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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

おやすみ みみずく

2006-12-11 15:52:26 | ひらきよみ(読み聞かせ)
 12月ももう3分の1が過ぎてしまいました。

 昨日の日曜日。やっとクリスマスツリーを飾ることができたので、今日からは、「クリスマスっぽい」と感じた絵本について書こうかなと思っていましたが、先週の金曜日の「開き読み」の本のこと、まだ書いてなかったことに気がついてしまいました。

 1年生のクラスで、読んだのはこの絵本です。


 おやすみみみずく(偕成社)
 『おやすみ みみずく』
  パット・ハッチンス 作
   わたなべしげお 訳

 
 ほんとうは、12月なので、何かクリスマスの絵本を読もうかなあと考えてました。『ぐりとぐらのおきゃくさま』とか。
 でも、それをやめてこっちにしたのは、小4の娘が、すごくこの絵本をおもしろがったからなんです。内容はとっても簡単で、え~こんなんでそんなに笑っちゃうの???と私は思ったのですが‥。

 朝。1本の大きな木にみみずくが一羽とまっている絵から、お話は始まります。

 
 みみずくが あー ねむたい。

 
 はちが ぶん ぶん
 はね ならす。
 みみずくは あー ねむたい。

 
 りすが きのみを
 かり かり かじる。
 みみずくは あー ねむたい。


 
りすがやってくるのは、見開き3ページ目で、そのあとに、からす、きつつき、むくどり、かけすなどいろんな鳥が次々にやってきます。でも、みみずくは あー ねむたい と言うばかり。よーく絵を見ると、ウインクしたり、下を向いたりと、表情は微妙に変わっているのですが、発する言葉は、ひとつだけです。

 その繰り返しが、おもしろいのでしょうね。

 1年生も、すぐに「あーねむたい」しか言わないみみずくに気がつき、「なんでおんなじことばっかり言ってるんだよー」とへらへら笑っていましたね~。


 私は、翻訳される前の英語版を開いてみたくなりました。
 鳥が「鳴く」の表現だけでも、様々な使い分けがしてあって‥訳者の渡辺茂男さんの語彙の豊富さに感心させられたので、もともとの英語表記も見てみたいなあと思って。

 からす→かーかーかーとなく
 きつつき→たららら たららら きをつつく
 むくどり→きゅる きゅる きゅるとおしゃべり
 かけす→じぇー じぇーとさけびだす
 かっこう→かっこう かっこうとよんでいる
 こまどり→ぴい ぴい ぴいとなく
 すずめ→ちゅん ちゅん さえずる
 はと→ぜぜっぽーぽー(鳩だけは、鳴き声だけでした。)

 
 
 どういう本のどういう箇所に書いてあったのか、どなたの著書だったのか、だいぶ前のことなので忘れてしまいましたが、語彙はたくさん持っているほどいい、というような言葉がありました。
 おなかが痛いときでも、ただ「痛い、痛い」というのではなくって、それがどんなふうに痛いのか‥しくしくなのか、ずきずきなのか、きりきりなのか、むかむかなのか‥言葉で表すことが大切ということでした。使える言葉をたくさん持っているということは、考えの幅というか、気持ちの幅も広がるそうなんです。なんでもかんでも「ムカツク」の、ひとつの言葉で済ませていると、それ以外の感情を持つことが難しくなってくる、というお話だったような気がします。

 
 鳥の声を聞いたとき。

 カラスは鳴いていた、でいいけれど、スズメの時は「さえずる」が自然に使えるような人でありたいなあと私も思いました。

 雨だって、ただ「降っている」のではなく、風だって、ただ「吹いている」だけではなく。
 



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