いつか猫になる日まで

思いつくまま気の向くまま
その日のマイブーム

6月半ばに

2007-05-21 23:51:22 | Weblog
引っ越しが決まりました。…と言ってもまた同じ町内…(汗)
今住んでいる家が、これまたとてつもないボロ屋なのですよ。
何しろ住人より年上!(笑)しかもめちゃめちゃ狭い!!考えたと思えない生活導線!!!
今だから文句も言いますが、何しろ契約当時は我が人生最貧の時、
“これでもか”ってぐらいお金がなかったものですから
場所と家賃で妥協した一戸建てなのです。

入居した時既に少々床が斜めだったのですが、(それも問題だが)
住んでるうちに傾斜が明らかにひどくなりました。
今では扉の開け閉めが…(多くは語るまい)それに伴い鍵が…(毎日苦労してます)。
それでなくてもあちこち不具合があるのに。(住んではじめて分かったことも多数)
とにかく地盤が脆くて基礎がぼろぼろ。人の住むとこじゃない(住んでますが)。

家族もそれぞれ持ち物が多くなり、
(主に本が増殖中、って、半分以上自分の責任ですが)
居住空間をじわじわと(?)侵食。
さらに、お隣が敷地を売却、2ヶ月ほど前から解体・整地工事が始まり、
ますます傾斜と振動による(主に書籍の)地滑りの不安が高まりました。

数年前からいろいろと物件を当たってはいたのですが、
こちらの条件が厳しすぎてなかなか良いものに巡り会えませんでした。
で、この春いくつか条件を撤回したところ、
なぜかこれまでの条件すべてを満たす物件が見つかり、成約と相成った訳です。

という訳で、現在の場所から歩いて10分(道一本向こうなので、時間はかかる)
直線距離にして約300メートルへお引っ越しが決まりました。(パチパチ)
ちなみに現在の家は我々が出ると取り壊しの運命らしいです。
(でも、どうやって重機入れるんだろう。何しろ原付すら入れない階段の途中だから)

今度の家もまあ、古いことは古いですが、年下だし、
今の家より広いし、少なくとも生活導線はちゃんと考えて作られてるし、
ゆがんでないし(笑)、庭は広いし、日当たりいいし、駐車場2台分ついてるし、
隣の家との距離は今の家より、最近の建て売りより広い。
(マンションが苦手なのは、この隣との距離があまりに狭いことが一因)

玄関より道路の方が高いところにあるとか(個人的に余り好きではないのね)、
家の前の坂道を少し下ると、朝夕渋滞を起こす原因の交差点だとか(車の出し入れが…)、
駅までの距離がちょっと長くなったとか(それでも最寄り駅まで徒歩20分)
線路・国道により近くなったから、ちょっと騒音が予想されるとか(でも閑静な住宅街)、
再び住人の人数が増加するとか、まぁそんなことは些細な出来事。

それより問題なのは、この荷物をどうするのか、ということだったり、
一体荷物をいつ箱にしまうのか、その箱をどこに置くのか、だったりします。
スリム化を図らないと、収まり切らなくなる可能性がある。家具は少ないのに。
少なくとも、居住空間ぐらいは死守せねば引っ越す意味が半減する。
(業者さんが見積もりに来て、荷物の量に呆れていたので)
まだ少し時間があるので(閑はないけど)持ち物の整理から着手しようと…。
(やっぱり本のためにどこかにレンタルスペース借りなきゃ駄目かなぁ)

『ルパン』感想

2007-05-21 02:22:30 | レビュー
土曜の授業では、なんと「論文の書き方」講座があって、
普段指導する側(一応、ね)にいる自分としては苦笑続き。
その帰り、久々に横浜で飲みと相成りまして
あーしよう、とか、こーしよう、とか、いい気分でいろいろと話が盛り上がった。
までは良かったんだけど、その後遺症(笑)で、今日は半日低空飛行…

ええと、今日は映画の感想と言うことで。
(本当は2週前に見たんだけど、感想を書きそびれてこんな所に)
この映画、大スクリーンで見ようと思っていて見そびれたものの一つ。
だって、あのルブランのルパンの映画化、それも生誕100周年記念だもん。
程良くお金かけてますし(37億円ですってね)、時代もイイカンジにゴージャスだし、
さぞかし“すンばらしい”だろう、これは…と思ってました。(高まる期待)
が、実際はあんまり感想が聞こえてこなかったので何となく「?」な気も。

ようやく見る機会を得たのですが…
結論。映画館行かなくても良かったわ。
端的に言って期待はずれ。ストーリーがおもしろうない!!
なんか無駄に金使っちゃったねぇ、ってカンジでしょうか。残念。
確かに衣装だの装飾品だのはとっても素敵で、雰囲気あると思います。
(カルティエが担当したとかってどこかで聞いた記憶があるけど)
ただなー、主役のルパンのあり方と俳優さんがどうにもいただけないっつーか。

ルブランのルパンシリーズは、乱読の自分としては恥ずかしいのですが、
昔子供の頃に児童用でいくつか目を通したぐらいで、
大人になってまともに読んだのは『奇巌城』のみ。
子供の時からのホームズ派なので、というのは言い訳にもなりませんが、
縁がないと言うよりは避けて通ってきた、みたいな。

ただイメージとしては「紳士」で「お洒落」で「頭が切れ」て、「行動力がある」。
…うーん、自分的に惚れている名作『風と共に去りぬ』の
レッド・バトラーさん(自分的「いい男」の一人)と被っているカンジ?
でもこのイメージ、唯一まともに読んだ『奇巌城』では裏付けられたわけで。

それが、はっきり言ってきれいさっぱり「裏切られた」、
この感覚が「いただけない」で「期待はずれ」に繋がっています。
作品冒頭のお子ちゃま時代は、ま、良しとしましょう。
でもさ、いくら若いとは言え、「ママン」な行動は勘弁して欲しい。
(母の死に際とか、カリオストロ伯爵夫人にくっついて歩くところとか)

それから、盗みの手法にキレがないっつーか、全然美しくない!
かの有名な「大怪盗」のルパンさんですよ、ちんけな盗みなんざするなっつーの。
じぇんじぇんエレガントさがない!これでは怪盗紳士とは言えないですよ、実際。
でもって、船で盗みを働いたあと。追いかけられるってのもかっこ悪いんだけど、
ましてそこで全力疾走(?)していただきたくはありませんね。
単なる掏摸の若造としか見えません。
よっぽどパイレーツ・オブ・カリビアンのジャック船長の方がスマートです。
(比較の対象がジャック船長というのもちょっとアレですけど)

…ジャック船長で悪ければ、日本で有名なお孫さん(笑)の方が
何倍か紳士でお洒落で切れてかっこいい。たとえ「ふ~じこちゃん」にデレデレでも。
パーティーでネックレスを外して盗む(気付けよ!)より、
もうちょっとでかいもん盗んで、颯爽と去ってもらいたいと思う訳だ。
(同じ人から2度は盗まないって、お家から盗んだものを返すと言ったのは
ポリシーある怪盗紳士っぽくて良かったですけど)

いかんせん最初の方に↑これで失望してしまったので、
以降ラストまではあら探しばっかり(笑)
時代背景を考えると、まぁ、冗長なストーリー展開はガマンするけど、
なんか山なし意味なしシーン多すぎ、話もイマイチオチがない。
つぎはぎ、ってかんじでした。

箇々のパーツというかエピソードは、それぞれ掘り下げると美味しそうなんだけど、
表面的に美味しそうな匂いだけで集めてきてる。
美味しい食材は集めただけじゃ美味しい料理にはありません!(笑)
ちゃんと下ごしらえして調理して、スパイス効かせたりなんかして、
きれいに盛りつけなくちゃいけません。
しかも、一緒のお皿に載せるもの同士が喧嘩しないように図らなくっちゃ。

果たして料理人の腕が悪いのか、集めた食材が個性的すぎるのか、
なんかようわからんけど、とにかく生かし切れてなくて、
「金に飽かせて高級食材をかき集めて、提供して悦に入っている成り上がりもの」
になっているのがもったいないなぁと。(我ながらすごい比喩だなぁ)
こう言っちゃアレですが、期待してみるほどじゃなかったね。
ルブラン先生も草葉の陰で泣いているのでは?
(なんか他人事のように大笑いしてこき下ろしてる気がしなくもないけど)

『ゆらぎの森のシエラ』読了

2007-05-18 23:16:14 | 読書
なぁに、このぽっかり真ん中の明いたエントリー状況は…
と自己つっこみをしても始まりませんが。
一日がめちゃくちゃ早く流れてしまいます。
今のところお仕事が詰まってないのでなんとかこなせていますが、
これでまともに仕事とぶつかったらどうなっちゃうんだろう、と不安が。

そんなこんなで、なかなか本も読めませんが。
『ゆらぎの森のシエラ』 菅 浩江 著
創元SF文庫(289P) 税込価格600円 ISBN:978-4-488-72401-6

SFです、ハイ。またですね。すみません。好きなんです。

菅浩江さんはSFMの『永遠の森 博物館惑星』連載で知ることが出来た、
お気に入り作家の一人です。↑の設定アイディアは非常に印象的で、
かつSF嫌いの方がSF作品全般に持つ「あり得ない」感が薄いかと。
ですからそれに振り回されずにドラマを読み取っていただきたいかなと。
(持論ですが、SF作品は舞台やガジェットがSFなだけで、
その本質はヒューマンドラマにあると思っているのですが、如何なモンでしょうか)

で、この『~シエラ』ですが、不思議な読了感でした。
話の構造そのものはやはりSFだと思います。
しかしそこに「妖精の女王」、「騎士」、「第4皇子」、「村娘」がでてきて、
「キメラ」が暴れまくる、といえば、いかにもファンタジー。
ですが、なぜキメラ、なぜ妖精の女王…とひもといていくと、「進化」にぶち当たり、
エコロジカルなバイオ科学のスパイスがかけてあります。

そして「妖精伝説」がどう流布していて、それがなぜ廃れていったのか
ということに着目すれば、そこにはかつて、そして今現在、
昔からの言い伝え、民話や伝説が置き忘れられ、変わって都市伝説が生成される、
そんな現代社会の(文化形成の)有様が見えてくるような気がします。

でもって、そうしたものが明確に提示されていなくて、あくまでも薫りである、という
その曖昧さというか変動の幅が「ゆらぎ」の正体になっている。
作品内の(キャラクターや社会観が持つ)「ゆらぎ」だけじゃなくて、
作品そのものに「ゆらぎ」(=幅)があり、上記の通りジャンル的な「ゆらぎ」がある。
「音」ではありませんが、「1/fゆらぎ」という気がしたのも事実。
故に「ゆらぎの森」なのかもね。
なんてちょっと難しげに言ってみたりして。

なおこの作品、1989年にソノラマ文庫で発表された、最初の長編小説なんだそうです。
基本的に菅さんの作品はその完成度を非常に高く評価しているのですが、
これはそこから見るとやや甘い気もします。
菅さんテイストがしっかりでていて読みやすいんだけど、
最後の最後まで読んでいてどこか締まり切っていないというカンジがする。
些細な感覚の違いなんですけれどね。

『博士の愛した数式』感想

2007-05-13 21:41:20 | レビュー
どうしても風邪が治りきらないようで。咳が止まりません。
夜中に咳き込んでしまうので、すっかり睡眠不足です。ひぃ~(周りの人、ごめん!)
で、今日は一昨日借りてきた“映画の”『博士の愛した数式』の感想。
(小説のはずーっと以前、買ってすぐに書いちゃいましたから。)

基本的に小説(一部漫画も含む)が原作の映画は、
自分的にのるかそるか、両極端な評価になります。
原作を読んで持ったイメージが、そっくりそのまま再現されることはあり得ません。
一応別作品だ、と思ってみるけれど、やっぱり感じる違和感がある。
それが多いと自分的にドラマにのれない=つまらない、になりますし。
いっそ設定以外利用しないで、オリジナルストーリーにしてくれる方がまし。
「原作を忠実に再現」なんて言われるものほど、自分的にはごめんなさい率が高い。

この「博士が愛した数式」に関して言えば、原作がとても良かったので、
逆に映画はあんまり見たくないなぁって思ってました。(結果的に見た訳ですが)
結論。原作を読んでいてもOKですし、読んでないなら見るといいかな。

あ、そうそう。一緒に見ていた家族の一言。
「この映画、80分なんでしょ」
…それはそれで面白いじゃないか。
多分クォリティーが下がると思うのでやって欲しくないけど。

確かに原作とは違う箇所もたくさんありました。
例えば、博士の義姉がシャシャり過ぎてるなぁ、とか、
見えないようでしっかり語ってしまう裏(キャラクター)設定とか。
↑博士と義姉の関係ね。原作にはそういう匂いがなかったと思うんだけど。
正直いえば、なくてもドラマとして成立しうると思うので、あれは余計だ。
ラストシーンもなんかきれいに収めちゃってるし。(アレはアレでありだとは思う)
義姉がシャシャってる様に見えるのも、あのラストに結びつけるため、
というか、ルート君のお誕生日の和解シーンへの伏線なんだから仕方ないけど。

あと、作品中自分が最も印象に残ったシーン、
博士が朝、目覚めて一番最初に「僕の記憶は80分しか持たない」と認識する、
それを家政婦さんが見ていてハッとする、という部分が
非常にサラッと流されたカンジだったのはちょっと悲しかった。
(自分的には、この作品を推す一番の理由となるシーンだったので)

でも、映像にしたからこそ良かったシーンもありました。
まず「ルート君」が高校の数学教師「ルート先生」として教壇に立ち、
生徒達に数学の話をからめながら「博士」の話をする、という全体の作り。
基本的に回想談でありながら要所要所で教室のシーンが挟まれますが、
これが見ていて煩くない、というより、効果的だと思いました。
(あーあ、現役時代こんな先生に習ってたら、自分も数学頑張っちゃっただろうに…)

それからねぇ、「博士」役の寺尾聡。いいわぁ~。
博士の雰囲気が自分の持つイメージにマッチングしてるんですね。
勿論、演技が上手いなと思うのは当然です。
その上で、雰囲気が「さすが」、と思わされます。
俳優として当たり前っちゃ当たり前ですけど、いくら上手い大御所俳優であっても、
その役の雰囲気が自分の想像と違うと感じれば違和感を抱く訳でしょ。
そういう意味で「いいな」と思い、「上手いな」と思い、「さすがだな」と思う訳。

気になったのは季節感、ぐらいかなぁ。
だって、自分的に作品のイメージがひたすら「桜」(=春)なんだもん。
もうちょっと季節が動いて欲しかったなぁ。
でないと、博士と家政婦さん、ルート君の友情(?)とか、
義姉と家政婦さんとの確執と和解とかが成立し得ないと思う。

まぁ、多少文句も付けたけど、観て良かったな、と思う映画でした。
余談ですけど、同じ小川洋子原作の別作品のDVDを見つけました。
借りてこなかったけど、フランス映画の様です。
小川作品の雰囲気に、フランス映画って多分あってるんじゃないかなぁ。
今度見て見よっと。

『R.O.D』

2007-05-12 23:26:35 | 読書
引き続き読書感想、「某高校図書館出身組」シリーズ(笑)の1回目。
『R.O.D READ OR DIE YOMIKO READMAN "THE PAPER"』シリーズ
(倉田英之/スタジオオルフェ 著) 集英社 スーパーダッシュ文庫
1巻(228P)520円 ISBN:4-08-630002-8 2巻(244 P)540円 ISBN:4-08-630014-1
3巻(244 P)540円 ISBN:4-08-630026-5 4巻(244 P)540円 ISBN:4-08-630040-0
5巻(228 P)520円 ISBN:4-08-630062-1 6巻(228 P)520円 ISBN:4-08-630087-7
7巻(228 P)520円 ISBN:4-08-630105-9 8巻(244 P)540円 ISBN:4-08-630136-9 
9巻(228 P)520円 ISBN:4-08-630169-5 10巻(212 P)500円 ISBN:4-08-630192-X
11巻(244 P)540円 ISBN:4-08-630280-2
(ここまで書いて、「情報付けよう」と思ったことを激しく後悔。めんどくせ~)

実際は11巻が未読なので決着しておらず、感想を書くのはちょっとアレですけど、
どうも図書館に入荷していないらしい。
ということでいつ完結するか目処が立ちませんので、もう書いちゃう。

元々はanimaxでアニメをやっていて存在を知りました。
アニメは結局見なかったので、設定・ストーリーとも知らず。
ただ、主人公が書痴だというだけで、気にしてたんですねぇ。

タイトルにもあるように主人公の読子・リードマンは「THE PAPER」、
つまり大英図書館特殊工作部のエージェントにして紙使い、という設定。
紙使い、といえば過去読んだ田中芳樹氏の『創竜伝』にもちらっと出てきましたねぇ。
これが自分的には「はじめまして」でしたが、
どうも大英帝国には、中国4千年の歴史に匹敵するぐらい(笑)
おもろい技使いがいるんですねぇ。(中国系では「読仙社」も出てきましたけど)

正直『創竜伝』なので、てっきり田中氏の創作かと思ってましたが、
こうやって別の作品にも出てくるところを見ると、何らかの根拠があるのか?
ちょっとググッたぐらいではヒットしません。
しないけど、自分的には「錬金術」の実用性と同じ感覚で何らかの根拠があると。
(思った方が楽しいじゃん)

さて、自分的にはびみょ~なカンジの本でした。
ストーリーは、ま、ラノベですからかる~く読めるカンジですし、
それなりに面白いとも思います。(というか、ひっかかりなく読めてしまった)
結構大風呂敷な話ですが、それなりにつじつまが合うし、
もともとこういうファンタジー的な風味は好む自分としては
実際はもっと評価でもいいはずなんだけど、ね。

読子さん程ではないにせよ、
「本読んでいれば幸せ」「食事より本」の傾向の強い自分的には、共感点多々あり。
あったら人としてヤバイ気もしないでもない、いや、やばいでしょう。
ビルひとつ本で埋めるとか、衝動的に店ごと本買っちゃうとか、
生活費が本に化けるとか。物理的に出来る/出来ないは別として。
(あ、最後の↑は実際やったことがあるからやっぱり駄目かも)
彼女との違いは、うーん、能力と、お金と、古書収集癖がないこと…かな。

あと、最初の、まぁ前置きに当たる部分に毎回、本への愛情・渇望が
そりゃいろんな表現でなされているのですが、これがまた良い!
全編に渡って「本好き」オーラがバチバチしてて、心地いいんですねぇ。
ストーリーそのものへの印象は、そうだなぁ、『キノの旅』を読んだときに似てるけど、
自分的には「本好き」の部分で加点。

しかし!同時にその「本好き」の視点で書かれているからこその違和感は、
THE PAPERとしての読子さんが、(書痴にとっての)生きる糧でもある本を
踏みつける、破く、燃やすetc.する、その姿にある。
一応「文系女子アクションもの」ですから、
百歩譲ってバトルシーンでは仕方ないとしましょう。(ほんとはすごく嫌)

でも!でも!
「お腹が空いた」から料理本のページを破って食べるというのはどうでしょう。
本好きが、大事な本を、自分のために、破く!!
自分的には「ありえね~」行為なわけです。だって、本だよ!
(このつっこみ、常識で見れば五十歩百歩といいます。よい子は真似しちゃいけません)

こういう違和感があるから、結局評価が「びみょ~」になってしまう訳で。
まぁ、読んで「つまんない」本ではないですね。
読みやすいので、「本好き」の気持ちを知りたければ手軽じゃないかと。
え、眼鏡萌え?さぁ、そっち系には敢えてつっこみませんので…(^^;)

『眉山』読了

2007-05-11 23:18:34 | 読書
GWの後遺症?風邪をひきこんでしまって、今週は悲惨。未だ咳がとまらん。
仕事も作業もレポートも遅々として進まず、時間だけが過ぎていく…
気がつくとまた更新もしないで放置状態でした。

少々(?)溜め込んでしまっているので、
ぼちぼちと本やDVDの感想など書いていこうと思います。
本来なら読了順・見た順の方がいいのだけど…
(でないと書こう書こうと思っているウチに忘れちゃう)
とりあえず映画公開が明日らしいので、前回振った『R.O.D』や諸々の前に。

『眉山』(びざん) さだ まさし 著
幻冬舎 文庫(224P) 税込価格520円  ISBN: 978-4-344-40941-5
(↑これからは分かる範囲で情報も付けておこうと思いまして。)

で。これは映画の感想ではなく、あくまで本の感想です。
だけど、もしかしたら“ネタばれ”と思われる方もいるかもしれません。
ご自分が“思う”とお考えの方は以下略ということでよろしく。



と説明責任を果たして(笑)



まず、まっさんらしいお話だなぁ、と思いました。
まっさんの文章はこれまでにいくつも読みましたけど、
『解夏』にしてもこの『眉山』にしてもまず風景がきれい。
阿波踊りの音とか、踊りの渦巻く熱とかが、近い。
背景がきれいだから、そこで動く登場人物の輪郭がくっきりしてくるんだと思います。

で、その登場人物が背負ってる思いとか人生とかをすごく暖かく描くなぁと。
例えば主人公咲子の母、「神田のお龍」こと龍子の行動のウラにある思いやりが、
すごく暖かく感じられるんですね。
ママさんをやっているときに歌手に向かって、あるいは病院で若い医者と看護師に
それこそ胸の空くような啖呵を切る。

あるいはそれはすごく乱暴なことだったりするんだけど、
でも、自分的にはものすごい愛情だと思うわけね。
人生を先に生きる者、あるいは「大人」として、
ちょっと袖を擦り合うだけの「人」に対して啖呵を切るってのは、
それだけその人間を大切に思うから、じゃないかなぁ。
自分は文句は言えるけど、啖呵を切るほどには叱れない。

また、「大好きな人の娘を女手1つで育てる」っていう潔さ。
そこまで「大好き」と臆面なく人を愛せることとか。
これが「先に生きる者」のあり方であり、「気っぷがいい」ということであり、
現代を生きる「粋な江戸っ子」なのかもしれない、なんて。
だからたくさんの人を「育て」、みんなに愛され、惜しまれるんだろう。
本当に「かっこいい」とはこういうことナンじゃないだろうか。

咲子にしてみれば、母は何でも一人で決めて、自分は振り回されてるって思う、
それは納得がいく。でも、それでも彼女が母に付き添うのは、
やっぱりそれまでの人生の中で「母の背中」を無意識に見つめ続けていたし、
粋な「神田のお龍」の血が流れているからじゃないだろうか。
表面化することだけが「粋」じゃないし、「愛情」じゃない。

さすがに「12日の阿波踊り会場」のくだりは作りすぎだと思う。
ストーリー的にも、ものすごい「無理矢理」感があるのがもったいない。
どこかに「再会シーン」がなくちゃオチが付かないのは分かるから、
その意味で飲み込んで読み進めるけど、ちょっと喉につかえますね。
この展開はアレだけど、会場で見つめる父と目を向けないで凛としている母。
その対比は互いの人生を示唆していて、まざまざと目に浮かぶ。

クライマックスだから映像化しても力が入るだろうなぁと思うけど、
だからこそあんまり人の映した映像では見たくないかもなぁ(笑)、と。
(風景は映像で見たいと思いますが…多分映画館には行かないと思う。ごめんなさい)

結論。よく宣伝文句で見かけるように
「すごい感動的」「泣ける話やぁ~」とはいいませんが、心にしみこむ話ではある。
(大体そういう宣伝文句の本って、自分的に感動したり泣けた試しがない)

まっさんの文章やステージトークなんかから、
まっさん自身がいろいろな人に出会って、
いろいろな人生を見つめるとき、そこに(広義の)「アガペー」がある、と感じます。
そういうこれまでの「出会い」の中から生まれたお話じゃないかな。
などと、勝手に想像したりして。

今の自分が、かなりささくれだっているという自覚があるので、
まっさんのライブにでも行って自分を宥めたくなりました。

久しぶりに本の話など

2007-05-07 00:42:21 | 読書
GWが終わりましたねー。
今年はお家でまったりと読書して、あとは飲んだくれて過ごしました。
(だったらブログを更新すりゃいいのに…)

唯一の例外は4日。家族全員で出かけた先は、なぜかビリヤード&ダーツ。
いやぁ、キューを持ったのなんて学生時代以来でございますわよ(汗)。
惨敗覚悟でしたが、かろうじて8ゲーム中2ゲームを取って面子だけは保ったかと。
(え、ダーツですか?ボロ負けです。何しろ思い通りに投げられませんから)

何しろ本をガッツリ読むのも久しぶり。
活字がなきゃ生きていけない体質(あわわ)なので、
ちょーめまぐるしい2月3月も読むには読んでたのですが、
何しろ落ち着いて読んだ訳でなく。

4月に入っても「お話」ではなくひたすら教科書を読む日々で。
(いや、小説もしっかり読んではいるのですが)
しかもまだ全部読み切っていません。何しろ参考書をあわせると7冊+α。
わかんない言葉を調べつつの全冊同時進行では授業スピードにあわせるのがやっと。
(一応教科書なので、お勉強しつつ読んでる訳で、さらっと読み飛ばしも出来ない)

で、気がついたら京極師匠の最新刊が出てるじゃないですか!
前回の買い込み時に購入した本もまだ読み終わってませんが、
先日つい衝動的に購入に走っていました。(気がついたら買っていた)
で、覚え書きをつけておこう、と。

*前巷説百物語(さきのこうせつひゃくものがたり) 京極夏彦 著
師匠最新刊。これだけはハードカバー。
*後巷説百物語(のちのこうせつひゃくものがたり) 京極夏彦 著
…勿論既に持ってはいますが、文庫で出ていたので、つい。
*ゆらぎの森のシエラ 菅 浩江 著
以上3冊がこのGWで読み終わった分。以下2冊はこれから読む分。
*脳と仮想 茂木健一郎 著(ブログを時々読んでいたりして、結構面白いので)
*眉山 さだまさし 著

自分的にはやや控えめな購入ですが、先月は教科書を大量購入しているので、
お財布がいささか以上に淋しいのが現状。
(ハードカバー10冊は経済的にも物理的にも文字通り“ハード”)

その代わり、という訳でもないのですが、
最近は某高校の図書館から本が運ばれてきます。
ただし、運ばれてくる本に対する選択権・リクエスト権はありません。
さらにレンタル期間も最長2日程度という条件付きですが、
新しい本が読める、という以上、文句を付けるいわれはありません。

で、この1ヶ月余りで読んだその某高校図書館出身組は、気になっていた
『R.O.D READ OR DIE YOMIKO READMAN "THE PAPER"』(倉田英之 著)
10巻まで一気読み。
…最近の高校図書館って、ライトノベルも置いてあるのですね…

で、その『R.O.D.』ですが。
(と感想でも書こうかと思ったけど、長くなってきたので後日。)