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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

ゆうかんなアイリーン

2005-12-23 16:30:45 | ひらきよみ(読み聞かせ)

 先週の金曜日(12月16日)は、今年最後の読み聞かせ。4年生のクラスでした。
選んだ本は、『ゆうかんなアイリーン』という絵本です。


 作者のウィリアム・スタイグは、 
『ロバのシルベスターとまほうのこいし』『ピッツァぼうや』でのほうが、
知られているかもしれませんね。

 私がこの『ゆうかんなアイリーン』を知ったのは、
リストにこの絵本が載っていたからで、そのリストは
「読み聞かせに向く110冊の本」として、「読み聞かせ
ボランティア養成講座」受講の際に、頂いたものです。

 私の住んでいる埼玉県のK市は、ちょうど去年の今くらい
から、市の図書館主催で、養成講座を開催し始めました。
講師の先生方は、長年家庭文庫を開いている方や、児童文学
研究の分野で活躍されている方で、市民であれば、誰でも
参加できる(3回続けて受講できるが条件)というものでした。
 ボランティアの読み手を増やし、小学校などでの
「読み聞かせの時間」の充実と、さらには子供たちの本離れを
減らすことが、全体の目的なのだと思いますが。
私のように、新米の「読み手」には、実践に役立つ話がたくさん
あって、とても勉強になりましたし、何より、読み聞かせをして
いくための指針のようなものを与えて頂いたと感じています。

 リストに載っている110冊の本は、講師の先生方が、
講座開催の前に、ご自分たちの経験に基づいて、話し合われて
選んでくださったとのことです。とりあえずは、全部の本を
読んでみようと思ってはいますが、私は今のところ80冊ぐらい
までいったかなあというところです。

 さて、『ゆうかんなアイリーン』ですが。
お話はとてもシンプル。アイリーンという名前の女の子が、
猛吹雪の中、お母さんが作ったドレス(お母さんはお針子さん)
を、お屋敷の奥様のところへ届ける、というものです。
ストーリーのほとんどの部分は、アイリーンが悪戦苦闘して
いる一人芝居を見ているようです。

 本選びをする際に、あまり季節にとらわれることは
ありません、と講師の先生はおっしゃいましたが、やはり暑い
時期に雪のお話を読むのは、気持ち的に無理があります。
なので、この『アイリーン』は、やはり冬の間に読みたいです。
学年はどこで?と考えた時に、すべての学年でOKかな?
と思いますが・・・。途中、何度もアクシデントがアイリーンを
襲い、アイリーンはくじけそうになります。でも、決して
引き返そうとはしないのです。そこらへんの気持ちの
「いったりきたり」は、低学年よりも、高学年の子たちの
ほうが、察することができるかなあ、と思い、4年生のクラスで
読むことにしたわけです。組み合わせる本しだいでは
(私たちは15分の持ち時間で、大抵2冊の絵本を読みます)、
6年生のクラスでもいけるのではないかと、思っています。


 組み合わせといえば。
2学期になって、初めて私とペアで、読み聞かせに入った
メンバーのAさんは、とてもおもしろい「組み合わせ」をして
くれました。(ほとんど毎回、私が読みたい絵本を先に伝え、
後からAさんが合わせてくれたのです。)

①私が『はなのすきなうし』を読みたいと言った時→ 
            『はなのあなのはなし』
②私が『どれがぼくかわかる?』に決めたと言った時→
            『おおかみのチキンシチュー』
③私が『ハリーのセーター』がいいなあと言った時→ 
            『もったいないばあさん』
④私が『ゆうかんなアイリーン』を練習していると言った時→
            『まゆとおに』

①は花と鼻の「はな・繋がり」5年生のクラス
②は動物シリーズ  1年生のクラス
③はハリーにセーターを編んであげたおばあちゃんと、
 もったいばあちゃんの「ばあちゃん・繋がり」2年生のクラス
④はアイリーンとまゆ、どっちも
 「勇気のある女の子・繋がり」  4年生のクラス

 こんな具合なのですが。
たぶん誰にもこんな繋がりがあること、わからないと思います。
でも、やっている自分たちが楽しいのです、とっても。

 
 読み聞かせに向く絵本と、自分が好きな絵本。
気持ちの中でごっちゃになってしまった時期もありましたが、
「みんなちがって、みんないい」的に、その時、その時で、
選んでいけばいいのだと、今は思っています。




 


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10 コメント

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絵本を読む楽しさ (海五郎)
2005-12-25 00:10:57
こんばんは。

絵本の組み合わせのお話、楽しく読ませていただきました。

>やっている自分たちが楽しい

そのこと、とても大切なことだと思います。

組み合わせの妙そのものは子どもたちに理解できなくても、そうやって楽しんで読んでくれているということは、きっとどこかで伝わるものではないでしょうか。



また、本の選定についても、もちろん学年に合わせて選ぶことは必要だと思いますが、基本は「私はこの本が好きだから、みんなも聞いてみて」でいいのだと思います。

それが人間関係の基本ですからね。

そうでなければ、先生以外の人が子どもたちの前で絵本を読む意味はないと思います。



では、よいクリスマスを。

返信する
みんなちがって、みんないい (RAMAママ)
2005-12-26 00:13:51
メリークリスマス!



読み聞かせを始めたばかりで、選書の難しさにうなっている私にとって、今回のrucaさんの記事はすごく、勉強になった…というか、励まされる記事でした。読む本は「みんなちがって、みんないい」んですよね。

そして上の海五郎さんの「私はこの本が好きだから、みんなも聞いてみて」というコメントにも励まされました!



 とは、言っても。。。娘の学校の読み聞かせボランティアは人数が少なくて各クラス一人なんです。rucaさんのように二人一組だと、勉強にもなるし、心強いんですけど。。。でもがんばります!これからも読み聞かせのこと色々教えてくださいね!



 ところで、私の両親も埼玉県K市在住です!「K」市っていっぱいあるから違うところかもしれないけど。両親はキューポラの街のK市なんです(^^)
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組み合わせ (newsongs)
2005-12-26 15:10:32
楽しいですね!

うちの学校も、こういう工夫があるといいなぁ。

読んでくださる方々の工夫は、

子供たちのため、という愛情が込められてると思います。

『ゆうかんなアイリーン』はタイトルしか知りませんでしたが

読んでみたくなりました。

やっぱり冬のうちに読みたいな^^
返信する
楽しいので続けます (ruca)
2005-12-26 15:15:14
海五郎さん、こんにちは。



読み聞かせへのコメント、ありがとうございます。

>やっている自分たちが楽しい

は、何においても基本ですよね? 家で絵本を読むときも

読んでいるお母さんが楽しそうだからこそ、子供が

楽しいのだし。何をやるにも、それなりに楽しまないと。



声に出して子供たちの前で、1冊の本を読む。たった

5分か7分か長くても、15分。そのためにせっせと本を

選び、何回も何回も何回も練習して。当日は家事も

そこそこに自転車飛ばして学校へ行って。



でも、楽しいので、来年も続けるつもりです。
返信する
読み聞かせ・いろいろ (ruca)
2005-12-26 15:28:54
RAMAママさん、こんにちは。



選書は「むずかし・たのしい作業」ですよね。

でも、誰かが決めてくれた絵本を、ただ練習して

読むだけだとしたら、読み聞かせの楽しさは半減する

と思います。



>「みんなちがって みんないい」

は、私の書き方が足りなかったせいだと思いますが、

自分の好きな絵本と、読み聞かせ(特に30人前後と

いうクラス単位の中で)に向く絵本を、自分の気持ちの

中で、両方持っていて、使い分けたいという意味なの

です。(たとえば、私はクーニーがとても好きですが

クーニーの絵本は小学校のクラスで読むのは、すこし

ちがうかなと思っています)もちろん、RAMAママさんが、受け取ってくれたように、読み聞かせのメンバーそれぞれが、自分の好きな絵本を、好きなように持ち寄って、それもいい。という意味合いがないわけではありませんが。



講習会に参加して、なるほど、と思ったことの一つに、

「なぜ、私たちは子供たちの前で絵本を読むのか、と

いえば、上質な絵本を子供たちに知ってもらいたい、

手渡したいからにほかならない。自分の自己実現や

自己満足のための、読み聞かせボランティアなら

やめて他のものに生きがいを求めてもらいたい」と

いうお話でした。



・・・



ところで、K市の話ですが。

お父様とお母様に街のどこかでお会いしているかも

しれません。

返信する
newsongsさんへ (ruca)
2005-12-26 15:33:34
こんにちは。



今回は「読み聞かせ」そのものの話ばかりで、肝心の

読んだ絵本の内容は流してしまいましたが。

『ゆうかんなアイリーン』。おもいろくないわけでは

ありません、念のために。

猛吹雪の中、途中でくじけず、最後までおつかいの

役目を果たせたのは、アイリーンとお母さんとの間に

太いきずながあればこそ、ということがよく伝わって

きます。
返信する
読み聞かせ (はらぺ-にょ)
2005-12-27 19:13:23
rucaさん、こんにちは。

読み聞かせ、楽しそうですね。

「組み合わせ」のお話もすごいなあ~と思いました。

色々と工夫されていらっしゃるのですね。

子供達の反応を見るのも楽しそうだし、

絵本を読む上でも、勉強になることでしょうね。いいなあ~

『ゆうかんなアイリーン』聞いたことはあるけれど、

読んでいないので、是非読んでみたいです!

返信する
再びおじゃまします♪ (RAMAママ)
2005-12-28 00:03:32
こんばんは(^^)たびたびすみません。

レスを読んで、またまた「なるほど、うん、うん」と大きくうなずいています。

確かに自分が好きな絵本でもクラスでの読み聞かせには向かない絵本は、選ばないですよね。

かといって、読み聞かせに向いていても、読み手がその絵本の良さを伝えたい、という気持ちがないといけないだろうし…。

そういう中でする選書は難しいけど、やはり、rucaさんのおっしゃるとおり、楽しい仕事でもありますね。



K市はステキな講習会があっていいですね!

私も年に数回実家に帰るのでどこかでお会いしてるかもしれませんね。
返信する
はらぺーにょさんへ (ruca)
2005-12-28 15:06:23
こんにちは。



>「組み合わせ」のお話もすごいなあ~と思いました。



そうですね、うまい組み合わせを見つけてくれた、Aさんに感謝!ですね。

一人で2冊読むときは、自分でその組み合わせをするのですが、それもまた「むずかし・たのしい」作業です。あと、たまーに、自分の子供のクラスに行く時もあるのですが、そのときはまた別の意味で、難しくもあり、楽しくもあり、です。(あまり何度も家で読んだ本だと、娘はまたぁ、という顔をするし、クラスメートに知っている子も多いし)3学期にもう一度、そういうチャンスがあるので、ぜひその時は、娘の知らない絵本を選んで、驚かせたいなあ、なんて思っています。



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RAMAママさんへ (ruca)
2005-12-28 15:16:22
こんにちは。そしてまた来てくださってありがとうございます。



>読み聞かせに向いていても、読み手がその絵本の良さを伝えたい、という気持ちがないといけないだろうし



そうですよね、ほんとにそうだと思います。

いくらこれはいい本ですよ、読み聞かせに最適です、と言われても、自分があまり好きじゃないなあ、という本は、練習にも身が入らないし、何より「伝わるもの」がありませんよね。自分が好きだからこそ、その思いが、本を通して、子供たちに伝わっていくわけだし。



今度K市のどこかでばったりお会いしたら、すごいですよね?(でもどうやってお互いを認識するのって感じだけど、書店でだったら、意外とわかったりして)
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