Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

ポスト・デモクラシー  コリン・クラウチ著 山口二郎監修(青灯社)

2007年07月30日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 21世紀に突入してから幾星霜が流れた今、「デモクラシーは健在か?」が問われているような気がする。
 「自由主義」と「民主主義」とは本当に二律背反か?であるとすれば、「日本」は一体何処に向かおうとしているのか?眠れぬ夜が続きそうな・・・

○適度な自由選挙制を維持:'88・147カ国 → '99・191カ国
○2000・米国大統領選:民主主義は必ずしも順調ではない
○'80年代後半:金融市場が世界規模で自由化 → 大量消費から株式取引に
○米国がモデル:活力ある資本主義と富裕エリート層
 ←→ 平等主義的価値観、強力な労働組合、ニューディールの福祉政策 → 創造的妥協
○最先端の企業はほぼ全ての事業を外注と下請けにまわし、唯一戦略上の本部の財務意志決定能力を残しておく → 実際の生産はほとんど関与しない
○市場化テストとベストバリュー政策:学校設置 → 少数の大型校が高速道路付近に存在
○21世紀の典型的政党:自己繁殖する内部エリートで構成される
  → 社会民主主義政党ではなく右派政党(例:フォルツァ・イタリア)
○WTOが自由競争から保護する権利は特許権
○アダム・スミス:政治が実業界を腐敗させるのと同様に、実業界は政治を腐敗させる
○選挙以外の方法で大きな変化を求めて騒ぎを起こすものは、民主主義自体を攻撃することになる
○私たちが民主主義者として歓迎するものと、平等主義的民主主義者として実際に支持するものは異なる

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トヨタ・アズ・ナンバーワン      アシュー・E・メイ(アスペクト)  

2007年07月25日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 世界に冠たる「トヨタ」方式を、米国内での成功例を元に米国人役員が詳細にレポートした一冊。「トヨタウェイのルーツはUSA」と喝破するあたり、何やら「USAの大逆襲」がありそうがだが・・・

○途方もない忠誠心を引き出す、強力で大胆なシステムとその中にいる創造的な人々
○イノベーションで大事なのは、「価値」と「チャンス」と「インパクト」だ
○豊田佐吉のエレガントソリューション(簡潔な問題解決):①創意工夫、②完璧さの追求、③社会的ニーズへの適合
○イノベーションとは満足と価値を提供するもの
○エレガントソリューションは、スタンドード化する
○創意工夫:「どこを掘るか」、「どのように掘るか」
○ソリューションとの適合:①構造(政策、手順、物理的環境)、②システム(インプット・アウトプット、プロセス、パターン)、③社会的意味(目的、原則、人間)
○大野耐一(トヨタ生産方式産みの親):「マルを描いて立っていろ」
 → 工程を観察
 → 対応方法
 → 一言「そうかい?」
○あしたのためにいまやろう:奥田碩社長
 → プリウス
○カイゼン:①「標準」づくり、②「標準」の遵守、③すぐれた「標準」の追求と発見
○カイゼン:メードインUSA-米国空軍、マッカーサー将軍、W・エドワードデミング博士

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傍若無人を叱る              鈴木健二(青春出版社)

2007年07月15日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 

 元NHK人気アナウンサーがおよそ十年前に著した一冊。バブルが弾け、不安定な経済情勢から社会や人心が乱れた時代における、若い人たちに贈る叱咤激励か。あるいは「気配り」を忘れた現代人への警鐘か・・・

 

○誤解を受けながら生きる部分もないと、人生は面白くないぜ!!
○人間が内側に持っているのは、全て善いものであり、外側にあるのは悪いもの
○人にしてあげたことは、すぐ忘れなさい。人にして貰ったことはいつまでも覚えていなさい
○自発的に何処かへ調査や取材に行って、他人とは異なるデータを見つけ、慢性的な企画や仕事に新風を送り込もう
○「お預かりしている時間の方が、お母さんと一緒にいる時間よりもずっと長いのに、お母さんが迎えに来た時の子供達の嬉しそうな顔はどうでしょう」
○国語は国家の最高の心の財産
○「出前政治」
○公務を担当する人が、机にかじりついて文章を書いている時代は終わった
○人々の暮らしの「ひだの間」に進んで入って行かなくてはならない社会になった
○心に関するものは全て文化
○ボランティア=「われここに立てり」
○「あのことをもっとやっておけばよかった」
○「死とは何か」
○「死んだあとはどうなるのか」

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夢を叶える夢を見た           内舘牧子(幻冬舎)

2007年07月07日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 

 知り合いから是非と言われた一冊だが、転職推奨リポートかと思って読み終えた。振り返ってみると、生き方に苦悩していた深さを改めて感じられるような気がする

 

○心がうらぶれたときは、空気と水と石ころぐらいしかないところへ、そっと沈黙を食べに行け!遠くから生きるための言葉が谺してくるから
○まず「なる」って決めて、そのためにはどうすればいいかなんだって
○「仕事」の中で自分を生かしていない不幸である
○「明日が怖さ」と「立ち向かう真剣さ」
○「忍耐」と「努力」も続けていると体内に蓄積されるその量が多くなるほど圧縮される
○積極的な現状維持-「それをやるのは俺ではないだろう」という疑問 → 膠着した現状をどう切り開くかという地味でときめかない作業がまっている
○巨大な組織で歯車に給料を保障するシステム → 給料分働け!!
○非常にレベルの高い人材がふんだんで、会社は仕事のみならずすべてをイロハから教えてくれた
○人生には逆転のワンパンチが必ずあるのだと
○男であれ女であれ、一般的に何かを手にすれば、何かを失わざるを得ない
○相手が便利使いしやすい年齢で人生をリセットできたことは、最大のメリット
○キャリアっていうのは、基本的には応用問題が解けるってことなんだろうな
○やる以上は惨めな仕事でも精魂を込めてやらずにはいられなかった
○「夢の不発弾」を抱えて死ぬ人と爆発させて人生を終える人

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