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S.スクロヴァチェフスキ+読響=ショスタコーヴィチ「交響曲第10&11番」

2017-10-23 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 先日買ったCDを聴き終えた.S.スクロヴァチェフスキ指揮+読売日本交響楽団による,ショスタコーヴィチ・交響曲第10番&第11番「1905年」.

 両ナンバーとも,やや遅めのテンポで,スコアを丁寧に再現した演奏.読響は,ライヴレコーディングゆえの多少の瑕疵はあるものの,技術的に安定した充実のアンサンブル.スクロヴァチェフスキの曲作りは,ベルリン・ドイツ響との「10番」(「S.スクロヴァチェフスキ+ベルリンドイツ響=ショスタコーヴィチ「交響曲第10番」/2016-05-23」)に聴かれたような過剰な強弱の表現は目立たなくなったが,それでもテンポ処理に関しては勝手なアッチェレランドやリタルダンドなどで音楽の緊張感を削ぐシーンが少なくなく,いま一つ洗練されない印象.なお,「10番」第1楽章第2テーマ再現のソロクラリネットが,作曲者指定のフレージングと「pp」を忠実に守るのは,ほかで聴いたことがなくハッとさせられた.録音は鮮明であるが,ダイナミックレンジにやや欠ける印象.また,各楽器に近接したドライな感触であるいっぽう,そのおかげで普段埋もれがちな木管楽器の細かい動きがリアルに聴こえる一面も.


ショスタコーヴィチ: 交響曲第10番 & 第11番《1905年》 (2UHQCD)
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ (指揮),
読売日本交響楽団,
日本コロムビア,COCQ-85383~4

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