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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

最初の1冊

2005-06-27 15:08:37 | 好きな絵本

 1ページ目に記すならば、数ある絵本のうち、何の絵本かなあ?と幾日も悩んだ末に、
敬愛する谷川俊太郎さん訳のこの1冊を選びました。

   

 あかいひかり みどりのひかり 童話館出版
  マーガレット・ワイズ・ブラウン作  
  レナード・ワイスガード絵  谷川俊太郎訳

 この本は、小さい子に、信号機の色が意味することー「赤は止まれ」「緑は進め」ーを
教えることが一番の目的で書かれた本なのだと思います。
でも、交通ルールを教える本というよりも、私は人生そのもの?を教えてくれているように
受け取りました。こんなところから‥。    

      あかい ひかりで とまれ    
     みどりの ひかりで すすめ     

     そして みんな    
     じぶんの みちを いく   
     トラックと くるまと じてんしゃと   
     うまの みち   
     のはらを よこぎる ジープの みち



「そして みんな じぶんの みちを いく」というそのフレーズに胸を打たれ、
お話全体の中で、その箇所に深い意味はないと知っていても、ついそこを読む時には
意識してました。当時3歳くらいだった娘にも、自分の道を見つけて、その道を、
歩いて行ってほしいなあって。 

 マーガレット・ワイズ・ブラウンの作品のすごいところは、生きているもの(子供や動物)も、
生きていないもの(車や飛行機や車庫なんか)もまったく同列に並べているところ。
そういうものたちすべてが、「おはよう」と起きるところから始まり、「おやすみ」と
それぞれの家で眠りについても、赤い光と緑の光は交互に闇を照らし続ける‥。

 本の装丁も凝っていて、表紙の見返しは赤一色。裏の見返しは明るい緑一色です。


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4 コメント

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マーガレット・ワイズ・ブラウン (山猫編集長)
2005-07-01 22:48:59
マーガレット・ワイズ・ブラウンさんの絵本はたくさん出ていますね。

正直に言いますね。ワタシ、たぶん読んだことがないと思います。(><)あは=!

ですが、谷川さんの訳がいいですね♪

rucaさんの感性にやられたと言うべきでしょうか?読み方がとても新鮮デス。

ことばのひとつひとつを掬うことのできる方なんだと思いました。

静かにゆっくりと味わうことのできる絵本なのだとわかります。ご紹介ありがとうございます。読んでみますね。(^^*

返信する
うへぇー!! (ruca)
2005-07-04 13:50:34
山猫編集長様



私、こんな風に言っていただいたの とーっても

ひさしぶりなので、「うへぇー、うれしいぃ!」

って手放しで喜んでしまいました。



普段とてもガサツな環境で仕事をしているので、

きっと私の感受性なんて、もうぼろぼろに

砕け散っているにちがいない、と非常に頼りない

気持ちでいたんです。でも、このコメントを励みに、(鮎原こずえ的に、苦しくとも悲しくと)日々精進していきたいと思います。



ありがとうございました。
返信する
まずは、こちらから♪ (こうめ)
2006-05-12 21:44:20
一番最初まで、さかのぼっちゃいました・・

みんなの一番最初の絵本って、興味津々です!



あぁ、この絵本って、いいですよねー・・

rucaさんの記事を読んで、

とってもひさしぶりに本棚から引っ張りだしてきました。

普遍的って、こういうこというんだなーって。

上質の絵本がおとなをも魅了してしまうのは

こんな部分なんですよね。

ほんのちっちゃいことでも、大きな世界の縮図で、

全部含んでるってことをいともかんたんに感じさせてくれてしまって。

マーガレット・ワイズ・ブラウンさんは、

そういうのが本当に自然に上手で、うっとりです。



いま、こうやってあらためて読み返せてよかったー!

わたしもいつか、この絵本のこと書けるといいな。



すこしずつさかのぼっていって、

また変なところにコメントをいれてしまうかもです。

どうぞよろしくおねがいします。
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こうめさんへ (ruca)
2006-05-15 15:21:57
こんにちは。そしてようこそお越しくださいました。

さらにさらに、こんなに遡って見てくれて、ほんとうにありがとうございます。とっても嬉しいです。私も、絵本好きな方のHPを訪れると、興味をひいた記事以外にも、その方がどんな本を「一番好き」と思っているのだろうなあ?とか、最初に紹介したのはなんだったのだろう?とか考えます。こうめさんは『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』を取り上げていましたよね?ベスコフさんの絵本で、最初に私が買ったのもその本だったので、ちょっと驚きました。



「ほんのちっちゃいことことでも、大きな世界の縮図で、全部含んでいるってこと」すごくうまくブラウンさんの本の魅力を言い表しているなあと思いました。いつか、こうめさんがこの本のこと、ご紹介くださるのを楽しみにしています。



それと、ずっと前の記事に、もしコメントいただけるなら、とてもとても嬉しいです。
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