モルツーの日々@競馬と本と日本史他

本が好きな書店員(出版社営業部から書店員に出戻りました)。史跡巡りの写真を素敵に撮りたい。馬も好き。

東日本大震災の記録本

2011年09月05日 | 書籍紹介と読書記録

今回の東日本大震災関連の書籍からのチョイスです。
地震関連の本は書店でも数多く見かける昨今ですが、その中でも「今回のことを記録したもの」に絞ってみました。

もしかすると、まだ「振り返る」時期ではないのかもしれません。
何年もかかって、被災地が「被災地」と呼ばれなくなるまで、振り返る前にすることがあるのかもしれません。
ただ、日常生活に戻ってしまっている身としては、時々振り返って、あの直後の混乱や恐怖感を思い出すことで、まだその渦中で大変な想いをしている人達の気持ちに近づくことができるのではないかとも思うのです。

また、今回のこの津波の被害を、100年後に伝えることは、私達の責任だとも思います。
直接の体験者だけじゃなく、私も。
一連のことを報道や伝聞で知っている私にも責任がある、と。
例えば30年後、例えば10歳の子供と接点があったときに、「君が生まれる前にはこんなことがあったんだよ」と伝えることで、その子が大きくなって住む場所が津波の危険のある場所であれば、私からの伝聞が意味を成すかもしれません。
その責任が、あの津波の報道を知った全ての人にあると思うのです。

さらに言えば、本にはそのチカラがあります。
家に一冊買っておいてそれを30年後に目に付くところに出せば、今回の震災を知らない世代の目にも付いて、伝えることができる。
強い興味を持ってその情報を探し出さなくても、「あれ?これ、なんだろう」という程度のほんの少しの興味から、窓口を広げることができるのではないかと。

この本達の情報をamazonから集めていて、そんなことを考えました。




罹災の光景―三陸住民震災日誌
クリエーター情報なし
本の泉社

(野里 征彦 著)
岩手県大船渡市沿岸の高台からあの津波を見た文筆者による、記録。



被災地の本当の話をしよう ~陸前高田市長が綴るあの日とこれから~ (ワニブックスPLUS新書)
クリエーター情報なし
ワニブックス

(戸羽 太 著):岩手県陸前高田市長
陸前高田の市長さんが、自分の奥さんが行方不明な中でも市民の為に動いていたことを、あの頃、報道で見かけて涙した覚えがあります。
その市長さんからの、熱いメッセージです。




岩手日報社 特別報道写真集 平成の三陸大津波 東日本大震災 岩手の記録
クリエーター情報なし
メディア・パル

この表紙の写真。
これこそが「津波-TSUNAMI-」なのだ、と。
決して「波がダッパーンと打ちつけるカンジ」ではなく、「海が盛り上がってくるカンジ」。
その盛り上がりの高さが「〇mの津波」と報道・記録されるわけで。
もし将来「津波って何?」と聞かれたら、この写真を見せたいです。



河北新報特別縮刷版 3.11東日本大震災1ヵ月の記録
クリエーター情報なし
竹書房

東北・地元新聞である「河北新報」を、そのまま縮小コピーして本の形にしたもの。
全国紙の縮刷版と読み比べると、現地の大変さがより一層浮かび上がると思います。


読売新聞特別縮刷版 東日本大震災 1か月の記録
クリエーター情報なし
読売新聞社

読売新聞の、縮刷版(新聞紙面をそのまま縮小コピーして本の形にしたもの)。

朝日新聞縮刷版 東日本大震災 特別紙面集成2011.3.11~4.12
クリエーター情報なし
朝日新聞出版

朝日新聞の、縮刷版(新聞紙面をそのまま縮小コピーして本の形にしたもの)。

・・・一つだと報道テイストが偏りそうなので、読売と朝日、両方挙げてみました。


東日本大震災 復興支援地図
クリエーター情報なし
昭文社

津波の浸水域も分かります。
その境目に神社が沢山あることも、一目瞭然です。
これぞ「100年後に遺したい地図」です。
昭文社ってすごく気骨がある気がするのです。
地図の昭文社。
阪神淡路の時の経験から、「被災地では地図がゼッタイ必要とされる!現地の人に地図を届けるんだ!!」と、リュックに東北各地の都市地図(各都道府県ごと・各市ごとに折畳1枚地図になってるアレです)を満載にして被災地に向かい、あちこちに届けたという話を伝え聞きました。
その昭文社が出した『復興支援地図』です。


地震関連本:
日本災害史の本(2011年9月6日)
地震に備える本(2011年9月7日)
『南三陸から』という写真集(2011年9月19日)
震災本:ソーシャルメディアや報道関連(2011年9月20日)


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