本書の序文で、著者は執筆の動機を次のように書いています。
「今の時代、プロパガンダ・テクニックは、かつてないほど洗練されたかたちで
使用されている。とくに民主主義の世界では、実際どのようなテクニックがあるのか、
いかなる心理学的ダイナミックスによってそれらが効果を発揮するのか、どうしたら
救い難い不信感に陥ることなしにこれらに対抗することが出来るのかという点につい
て、国民に十分な知識を提供することが重要なのである。」
歴史上プロパガンダの効用を最もよく理解し、がつ、プロパガンダを多用したのがナチス
ドイツだと言われます。ナチの宣伝相ゲッペルスは次のように述べています。
ⵈⵈ一般市民は、私たちが想像する以上に原始的である。したがって、プロパガンダは常に単純な繰
り返しでなくてはならない。結局、諸問題を簡単な言葉に置き換え、
識者の反対をものともせずに、その言葉を簡明な形で繰り返し繰り返し主張し続ける
ことができる人だけが、世論に影響を与えるという最終的な結果を残せるのだ。ⵈⵈ
現代においてもプロパガンダと思われる言葉が、マスメディアにおいて溢れています。
あやつられてはいけない!
現代に生きる私たちは、大衆操作の企てや集団規模の説得の標的となっている。それらの
圧倒的なパワーは、私たちの日々の買い物や選挙での投票や価値観に影響を与えようとし
ている。本書は、プロパガンダの歴史と社会心理にもとづきながら、私たちがそれらから
いかに身を守るかを教えてくれる(本書の帯から)
「目次」
第1章 日常生活のなかの説得
第2章 説得のお膳立て-----効果的な説得を行うために
第3章 伝達者の信憑性-----本物とまがい物
第4章 メッセージ----それはどのように伝達されるのか
第5章 感情にアピールする説得
第6章 説得の戦略を打ち破るために
第7章 情報戦略が失敗するとき----プロパガンダと社会
以上