legno-Diario-自閉症児は不思議生命体-

~自閉症のすーさん(小学1年生)といい婆さんのなんでもかんでも~

タコに乗ったタコ-タロウ君の後ろ姿

2008-01-29 01:19:00 | すーさん
昨日、1月27日、保育園の父母会のイベントで

二本足で立つレッサーパンダの風太君で有名な千葉市動物公園へ行った。

それもすーさんの好きな「バス」で・・・。


すーさん、いつものようにモンキーゾーンでおサルの観察。





・・・婆さん、ふと思う。

すーさん、おサルに飽きてる?



クラスメート&ファミリーは一足お先に動物園に併設せれている遊園地へ。


婆: みんな遊園地に行ったらしいからうちも行こうぞ

爺: でも、すーさんは遊園地はダメじゃん

婆: 折角、みんなと来てるんだから行くだけ行こう

爺: すーさんと二人で先に行ってて

(乗りが悪いんだからなぁ、ジィさんは・・)



遊園地に続く下りエスカレーターを降りた高台から婆さんとすーさん二人でボンヤリ周りを見渡す。



すーさん: タロウ君


すーさんの隣にいる婆さんから見えてる人はみな後ろ姿。


どれよ? どこ? えっ? わかんない!


と、思っている間にクルリとこちらに向き直る男子



婆: あれまーーー、よくわかったね、ほんとだ、あれ、タロウ君だね


すーさんはタロウ君のそばにいるタロウ君のお母さんやお姉ちゃん、YOU君は全く目に入っていないようだ

歩いて行ってしまうタロウ君の背中だけをずっと見ているようだった。

(しかし、すーさんの目はハートではないのは確かだ)




婆さん・・久々に閃きました



婆: すーさん、いくよ、タロウ君の所に!

すーさんと手を繋ぎ階段を降りた。

爺さん、合流。

タロウ君一行はこれから「コーヒーカップ」に乗るとおっしゃる。

婆: 「コーヒーカップ」かぁ~

(なんだ、この煮え切らない感じは?)


婆さんは、久々にすーさんの横顔から受けた閃きの強さに匹敵する乗り物を探した。



よし!これにしよっ






アストロファイター

まさしく、今の婆さんは ファイター

数年前にはこんなユルユルな乗り物にも↓パニックを起こしたすーさんに






いきなり・・・行きます。



爺さんは心配顔で動きが鈍い。


婆: ワシがすーさんと乗ります。それならいいでしょ!





ヘヘヘヘッ・・・こんなんですわ。


すでに獲物を狙う猛獣の目になった婆さんは

遊園地内の美味そうなご馳走(過激系)乗り物を物色する。


次、これ! 


タコに乗る。





クラスメートが近くに来て乗ってくれ「すーさ~ん」と声をかけてくれます。

でも、まだ、スタートしません。




遂に

タコがタコに乗って舞い上がりました!





婆さん、調子付いてます、ハィ!



行け行け!ゴーゴー状態です。



次なるチャレンジはこの遊園地で一番の・・・・

これぞ、ピッタシ

その名も「ゴーゴーコースター!」


注)決してパニクル娘を無理矢理乗せたわけじゃありません。


ゴーゴーしました。↓





えっ? これは遊園地のパンフレットの写真?


オホホホッ、ご冗談を・・・


拡大しますよ、いいですか? ハィ ↓







すーさん、コースター乗車中に初めて口を開きました。


「すごーーーいィィィィ」


それは婆さんの台詞ですぞよ、すーさん。


それに、飛躍しすぎ ですぞ (笑)



最後6枚チケットが余っていたので、爺さんも仲間に入れてあげました。

スカイジェット で 空中散歩




合計2000円の意外な時間を過ごしました・・・とさ。



【追伸】

爺さんは言いました。

「あの時、この人は(婆さん)何をあり得ネェことを言ってるんだって思ってた」


そうでしょう、そうでしょう。


でも、小ぶりな遊園地の中のどこそこにも知っている顔

クラスメートとその親御さんがすーさんの視界に入る。


クラスメートの声かけにもほとんど反応はしないけれど、

その存在がすーさんの中に安心感となって鎮座していることが伝わっていた。

卒園したら、もう二度と同じ日はない。

だから、無謀なことであってもゴーゴー婆さんに勝手になってました。

嬉しかった。



月曜日の保育園のお迎えの時、偶然、クラスメートの親御さんに多数会えた。

「すーさんがね、コースターも乗れたんじゃよ。ありがとう。」

そう言ったが、皆一様に

「私たちは何もしてないよ。すーさんは楽しかったんだね。それはよかった」

と返してくれた。


婆さんが嬉しいってことよりも何よりも

すーさんにとって楽しい思い出になったことを喜んでくれた。



現地では皆と離れて行動していたすーさん一家。

でも、「婆さん、今、どこ? これから遊園地行くよ」と電話をくれたり、

普段、滅多にメールの返信をして来ない(返信の仕方がわからないと本人の弁)

キッパリ母ちゃんからも

「遊園地にいるよ。どこいんの?」 とわかりやすい短いメールをもらった。


気にかけてくれるのだが「遊園地においで!」とか「一緒に!」とかは言わない、

その距離感が婆さんには最高の安心感なのである。


感情が表には出にくいタコに乗ったタコだが、きっと、

クラスメートの姿を見て婆さんと同様の安心感を持ったに違いない。


だから、タコがタコに乗って笑っていたのであろう。


保育園生活もあと2ヶ月となった。



タコの意識レベル-3-ウルっときたぞ

2008-01-25 01:59:46 | すーさん
ただ今からすーさんのインフル発症から1ヶ月をお知らせします。


ピッ

ぴっ

ピッ

ポーン♪


あ~ぁ、とうとう1ヶ月が経ってしまったぞよ。


エコラリア(独り言)も僅かながら明瞭になり

その内容がインフル以前とは全く異なることに気付く。


嫌で耳を塞いでソファーに倒れこんで悶え苦しんでいた

TVコマーシャルのフレーズばかり。


タコ・・・お前、ホントは聞いておったのか??


いやよ、いやよ も 好きのうち・・・ってか??





・♪・♪・♪・♪・♪




遠くでなにやら楽しげに歌を歌っているタコ




婆: すーさん、もう一回歌っておくれ。






なんだか、泣けてくる♪




(おいっおい、泣いちゃうのか?)



思わず、泣けてくる♪




(又、泣くのか?)








ウルフルズ『泣けてくる』じゃないか?



動画はこちら





婆: すーさん、悲しいの?




す: ダルオモ~ォ

     ↑文字をクリックしてみて下さい





婆: おいっ、大丈夫かい? 明日は保育園じゃよ!




す: いくっきゃ・・ないっしょ!


     ↑文字をクリックしてみて下さい




婆: そかっ、元気になったんじゃな?




す: かたまった


     ↑文字をクリックしてみて下さい



婆: 勝手に 固まる なよ! 戻ってこ~~~ぃ




す: アリナミン イィぃーーエックス プラス







なーーんじゃ、・・・・そういうことか。





【追伸】

2.刺激すると覚醒する(stupor) から

1.覚醒している しかし 2.見当識障害ありになったんじゃな。

注)見当識障害
見当識とは、時間、場所、人物や周囲の状況を正しく認識することをいいます。見当識が障害されると、家族がわからなくなったり、日時や季節がわからない、あるいはいま自分がいる場所がわからないというような現象が起こります。



ってことは、

すーさん ったら、




「元に戻った」わけですな。


よかった。


タコの意識レベル-2-桃色吐息

2008-01-17 07:36:47 | すーさん
おはヨット婆ーバ


タコこと自閉症児すーさんのインフルエンザ後の意識レベルはいまだ

「3:3.刺激しても覚醒しない」に程近い状態であった。


但し、

療育やピアノのレッスンに対してはその意識レベルの低さを

有効利用したとも言える”落ち着いて向き合う”様子が伺えておった。


とは言え、

常日頃、習慣 と言うべき状況下では相変わらず

返しなし  であった。



昨日も

亡霊の囁きのような、

「フッ」って吹くと飛んで行ってしまいそうな、

誰に対する挨拶をしているのか視線の先が定まらない、

ローテンションの「おはようございます」

担任のあんみつ先生と園長先生にしていたそうじゃ。


ボジョレー ヌボーーッ としていたのであろう。



そのタコヌボーーッが一変した。




「おはようございます!!!」






その明瞭快活な挨拶に驚いたあんみつ先生。

戸惑いながらもタコが挨拶した相手に対し、

あんみつ先生:「すーさん、誰かな?」

と、聞くと、

「Kさ~~~ん」



即答であった。


それも

タコの目は ハトポッポ



そんなタコハートを隣で見てしまったあんみつ先生。

普段は「全面寛容」なあんみつ先生も

意識レベル「3」のすーさんを心配していた分だけ

心の奥深くで「ジェラシー」さえも感じたと

正直におっしゃっておった。


相手は誰だ???




それは、6つ目前の記事で初登場した

【イケメン】ディレクターK氏

であった。


報道特捜プロジェクトでお世話になっておる

ディレクターS氏 と ディレクターK氏が

すーさんが通っている保育園に小用があって訪問されたのであった。


タコには用はない


しかし、偶然にも廊下で会ってしまった。


保育園に本日、

ディレクターS氏 と K氏 がおいでになることを知ってはいたが、

すーさんには用はない(無論、爺婆にも)・・・ゆえ、

すーさんには事前予告などしておらんかった。




なんじゃ、そりゃ???




昨日のお迎え時、婆さんを見ても

ピクリと表情筋の1本も動かさなかった

あの  タコ・・・が。


あんみつ先生と園長先生からそれぞれに

その時の臨場感たっぷりのレポート・・・。



すいま千の風



帰宅後、爺さんにあんみつ先生と園長先生のレポートを

正確にコピー&ペーストした所、

「おまえ、Kさんの所に泊まりに行けば!」


・・・爺さんの気持ち、よー わかる

(いつもこの位よくわかると夫婦間も円滑にいくのじゃが)



午後7時過ぎ、噂のK氏よりお電話が・・・。


K氏:「すーさん、とっても元気で良かったです」


婆さん:「あなたにだけ・・・です」

(複雑すぎる親心)


いじわる婆さんは、長々とK氏と喋ってから

我が娘の肩口を見ながら、電話を切っちゃった ぞよ。

(ささやかな抵抗である・・・懐狭し)



3.刺激しても覚醒しない(deep coma)

から

2.刺激すると覚醒する(stupor)

あたりに変化したんじゃないか?



そんな事を思いながらビール缶を手にした。



タコの意識レベル

2008-01-15 01:37:01 | すーさん

おはヨーグル

久しぶりに保育園への迎えの時、気軽に話せるママ友と出くわした。

友:「すーさん、インフルだったんだってね。その後調子どう?」

婆:「全然・・ダメ」

友:「どうした? インフルエンザの次は中耳炎になったとか?」

婆:「いや、どっちなのか わからんのじゃ」

友:「どっち って? 右耳 それとも 左?」

婆:「いや、ちょっと違う」

友:「ちょっとって・・・右 と 左 以外ってあったっけ?」

婆:「右 とか 左 じゃなくて、全体的に」

友:「ゼンタイテキ?」

婆:恍惚 なのか? 孤高 なのか?」


友:「コウコツ?  ココウ?」

婆:「意識レベルの段階を勉強してないんでよーわからんのじゃ」

友:「イシキ レベル?」

婆:「懐かしいわね、あなた。 最近オウム返しに飢えてたのじゃ。」

友:「すーさん、オウム返し も しない状態なわけ?」

婆:「そうじゃ、返しなし なんじゃよ」

友:「どこまでホントで どこからジョークなの?」

婆:「オール・マジ」

友:「どういう状態なのか見ないとわかんないよ」

婆:「きっと、見てもわかんないよ。」

友:「そっか、さっきは教室にすーさんいなかったしね」

婆:いたよ、荷物取りに来る前にチラッと見えたから」

友:「うっそ? いた??」

婆:「いる」



1月7日(月)は↓の状態



窓に向かって垂直に立ち、真っ暗な園庭を(園庭を見ているわけじゃないと思うが)見ている。

まったく動かない。

保育士:「すーさーーん、お母さん来たよぉ」


首ごと90度ヒネッて婆さんを見たが、

又元の位置に戻し、さっきとまったく同じように立っている。


「おかーさん きたよ」 と言いながら

いそいそと自分のタオルを取りに行くいつもの動きをすっかり忘れてしまったようだ。



1月8日(火)は↓の状態



延長時間のおやつ終了後、

子供たちは皆んな隣の教室に移動しちゃっているっていうのに

1人教室のど真ん中に立ち「ボーーーーッ」



「おい、タコ!」

呼びかけてみたがやはり 返しなし



ダメだ、こりゃ。



乳児の頃、すーさんは泣いている以外は↓の状態




最近のすーさんと意識レベルはこの頃と同じのように見える。


こんなんですから、

担任の先生、新年早々「心配大盛り 100円増」

園長先生も「どうしたんだろうねぇ、すーさん?」って眉をひそめて声をかけて下さる。


こんな状態が連日でございますから、

爺さんも婆さんも口には出さなくても

「インフルエンザ脳症」を疑っていた。


どうしてくれよう、この気力のなさ。



1月11日、今年最初の療育があった。

担当のK先生に年末にインフルエンザに感染したことを告げ、

「今日は全然反応ないですけど・・・すいません」 と付け足した。


ところが、いつもより明らかに正解率高し

体が動かないせい(おかげ)か、問題をじっくり見て答える

だから、正解


ただし、眼力(めぢから)なし の 蚊の泣くような弱々しい声 に

K先生は「かわいそうに」 を連発。

「インフルエンザで高熱が出るとそれだけで体力を相当消耗するので

 完全に元の元気を取り戻すのに1ヶ月位かかるんじゃないかなぁ」


とも教えて下さった。


そんなに時間がかかるもんなのか?


爺婆も、元気のない、気力がわかない我が娘をかわいそうだと思ったが

パフェクトに近い回答をするのを見て

「インフルエンザ脳症」への疑いが晴れてきた。

かなり、ホッとしてきた。


療育後、児童精神科の予約があるため病院へ。

担当医のワンちゃんに近況と先程受けてきた療育での様子を伝えると


-------------ワンちゃん先生のお話--------------------------

インフルエンザ脳症とは違うと思うけど、
インフルエンザにかかって脳症までいかなくても
それに似た病後の症状が出たお子さんを
何人か診てましてね。

すーさんとは反対なんだけど
「落ち着きがない」「突然大きな声を出す」など
今までの普段の様子にはないことをするようになったとか。

当然、親御さんは心配されるので検査とかするんだけど
結果は異常なし・・・なんです。

そうしているうちに1ヶ月位すると元の状態に自然に戻ることが多いから
しばらく様子を見たらどうかな?

思った以上にインフルエンザにかかって本人の体力は落ちているんだと思うし。

---------------------------------------------------------------



診察の前に療育を受けてなかったら、

ワンちゃん先生の悠長なお話をすんなり聞けなかったかもしれないが、

連休も寒いって言うし、

表情のない意識レベルの低いすーさんとゆっくり過ごしてみっか!

と、いう気になったのであった。



【追伸】

すーさんはたまたま麻疹の予防接収を去年の11月中旬に受けてしまったため、

インフルエンザの予防接種を適切な時期に受けることができませんでした。

予防接種を受けていてもインフルエンザに感染しないというわけではありませんが、

受けたことで「軽く済む」ことはあると思われます。

現に、前回のインフルエンザの時はすーさん、予防接種を受けておりました。

タミフルを服用できたとは言え、驚くほど回復が早く解熱後もすぐに元気を取り戻しました。


今回は、タミフルを2回服用させましたが2回とも服用10分後には

嘔吐により体外へ全排出されました。

解熱剤(頓服)も飲んでいません。

そのため高熱期の山が2回あり、

確かに高熱に苦しんだ期間は長引いてしまったと言えます。

すーさんの体は一回りシェイプされました。


インフルエンザの嵐は地域によってズレがあるようですが、

なるべく予防接種は受けられた方がよろしいかと思います。



【追伸2】

3日間の連休のうち2日は外出せずにすーさんとマッタリ過ごしました。

相変わらず動きは極めて少なく弱々しい声ですが、

表情のバリエーションが2つほどに増えました。

焦らずに回復を待つ事に致しましょうぞ。



「報道特捜プロジェクト」- 危険運転致死傷罪

2008-01-14 22:17:43 | 婆さん
福岡3児死亡、地検が週明けにも控訴…危険運転罪求めて



是非、控訴して下さい。



最近のニュースの中で危険運転致死傷罪に関連するものに対して



知れば知るほど気分が悪くなる。





法律というのは人間が生きていく上での社会生活の秩序を維持するために、



統治者や国家が定めて人民に強制する規範であるはずなのだが、



危険運転致死傷罪というのは



まるでレンコンのように通り抜けられる穴ボコだらけで、



たとえば、イベントのためだけに発砲スチロールで作った



「開眼なし」の巨大観音様みたいで



誰のためでもなく、ありがたくもない刑法としか思えてならない。





車は凶器であって、



アルコールを摂取し車の運転をするということは



凶器を事前に用意し、故意に無差別殺人をしに行くことと同じであると思う。





なのに、どうして危険運転致死傷罪の適用ができないのか?



婆さんにはさっぱりわからんし、腹が立ってくる。





1月19日土曜日の「報道特捜プロジェクト」では、







どうやら▽なぜ認められないのか危険運転致死傷罪▽というテーマを取り上げるようじゃ。





腹が立ってる婆さんにわかりやすい内容であることを願っておる。







東京・下町・粋な風情

2008-01-13 02:46:52 | 婆さん

ちょうど1ヶ月前の12月11日、

爺さんと婆さんは東京都台東区にある東京メトロ銀座線の田原町駅で降りた。

浅草の中心から少し離れた場所である。

仕事の打ち合わせだ。


古いビルが並んでいるかと思うと突然小ぶりな寺が建っている。

わしらが住んでいるベットタウンとはまったく違う匂いのする町であった。


初対面のクライアントは「隠居フィールド」で生活していてもおかしくない年の頃。

歯に衣着せぬ物言いなのじゃが、

わしら二人は久々にスッキリ爽快感の持てる打ち合わせができた充実感があった。

最初は、意味もわからずズタぼろ状態で帰路に着くのではないかとビビっておったが

テンポの良い主張には「明確な意図」と相手を思いやるサッパリ系の「心遣い」があった。


「お頭!」(おかしら) と つい呼んでしまいそうなお方だったのである。



そして、1月11日はプレゼン。

今回は、田原町駅からちょっとゆっくり目に辺りを見ながら「お頭ビル」まで歩いた。

ファミレスやファーストフードの店はないが、仏壇や数珠を扱う店が軒を並べている。

そして、小さなビルの前に「モーニングセット 500円」と書いてある看板があった。

懐かしい「小さな喫茶店」じゃ。


お頭は、ポロシャツの襟をビタッっと垂直に立てて迎えてくれた。

「では、これを・・・ご覧下さい」

17枚のデザインカットを入れたミニアルバムを手渡した。

プレゼンはやはり緊張する。

「じゃ、見せてもらおうかな」

ところが、3カット目でお頭の携帯電話が鳴った。

「どうもどうも~~~」

だが、ミニアルバムのページは一定の速度でめくり続けている。

すぐに今度は固定電話が鳴った。

お頭は左耳に携帯をあてながら、右耳に固定電話の受話器をあてる。

さすがにミニアルバムは机に開いたままで置いた。

でも、視線はミニアルバムに向けたままだ。

この人、お頭 じゃなくて 弘法大師 だったか?


実質的なプロジェクトの責任者である第一の子分(ごめんなさいまし)の

若頭Y氏が登場。


お頭は立ったままミニアルバムを若頭Y氏に手渡す。


若頭Y氏:「お頭が気に入ったのはどれですか?」

お頭:「ない!」


若頭Y氏:「へぇ?そうなんですか?」

お頭が「ない!」と言った時、

婆さんはお頭の次の言動をワクワクしながら待っていた。

自分達のデザインが1つも気に入ってもらえなかったと宣言されたのに・・だ。(笑)


若頭Y氏:「僕は、これなんか良いと思ってるんですけど」

お頭:「どれ?」

若頭Y氏:「なんか頑張るぞぉ~って感じがして・・・」

お頭:「これか? そうだろう!! 俺もこれだと思ったんだよ」

若頭Y氏:「へぇ? そうなんですか?」

お頭:「そうだよ、バックのこの緑を取っちゃえばいいよ、これっ

若頭Y氏:「・・・・・・・・・・」(ホントですか?お頭??)


お頭が2本の電話を受けながら、

ミニアルバムの全体を2回ほど流し見て、

最後に2・3枚めくってから1枚のカットに親指を押さえ

2秒止めてから

バサッとミニアルバムを机に置いたのを婆さんは見ていた。


若頭Y氏が一通り見た後、自分の意見を言わずしてお頭に

「気に入ったのはどれか?」と聞いて来たので

あえて、「ない!」 と短く言い放ったのである。



「俺の意見を先に聞くな。おまえの意見を先にきちんと言わなくてどうするんだ?」

と、思ったのであろう。

「俺の意見でおまえの意見が左右されるんじゃダメなんだよ」

と、次に繋げてくれる若頭へのお頭独自のエールだったに違いない。

想像でしかないが、たぶん、そうだったんだと思う。


クライアントでありながら仕様書も作成できず、

前任者と机を並べているにもかかわらず何一つ満足に引き継ぎがなされず、

聞かない・教えないままに仕事をしているフリをして

勝手に満足しているクライアントが多い中、


口も出すけど、手も出す。知恵も出し、後輩をしっかり育てる


お頭みたいな粋(イキ)で温かい人に出会うと

仕事って面白いよなぁ~ と 素直に思えるし元気が出てくる。


これが江戸下町の粋の良さ なのだろう。


第二のプレゼンの方向性を見事に打ち出して頂いた爺婆は、

行きがけに見つけた「小さな喫茶店」でランチをすることにした。

「小さな喫茶店」に到着したのが12:10という時間だったせいか、

出入り口に一番近い2人席しか空いていなかった。




レジの横には昔の喫茶店・床屋と美容院には必ずあった「雑誌と新聞」の棚があった。

ランチメニューも四半世紀前の喫茶店ならどこにでもあったような内容じゃ。

爺さんはナポリンタンを、婆さんは焼きそばを注文した。

お客さんの中で爺婆が一番若いぞ!と言えるほどお客さんの平均年齢は高かった

とは言え、一言でお年寄りと言っても皆お洒落なのである。


爺さんは次の打ち合わせの時間が迫っていため、

ナポリタンをハフハフ食べて店を出て行った。

婆さんひとりで先日衝動的に購入した落語家が書いた本を読みながら、

コーヒーをすすって人間観察させてもらった。(笑)


婆さんの隣でゆっくりと生姜焼きを召し上がっていたご婦人は、

ダイ○ーやイトーヨーカ○ーの冬物大市では絶対に売ってないだろう

品のよいスカーフをコートの下でご婦人に良く合う形に結んで店を出ていかれた。


厨房に一番近い席にいたおジイさんは大事そうにハンチング帽の形を整えながら、

「自慢じゃないけどねぇ、満州から引き揚げて来てからずっと食後のコーヒーは欠かしたことがないワタシですから

このコーヒーが沸かし直したコーヒーだってわかるんですよ。」


と、忙しい店員さんを呼び止めていた。


右前方の3人のオバちゃん組の一人は、ハンバーグ定食の生野菜とポテトサラダを

お皿の上にきれいに残していた。

松子さん(仮名):「あたしね、よそのサラダは食べないことにしてるのよ」

竹子さん(仮名):「あらっ、どうして?」

松子さん:「だって、野菜を洗ってないかもしれないじゃないですか。」

梅子さん(仮名):「やだ松子さん、こないだは全部食べてたじゃない、私覚えているもの。」

松子さん(仮名):「そうだったかしらね?でも、ここのハンバーグは絶品ですよ」

(それって答えになってますかね?)

竹子さん・梅子さん:「そうね、美味しくいただけたわね」

お三人共フンフンと頷いていた。

カシマシイと言うか・・微笑ましい会話だ(笑)


言いたいことはハッキリ言うけれど、

「正しい」だけを押し付けない品のある優しさを身につけているんだろうと歓心を得る。


ウエトレスさんというには多少の違和感のある店員さんも、

年を重ねておられるお客さんも、

皆さん、活舌の良い早口で話し、姿勢が崩れていない

チャキチャキの江戸っ子のイメージそのまま・・・。


いいなぁ~下町風情




地下鉄銀座線 田原町駅2番出口 すぐ上(徒歩0分)
コーヒーショップ 寿花(ことぶき)



【追伸】

帰り、20代後半のOLさん3人組が上野から乗って来た。

A子さん:「拓弥(たくや)はどうだった?」

B子さん:軽く好きって感じ?」

C子さん:「じゃ、つき合う?」

B子さん:「ウソ?」 

A子さん:「それっぽいやつ?」

B子さん:「ギザ好き って重いっショ?」

A子さん・C子さん:「わかるかも~~ぉ?」



・・・婆さん、じぇんじぇん、わかりません  けど?





メインテーマ 「洗」

2008-01-07 13:03:00 | 婆さん
皆様、ど~もっ

朝方アップした記事を読み直して・・・・

瞬く間に反省の色濃く染まった婆さん。

こりゃ、偉観(イカン)です。


こりゃ、イカン・・・と思っても直ちに パッション

生まれません。



そう言えば、婆さん今年のテーマを考えるのを忘れてました。

毎年、テーマを決めていた・・・わけじゃありませんが、

やっぱり、残り少ない我が人生。

元気に過ごすにはテーマがないとあっと言う間に棺おけダイブ

これは、マズイ



で、今年のテーマは「洗」




去年の年末に重い風邪にやられたから、「手洗い」「うがい」に命をかける。

ってわけじゃ~なんですが・・・。


強いて言えば「洗顔」




「オリャーー、顔を洗って出直してこい!」

と、どっかのジイさんにドヤサレたわけではありませぬが、

自分自身の気分が淀んでいる時、

気の流れってのが滞っている時、

一番手軽にできる気分転換が「洗顔」




「わたしは 目黒区洗足 よ」

「俺は 洗車 だ」

「あたいは シャン・リン・シャン」 

(古くてご免・薬師丸ひろ子43歳)



なんでもいいんじゃが、

「洗って(新って)、気分を変える」

これっ、婆さんの今年のメインテーマにしようぞ。


だから、「洗」




スクラブル洗顔は週2回 とか 、

美肌 とか、

そんな小難しい伝道は佐伯チズさんにお任せして、

こまめに洗って、こまめに気分転換して、

自閉症児すーさんという不思議生命体にアプローチし続けていきたい。





【追伸】

メイン・テーマと言えば、片岡義男の小説が原作でシャンリンシャンひろ子(薬師丸ひろ子)が主演した映画があった。

婆さんは片岡義男フリークでもあり、ガックシすることをわかっていても映画を観に行ったという青春の1ページを持っています。


どうか「私も観た!」とか言わんで下さい。

ネット上に実年齢をバラすことになります・・・ゆえ。(笑)



 

パッションの持続 と 誓い

2008-01-07 04:43:54 | 婆さん

1月6日(日) 15:00~ TBSテレビ で
いのちの輝きSP(2) 難病と闘う子供たち…私たちはこんな病気と闘っています

と、いう番組の再放送を観た。

命の重さをしっかり受け止め、

「生きること」を信じて頑張っている子供たちと親御さんの姿を見せて頂いた。

難病の子供たちは無論頑張っているのだが、

その子供たちの一番近くにいて、

でも、我が子の身代わりになってあげることのできない親御さん。

我が子の難病の宣告、

「手遅れだった」と第二の宣告も遠慮なくついてくる。

観ているだけなのに息が止まる

自分と重なる部分は多い。

多いけれど、何かが大きく違う・・・と感じる。

なんでだ?

何が違う?




重い風邪を患う少し前から取り切れない疲労感に付きまとわれていた。

疲れが取れないで次の日が来てしまうことなんて、誰にでもあることだ。

だけど、この自分の身体に蔓延り根付いてしまっている疲れに対して、

婆さんは何も対策を講じていない。




そうだ、

今の婆さんには

パッション     が ない。




元々底の浅い人間なんでパッションの持続力はないのじゃが、

その場しのぎに近いパッションは持つことができていた。

なのに、今は・・・ない


ないから、疲れが目立つんじゃ、きっと。



だらしないなぁ。

悔しいぞ。



生きていくことに困難さを持っている子供の親御さんは

パッションの持続ができる人が多い。


いつも、その方々に背中を押されて、こんな婆さんでもパッション持てたのにな。

ここの所、すーさんに声をかける回数がめっきり減ってるし。


萎れててどうする?

すーさんの就学先も決まってないし、

来月にはピアノの発表会もあるし、

卒園式対策委員だぞよ。


そんなことどうでもいい。

ブログの自己紹介にある

自閉症のすーさんとの毎日を心から楽しめるようになりたい

と、いう 誓い は どこに行った?






気付いたら、amazonで読んだこともない噺家(はなしか)の本を3冊も購入してしまった。




新年は「四十四番」から

2008-01-03 04:03:08 | 婆さん

大層遅れてしまいまして恐縮ですが、

新年、明けましておめでとうございます。



昨年末の22日から我が娘ことすーさんがインフルエンザA型に感染し、

クリスマスなどなーーーんもなく、

一度下がった熱も婆さんに感染したと同時に再度上昇

すーさんの熱が下がっても、老婆は大晦日の午後11:49まで平熱に戻らず苦しんでおりました。

インフルエンザで特に「幼児とお年寄り」の死亡もあり得ることを

この身を持って納得した年越しであった。


元旦は恐々お雑煮を作って自宅でヒッソリしておった。


さすがに2日になると

老婆より数日早く回復を遂げた若きすーさんには

外出したいエネルギー満ちていた。




初詣へ行こう




老婆には違いない婆さんも「行こう」と思うとつい「遠出案」しか出て来ない

脳元気(天気)者。


腰と両足裏にホカロンをペッタンコして出発。(で行くのにやけに重装備


自宅から片道45キロある観音様へ行くことにしちまったのである。



お参りが無事終了し一目散に食料確保へ。

「お好み焼き」「やきそば」「焼きとうもろこし」「とん汁」

高かったが・・・美味しかった。


そして、地味な裏門を出て山道を歩き始めた。


10歩も歩かないうちに赤い実をつけている植物を発見。




南天か?

こりゃ、縁起がいいじゃないか。


「難を転じて福をなす」

オホホホホッ。



なんか気分がヨロシクなって来た。



次は「おみくじ」じゃ。


人間、気分が良くなるとつい大盤振る舞い気味になるもんだ。

「2回分で」・・・と言ってニワカ巫女さんに200円手渡した。


・・・・そうじゃよ、爺さんの分・・・・。



しかし、おみくじの箱を何度レギュラー振りしても出て来ない。

ちょっと、ムキになってイレギュラー振りも取り入れてみた。



なのに・・・・出ない

シャカシャカ、

ジャンジャン、

グァングワン、

やっと・・・・出た!




棒の先に書いてある文字・・・・やけに チイせーーーー。


老眼であることを悟られないために、

棒には絶対に触れぬように

棒がこぼれ落ちないように

そっと箱ごとニワカ巫女さんに手渡した。



「四十四番です」



(ヤッターーーーーー、ラッキーナンバーの・・・それもゾロ目)


婆さんにとって、「4」はラッキーナンバーなのである。


おみくじは宝くじじゃないんだから数字が問題じゃないわけですよ!

と、言いたげな無表情なニワカ巫女さん



見たか!  「吉」  じゃぞ。



爺さんはすぐに棒が箱から顔を出し 「小吉」



「悪くないじゃない?」


互いに簡単な箇条書き部分だけ付け合せ、

「吉」がやや優勢を確認しただけでマタマタ気分がよくなった。


人間、気分が良くなるとつい普段通り過ぎてしまうものにも目を向ける余裕が出てくるもんだ。




ほほぉーー、三本杉か?

立派じゃ。






へぇ~芭蕉もここに来たことあるのか?

婆さんも一句詠むか?

詠み人:婆蕉 (バショウ)  ってどう?

・・・まぁ、楽しみはうちに帰ってからにしよっ・・・と。



帰り道に寄ったショッピングモールで

気に入ったお香を見つけ手に入れた婆さんは、

気分が更に良くなっていた。



人間、気分がすこぶる良くなるとつい、そのことを誰かに伝えたくなるものだ






そうそう、南天だったなぁ~~~~~。

あれっ?

よく見ると・・・・ 南天じゃないなぁ。

そうか、じゃ、これは 千両か?


よく見ると・・・・ 千両じゃないなぁ。

そうか! これは、 万両だったか?


そうだろう?葉っぱの形は似てるもんな。

でも・・・・赤い実の形・・・ 



ちがう ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。




・・・じゃ、これはなんだ????????




・・・・・わからん。(ちょっとテンション落ちる)




まっ、いっか。




気を取り直して、ネクスト!!




三本杉・・・だったよなぁ~~




あれっ?

よく見ると・・・・ 三本・・・・じゃないなぁ。

じゃ、二本しか写さなかったのかな?


よく見ると・・・・スーーーッと一本だけ



・・・一本杉・・・・・





三本杉」と書いてある板の右隣のただの杉を撮ったのか?





(スーーーッと体温が放出していくのがわかる)


まぁ、次回は左隣を撮ればいいさッ・・・・。




いざ、オリジナルなネクスト






ここで一句。

「注連飾(しめかざり) 確か去年も 百金(ひゃっきん)で」


婆蕉翁



ウヒョーー、なんか、それっっぽい ですね。

立派な季語も入ってますぞよ。




ですね・・・・


あれっ?



婆蕉翁


・・・婆 翁 ・・・


詠み人の性別 ・・・・ ミックス







(滝汗)



やはり婆さん、インフルエンザの完治はされてなかったのか。


もう一度、クリスマスからやり直さないとダメだったか



待て・・・まだ1つ確実なものが残っておる。




四十四番・・・・・出せ。


(ハイ)




頼みの四十四番


四十四番 吉




裏には英語で・・・・


NO.44 Regular Fortune   とな。


Regular Fortune  って「吉」 ってことか?


「吉」は・・・「通常の財産」 だったのか?





なんか


悪くはないが・・・・・




微妙な・・・・・・




だけど、やっぱり「四十四番」だけは


正しくて うれしい 話じゃった・・・・とさ。





おそ松君でした。


今年もどうぞよろしゅーに。