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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

ゆれるやなぎのように

2010-02-08 15:20:39 | 好きな本
何年か前の『トラベリング・パンツ』で名を知らしめた、アン・ブラッシェアーズの
昨年秋に出た、本です。トラベリング・パンツと同じ町(メリーランド州、ベセズダ)が
舞台になっているので妹編(版)という感じもします。
話の中でも、トラベリング・パンツは、町の伝説になっていて、今回の主役の
3人の女の子も、「~パンツ」の4人の女の子たちにあやかって(?)、
スカーフや、ジーンズのジャケットを「共有」したり、してました。

フレンズ・ツリー
   アン・ブラッシェアーズ


表紙の3人は、左端からアーマ、ジョー、ポリー。
小さい頃からなにをするのも3人一緒だったけれど、中学校を卒業するすこし前から
関係はぎくしゃくしだし、高校入学前のホリデーは、別々に過ごすことになり、
アーマとジョーは、3人仲良しだったことは、もう小さかった頃の思い出として
とらえはじめます。
けれど、すこしだけ他の2人よりも幼いポリーは、たまたま今はキョリがあるだけと
思っていて、2人からすこし疎ましく思われ始めていることにも気づきません。

3分の1くらいまでは、同じ章でも、短いペースで、話の語り手がすぐに移って
しまうことが読みずらく、3人の誰にも、あまり気持ちを添わせることができませんでした。
が、気がつくと、加速度的に、3人3様の、夏の過ごし方がおもしろくなっていましたし、
亀裂が入った友情が、どんなふうに元に戻っていくのか、その行く末が心配で
たまらなくなりました。

トラベリング・パンツ』のときもそうでしたが、カラッとしていて、テンポがよいことが
作品の魅力だと思います。
アメリカのティーンエイジャーは乾いているなあと、最初、思うのです。

でも、それぞれにウエットな部分を抱えていて、それは、自分自身のこと
だけではなく、15歳の力ではどうすることもできない、家族の問題だったりするのですが、
最終的に、それをも含んでなおかつ、「乾いている姿」を見せられると、気持ちが
大きく、彼女たちの方へ動いていくのを感じます。



フレンズ・ツリー 原題は、3WILLOWS
柳の木は どれだけ根もとから切っても、死にたえることがないそうです。

続編がもし出たら、きっと読んでしまうだろうな。



トラベリング・パンツの過去記事→ 









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