読書日記と読書ノート 第三部(2013年6月~2015年6月) 吉野三郎

退職してから読書中心の生活をしています。読んだ本の感想を日記に記し、要点をノートに書いています。その紹介です。

252、山口二郎「今を生きるための政治学」(岩波)

2017-12-13 07:02:43 | 読書日記

日記から

・2015年5月31日(日)

山口二郎「今を生きるための政治学」を読了した。入門書ということもあるだろうが、知的な刺激はない。印象に残ったのは、公益なるものが初めから実体としてあるわけではなく、私益を主張しあう中で、議論・討議を経て調整し合意したものを、仮に公益と呼ぶにすぎない、という指摘。その通りだ。もう一つ、Stateは統治組織としての国家を意味する。Nationは人に着目した概念。同一言語・同一の記憶を共有する人たちを包括する統治組織としての国家をネーション・ステイトという。この説明もわかりやすい。グローバル企業は無国籍化する。ネーションステイトは解体する。ステイトを超える超国家的権力機関はまだ作られていない。今は過渡期ということだ。

 

(了)


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