ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

医療・介護は人手不足・・・だけど?

2009年09月12日 | 制度を問う!
さて、先日TVを見ていると、
外国人介護労働者のことをやっていた。

医療・介護の人材不足の話から、
外国人介護労働者の話へと進み、
その窓口が「国際厚生事業団」http://www.jicwels.or.jp/
であり、そこが仲介をしているということだった。

そして、さらに、この国際厚生事業団は、
厚生労働省から認可を受けた法人であり、
天下り・利権の一つであると紹介されていた。
理事長は元厚生労働省事務次官であった。

で、外国人介護労働者は、
ここを通じて希望のあった施設へ派遣される。

しかし、ここには斡旋手数料が必要。
外国人介護労働者に来て欲しいと思う施設は、
斡旋手数料をこの国際厚生事業団に支払う。

その金額は、外国人介護労働者一人につき138,000円。
原則二人一組なので、276,000円必要となる。
また、フィリピン雇用庁への手数料が一人43,000円。

さらに日本語研修期間への支払いが一日2000円、
計約36万円と上記ホームページに資料にある。
#一部受け入れ施設負担となっているが、
#その一部が36万?

日本語研修免除者については、
介護導入研修中の費用負担が約25万円。

滞在管理費が21,000円(年間一人当たり)
求人申し込み手数料31,500円(一受け入れ施設あたり)

外国人看護師もほぼ同様の金額となっている。
これでざっと計算しても、外国人介護労働者一人に、
相当なお金が国際厚生事業団に動く。

介護事業者とて、近年経営も楽ではない。
介護報酬3%アップ、介護職員の報酬アップへ!
というのもほとんど反映されていない。

この報酬アップも、アップ部分が「加算」であり、
加算を取るためには厳しい人員配置・書類を整備して初めて取れる。

どこも経営が厳しいため、人件費に使うどころではなく、
倒産を防ぐ為にちょっと一息という状況。

そういう状況にあって、
喉から手が欲しい人材も外国に頼りたくなる状況、
そこにこれだけのお金が必要。

何ゆえ現場がどんどん疲弊していかねばならないのだろう?

人参はぶら下げられるけれども、
決して食べることが出来ないシステム。

どうしても食べたかったら、
高額なお金を払わなくてはいけない。

いったい何がどうなって、こうなるのだろう・・・?
現場からどんどんお金は絞られ、疲弊していく・・・




今日から・・・

2008年10月01日 | 制度を問う!
今日から10月。今年度も下半期となる。
さて、今日から公立病院が中止となるニュースがあった。

医師不足から収益が減収し、結果市政を逼迫し公立病院が中止となった。
その町では、公立総合病院はその病院しかなく、
おまけに救急対応病院であったことから、
今日からその市内の救急患者は市外の病院へ搬送されることになる。

地域の不安が見て取れる・・・
だいたい、地域に病院がなくても車で1時間走れば大きな病院があるし、
いい道路を作るので大丈夫、な~んて政治家が言っていたが・・・

医師の養成数を増やしても、こうやって地域に病院がなくなっていれば、
もうどうしようもない・・・

医師の教育は文科省、病院経営は厚労省、財務は総務省、
と3省ばらばら行政の歪であろう。

公立病院の会計は今まで特別会計であったが、
一般会計に連結となり、一気に市の財政を逼迫させた結果、
財政再建団体へ転落することを避けて赤字を抱える病院を廃止、
結果的にその市の社会保障がガタガタになった、ということだ。

3省ばらばら行政、さらには病院が赤字になるような診療報酬、
医師・看護・介護の軽遇、膿が一気に出てきました。

先日TVでやっていたが、
20代の若者がお金を使うことに興味なく、
むしろ貯蓄に回り、老後に備えているという。

私の職場でも若いスタッフに週末の過ごし方聞いてみた。
「出かけるとお金がかかるので、引きこもってます(笑)」
と来たもんだ・・・

なんとなくこの国や、暮らしに覆いかぶさるなんとなくの不安。
解決策をこの国の偉い人に求む!




さて、いやなニュースだ・・・

2008年04月17日 | 制度を問う!
今日、突然ニュースが飛び込んできた。

岡山の施設虐待、入所の高齢者栄養失調

こういう施設が、まじめにやってる施設を苦しめる。
グループホームの事件ついては過去にもあったが、
これは事件性の種類が違うと思う。

以前のものは、どちらかというと制度の不備が背景にあった。

これは、どうか・・・?

行政は知らなかったといえるか?
というのがこちら。

情報公開条例に基づく調査結果の公表だ。
WAM NETで検索できる。

件の施設はこちら

指定を取り消されたので、いつまで見ることができるかは不明。
さて、調査結果から何が見えるか?

調査と監査の整合性は?
調査結果と、今回の事件。

さて、この調査自体が機能したといえるのか?
今後、これは問題として取り上げられるだろう。

行く末を見守りましょう。

未来

2008年03月12日 | 制度を問う!
さて、先日から暗くなるようなニュースが立て続けである。

介護職の「普通の生活を」 160万人が署名
救急搬送10回以上の断り 昨年1074件、東京が6割

まず、最初のニュース。
福祉施設は介護職員がいないと成り立たない。

障害を持ち、また高齢の方、そんな方の生活を支えているのは、
間違いなく「介護職員」。

そんな彼らが、他人様の生活を支えているのだが、
当の自分の生活が成り立たないという現状。

それどころか、介護報酬の改定があるたびに、
どんどん単価が下げられていく。

以前のブログでも書いたが、
ケアマネさんの事業所は人件費比率90%。
なにもケアマネさんの給料が高額、というわけではない。

多くの特養も人件費比率70~80%で推移。
で、介護職員の給与が月15万。
夜勤手当ありでこれくらい。

とてもじゃないが、家族を養う、
なんてのは困難に近い。

確か介護保険の導入時には、
介護が社会すると参入業者・事業所が増え、
その分質も向上し、サービスを選べるようになる、と。

しかし、今現在いかがだろうか?
もう、現場は疲れてます。

病院にしてもそうだ。
地方にあった病院は撤退・閉鎖。
そうして医師を集中して、
救急・総合病院を中心にしてサテライト診療所とネットワーク。

そうしておいて遠くの病院まで立派な道路を作る、
という政策だ。

しかし、考えてもらいたいのは、
近くの病院が診療所になり、
広域地区の病院に医師が集まる。

集まったところで、その広い地域の患者数が診れるのか?

結局その病院に患者が集まり、
医師一人当たりの患者数に違いはないのでは?

先日TVでやっていた。
欧米諸国の医師一人当たりの年間患者数約2200人。

日本は8000人を越えていた。

もう、すでにこの時点で、
医師をどこに集中しても、
すでに間に合わなさそうだ、
と感じてしまう。

おまけに診療報酬も限界まで削られている。
改定があるたびに2200億の削減を求められている。

道路は向こう10年59兆円。

さて、そろそろ、医療・介護も、
現状の「お金」ではなく、
「未来」を語りませんか?

下手すると間に合いませんぜ・・・(汗)

リハビリテーション 日数制限、本当のところ

2007年10月06日 | 制度を問う!
3連休。
それでも仕事はやってきて(苦笑)

さて、昨日WAMにて、
障害者関連の資料がたくさん出ていた。

障害者基本法
障害者基本計画
障害者週間
障害者の社会参加に関する特別世論調査(平成16年度)
障害者白書
障害者施策に関する基礎データー
障害者施策総合調査(平成17年度)
障害者に関する世論調査
平成19年度障害者施策関係予算(案)の概要

まぁ、本当にたくさんあって(汗)
どこから読むべきか考えるのだが、
まずは「障害者基本法」から。

「障害者基本法」をクリックすると、
またたくさんの資料あり。

その中でも注目が「障害者基本法の改正について(平成16年6月)」である。

そこから気になるところをコピペ。

第十 医療、介護等(新第十二条関係)
一 国及び地方公共団体は、障害者が生活機能を回復し、取得し、又は維持するために必要な医療の給付及びリハビリテーションの提供を行うよう必要な施策を講じなければならないものとすること。
二 国及び地方公共団体は、一の医療及びリハビリテーションの研究、開発及び普及を促進しなければならないものとすること。
三 国及び地方公共団体は、障害者がその年齢及び障害の状態に応じ、医療、介護、生活支援その他自立のための適切な支援を受けられるよう必要な施策を講じなければならないものとすること。
四 国及び地方公共団体は、一及び三の施策を講ずるために必要な専門的技術職員その他の専門的知識又は技能を有する職員を育成するよう努めなければならないものとすること。
五 国及び地方公共団体は、福祉用具及び身体障害者補助犬の給付又は貸与その他障害者が日常生活を営むのに必要な施策を講じなければならないものとすること。
六 国及び地方公共団体は、五の施策を講ずるために必要な福祉用具の研究及び開発、身体障害者補助犬の育成等を促進しなければならないものとすること。

さて、過去にも書いたが、現在医療においては、
リハビリテーションの日数制限が制度としてある。

しかし、よくもここまで矛盾していることを書くものだ・・・
また、制度設計をするものだ・・・と違う意味で感心してしまう。

病気はなにも「風邪」みたいな治るものばかりではない。
その風邪とて、高齢者にとっては致命傷となり、
生活機能低下を起こしかねない。

脳卒中や神経難病など、その典型である。

その病気によってさまざまな機能低下を来たし、
その機能低下を補い、
その方の生活に適応への支援こそ「リハビリテーション」。

その一番根っこの医療におけるリハビリテーションの制限。

介護保険のなかのリハビリテーションを利用すれば、
もう「医療」のリハビリテーションは受けれない。

では、介護の中のリハビリテーションはどうか?
老健施設は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、
利用者100:1という基準。

まぁ、基本がそれなので、押して知るべし。
では、通所リハビリテーションは?
医療で日数制限されたため、こちらが期待されたが、
これもすでに満員御礼。

いまさら新規は受けられない、という現状。

ディサービスも、ここに関わる理学・作業療法士は少ない。

では、在宅は?
実は訪問看護ステーションからの理学療法士・作業療法士の訪問は、
規制があったりする。

病院や老健からの訪問は、事業所数が少ない。

特養は理学・作業療法士がいることのほうが珍しい。
特養に入所するのも2年待ちとか当たり前のように聞くことができる。

身障療護施設も同様だ。理学・作業療法士がいることのほうが珍しい。
100人以上の施設で理学療法士が1名、という施設もある。

まとめると、この国の社会保障は、
生活機能再建・生活支援システムが構築されてない、
ということになる。

福祉用具すら、軽度要介護者は制限があるのだ。

ましてや、リハビリテーションシステムなど、
上記法律に掲げる推進どころか、
衰退の一途ではないか・・・

いったいどこへ向かっているの・・・?