梅雨明けくらいになると食べたくなるのがカエル。昨年、川崎シェフのカエルを食べて以来、毎年、この時期はカエルを食べたいと決めました。そこで、先月、前もってカエルの予約を入れてアラジンに行ってきました。
まずはグラスの白ワインから。今日はシャルドネ。その後、メニューを決定。食いしん坊な二人は「季節のコース」(Menu de Saison) をいただくことにしました。それにカエルを追加という形です。
鮑のお刺身とインゲン豆とオクラのサラダ
Salade d’ormeaux, haricots verts, ambrette au jus de citron & huile d’olive
川崎シェフの料理で鮑(アワビ)といえば、キャベツで包んだ料理がおいしいのですが、夏の時期を考えると、こちらの方が涼しくて心地よいかもしれません。生と茹でたものと両方用意できますとのことだったので、お嫁さんが生の方をお願いしました。写真は生の方。
こちらが茹でたもの。違いはと言えば、生の方が食感が楽しく、茹でた方が甘みが楽しいというところでしょうか。予想される答えではありますが、二つ楽しめるのは贅沢。
この日のお供はかねてからの期待のワイン。St-Julien の二級のワインです。
Léoville Las Cases 1979
Saint Julien
団子三兄弟じゃありませんが、レオヴィルには三兄弟がいます。ソムリエまたはソムリエールになろうと志した方はご存じだと思いますが、念のためにあげてみると
Léoville Las Cases
Léoville Poyferré
Léoville Barton
どのように味が違うのかはすべて飲んだわけでもないのですが、まずは、ラスカーズが一番古いので、これからいっておこうというわけです。
やはり二級の古いものになると違うのはアロマ。香りだけで酔いそうになるほどすてきな香り。口に含めばなおさらです。酸味が丸くなって完全に消えると変化がなくなりそうですが、ラスカーズの場合は、酸味は丸くなりつつも、その存在を保っていて、その後、変化を楽しむことができました。
二皿目でカエルの登場です。おいしいソースを食べると、飛び込みたくなりますが、このソースなんかはその典型例。もちろん、ぼくが飛び込むわけにはいきませんから、パンがかわりに飛び込みます。骨までしゃぶっておいしい!
阿寒湖ザリガニとジロール茸の軽い煮込み&マッシュポテト
Ecrevisses aux girolles & purée de pommes de terres
昨年もこの時期に登場したザリガニ。そのときには、ザリガニを使った手製パスタに酔いしれたわけですが、今回は、マッシュポテトとの料理。ザリガニのエッセンスのうまさは逃したくない。それは、ポテトが拾うから安心しろという図式。
六月か七月はやはり外せません。カエルとザリガニは、ぼくにとっては外せない食材。これを一年逃したら後悔します。
鰻と蒸し水茄子、マンゴーとバルサミコ酢ソース
Anguille & aubergine
一見、後に控えている鮎(アユ)に見えますが、実は、鰻(ウナギ)。ナスをウナギで挟んでいるわけですが、これがなんともさっぱりしておいしい。ウナギと言えばこってりですが、こういうあっさりした食べ方もいいですね。パン粉を軽くまぶしてさらっと揚げてあるそうです。
鮎のムニエル、肝とタプナードソース
Ayu meunière, sauce tapenard
そもそも、「meunier」(ムニエ)というのが風車小屋を持っている人。風車で何をするかというと、粉をひくわけです。この場合は、小麦粉をつけて焼くわけですが、細かく刻まれたズッキーニがいいアクセント。ぼくは魚党ではありませんが、アラジンでは、魚はぺろりと行ってしまいます。
鶉(ウズラ)が好きなお嫁さんが選んだメインはウズラのロースト。これまで、ウズラのターキーライスを彼女が食べるのは何度も見てきましたが、ローストは初めて見ました。焼き上がりがとてもおいしそう。少しいただきましたが、ワインととっても合いますね。
子羊背肉のノアゼット、木の子とクレッソンのデュクセル包み焼き
Noisettes d’agneau en croutes de Duxelles de champignons et cresson
ぼくは、仔羊をセレクト。添えたトマトや野菜が彩りきれいですが、かなりボリュームがある料理。ワインによる酔いも回ってかなりおなか一杯になりました。こうなっては、フロマージュはとばすしかありません。
白桃のシャーベットとミント風味淡雪
Sorbet à la pêche & mousse légère de menthe
はっきりしない写真ですが、白桃のシャーベットがでんと写っています。ほんのり甘い味は、いくらお腹いっぱいでも食べるべし。というか、勝手に胃袋にスペースができます。
柔らかい焼きチョコレート、アプリコットソース
Mousse au chocolat cuite, sauce a l’abricot
焼きチョコレートがおいしい。お嫁さんはパスしましたが、ショコラまで食べて完了という気がします。
最後に、ハーブティーをいただきながら、いつしか、川崎シェフと談笑。ずいぶん長い間お引き留めして申し訳ありませんでした。でも、川崎シェフの話はとても興味深く、ユーモアのセンスもあっておかしいのです。おかげで、とても楽しい時間を過ごすことができました。
また、ジビエの季節が始まる頃に訪れたいです。