モルツーの日々@競馬と本と日本史他

本が好きな書店員(出版社営業部から書店員に出戻りました)。史跡巡りの写真を素敵に撮りたい。馬も好き。

業務日誌ブログ~書店さんからの電話にはリズムが肝要

2010年02月11日 | 書籍業界にて想う
書店さんからの電話注文を受けるのは簡単です。
注文内容と番線を聞いておけば良いのです。
しかしベテランとなるためには、急いでるお客さん(書店さん)にもスムーズにお買い物(電話発注)をしていただく、ということが肝要になってくるかと思われます。

とにかく、書店員さんは忙しいです。
店内を一歩進むごとに仕事が飛び込んできます。
新刊は見る見る売れて店頭在庫が減って補充が必要になる。
平台の既刊本が減っているのに気づき、電話発注しなくちゃいけない。
在庫を取り行こう、または電話注文をしようとバックヤードへ向かう途中にお客様からの問合せが入り、逆方向へ歩いてご案内をした帰りにレジから「袋が足りなくなりそう!取ってきて!」なんてゆー指令が入ったりしているうちに、エプロンポケットは短冊が溢れ「やることメモ」の項目はどんどん追加されていきます。
落ち着いて電話注文などできるはずもなく、なおかつ電話先はずらりとリスト化できるほどに!!

おそらくそんな状態なのでしょう。
私が受ける書店さんからの電話は、大抵皆さん早口です。
(私も書店員当時、そうとう早口で電話していたと思います。)
そこで、受けるこちらがモタモタしていてはご迷惑をかけてしまいます。
ココが気の遣いドコロ。
相手のペースに合わせます。
注文品の在庫確認をスムーズに行うことも、もちろん大切でウデの見せ所ですが、クライマックスは番線・書店名を聞く段階。

在庫確認が済んで注文が確定すると、
書店さんは出版社へ、自分の店の「問屋名・作業番号・書店番号・書店名」を伝えます。
出版社は書店さんへ、「問屋への入荷日・自分の名前(担当者名)」を伝えます。
この伝え合いの場面で、リズムの合う相手・合わない相手の差が顕著になります。

書店さんの番号を、こちらは復唱しつつメモを取るのですが、この復唱のタイミングに気を遣います。
区切り目が個性によって違うので、呼吸を合わせないと、つまづいてしまって気持ちよくありません。
まるで餅つきの合いの手のように、相手のリズムに合わせてタイミング良く復唱する。
そしてこちらからお伝えする項目も、相手のリズムを崩さないようにしゃべる。

相手と同時に声を発してしまい「あ、どうぞ」「あ、いえ、どうぞ」なんてモタモタしてしまった時はやや気まずい気持ちで受話器を置きますが、電話の向こうの相手と、まるで数年来のコンビのように息ピッタリでやり取りをして受話器を置くときは、大変清々しい気持ちになるものなのです。



・・・なんて思いつつ日々書店さんからの電話をお受けしてるのは、もしかして私だけの勝手な思い込みかもしれませんけど。

電話の向こうに聞こえる「お店らしい雰囲気」を懐かしく恋焦がれつつ、今日も今日とて一本一本の電話に全神経を注ぐ覚悟で書店様からの注文をお待ちしておる次第なのです。
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