か得体のしれない店が並んでいる。ミステリを読んだ後だからか、遊歩道とはいえ、日暮れてから歩きたくはない道だ。渋谷区松濤地区といえば高級住宅地というイメージがあるが、少し外れると、渋谷の裏町に当たる。東京の、初めての道を歩いていると、様々な思いが頭をよぎる。登場人物が設定されれば、ストーリーが生まれそうな雰囲気を持つ街並みだった。

5月12日(土)
今日は楽譜点訳の例会の日。珍しく午後なのでゆっくり出来た。昨日、私のブログを覗いてくださっている友人から届いたメールで、「お出かけが多いようですが、過信なさらないように」と私の健康を気遣ってくださった。たしかに私は今年になって、何かに追いかけられているかのようにあちこちに首を突っ込んでいる。必然的に図書館にも足が遠のき、気ままに暮らすはずの老後が、何かせわしなく過ぎていっている。これではいけないと、大いに反省した。私より一回りも若い、たまにわが家に立ち寄ってくださる方が、幸い回復はされたが、脳梗塞で緊急手術をされたり、友人が転倒したり、わが身に起こって不思議ではない事柄が続いている。メールで注意を喚起してくださった友人に感謝したい。友人は『ミレニアム』は2年前に面白く読まれたのことだったが、紹介してくださった、藤岡陽子『トライアウト』(光文社)を図書館に予約すると、52人待機者がいるとのことで驚いた。しばらく点訳は講習だけにして、仕事は引き受けないでのんびりしよう。美術館や映画館に足を運んでみたい。


ミステリ

2012-05-09 20:59:04 | Weblog

May 9, 2012

スティーグ・ラ―ソン『ミレニアム』(ハヤカワ文庫)に明け暮れた連休が終わった。この本の2の下巻の解説で、北上次郎氏が、「三部作すべて上下巻で六冊。ぜひ積み上げて一気読みすることをすすめたい。」と書かれているが、私も同感だ。他のことが何も出来なかったということを除けば、楽しい連休だった。探偵が謎を解くといったものとは違って、現代のミステリは、あり得ないことが次々と登場するというところに面白みがある。あり得ないことながら、人びとの心の奥にある願望が、それによって実現されていく、ミステリを読んでいる間は、まさに現実逃避が出来る、といったところだろうか。特に『ミレニアム』は、パソコンが中心的役割をする。あり得ないハッカーが登場したり、違法行為が正義の肩代わりをしたりする。しかし実際にハッカーが企業や国家の内部に潜り込んだりして問題となるニュースが聞こえてくる昨今、本の中のことだと楽しんではいられない日が来るかもしれない。それはそれとして、少し目を休めたい。衣替えの季節、冬物の洗濯とか、家事仕事が多い。

さて、今日は久しぶりに、「たまプラーザ」で友人と会った。お借りしていた本を返し、樋口恵子『女、一生の働き方』(海竜社)を新たに貸してもらった。読書も、自分の好きな本ばかり読んでいると、偏ってしまう。こうして、自分では手にとらない本が読めるのはうれしい。彼女も大変な読書家だ。本の話やお互いの家族の話などをして、楽しい時を過ごした。私は5人姉妹だが、友人は2人姉妹3人兄弟という構成だ。母がよく、私は男の子を育てていないから3文安いと、わけに分らないことを言っていたが、たしかに男の子が交じった中で育った友人と、女の子だけの中で育った私とは、かなり違う環境の中にいたようだ。こういったことが人間の成長に少なからず影響を与えているのだと思うと、面白い。「たまプラーザ」は、住まいからバスで20分ほどだが、こういった機会がないとなかなか行かない。ここの東急デパートの中にある「富沢商店」が、もうひとつの目的だ。今とりかかろうとしているマーマレードを入れた「マンダリンケーキ」のために、業務用の無塩バター450グラム入りを2個買った。ケースに、バターはお一人様2個限定という紙が貼ってあった。そういえばバターが店先から消えて話題になったことがあった。時はたちまち過ぎていく。私の前にレジに並んでいた方は、4個買われていた。ついでに以前よく作った、「ダンディーケーキ」も作りたい。このケーキのためにアーモンドの粉末を買う。

帰宅すると、いつもの私の強力な味方である若い友人が、楽譜点訳の資料をファックスで送ってくださった。私が今関係している楽譜点訳の会は、30年近く続いてきている。そういった組織に新しく参加する者にとって、もう少しきちっとした作業用のレジメがあるといいのだが、組織といっても有志の集まりなので、統一見解を出すのが難しいのかもしれない。私は、この友人がいなかったらとても今のようなところまでたどり着けなかっただろうと、改めて感謝の思いでいっぱいだ。こうして外に出てみると、わが身を振り返ることも多い。いつも自分中心で生活してきたので、意に沿わないことがあると不満が出てくる。不満分子にならないようにしなければ。

昨年、今年と、お天気が不順だ。地震と竜巻と両方の被害にあわれたかたもいる。お気の毒だと思う。今年の夏は、猛暑になるのか冷夏になるのか。でも子供のころの体験とはいえ、戦前、戦後を生きてきているので、たいていのことは我慢できそうだ。一雨降った後の新緑は、すがすがしい香りを届けてくれるだろう。

画像は、「なでしこ」。小さい鉢が、こんなに見事に成長した。


やはりとりこに

2012-05-04 09:39:03 | Weblog

May 4, 2012

5月3日(木)
昨夜から未明まで、スティーグ・ラ―ソン『ミレニアム』を読み続けてしまった。今日は次巻(1-下)を買いに「BOOK・OFF」に行き、ちょうど「Ⅰ-下」だけがあったので買う。450円、ほぼ半額だ。今日のような偶然のめぐりあわせはないだろうから、からはアマゾンの中古本でそろえよう。というわけで連休は、『ミレニアム』と共に過ごすことになった。しかし本ばかり読んでいたのでは健康に良くない。連休中は宅配の弁当が休みなので、春野菜を使った料理を作ろうと、スーパーを覗く。ここで予定していない、すでに実がついたかなり背の高いブルーべりの鉢を買ってしまい、大きな荷物が出来た。結局「蕗」を一束と小さいタケノコの水煮を買ってバスで帰った。若い頃はそのままキッチンに立って料理が出来たが、この頃はそうはいかない。材料を冷蔵庫に入れて、明日レシピを考えよう。

今日は憲法記念日、改憲反対運動には、何らかの形で参加したい。以前「九条を守る会」の講演を聞きにいったが、何か知識人が上から説いているような印象を受けた。もっと草の根の改憲反対があって欲しい。もちろん私が知らないだけかもしれないが。脱原発と改憲反対は、両輪だ。自衛隊を自衛軍にというようなことを言っている政治家もいる。少子化と老齢化の日本の現状をいったいどう考えているのだろう。同時に、怖い気もする。次回の読書会の本『きけわだつみのこえ』を読んでいると、一人の人間がいかに弱いものであるか、また一人の人間の命がいかに尊いものであるかを感じる。少し興奮してきたので、ベランダの花を見ている時に浮かぶ歌を一首。

   春の野にすみれ摘みに来しわれぞ 野をなつかしみ一夜寝にける   山部赤人

五月4日(金)
朝から、「蕗」を使った料理を3点作ることにした。
「蕗のごま煮」、「春野菜のいり鶏」、「蕗の葉の佃煮」
蕗は、下ごしらえが面倒なようだが、やってみると意外に簡単だ。熱湯の中で翡翠色に変わる蕗の様は、美しい。料理本で「ふき」関係のレシピを見ていると、もうひと束買ってきてさらに作りたい気がするが、「そんなに作って誰が食べるの」という声が聞こえてきたので、やめましょう。珍しくはない料理だが、レシピをひとつ。

                                    春野菜のいり鶏

(2人分)  材料:鶏もも肉―1枚、ゆでたけのこー150g、人参―2本、ふき―2本、A<酒―4分の1カップ、だし汁2分の1カップ、みりん大さじ2、しょうゆ大さじ1、塩小さじ4分の1>  作り方:①鶏肉はひと口大に切る。②たけのこ、人参は乱切り。③ふきは塩をたっぷりかけて板ずりし、塩を加えた熱湯で下ゆでして冷水にとり、皮をむき、3センチに切る。④フライパンに油(大さじ2分の1)を熱し、鶏肉を炒め、こんがりしたら余分な油をふき取って、たけのこ、、人参を炒め、Aを加える。ほとんど汁けがなくなるまで中火で煮、蕗を加えてひと煮立ちして、出来上がり。

画像は、「アルメリア」。友人がメールに添付してくださったもの。別名を「花かんざし」と言うそうです。たしかに、形が「かんざし」に似ていますね。写真の後ろの方に、「クリスマスロ-ズ」が群生しているのが見える。これも見事なので、いつか撮らせていただいて、載せたい。

 

 


スミレ

2012-05-02 09:12:53 | Weblog

May 1, 2012

4月30日(日)
誕生日、友人がお昼に招いてくださった。転倒して、主催するファミリー音楽会を中止せざるを得なくなってしまった方だ。ほぼ正常に戻られたが、無理をしないようにしていただきたい。この日は、同居されていた、ご主人様のお母様の命日でもある。私は、柏餅など季節の和菓子を、お供えにお持ちした。彼女にはお姑さんに当たる方、友人との長いおつきあいの中で、様々な思いを共有したりもした。このおばあさまが亡くなられた後、ご自分のご両親も引き取られてお世話された。義理の親であれ、実の親であれ、同じ家の中で暮らすのは、それなりのご苦労もあったであろう。30代で家を出て気ままに暮らしてきた私は、この友人との交流がなければ、もっといろいろなことに無縁だっただろう。今私たちは共に老齢になり、あの頃のいろいろなことを懐かしく思い起こし、笑いながら語り合っている。こんな日々がもう少し続いて欲しい。

5月1日((月)
かかわってきた楽譜点訳がほぼ手元から離れ、やっと一息。理数点訳の勉強にとりかかれる。今回もいつもの友人にずいぶん助けていただいた。少し点訳の世界のことが分ってきた。点訳者を養成するために、熟練者がそれこそボランティアで教えて、初心者を育てていく、という構図だ。基礎を習得したら実際の問題にあたりながら覚えていけばいい、といっても、沢山ある過去のデータを参考にすることが、一番勉強になると私は思う。まあ今までのデータは、その会の知的財産であるから、なかなか公開は難しいのだろうが。そういった点でも友人にいただく過去のデータはとても役立っている。人それぞれだろうが、私は人に言葉で教わるよりは、完成されたものを見ながら自分で覚えていく方が好きだ。何事にも「おとなしくない」私の一言である。とはいえ、人に助けられてという点では、続いているシステムに従うことも必要であろう。

風薫る5月、買い物のついでに、近くの花屋さんで、「コスミレサクラ」と「天城」というシロスミレと、2鉢を買った。家に帰って袋に入れてもらった花をあけてみると、ビニールの鉢が3つ入っていた。おまけに入れてくださったのか。店の前を通るたびに眺めるるだけの客であった私、お店の人は、きっと気付いていたのだろう。こんなご親切がうれしかった。ベランダの薔薇のつぼみも膨らんできた。梅雨までの束の間の過ごしやすい季節を楽しもう。

画像は、「天城」。ネットを覗いてみたら、スミレの種類もたくさんあるので驚いた。もともとは野山に咲く花、自分の家、しかもベランダで育てるのは、難しいのかもしれない。