川瀬+名フィル=レスピーギ「ローマ三部作」

　夕方，旧市民会館で行なわれた，川瀬賢太郎指揮+名古屋フィルハーモニー交響楽団の演奏会をSと聴いた．どのナンバーも，大編成のオーケストラの迫力を生かしながらも，むやみに騒がしくなることなく，パート間のかけ合いや，フレーズの一つ一つに丁寧に傾注する演奏．遅めのテンポも相まって，終始じっくりとしたレスピーギ像だった．川瀬率いる名フィルは，ブラスセクションに不安定な瞬間が僅かに出たものの，十分に好調のアンサンブルと技術．


第90回市民会館名曲シリーズ
【出演者】川瀬賢太郎 (指揮)，名古屋フィルハーモニー交響楽団
【日時】2024.3.24　16:00-
【場所】日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
【曲目】
■レスピーギ: 交響詩『ローマの噴水』
■　　〃　　: 交響詩『ローマの松』
■　　〃　　: 交響詩『ローマの祭』
■マスカーニ: オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』より 間奏曲 (アンコール)

マータ+ダラス響=レスピーギ「ローマの松＆祭」他

　先日買ったCDを聴いた．E.マータ指揮+ダラス交響楽団による，レスピーギ「ローマの松」「ローマの祭」ほか．

　どのナンバーも，遅めのテンポを採り，譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏．マータ率いるダラス響は，安定の技術とアンサンブルで，これらの多彩な楽想，オーケストレーションを，誇張することなく整然と引き出している．もちろん，それでいてレスピーギならではの明るく華やいだ気分や，力強い瞬間も十分にある．録音は鮮明だが，全体的にやや遠い感じも．


レスピーギ｜「ローマの祭」「ブラジルの印象」「ローマの松」
ダラス交響楽団，
エデュアルド・マータ (指揮)，
ステレオサウンド，SSDR-3007

ロペス コボス+シンシナティ響=レスピーギ「ローマの祭」他

　先日買ったCDを聴いた．J.ロペス=コボス指揮+シンシナティ交響楽団による，レスピーギ「ローマの祭」ほか．

　譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏．ロペス=コボス率いるシンシナティ響も，明るい音色のアンサンブルに安定し，レスピーギの力強い作風とオーケストレーションの妙を，率直に引き出している．録音は鮮明で，残響の少ないドライなサウンドながら，各パートをよく整理して捉えた快適なもの．


RESPIGHI: CHURCH WINDOWS・BRAZILIAN IMPRESSIONS
Jesús López-Cobos (conductor)，
Cincinnati Symphony Orchestra，
TELARC INTERNATIONAL，CD-80356

カバリエ ドメネク+ロイヤルフィル=レスピーギ「ローマ三部作」

　先日買ったCDを聴いた．J.カバリエ=ドメネク指揮+ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団による，レスピーギ・ローマ三部作．

　どのナンバーも，正確かつ譜面を細部まで念入りに再現した演奏．カバリエ=ドメネク率いるロイヤルフィルは，充実の技術とアンサンブルに安定しており，とりわけ木管ソロの美しい音色は魅力．また，レスピーギならではの力強い作風にあって，むやみな騒音で圧倒するのでない，ごく整然とした進行が心がけられている．録音は鮮明で，各セクションの振舞いと，オーケストラ全体の様子を，ともに美しく捉えたもの．重要なパートであるオルガンがよく聴こえるのも嬉しい．


RESPIGHI: ROMAN TRILOGY
Royal Philharmonic Orchestra，
Josep Caballé-Domenech (conductor)，
ONYX 4083

松尾葉子+セントラル愛知響=レスピーギ「ローマ三部作」

　夜，芸文コンサートホールにて行なわれた，松尾葉子指揮+セントラル愛知交響楽団の演奏会を聴いた．「ローマ三部作」は，前半の二題でとかく散漫さが目立ったものの，「祭」でにわかに立て直し，快活かつ明るい音色のアンサンブル．ただし，トゥッティでの強奏時にパーカッション群の騒音が他セクションを圧倒し，音楽として何が起こっているのかよく分からないのは残念だった．

　プログラムノートが，チルチェンセスの野蛮な見世物の説明を，不自然なまでに避けているのが気になる．「不吉は現実となり人々を襲います」…何だそりゃ？？


超！有名曲シリーズ　Vol.3 イタリア
【出演者】松尾葉子 (指揮)，セントラル愛知交響楽団，吉田文 (オルガン)
【日時】2023.4.21　18:45-
【場所】愛知県芸術劇場 コンサートホール
【曲目】
■レスピーギ: 交響詩「ローマの噴水」「ローマの松」
■ボッシ: 「聖別の時」「喜びの時」
■レスピーギ: 交響詩「ローマの祭」
■マスカーニ: 歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲 (アンコール)