ネドラはもの珍しそうにあたりを見まわした譽一鐘錶。崖上にそって築かれた長大な要塞が、威圧的にそびえたっていた。土と石で作られた壁は、ゆうに三十フィートの高さがあった。開かれた門のむこうにはさらに壁がめぐらされ、その前には先を尖らせた杭や、刺のあるイバラの林立する溝が掘られていた。主壁にそうようにして要所要所に小要塞があり、壁の中には兵士たちの宿舎がずらりと並んでいた。
砦は人々であふれかえり、それぞれの場所でたち働いているために、絶え間なくほこりが舞いあがっていた。そこへ、煤に汚れ、疲れた馬にまたがったアルガーの氏族の一団がゆっくりと入ってきた。数分後、ミンブレイトの騎士たちが、槍旗をはためかせ、ひづめの音も高らかに、あらたな町を破壊するために砦を出ていった。
崖の縁に設置された巨大な巻きあげ機が、下の平原から引き上げられるチェレク船の重みで、ぎしぎしきしみ、うた。少し離れた要塞の壁の内側では、そうして引きあげられた戦艦が、五十リーグ離れたマードゥ川上流まで運ばれる日を待ち受けるようにして置かれていたYumei水光精華。
ポルガラはダーニクとバラクを従えて、王女と疲労困憊したドラスニア国王をむかえた。
「登りの道はいかがでした」バラクがたずねた。
「身の毛もよだつ思いだ」ローダー王は息もたえだえに言った。「何か食べるものはないか。十ポンドは体重が減ったような気分だ」
「そんなふうには見えないが」とバラク。
「こんな過激な運動は体によくないのよ」ポルガラがあえぎ続ける王にむかって言った。「いったい何で、あんなに頑固に拒否したの」
「じつはわたしは高所恐怖症なのだ」とローダー王は答えた。「あんな機械仕掛けで崖をあがるくらいなら、十回だって登ってやるさ。まったく足の下に何もないというのは、身の毛もよだつような思いがする」
バラクはにやりと笑った。「さぞかしスリルがあったことだろう」
「頼むから何か食べ物を持ってきてくれ」ローダーは哀れっぽい声を出した。
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