ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

特養での理学療法士の仕事

2007年08月29日 | ケアの話
暑さも少し和らいだと思ったら、今度は大雨。
しかも雷つき(苦笑)
この極端な気象はいったい何なんだ・・・?

さて、先日から介護職員さんとコラボレーションの真っ最中。
何をコラボレーションしているか?

実はベッド上で日常を多く過ごされる方、
いわゆる寝たきりの方の姿勢調整を行っている。

クッションの位置、クッションの種類、大きさ、
体位変換時のクッション位置、種類、大きさ・・・
はたまたマットレスの種類・・・

それを介護職員さんとあーでもない・こーでもない、
なんて言いながら一日2~3人の方に行っている。

昨日はたまたま2年目の理学療法士(メインは訪問)が担当の方。
介護職員さん、私、2年目という3人で望む。
私は裏方(笑)

というのも、せっかく特養に勤めているのだから、
コラボレーションも覚えて欲しいのだ。

一人目の方については、
理学療法士の視点でクッションを決めていく。

が、足りない(笑)
何が足りないか?

それは介護職員さんが何に困って、見直しをしたい!
といってこられた理由が足りない。

介護のするときに何に困って、どうしたらいいのか?
これで本当にいいのか?拘縮がひどくならないか?
褥瘡ができたりしないか?ひどくならないか・・・?
という心配が背景にある。

そしてそれぞれに方について、背景がある。
それを知って初めて、クッション等の検討ができるというもの。

そして、なぜ、このクッションがそこに必要か、
ということも説明していく必要がある。

そうしないと、継続が困難。

同時にその方が抱える障害像・治療背景も伝えていく。
そうしてできるコラボレーション。

今日は何人の方の見直しかな・・・?
なんて思うのでした。

宝物

2007年08月28日 | ケアの話

残暑厳しいですねぇ・・・(汗)
今日はまた、大雨だし。

さて、先日、CDショップを歩いていたら、
写真のDVDが売ってある。

思わず全部購入・・・(笑)

自分のじいちゃんから戦争の話しは聞いていたが、
映像はなかなか見る機会はない。

おまけに、自分の仕事の対象が70歳~90歳の方がメイン。
ということは、彼らが10代~30歳代に国防をかけた戦争があった。
それは今、10代~30歳代の我々からすれば、
それは簡単に想像もできない価値観の世界だったであろう。

んで、実際にスタッフに紹介してみる。
利用者さんに見てもらおう、というわけだ。

しかし、う~ん・・・という反応。
戦争、よくわかんないし・・・
戦争嫌いだもん・・・

まぁ、戦争知ってる!知ってる!という若者がいたら、
それはそれで怖いでしょう・・・(苦笑)

戦争嫌い、当たり前だ(苦笑)
だけど、彼らがそれを体験したことは事実である。
スタッフの先入観で、それを否定しても始まらない。

知らないなら、聞けばいい。
そして共感すればいい。それだけでいいのだ。

彼らの価値観て何か?
私はそれに興味がある。
興味があるから寄り添える。

そう思う。

「この映像は、宝物だねぇ・・・」
とある利用者さんの感想であった。

33兆1千億円の行方

2007年08月26日 | 病院・医療の話
先日、ニュースで去年の医療費の話が出ていた。
国民医療費、過去最高の33兆1千億円

概算医療費:06年度、最高に 32兆4000億--厚労省発表

また、そういう中で、
終末期にかかる医療・介護費推計…高齢者の最期の1年 320~370万円必要
という報道もあった。

これをどうとらえるか?

医療費は過去最高といいながら、ほぼ横ばいで推移している。
これは、医療費の削減を行った結果であるといえる。

病院とは、日常生活が送れないほど日常生活活動を損ない、
ともすれば、生命の危機を救うところである。

その危機の時には、最先端医療は導入され、
その最先端医療は日進月歩で開発される。

ということは、技術進歩がある以上、
開発コストはかかるということでもある。
従ってそれを削減する、ということは医療の縮小、
ひいては混合診療へとすすまざるをえない。

そう、買える医療と買えない医療が出てくる。

それでいいのだろうか?
医療制度は元々後方支援的公共システムともいえる。
従って広く多くの人のために利用できるように、
もともとコストをぎりぎり抑えてある。

それをさらに削減する、となると、
新聞でも散々報道されたように、
起きなくてもいい事故まで起きてしまうのが現在の日本の医療。

「医療の限界」小松秀樹 著 新潮新書 2007年6月
『医療崩壊「立ち去り型サボタージュとは何か」』
小松秀樹 著 朝日新聞社 2006年5月

これらの本に今の医療の現実が書かれている。

33兆円、だからどうするのか?
どうしなければいけないのか?
我々はどうしたいのか?

本気で考えるべき時かな、と思う。

また、過去に紹介した本として、
「医療保障が壊れる」相野谷安孝 著 旬報社 2006年3月
「命に値段がつく日 所得格差医療」
      色平哲郎+山岡淳一郎 著 中公新書 2005年6月
「日本の医療を問いなおす-医師からの提言」
      鈴木厚 著 ちくま新書 1998年10月
「日本の医療に未来はあるか-間違いだらけの医療制度改革」
      鈴木厚 著 ちくま新書 2003年4月
「日本の医療が危ない」川渕孝一 著 ちくま新書 2005年9月
「医学は科学ではない」米山公啓 著 ちくま新書 05年12月
「患者見殺し 医療改革のペテン」崎谷博征 著 光文社 04年8月
「老人駆除」竹本善次 著 光文社 06年2月
「医療と福祉の経済システム」西村周三 著 ちくま新書 97年6月
「介護地獄アメリカ 自己責任追及の果てに」大津和夫 著
                   日本評論社 05年12月

今アメリカ型に向きつつある日本の医療・介護だけれども、
果たしてアメリカ型の本当にいいのか?考えさせてくれます。

さあ、今が分水嶺。
どうします?


介護保険の推移

2007年08月25日 | 介護保険の話
今日はお休み。
だけど子供が通う小学校の奉仕作業・・・(泣)

さて、厚労省資料にこんなのを見つけました。
平成18年度 介護給付費実態調査結果の概況
(平成18年5月審査分~平成19年4月審査分)

要するに、去年度の介護保険の実態の推移を見る資料だ。
なんてったって、大きな制度改正があっただけに、興味深い。

資料から抜粋すると、
まず、この資料。
<図1 年間継続受給者数の要介護(要支援)状態区分の変化別割合>

この図を見ると、やはり要介護度1の方に直撃の改正だったといえる。
実に2割の方が、要介護1から要支援2へ移行している。
制度改正前は、要介護1として介護保険が使えていたのに、
改正後は「介護予防」へ移行させられた、ともいえる。
必然的に、「維持」の割合が極端に他の要介護度と違うのが見て取れる。

次の図は在宅の方の、サービス利用率である。

ここも、要介護度1・要支援2が利用率が低いのが見て取れる。
背景はいろいろ考えられるが、例えば後に出てくる福祉用具や、
結局軽度要介護者が行き場を失っていると感じてしまう。

先日、介護認定審査会があったが、
介護保険の申請件数は増えているが、更新件数は変わらない、
という広域連合の話であった。

ということは、軽度要介護者、特に要支援1・2、要介護1の方、
そういう状態が変化しやすい人ほど、行き場を失っている?
としたら・・・?

次はヘルパーさんの状況。

軽度要介護者にたいして、生活援助は「自立支援」になってない、
ということで、原則介護予防ヘルパーはほとんど機能していない。
ほとんど機能していないのに、
経過的要介護(要するに要支援の方)含め、
軽度の方ほど「生活援助」を選択している方が圧倒的に多い。
より重度になるにつれて、身体介護が多くなる。

これは、やはり軽度要介護者に対する「自立支援サービス」とは、
やっぱり「生活援助」なのではないだろうか?

こういう効果を出しにくい制度を作っておいて、
現場ばかりに責任を押し付けるのはいかがなものか?

次に福祉用具。

軽度要介護者は、この改正において原則車椅子・電動ベッドが使えなくなった。
その反動がモロに現れた格好だ。
車椅子△4.9%、特殊寝台△18.9%!、特殊寝台付属品△14.2%
となる。
他の福祉用具は、床ずれ防止装置2.4%~手すり44.5%など、
軒並み増加の中で、車椅子・ベッドのみマイナス。
ここが要介護度1の悪化率・サービス利用率につながってないか?
なんて考えてしまう。

介護給付費を抑制しようと思ったら、サービス利用を抑制、
それが一番手っ取り早い。

この図を見ると、車椅子・ベッド関連の利用率が、
要介護1が圧倒的に少ないのがわかる。


さて、最後は施設給付費の割合。
自己負担額が高いのが 療養型>老人保健施設>特養
という図になる。

介護保険の特徴として、あれ?最近親父おかしいなあ・・・?
介護保険を使おうかな・・・?と思ってもすぐには使えない、
ということになる。
まず、申請により介護度が判定するまで約1ヶ月。
そして、ケアマネさんと契約して、施設に入れるか?
特養待ちが約2年。使おうと思ってもすぐに使えないのが特徴。

そして、その施設においても利用負担額が違う。
ここにグループホームなどの施設が入ってくる。
グループホームは約15万円前後の負担額。

で、本来はグループホームなんだけど、
お金の問題で特養申請。入所待ち。
今、いくらでもある話。

おじいさん・おばあさんの年金があるなら、
自宅介護がいいですよ、とすすめるケアマネさん。

さて、この国の介護はどこに向かう?



リアリティ

2007年08月24日 | 生活を思う
昨日は代休取得でお墓参り。
子供をつれて水族館にも寄ったりしたので、
なにやらお疲れモード・・・

さて、先日地元自治会の体育委員会があった。
その自治会を構成する常会の体育委員なので、
これに参加。

御題は「地区民運動会について」。
毎年7月の頭に行うのだが、今年は9月に行う。
去年・一昨年と7月に連続に大雨で行えなかった為だ。

んで、会は紛糾する(汗)
もう、自治会・常会自体が高齢化していて、
存続は、ムリではないか?
一常会あたり15人前後の選手のお願いをしていくのだが、
そんなに選手なんていない・・・

ましてや稲の刈り取り時期。畑や田んぼが忙しい時期に、
運動会なんて出てられない!
若いもんはおらんし、おっても土日も仕事なんて当たり前。

もうどうにもならんて・・・
などと意見が出てくる。

つい20年前は、選手のお願いに困ることはなかった。
それがここ10年は非常に困難。

それに、去年のメンバー表を見ると、
おんなじ様な人が、何年も続けて選手になっている。
ということは、自治会自体が若返ってない。
若い人がいない・・・、致命的だよ。
もって後何年か・・・?

う~む、すごいリアリティ・・・

こういう地元自治会の仕事はめんどくさい。
めんどくさいが、こういう「ふつうの暮らし」を感じることができる。

今回は、高齢化のリアリティをひしひしと感じる。
高齢化によって、町のイベントがなくなりつつある。
それでなくても、町の合併によって「お祭り」もなくなった。

どうなる?中山間地域。
そして、高齢化。
それを支える社会保障。

う~む、どこへ行く・・・