読書日記と読書ノート 第三部(2013年6月~2015年6月) 吉野三郎

退職してから読書中心の生活をしています。読んだ本の感想を日記に記し、要点をノートに書いています。その紹介です。

255、岩本裕「世論調査とは何か」(岩波新書)

2017-12-17 07:20:43 | 読書日記

日記から

・2015年6月6日(土)

岩本裕「世論調査とは何か」を読み終わった。電話番号一覧から、コンピューターを使ってランダムに番号を抽出して電話で聞く方法=BDDが、手間・時間・コストがかからず、正確性にも優れ、今一番使われているらしい。正確さを決めるポイントは全体から抽出する際に、バイアス=偏りがないこと。性別、年齢、都市か農村か、職業は、など。要するに全体の縮図となるように選ぶことが肝心。面接法や質問紙の留め置き法は、手間と時間がかかるうえ、プライバシーも関係して回収率が低くなるということだ。質問の仕方によっても、例えば表現法、選択肢、質問の順番、などでも結果に差が出る。面白いと思ったのは、単純な賛成・反対に加えて、条件を付けて「どちらかと言えば」とか、「必要最低限」とか、「可能であれば」といった中間選択肢を入れると、日本人はこの中間選択肢を最も多く選ぶ傾向がある、ということだ。白黒をはっきり表明することを好まないということか。一口に世論調査と言っても様々な方法があり、場合によっては世論操作にも使いうる、ということが分かった。

 

(了)


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