legno-Diario-自閉症児は不思議生命体-

~自閉症のすーさん(小学1年生)といい婆さんのなんでもかんでも~

「9ALIVE @ 幕張メッセ-9条世界大会

2008-05-04 10:50:37 | 音の不思議




http://whynot9.jp/



5月4日&5日、



幕張メッセで行われる「9条世界大会」



すーさん一家は行ってこようと思って前売り券を購入しました。





9条世界会議の数々のプログラムの中、



婆さんのお目当ては「9ALIVE @ 幕張メッセ」



という音楽イベントである。







http://whynot9.jp/9alive/index.html



婆さんの人生の核なる部分の形成に大きく影響を与えてくれた



「原田真二」さんにお目にかかれるのはなんと25年ぶり。



それも自閉症児すーさんと一緒に・・・・。



とは言え、これはあくまでも予定に過ぎないのじゃ。





音楽好きのすーさんではあるが、



クラシック以外のインドアコンサートに行くのは初体験





事前に「9条世界会議」事務局



障害のある7歳の子どもの入場制限があるのかどうか?



問合せをさせて頂いた。



入場制限はなかった





入場制限がないからと言ってすーさんがパニックを起こした時の対処等について、



すーさんの親としてきちんと考え、行動しなければならないのは必須じゃ。





コンサートを純粋に聴きに来るお客さんにとって、



すーさんのエコラリア=独り言やボリューム調整のできない奇声は



マナー違反の雑音であり、はた迷惑な子どもでしかないことは承知している。





「この子は障害があるので許して下さい」



などと、脇の下から流れ落ちる汗を感じながら訴えるつもりは一切ない





いくら、婆さんがそう誓っていても、



「障害のある子を音楽コンサートへ連れて行くなど非常識だ」



と、声高らかに批判される方がたくさんおられることも覚悟の上じゃ。





だが、すーさんがこれらの行動を「とる・する」とは限らない。





だから、婆さんは前売り券を昨晩遅くすーさんと一緒にローソンに買いに行った。



すーさんと夜風に吹かれながらのローソンへの行き帰り、



小学校へ入学してからのすーさんの変化を見ながら、感じながら、



今夜のことを楽しみにすることにした。


Our Song / Shinji Harada


バイオリンは高嶋ちさとさんです。




音の不思議-コンサート2

2008-02-12 02:29:45 | 音の不思議
2008年2月11日(月)



予定通り、



お気に入りコンサートSOUND MAGIC と題するコンサートに出演をさせて頂いた。



婆さん、情けないことにすーさんの仕度に手間取り



開演前の歌のリハーサルには同行できなかった。





そんなんですから、まぁ~、程よく”ドキドキ”



(婆さん、足、宙に浮いてますよぉ)







1年半前のコンサートの時のタコはこんな感じ↓









今回のお姿はこんな









前回の黒子役はご存知の通り婆さんでした。













今回の黒子役はもちろん・・・・爺さんです。



(画像は省略・・・女尊男卑か?)







前回オープニングの歌のみ参加でございましたが、



今回は・・・すーさん、ピアノ弾かせてもらうことになってます。





プログラム2番、



ドナルドドレミ / くまのプーさん  :すーさん



そう書いてありました。









それじゃ、皆さんもドキドキゾーンへいざッ・・・↓







レッツらゴー


注)↑すいません、事情があり一時リンク削除しています。↑



↑上の文字をクリックして動画をご覧下さい。









【追伸】



いかがでございましたでしょうか?



すーさん、緊張なんて一切ナシナシ



ものすご~~~く楽しんでおった様子でしたでしょ?



演奏に入ったら、黒子爺さん・・・お役ゴメン状態。





婆さんはどうだったか?って???



そりゃもう、ビデオのズームインをすっかり忘れて





ぼッサーパンダ   でしたがな。







【追伸 2】



出番が終わったらすぐにお色直しですがな。











すーさんご自身、疲れなんかないかと思っておりました。





が、どうやら、やっぱり達成感と安堵に包まれたようでして、









立ったまま、ガラス窓一面のエリアに静かにしておりましたがな。







祐季子先生との楽しい時間を思い出しながら、



考えていたのでございましょう。





次は













お寿司が食べたい





とか?



音の不思議-サウンドマジック2

2008-02-03 02:13:54 | 音の不思議
2008年2月1日(金) エレクトリックピアノが我が家に設置された。











3年前、すーさんの音楽、特にピアノに対する心の開放を見た婆さんは



無我夢中で村山祐季子先生と出会うことになった。



賃貸集合住宅には楽器に対して制限がある。



とは言え、



頑張ればピアノをすーさんの生活の基盤である自宅に置くことはできなかったわけじゃない。



でも、爺婆も頑張らなかった。



自閉症児すーさんがピアノに触れる、



その時は・・・



祐季子先生と一緒の時だけ・・・



それだけで3年が過ぎた。





2月11日にピアノのコンサート(発表会)がある。



前回は、オープニングのサウンドマジックの歌だけ参加した。



けれど、今回はすーさん、ピアノを奏でる予定です。



祐季子先生と一緒にいる時間の中で育んだ音を奏でる予定です。





コンサートに着るすーさんの衣装のことで久しぶりにリブ友にアドバイスをもらった。



明後日、ピアノがうちに来るんだよと伝えた所、友は言った。



「今まではどうしてたの?」



婆さん:「祐季子先生のレッスンの時だけピアノを触ってた」



「それって・・・すごくない?」





・・・そう言われて改めて思った。





すーさん、本当にピアノが好きなんだなぁ~ってね。





婆さんの薄汚い思惑は



今回のコンサートの練習に我が家に来るピアノが一役買ってくれれば・・・







タコこと自閉症児すーさんは、



そんな婆さんの陳腐な思惑を宇宙の果てまで蹴り飛ばしました。





たった2回だけ、



発表会で披露するフレーズを真新しい鍵盤の上で奏でて





それで



終わり。





祐季子先生は前回のレッスンでおっしゃいました、



「すーさんには全く心配はしてません」・・・・と。





その通りでございました。





我が家の娘、



自閉症の娘・・・すーさんは、



ただ、



音楽が好きなんです。





それも、練習 や 気負い など



俗者が介入できない所で



楽しんでいるようでございました。













【追伸】



コンサート当日、俗人婆さんはすーさんをプリンセスに仕立て上げます。



リブ友が「大人っぽいかもしれないけど」という前置きをしながら提案してくれた、



貴婦人のような(笑)・・・そんな女子にします。



でも、すーさんは、きっと、すーさんのままでございましょう。



前回から進化したサウンドマジック2は、



村山祐季子先生と共にすーさんが楽しむことでしょう。





音の不思議-音と鍵盤の位置

2007-06-27 00:07:13 | 音の不思議

6月23日(土) 村山祐季子先生のピアノのレッスンであった。

自閉症児すーさんは、ここの所相変わらず暑さの為

「不調」と言わざるを得ない日々を送っている。

梅雨入りとは思えない高温の日々も続いていた。


前回、6月16日のピアノのレッスンには久々にすーさんと婆さんの二人参加をした。

婆さんは仕事の都合や体調不良もあって

ピアノのレッスン同行を爺さんにばかりにお願いしなければならないことが

多かったのじゃが・・・。


前回、6月16日のレッスンはほぼ1ヶ月ぶりのレッスンであったにも関わらず

すーさんはその「ブランク」とやらを全く感じさせなかった。


すーさんの中に祐季子先生が息づいていると改めて実感した。


たぶん、祐季子先生もその感触はお持ちだったのではないかと察する。



だが・・婆さん、いつもの「欲」がその姿を見てブクブク膨らむ。



すーさんがわしに無言で語りかける。



わかっているんです・・・が、


やろうと思えばできると思うんです・・・が、・・と。




音と鍵盤の位置の合致に対する「1ミクロンの不安」


自閉症児すーさんにあるんじゃないか?



事は誠に簡単なことじゃ。



「ミ」という音は鍵盤では「ここ!」


ってのにすーさんは自信を持てないでいた。



祐季子先生が「ここ・・ね」と鍵盤にそっと指差しすると

すーさんはピアノを奏でることができる。


けれど、祐季子先生の「ここ・・ね」がないと・・大いに悩む



婆さ~~ん、ここは視覚支援の出番ですよ~~!




が、事はそう威勢良く進むことができない。



理由はつ、




ここまで祐季子先生とすーさんで広げて来たんだから、


婆さん、もうチッと待てや



という思いと、




祐季子先生のピアノの鍵盤に「印」を付けるのは


なんとも恐縮・縮・縮感


祐季子先生に失礼じゃないのか??


と婆さんが行動開始に躊躇していた。



そして、3つ目


一度、シール付き鍵盤に「味」をしめてしまったすーさんが、

もう2度とシールなし鍵盤弾けなくなったら?


と、1,000キロの不安があった。




婆さん、時間を見つけては




 考えた  考えた  考えた





レッスン当日の早朝、決めた





やっぱ、「やってみ」でござんしょ。










祐季子先生には率直に話をして、

名付けて「1ミクロンシール」を見せた。


4分音符分考えた祐季子先生は、

すーさんがいつも弾かせてもらっているグランドピアノではなく

電子ピアノの鍵盤に「1ミクロンシール」を貼ることを提案してくれた。

それも、あえて「文字なしバージョン」を選んで下さった。








そして、シールを貼って電子ピアノの蓋をしめ、

すーさんのシールに対する「気」を沈め、

ステップ1のプログラムの続きに戻した。



ステップ2:電子ピアノの蓋を改めて開けた



すーさんは迷わずシール付き鍵盤に指をおろした



ミ・レ・ミッ・レー♪(ク・マ・の・プー)




ミ・レ・ミッ・レー♪(ク・マ・の・プー)



すぐさま、


祐季子先生: すーさん、今度はこっちのピアノを弾こうか




すーさん、シール付き電子ピアノの鍵盤に固執することなく

いつものグランドピアノ(シールなし)へ移動。


ステップ3:

祐季子先生: ミ・レ・ミッ・レー


祐季子先生の指差しなしすーさん自身

普通に・・・自分で・・・弾いた




明らかに

「ミ」という音は鍵盤では「ここ!」



とわかっていることが見えた。



シール付き電子ピアノで

ほんのわずかな「事前確認」をしただけのことなのに。



婆さん、久々に「スリル」を味わった。



久々にすーさんの「生気」を見た。



【追伸:1】

祐季子先生の大器のレッスンを

時折、婆さんは「小さな器」に押し込めてしまうことがある。

システマチック処理でスムーズな進行を望んだ。

親の「欲」って奴に流されて・・・。

過去何度もレッスンの帰り道にそんな自分を責めた。

婆さんの一般的な焦りは功を奏することはまずあり得ない。

すーさんをオートフォーカス機能で撮影しても写らんです。

手動で、高度なオプション設定であっても写るんです確信はない。

わかっちゃいるのによくやっちまう。

おバカな婆さんよ。



【追伸:2】

祐季子先生がレッスンの最後に

「次回もこれ、使ってみましょう」  と、

電子ピアノの鍵盤から「1ミクロンシール」を剥がして

婆さんに手渡して下さった。


ヒィィーー、

よかったよ、ほんと。


・・・今回は・・・。




【追伸:3】~長いぜ、婆さん~

今回のレッスン開始前にスタジオにある

ドン!ドコ!ドン!たいこ





(↑詳細は画像をクリックして下さい↑)


で、すーさんは一気に集中していた。

実に いい顔 して、

実に 自 由 で、

実に 楽しげ で、

そこに

すーさんの小さな「自信」が見えた・・気がした。


その「自信」が見えたことで、

レッスンバックにひっそりヒソヒソ忍ばせておいた「1ミクロンシール」

世に出す勇気が出た婆さんであった。



音の不思議-コンサート-

2006-08-12 08:24:36 | 音の不思議



8月6日(日) タコ こと 自閉症児すーさんはコンサートの出演者となった。

かねてから「爺シャツと羞恥心」という記事で予告(笑)しておりました、

ピアノ教室のコンサートがございました。



すーさんは、村山祐季子先生を心の糧として過ごしています。

ただ、それとこれ(コンサートで他の生徒さんと一緒に歌える)とは連動できない・・・

そう、爺婆は思っておりました。

とにかく、自然に かつ やれるだけのことはチャレンジしよう と

3回に渡る「コンサートの練習」に参加させて頂いておった。

「そこにいる」ことはできても「参加している」には程遠いすーさんの姿を見て、

最後の練習であった本番の舞台での予行練習を終えて

爺婆は・・・
「参加は無理」  そう、結論を出していた。

他の人に迷惑をかけてはいけない。

すーさんの存在は 事、コンサートにおいては
「迷惑」になる。

そう、思っていた。


しかしながら、コンサートの練習をする場所が初めての場所だろうが、

そこに大勢いる生徒さん達や父兄の方がほとんど初対面の人であろうが、

すーさんは1度もパニックだけは起こさなかった。


それは、すーさんの最大の期待である

「ゆきこ先生 と ピアノ」

が絶対にそこに存在していたからだ と思われる。


すーさんはゆきこ先生がピアノを弾いて下さっている時だけ・・・

理解できるのである。



そのことだけは爺婆はしっかりわかっていた。

だから・・・やっぱり
「無理」と出したいう結論が少し揺ぐ。


コンサート前日の夜、村山祐季子先生からメールが届いた。

ゆきこ先生はすーさんが

「ゆきこ先生 と ピアノ」 だけは絶対に見つめることを

全部知っておられたことが書いてあった。


だから、コンサートの舞台でゆきこ先生のピアノのそばで歌ってもOK!

どんな形の参加でもOK!

そう、書いてあった。


婆さんはキーボードに手を置いたまま深呼吸を3回した。

ゆきこ先生の言葉はすーさんを全部受け入れてくださっていた。


すぐさま爺さんに報告。


爺婆の結論はいきなり方向転換することになった(笑)


「一応、あのワンピースを着せてみよう」

「一応、舞台のそでまで行ってみよう」




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12:30 ホールに到着

12:35 生徒控室 到着

周りには「シンデレラ」「白雪姫」がたくさんいた。

すーさんはあのご立派な腹をコンサート用に購入したワンピースに押し込み着用した。


言葉数の少ない爺さんが

「イッチョ前 だね」  と言って目を細めていた。


でも、婆さんはまだ発言しない。

婆さんはまだ・・・本音を言えないでいた。

控室から2階に階段で降りている時、

1人の生徒さんのお母さんが

「まぁ、かわいらしい」  そう言って下さった。

その自然な言葉が階段を降りる自分の足の動きを止めそうになる。
(ってことは『転びそうになる』ってことです・・はい。)


他の生徒さんに練習の時も「迷惑をかけている」と身が縮む思いをしていたので、

そのお母さんの言葉は本当に嬉しかった。

確かにすーさんはそのワンピースが似合っていた。







↑おい、もっとシャキーーンとできんかい!!




12:43 2日前の練習と同じ舞台のそでに到着

すーさん、練習と同じ場所でも本番である今日は衝立(ついたて)があって

暗い舞台のそでにビビる。


すーさん:
ないの!


なので、婆さんはそっと舞台にあるグランドピアノをすーさんに見せた。

すーさんは、もう、
「ないの」 とは言わない。


12:47 爺さんに「もう客席に行っていいよ」 と伝える。
(婆さんはひとりで
黒子になりきる決心がついた)


12:52 すーさんより小柄な小学2年生の男の子がすーさんに言う。

     「歌が終わった時にすぐ
『おしまい』っていうのはマズイよ」

     これには婆さんが笑ってしまった。

婆さん:
そうじゃな、でも、すーさんはたぶん言っちゃうだろうよ


12:54 すーさんは再度舞台のグランドピアノを舞台のそでから覗きに行く。


12:55 村山祐季子先生の下の娘さんが「すーさん、かわいいよ」 と言ってくれる。

     婆さん:(この時初めて)
「ありがとう」 と言えた。


12:56 反応のないすーさんと一緒に歌の練習をしてくれた小学校一年生の女の子が言った。

    
「すーさん、ピアノは弾かないんでしょ? 4月から習い始めたばっかりだもんね」

    婆さん:
「まぁね、そんなところじゃな(本当は去年の5月からなんですけど)」


12:57 婆さんが個人的に好きな別の女の子がすーさんに言った

     
「回してあげるよ」

     そう言って24.5キロのすーさんを持ち上げ舞台のそででグルグル回し始めた。(笑)

     すーさんはスットンキョな顔をしていたが、婆さんはこれまた嬉しかった。

     みんな、一生懸命に自分の緊張とすーさんの存在を確認している。


12:58 すーさんの隣に立つ予定の静かな女の子に言った。

     婆さん:
すーさんが舞台に寝そべったり場違いな事を言い始めたらすぐにステージから降ろすので驚かないでね。

     その静かな女の子は「Magic」の「C」のパネルを持つことになっているかなり控え目なお嬢さんだ。

     お嬢さんはすーさんをもう一度見てからこっくり頷いた。


12:59 村山祐季子先生がみんなの所へやってきた。 

     そして、最後にすーさんにタッチしてを送り出してくれた。


13:00 静々とステージの立ち位置に進んだ。

     すーさんは、右方最前列でビデオを構える爺さんを見つけピースサインを送る。

     すーさんは前方に広がる人の顔を見てから天井のスポットライトを直視する。


婆さんは、すーさんを後方で支えている自分の手に加重がないことに気が付く。

すーさんは
自分の意志で立っていたからだ。

この時、婆さんは決めた。

すーさんの代わりに婆さんが歌うのはやめよう。

完全な黒子になりきろう・・・・と。



13:00:40 オープニングのイントロが流れる。


13:01 すーさんの身体はリズムに合わせて動き出す。





13:01:40 後方からゆきこ先生のピアノが聞こえてきた。


13:01:42 すーさんは身体を後方のピアノを弾くゆきこ先生に向ける。


13:02 黒子婆さんは若干腕に力を入れすーさんの身体の向きを修正した。


(声として認識できないが、すーさんはたぶん歌っていたと思う)


13:03 オープニング曲は終わったがすーさんは
『おしまい』とは言わなかった。(笑)


13:04 舞台にかかる階段から客席へ
皆と一緒に降りるすーさん。


階段を降りるのがメチャ遅いすーさんを爺さんが階段脇から手を差し出す。


爺さん: 
すーさん、よく頑張ったね。お父さん、涙が出そうになったよ。

すーさん:  
・・・・・・・


すーさんは頑張ったわけじゃないだろう。

いつものように自分でやりたいことをやりたいようにやっただけ。

人様からかわいいね と言われても嬉しそうな顔もしないし(笑)


しかし、

大きな舞台に立ってリズムに合わせかすかに体を揺らし、

大好きなゆきこ先生がすぐそこでピアノを弾いている姿を確認し、

もう一度大勢のお客さまの方へ向きなおし、

次に隣のお嬢さんの「C」のパネルが上がったのを見守り、

「コンサート」 と 歌った姿を

ビデオ撮影していた爺さんにはこみ上げてくるものがあったのは当然だろう。


婆さんは、「1人黒子」役をやってよかったと思った。

撮る役をやっていたら・・どうなっていたか・・・・。

干乾び始めている老体には「体液」を放出するのは極力抑えなければならないし。(笑)



「音の不思議」シリーズも随分数を重ねてきた。

今回の「音の不思議」は、

ホールに入ってからは一度もホール内で耳塞ぎをしなかったこと。

(廊下のエレベーターの前では以前と同じように耳塞ぎしていたが)

舞台のそでからピアノの存在を確認してから舞台に出て客席に降りるまで、

いつもは日光の「華厳の滝」のように垂らしていたヨダレが一滴も出なかったこと。

演奏する子どもたちの数だけ照明が落ちたり明るくなったりしても騒がず慌てず、

知っている曲は体を揺らし楽しみ、知らない曲も「聞いて」いたこと。


2回目の自分の出番に対しては
「やらないの」と拒否したが、

ラストのゆきこ先生の演奏を聴けるまでほとんどホール内にいられたこと。


これはプログラムの順番を数字で理解できたことも大きい。

最後の小休憩の時には、スクリーンに映し出されている

「SOUND MAGIC」 の文字を見て、

本番ではほとんど声にはならなかった歌を

アカペラで前奏及び間奏込みで完璧に自信ありげに歌っていたこと。




ホールの建物に入って出るまでの4時間もの間、

すーさんは自分なりの形で

コンサートに参加していたのであろう。


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これから、すーさんと共に生きていくということは、

「人様の迷惑になる」 ことと

「すーさんの経験」 を 天秤で測ることが多くあることだろう。


だが、「音楽」という領域においては

あらかじめ天秤を持ち込むことは考えなくて良いのかもしれない。



そんな風に親が思えるのも

音の不思議・「SOUND MAGIC」


なのかもしれない。




【追伸】

コンサートの練習に参加するため、すーさんは保育園を遅刻したり早退したりした。

すーさんのことをよく知っている保育園の先生方のほとんどが

「いってらっしゃい」

「今日はどうだった?」

「あのホールの舞台に立つなんて凄いよ」

「なんでも経験することは大事!大事!」

と 色んな声かけをして下さった。


どの先生も「いち園児の習い事の発表会」として捉えていないことが伺えた。

かと言って「障碍児の晴れ舞台」とも捉えていない。

すーさんが
楽しいと思ってやれることが1番!!

そう思って応援してくれたこと・・・いつかすーさんに伝えたい。

それをほんの少しでも理解できるすーさんに成長できるように

日々精進したいと思うのであった。



音の不思議-0.5の「独唱」

2006-05-28 08:00:47 | 音の不思議
ゆきこ先生のピアノの伴奏に合わせて1人で歌ったのは初めて見た。
       



・・・・感動した・・・・


普段、言葉数の少ない爺さんの声からスタートさせて頂きました。









爺さんの言葉の意味・・・お解かり頂けましたでしょうか?




えっ?

すーさんの頭を殴って虐待しているのは
婆さんか?

とかおっしゃる方は・・・・いますかな?(笑)


すーさんが村山祐季子先生のレッスンを受けさせて頂いて一年が経ちました。

村山祐季子先生は一環して

「すーさんの今の反応」を最重要視して下さいました。


事前告知(シナリオ)はありません。

村山祐季子先生とすーさんの時間が・・・そこにあっただけです。



爺さんが申しておったことは・・・本当です。

すーさんがゆきこ先生のピアノの伴奏で

ゆきこ先生や婆さん&爺さんの歌声なしで

独唱

したのは初めてでございます。


タコ こと すーさんは、


おちょぼ口ではありますが、


声はデカイです。


でも、この時の歌声は


レベル 0.5 で ございました。


婆さんができること・・・・


それは、


シワシワな手で


リズムを取る振りをして


すーさんに


「それでいいのじゃ」





伝えることしかできませんでした。


彼女 すーさんが


伴奏に合わせて


歌を唄う


それは・・・・


それは・・・・


すごいことなのです。





彼女 すーさんは


同時処理


できたことになります。


【追伸】

爺さん&婆さんが唄って(誘って)すーさんの”歌”を引き出そうとしても

彼女は・・・最近、完全拒否してきました。



”茶でもしないかい?”とナンパしても


”あんたなんか嫌い”

と一瞥され、


どことなく寂しいさが残るナンパ師の気持ちがわかりかけた・・・

いまごろ・・・・のお話です。




【追伸2】

この歌は「はらべこあおむし」でございます。


音の不思議-「春」がきた

2006-04-03 15:46:34 | 音の不思議



今回は長いですが、それでも読んでもらえますか?(笑)

まぁ、うれし。

では・・。


【3月30日 木曜日】

爺婆&すーさんは、婆さんがボスと呼ばせて頂いておる人の高校2年生の長女が
出演する吹奏楽の定期演奏会に行ったことは前々回のブログでも書いたが、
結局パニックになりコンサート会場には入ることができなった。








演奏会の休憩時間に会場の外にいる爺婆&すーさんの様子を見に来てくれたボス。

「なんでダメなんだろうね?」 と言っていた。

休憩時間にトランペットパートの高校生が6人、
休憩中のロビーまで出て来て演奏してくれた。

すーさんはロビーでの演奏なら体でリズムをとりながら聴いている。

そんなすーさんの姿を見たら・・・また、ボスが言う。

「すっごい残念だ!」 と。


爺婆も同意のためうなずく。


「4月の2日のは 扉が1枚の会場だから大丈夫かもね」 とボス。

4月2日(日) 今度は、ボスの中学一年生の次女の吹奏楽の定期演奏会なのだ。


すーさんは扉の2枚目は開くことはできなかったが
爺さんと手分けして扉の向こうに何があるのかをビデオに撮影した。



【4月1日 土曜日】

都立 夢の島公園に桜を見に行った。



桜を見にこの公園に来るのはこれで3年目になる。

毎年この公園ではすーさんの違った一面を見ることができた。

去年からは熱帯植物館の入り口では強い拒否反応を示すようになってしまったが、
全く入れないわけじゃない。

今年は見事な蘭や南洋の植物を携帯で撮影させたら落ち着きを取り戻せるようになっていた。

熱帯植物館にとにかく長居をしたいと思っているのは葉っぱ信者の婆さんである。

でも、すーさんが長居をしたくないのなら仕方あるまい。

売店でクーリッシュを買ってもらったすーさんは急いで植物館を後にする。

植物館の出入り口ゲート付近のベンチでクーリッシュタイム。

その時、

「午後4時からミニコンサートがありますのでお時間があったらいらして下さい」

はっきりした口調の真面目そうなイデタチの青年がプログラムをくれた。




「いいじゃない」  と、爺さんが言う。

「よかないよ」 と、婆さんがふてくされる。

どうせまた植物館に入ればすーさんが文句ばっかり言うじゃろうし、
この間のコンサートのことを思い出して演奏が始まる前からパニック起こすだろうし・・。

かなり重度のふてくされ婆さん。


なーーんも期待しないで、
なーーんも準備しないで、
(30日のコンサートの時は会場の写真とフルートの写真をカードにして事前にすーさんに見せた)
席に着いた。

陽光の降り注ぐドーム型の会場にはたくさんの花とセルフではあるが紅茶とコーヒーのサービスまであった。

30日のコンサートとの違いは
「扉がない」ことだ。
そして、
「明るい」ことだ。


4人のフルート奏者による演奏が始まった。

すーさんは、音、明るさ、気温、香り・・・全てに春を感じているみたいにリラックスしていた。

曲が終わると
「はくしゅーー」と言いながら拍手していた。

5曲目あたりから少々飽きたのか体を爺さんに預けダラダラしていたが騒ぐことはない。

態度はどうあれ、聴いているのである。

婆さんも久しぶりに聞くフルートの音色を満喫した。

約1時間、すーさんは席を立たず、独り言も言わず座って聴いていた。



【4月2日 日曜日】


そろそろ演奏会へ出かけようと思っていた時にボスからメールが入る。

「どうしよう? 扉は2枚だった」


ちょっと笑える。
自分の娘がこれから本番だって言うんだからそんなこと連絡してくれなくたって。

でも、
「やっぱり2枚だった」 と爺さんにも伝える。

空は今にも泣き出しそうだった。

すーさんにあらかじめ写真(カード)で

「コンサートに行きます」 と 伝えると

「コンサート 行かないの!」 と返ってくる。

「車で いきます」

「車で おでかけするよ」


「そうだよ、車でコンサートに行くよ」


「ないの~~~」


「じゃ、行きませんか?」


「じゃ、いきませんか?」


「では、コンサートに行きます」


「では、コンサートにいくよ」


オウム返しの技をまたオウム返しで跳ね返してやった。
(ザマぁ、ミロ)

フン、どんなもんだい!!


入り口ではボスが花束の受付をしていた。

でも、婆さんは緊張のあまり全然気がつかなかった。

「こんにちは」 ボスはすーさんに声をかける。

「こんにちは」 何やらボスには好意的なすーさん。

「今日は中に入れるといいね」 ボスはいつものように淡々と婆さんに言う。

「とにかく 行ってみます。ダメならまた外で聴きますから」

ゾロゾロ・・・人の波に従い階段を昇る。

一段一段、婆さんは
「2枚」「2枚」と念仏を唱える。








開いてたんです、扉が。





入っちゃったよ。



ドアの一番傍の席がちょうど空いていたので椅子取りゲームをしている気分で
バサッ と座ってみる。

すーさんはわしに向かって

「コンしゅぁート?」 と言う。

そうじゃ、確かにこれからコンサートが始まる。

扉が閉まり客席の照明が落ちればパニックになる可能性は99%

爺さんはコンサートの開始を知らせるブザーと共に閉じられるドアをすーさんに見せないように腕で視界を遮る。
(涙ぐましい努力よ)

照明が段々落ちていく。

だが、すーさんは何も言わない。

席が前方だったおかげで舞台の明るさが反映され、明るさにあまり変化がなかった
ことも幸いした。

4部構成になっていたが3部まで会場を出ることなくそこにいたすーさん。
最初は爺さんと一緒に舞台のビデオ撮影をしていた。
モニターで見る舞台と自分が今目の前に見ている舞台は同じであることを確認させるにはこれが一番である。
それに、すーさんはカメラマン役が好きだし(笑)

すーさんが好きなジャズもあって目は舞台に向いていなくても耳と体は席にいたのだ。

時折スウィングなんかしちゃってさ。

2時間・・・すごいね。

途中15分の休憩があった。

ボスと30日のコンサートに出演していた長女とその友達が席まで陣中見舞いに来てくれた。

ボスも席に座っているすーさんを見て
「よかったよかった」と喜んでくれた。

ボスの長女に
「この間はごめんね。でも、婆さんは少しは見れたんだよ」と言うと

「いいのいいの。ここは明るいもん。あそこは暗いからね」 と言った。

そうだ、本当にそうだ。君は冷静な判断ができるな。



会場の扉を開けるとなると「中に何があるのかわからない」からパニックを起こすし、

暗かったら暗かったで「何が始まるのかわからない」からパニックを引き起こす。

ダブル効果じゃな、まったく。

でも、30日のコンサートのビデオを何度か見せた。
自分が出演していないビデオに対してはあんまり反応しなかったが、
それでもカードよりは摺り込みやすい方法だと思ったからだ。


でも、やっぱり今回は

「扉が開いていたこと」と「明るかった」

ことは大きい。



ロビーに出ると外が春の嵐になっていた。

傘なんてなんの役にも立たない。

爺さんにちょっと離れた駐車場から車を出してもらっている間に
ロビーの片隅で休んでいた。

さっきまで落ち着いていたすーさんが突然耳を塞ぎ椅子に顔を押し付ける。

なんじゃなんじゃ?????

目の前にエレベーターがあることにやっと気が付いたようだった。

エレベーターなんか怖くないってばさ~~~。

そう言いながらすーさんを引きずって場所を移動したがすーさんは耳を塞いだままだ。

「じゃ、ジュースはいらんのだな?」

ジュースを受け取るとまた椅子にジュースを置いて耳塞ぎ。

「ジュースはいらんのだな?」

またまたジュースを受け取るがすぐに耳塞ぎ。

この人、いつになったらジュースが飲めるのか?(笑)


過激な挑戦は逆効果になるが、

挑戦しなければ何も変わらない。

すーさんは音楽が好き。

野外のコンサートではあんなに喜んで聴いていたのだから、
室内でも同じ好きな音楽が聴けるんだよ・・・と知って欲しかった。

こんなに立て続けにコンサートのお誘いを受けることはあまりないが、
次のコンサートまで覚えていてくれるといいなぁ。



【追伸】

思いっきり長い記事をお読み頂きありがとうございました。
お疲れ様でございました。

わたくし「いい婆さん」は去年の秋、
くめくめ。さんの息子君(ジヘイ君)が聴覚過敏だったにもかかわらず、
今では吹奏楽部に所属しているとお聞きした時から
ここのコメント欄です。)
いつか「生のコンサート」をすーさんと一緒に聴きたいと太い一本の願いを持ってました。

この春、晴れてジヘイ君は高校生になられます。
そして、こんなに素敵な寄せ書きを卒業記念にもらったそうです。
寄せ書きに

「卒業おめでとう!!
吹奏楽部で学んだことを忘れず
自信をもって歩んで下さい。」
「指揮者しているときとってもカッコよかった!!」


とありました。他にもたくさん・・。

好きなものをもっと好きになれることでしっかり輝けるんだと
信じてやまない婆さんでした。




みんな、あつまれ!2

2006-03-21 08:16:40 | 音の不思議


さて、3月18日土曜日がやってきました。

この日の為に村山祐季子先生が婆さんにプレゼントしてくれたもの。

それは、

「すーさんのそばで一緒に楽しんで下さい」


お手伝いをさせて欲しいと思っている婆さんに「このプレゼント」をくださった。


なので、時間に合わせ自宅を出発。

大誤算が1つ。

こども館周辺のコインパーキングがどこも
「満車」

すーさんは後部座席で  
「うぅぅぅぅ」  イラつく。

同じ市内でありながら、市川こども館周辺はほとんど知らない爺婆。

仕方なく、婆さんとすーさんは一足お先に車を降りこども館を目指した。

(爺さんや・・・すまんのう)


すーさんは見たこともない狭い路地をひたすら必死に歩く婆さんと

手をつなぎ 歩く・・歩く。

「目的地にゆっここ先生(村山祐季子先生)とチュー先生がいる」

それを信じて一緒に歩いていることが「手の平」から伝わってくる。


こども館まであと30メートルという地点で「人の波」を見た。

こども館へ入っていく「人の波」

えらいこっちゃ!

すーさんも婆さんも走る。

すーさんは先週こども館へ来たことを覚えているようで

「チュー先生 いるかな?」

と言って入り口の受付を顔パスしようとする。

待ちやがれ!

「2階にいくよ?」


「いいや、今日は1階 チュー先生を探して下さい」


この言葉に受付の男性が気を利かせてくれて

「チュー先生は事務室に  ほらっ」 

とガラスの向こうで気づいてくれたチュー先生が手を振ってくれた。

こう言う
小技は意気じゃな。

先週は「広い」と感じた会場である「オアシス」に人がたくさん・・・いる。

しかし、すーさんは中へドンドン入っていく。

上着を脱がせてロッカーに入れている婆さん本人が緊張しているのがわかる。

ポンポン  ・・誰かが婆さんの肩を叩く。



「ウンギャー」



「やだなぁ、そんなに驚かなくたって (困」


振り向くとキリン先生とすーさんより1つ上のピンクのスカートが似合う娘さんがニッコリ笑って立っていた。

そう、キリン先生はすーさんが通う保育園の先生で、1歳児と2歳児の時の担任の先生である。

今も0歳児クラスの担任ですーさんの逃げ場である赤ちゃん部屋ですーさんを気軽に受け入れてくれる。

キリン先生が保育園の制服?であるピンクのエプロンを着ていなくても「キリン先生」だとわかって熱い抱擁を交わす。

わしらとキリン先生親子はステージに向かって右後方に腰を降ろした。

やっぱり・・・・すーさんがパニックを起こした時に脱出しやすい位置だと婆さんは考えた。

チュー先生の前振りがステージ左で始まった。

でも・・・すーさんはステージの真ん中だけを見つめてる。


村山祐季子先生が登場!!

続いて、当初予定されていなかったが先日の保育園でのイベントですーさんの涙を誘い出してくれたホーミーさんも登場。

すーさんはその度に婆さんを振り返り

「ゆっここ先生?」

「ホーミーさん?」


と再確認を求めてくる。

村山祐季子先生からのプレゼントはこのことだったんだ。

「すーさんと一緒に・・・・」

「振り向けば親がいる安心感」を子供は求めていることを村山祐季子先生は教えてくれたのである。

隣にいるキリン先生の娘さんもキリン先生に寄り添い親子の時間を満喫していた。

いつもの婆さんなら
「大きなフィールドの中にいる我が子」が視点の軸になっている。

じゃが、すーさんが婆さんに体を半分預け、しっかり体温が伝わってくるこの状況では、

やはり、

婆さんは
すーさんだけを感じる。

すーさんが立ち上がって独り言を始めた時などは「申し訳ない」と旋律が走る。

そんな時、キリン先生がすかさず

「いいの!いいのよ、婆さん、気にしない」

まるで息の合った「ボケと突っ込み」 じゃ。(笑)

自分で

●うちの子ジッとしていられない
●騒いじゃうから心配
●変なことをして恥ずかしい
●障害があるから無理

★パパ・ママ心配なし★


って、ポスターを作ったくせに・・・・だ。


そして、クライマックス。

音のおもちゃ箱から出て来たのは・・・・




すーさんがピアノのレッスンでも自宅でも慣れ親しんだ

「くまのがっこう」

村山祐季子先生が急遽予定を変更したプログラムだった。


すーさんに

「くまのがっこう だよ」 と声をかけると

もう婆さんの方には振り返らず

「1.2.3.4 全部で12匹 みんななかよく暮らしています。

 最後は 12番目は 女の子は ジャッキー」


すーさんはホーミーさんの朗読に合わせ声を出す。


「おい。ネタを明かすな」 と すーさんに言ったが
もう、婆さんは止める気はない。

すーさんは楽しんでいるのだから・・・・。

音のおもちゃ箱が 
open してからぴったり1時間。

open してからゾクゾクと増えた人達。

みんな・・・・ステージだけを見ていた。


close してからステージ前方に居たクラスメートの小春ちゃん親子と会う。

キリン先生や小春ちゃんの顔を見て

「いったいここはドコだったんだ?」 と思ってるすーさん。(笑)

キリン先生にも再度お別れの抱擁。

村山祐季子先生にもたんまり抱擁。

すーさんはイベントが終わったことを理解した。



昨日、ピアノのレッスンがあるので午後5時に保育園に迎えに行った。

婆さんの顔を見るなり

「今日は ゆっここ先生とこ行くよ」 と帰り仕度を自発的にサッサと始めるすーさん。

チュー先生がこども館がお休みなのに偶然保育園にいらしていた。

そのすーさんの姿を見たチュー先生は

「すごいですよね~~~~」 と 驚いていた。

サッサとし過ぎてジャンバーを着ないでリュックを背負ったすーさんに

「上着・・・着て下さい」

と 言ってみた。

すーさんはリュックを降ろし、
沢山上着の掛かっている中から自分のジャンバーを探し出し、
自分で着て、
リュックを背負った。


「婆さんのポスター・・・好評だったんですよ」

「イベントは全部で130人以上来たんです」

「上司は『ほほぉ~~~すごいね』って言ってました」



そんな短いチュー先生の報告に、ただただ

「よかった」

と 思う婆さんであった。




【追伸】

このイベントを皮切りに「みんな集まれ!わくわくタイム!」を通して伝えたかったチュー先生の想い。

それは、

「学校が終わった放課後の時間にこども館を大いに利用して欲しい」

と言うことだった。

学校でどう過ごすかは非常に重要だが、放課後の時間も重要だ。

障碍を持つ子の放課後の居場所は少ないのが現実だ。

障碍を理解できる、受け入れられる施設が少ない・・・からだ。

子供と一緒に放課後を過ごす自宅以外での場所・・それがこども館。

市川こども館がモデルとなって他のこども館でも障碍を持つ子の放課後を
受け入れようと動き出してくれることを婆さんも強く願っている。





音の不思議-「悲しい」って悪いもんじゃない

2006-02-25 02:34:06 | 音の不思議
2006年2月23日(木)

スノー先生の「楽しい音の遊園地」が
すーさんの通っている保育園にやってきた。






「楽しい音の遊園地」の中を「ミュージックとレイン」が色々な国へ案内してくれる。

音の広場
  ↓
うたの国
  ↓
クイズの国
  ↓
絵本の国
  ↓
どうぶつの国



まるで、ディズニーランドを周遊している気分だった。



絵本の国に到着!



上の画像(絵本)をクリックして下さい。

お話は「おたまじゃくしの101ちゃん」
加古 里子さんの絵本である。

迷子のおたまじゃくし101ちゃんを、お母さん蛙はやっと見つけました。
しかしザリガニと水カマキリに襲われお母さんは気絶。
さぁ~、たいへん。

ここのシーンで婆さんは記録用の写真撮影を仰せつかっておったので
スノー先生の「音」と朗読をして下さっている「ホーミーさん」の「間」を
聞きながらファインダーを覗いていた。

誰かが泣いている。

一瞬、その子の泣き声だけが浮き上がる。

婆さんの隣にいたウェイブ先生が「ダレ?ダレ?あれっ?」
と上半身を乗り出している。


涙をポロポロ流して

「もうぉ~ダメだぁ~」

と泣いている子は・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





すーさん・・・・・。

あんたかよ?!



カメラをウエストバックにねじ込み体全部で悲しんでいるすーさんを見た。


ウェイブ先生はわしにそっと近づき

「もう、かわいいィィィ」  とおっしゃった。


「すいません」  と答えながら婆さんの目は1人の男の子にフォーカスを合わせた。

斜め後ろで大泣きしているすーさんを椅子から落ちんばかりに覗き込み、
眉間にシワを寄せてすーさんだけを心配そうに見ている。


「前を見ないと・・・・」  そう、言ってしまいそうだった。


その男の子はどんどんストーリーが進行していくのにすーさんを見るのをやめない。


「おいおい、すーさんは大丈夫だから」  そう、言いたかった。


ストーリーがハッピーな方向へ進んだと思った瞬間、


「よかったねぇ~」  by:すーさん
(おい、先にそれを言うな!)


それでも・・・男の子はすーさんを見るのを止めない。

巨大手作り絵本と朗読をしている「ホーミーさん」に背を向けたままだ。


「もうぉ~ダメだぁ~」
(戻るなよ、ハッピーエンドに向かってるじゃないか!こらっ、新・引きずり女)


すーさんが再びそう言いながら立ち上がろうとするのを隣でドール先生が説得している。


男の子は絵本の国から「ホーミーさん」が出て行くまでずっとすーさんだけを見ていた。


「ありがとさんね・・・・・」  頭を下げてしまった婆さん。


ミュージックトレインが次のどうぶつの国に到着した頃、
すーさんはドール先生の隣で落ち着いた。


すーさんは
初めての絵本でもストーリーが理解できたのか?

そうじゃ、できたようじゃ。


閉幕後、婆さんはスノーワールドの余韻に浸りながら
タイトルプレートを外していた。



いきなり暗幕をくぐってすーさんとドール先生が現れた。


「おかあさーーーーーーーーーん」
(味噌のコマーシャルか?)

ドール先生:「お母さんの姿が見えていたので行きたがったんですけど、
       『終わるまでね』とすーさんと約束して、
       すーさんはそれを守ってお母さんの所へは行かなかったんです。
       でも、幕が閉まったら『おかあさーーん』って泣くので
       お母さんに挨拶してからお給食にしようと思って連れて来ました」



人前ではどうしても我が子を褒められない婆さん。

でも、この時ばかりは


「泣くな、バカタレ」  とは言えず、



「偉かったじゃないか!」

と、すーさんの頭をグリグリしてしまった。


「すーさん、今日は楽しかった?」  と スノー先生がすーさんに声をかけてくれた。

すーさんはゆっここ先生(スノー先生)の方を見ない。

「こんな格好じゃ、ゆっここ先生ってわからないよね?」 とスノー先生。

「いいえ、最初に先生が出てこられた時に先生の名前をちゃんと言ってました」

と、ドール先生がきっぱり。

(そうだよな、すーさん、あなた、しっかりリズム取ってたもんね)

「本当ですか?嬉しい」  と、ゆっここ先生は喜んでくれた。


すーさんが納得してドール先生と教室へ行ってくれたので片付けを再開した。


全ての荷物を車に入れたのを見届けて、役員じゃない婆さんは一足お先に失礼しようと玄関へ来た。

歌・手遊び・朗読をしてくれた「ホーミーさん」が丁度その時通りかかったので

「お疲れ様でした。ありがとうございました」 とお声をかけると

「あああああああああああああああああ」

「あの黄色い服の子のお母さんだったんですね?」
 と小走りで来てくれた。

黄色い・・・・確かに・・・すーさんである。

「そうです。すいませんでしたねぇ~あの時はお騒せしました」

「いいえ、私、もう途中からあの子しか目に入ってなかったんです。
 感動しました。」


「(ほへぇ?)」


「感情移入って言うか、感情が豊かっていうか本当に嬉しかったんです」


「うわっ、そんなことをおっしゃって頂けると・・・」


「ありがとうございました」


「こちらこそ、
 悲しいシーンで悲しいと表現できるように導いて下さったことに感謝しています。」



婆さんは、恥ずかしいかなスノー先生のコンサートを初めて見たのである。

最初、会場の最後部で保育園の全園児の頭を見た時に正直不安だった。

全園児を同じ場所で見たのは運動会位。
それも今回は同じ教室に揃っている。
どうしても
「並列の中の我が子」を直視することになり、
どこかで、絶対、心に波風が立つのであろうと思っておった。

案の定、すーさんが大泣きしたことで目立ってしまった。

でも、どうやら今日の波風は心地良い風だったと言って良いのであろう。

そう、認めよう。

すーさんは、インフルエンザ以来「パニック泣き」と「悲しみの泣き」の区別が
はっきりとしている。

パニックの時はびぇ~~~んと泣くが涙は出ない。

でも、悲しいびぇ~~~んは、涙を惜しげもなく流す。

絵本の国でのぴぇ~~~んは、悲しいから泣いたのである。

音は、すーさんの理解できるストーリーを見せてくれたのである。

音とはスノー先生の奏でる音と「ホーミーさん」の声のことである。

「ホーミーさん」があのシーンで発した言葉は、すーさんには悲しみの音だったのであろう。

音の不思議はまだまだ続きそうである。


追伸:

次の日の朝、

婆さん:
「保育園行くよ」

すーさん:
「はい!! ゆっここ先生行くよ」

婆さん:
「違うよ。保育園じゃ」

すーさん:
「はい、保育園 ゆっここ先生行くよ」


ギャーーー、

すーさん、あなた、もしや保育園に今日もゆっここ先生いるって思いこんでる?

婆さん:
「今日はゆっここ先生は保育園にはいないよ」

すーさん:
「保育園 ないの」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



みんな、あつまれ!

2006-01-28 06:42:32 | 音の不思議

市川こども館 「音のおもちゃ箱」 3月18日(土)PM2:00~ スノー先生の障害あるなし関係ないコンサートです。是非ご参加下さい。お問い合わせは047-322-1404まで


クリックするとPDFファイルでご覧頂けます。




スノー先生とチュー先生とちょっとだけいい婆さんのコラボレートイベントです。

【人物紹介】

チュー先生:すーさんの2歳児クラスでの担任の先生(保育士)。
        すーさんが最初に自閉症と診断された時に同席して下さった先生。
        新しく出来たこども館にいらっしゃいます。

スノー先生:すーさんのピアノの先生です。
        とにかくスゴイ才能の持ち主です。


まず、このイベントに関わることができたことに感謝しております。
(・・・って言っても婆さんはポスター・チラシ製作だけでございますが)



去年の年末チュー先生からの一本の電話がきっかけでした。

「すーさん、最近どうですか?」・・・って・・・・。

ムチャ嬉しかった。
去年の3月末にチュー先生がすーさんの3歳児クラスの担任をしてもらえると思っていた婆さん。
いや、チュー先生もそう思っていたんですが・・・転勤してしまうことが判明。
婆さんはショックでフラフラになった。




あれから9ヶ月。

何度かチュー先生の仮の仕事場である別のこども館に遊びに行った。
その度に婆さんは不安を止め処なくチュー先生に話し続けていた。
そして、チュー先生が手がけた新しいこども館が昨年11月15日openした。
そのこども館は就学前の肢体不自由や知的障害などの障碍を持つ子の為の施設の跡地なのだ。
チュー先生は、その施設の移転に伴い新しいこども館を作る為に転勤されたのだ。

その新しいこども館が「他のこども館とは一味違う」とたくさんの人に知って貰うために選んだ最初のイベントのアーティストにスノー先生をお願いしたいとこの婆さんに相談してくれたのだ。

どこが「他のこども館とは一味違う」と言うと


「障碍があるなしの囲いが全くない」こども館

そして、

「小学生の放課後や就学前のお子さんの遊び場として利用して欲しい」こども館

なのである。

これまた嬉しいことだ。

チュー先生はすーさんの通っている保育園在勤中に保育園で開催されたスノー先生のコンサートを2度観ているのでスノー先生の『不思議な魅力』を子供達の反応と共にご存知なのである。

聴覚過敏のあるすーさんがスノー先生のコンサートで耳塞ぎ1つせずピアノに近づこうとした姿を担任として見ていたのである。

だから・・・きっと・・・この企画のトップバッターにスノー先生を選んで下さったのであろう。

わしは、「是非、お話を進めさせて下さい」と返答した。

「それに当たって1つだけ条件を出させて下さい。ポスターやチラシは婆さんが製作したものでお願いします」

そういい切った婆さんがそこにいた。


スノー先生は、快くスケジュールを出して下さった。

多忙極まりないスノー先生なのにだ・・!!

平成18年1月10日(火) 
スノーミュージックスタジオでスノー先生がいれたくれたお茶を囲んでいるチュー先生がいる風景に「何かが始まる予感」を覚えた婆さんであった。



お近くの方は是非ご参加お待ちしております。




追伸: 
ご参加頂ける方は、FAXでお子さんのニックネームなどを記入して
FAXで047-322-1404へお送り頂くと
当日スノー先生が歌にして下さるかも?
・・です。
お楽しみに。



追伸2: 
きっと、すーさんも婆さんも爺さんも会場の隅っこでウロウロしとりますがな(笑)


追伸3:
次回のブログ記事でちょっと笑える話題をご提供する予定でございますのでお楽しみに。




音の不思議-りんごが3つ

2005-05-08 16:40:24 | 音の不思議



昨日は「スノー音楽スタジオ」での最初のレッスン(レッスンと言う言葉にはちょっと抵抗ありw)。

すーさんの時間の前にはレッスンがなかったらしく車から降りてもピアノの音は聴こえて来なかった。
「ピアノ いくの」 とかなり張り切って保育園から来たのにピアノの音が聴こえて来ないと・・・。
「かえる、ない」 と立ち止まる。
  ・
  ・
  ・
「おはよう!!」
すーさんは空を見上げて何やら元気なご挨拶。
フフフッ・・スノー先生のお母さんが2階のベランダでお洗濯物を取り込んでおった。
こうなればしめたもの。
すーさんは先週ピアノの音だけを頼りに開けたドアを今日はスノー先生のお母さんを
頼りに元気に開けて長靴を脱いだ。

スノー先生は「これ、すーさんに先生からプレゼント」
そう言って、ディズニープリンセス(白雪姫だのアリエルの)表紙のスケッチブックを広げた。
すーさんはこの手のお姫様には全然興味なし・・・すいませんww

でも、反応がなくてもスノー先生は立ち止まったりしない。
白い新しいページに「りんごを一緒に描こうね」と言って柔らかい色鉛筆で赤い○を描き始めた。
すーさんはりんごがどんな形であるかはご存知であるが、りんごの絵なんぞ描いたことはないが、
先生のリズミカルな声賭けになんだか赤い○を描き始めた。

りんごが3つ、スケッチブックに描き終わるとそれが譜面になった。

この後のレッスンの模様はまたまた簡単ゲームにしてみました。

本当は我が家にキーボードでもあるともっと楽しそうなものになるんだけど、
まぁ、ご愛嬌ってことで・・・。

きっとそのうちに○ノパパさんが音のファイルを送って下さることでしょう。

では、「みんなでりんごをたべよう!!」

追伸:ゲームの中でりんごを食べてくれる天使ちゃんもayuさんが描いてくれたんですよ。
    全員ではい・・・・あ・り・が・と・う・・・・・・・!!



音の不思議 2

2005-04-30 15:24:39 | 音の不思議









そこにピアノがあった。
だから、すーさんは鍵盤に指を滑らせた。
それが事実だ。


さーーーて、皆様お待たせいたしましたのう。
婆さんは至近距離で初めてスノー先生にお会いしましたがな。

そうなんです。
すーさんは初めてスノー音楽スタジオに行って参りました。

一見普通のお宅。
だけど、玄関前では発表会で婆さんだけ聞くことが出来たスノー先生の声とピアノの音がこぼれれてきた。

すーさんは、ドアの前で立ち止まった。
「ピアノ・・・」

「そうだねぇ~ピアノの音が聴こえるねぇ」(緊張気味の婆さん)

「はいるの」・・・・そう言って右側のドアを開けようとした。

開かなかった。

でも、すーさんは諦めなかった。

左のドアを開けて中を覗いた。
確かにピアノの音はさっきより近くなった。
すーさんは靴を脱ごうとした。

「ちょっと待った!カエルさんと一緒にここに座ってようよ」

婆さんはこれで中に入っていくのはさすがに出来なかったので、玄関先に座っている古風なカエルさんの置物で一時すーさんを留めることにした。

「カエルさん」  と言いながらしゃがんで置物を眺めているが、耳は「ピアノの音」に向いていることは確かだった。

何も答えないカエルさんにすぐ飽きて立ち上がった時、左のドアから見事なショートカットの白髪でツルツルお肌のお婆ちゃんが出て来てくれた。

「玄関先でごめんなさい。今日は、スノー先生に会う約束があるんですがちょっと早かったみたいでレッスン中のようなので」(婆さんシドロモドロ)

「まぁまぁ、遠慮ならさずに中に入って頂ければよかったのに。さぁ、中へお入りになって」

そのお婆ちゃん呼ぶにはピッチピチしておる方がスノー先生のお母さんだとすぐにわかった。

「生徒さんはみんないらしたら勝手に
2階に上がって待ってるんですよ」

「へへへぇぇぇぇぇ (ひれ伏す婆さんww)」

そんな短い会話をしている隙にすーさんはさっさと靴を脱ぎ、揃え、上がり、勝手に別の部屋のノブに手をかけておった。

「コラッーーーーーーーー」

いつも怖がりで有名なすーさんが、初めてのお宅で動揺・パニックは全く起こさず、
ただひたすらピアノの音を探していることが明らかであった。

「すいません、すーさん、障碍がありまして・・・・」
「あらっ、そうなの? そんなこと・・・・すごい利発そうな
お坊ちゃんだこと」
スノー先生のお母さんはすぐにすーさんの手を取り2階に上がり始めた。

「婆さんは後について参ります」 (誰もそんな言葉なんぞ聞いちゃいないがな)

急な階段を上りおわると「新しいドア」が出現。
すーさんはためらいもなく開けた。


そこには
「普通の家の2階に長女の部屋があって、長女は絵本とおもちゃが大好き」って所だった。


グランドピアノと電子ピアノ、小さなラヴソファーに発表会で見た記憶が残る姉妹ちゃんが座っていた。

すーさんは、すぐさま手前にあった電子ピアノの椅子に座り鍵盤に指を添えた。

「やめちくれーーーーーーー」


すーさんは「ミ」の鍵盤から「ミ」の音が出てきたことで納得し、電子ピアノの上にあった飛行機を手に取り
「飛行機、ヒュ~~~~ン」と言った。

時を同じくしてダウン症の男の子が部屋に入ってきた。

レッスンを終えたスノー先生は婆さんに「はじめまして」と言う代わりに

「あらっ?こうちゃん、今日? この時間? やだっ、重なっちゃった」とおっしゃった。

「いいんです、すーさんと婆さんはご挨拶だけで帰ります」

「そうでしたね、ご挨拶を・・・」

すーさんは、既に電子ピアノから出てくる音に夢中になっていた。

スノー先生はご挨拶だけとおっしゃりながら、すーさんのその自然な姿に継続を決めたらしい(笑)

まずは、ダウン症のこうちゃんにすーさんと一緒に挨拶をする場面を作ってくれた。

こうちゃんは、グランドピアノの上にあるトイストーリーのおもちゃをで遊び始めていたが、
スノー先生の「すーさんとご挨拶しよう、こうちゃん!!」の声でおもちゃ片手に婆さんのそばに来てくれた。

婆さんはちゃっかり電子ピアノの椅子に座って演奏(爆)しているすーさんを膝の上に座らせた。

「こうちゃんにご挨拶しよう」(婆さん)
「こうちゃん、こんにちは」・・・・目は電子ピアノに釘付け。

「こうちゃん、すーさんにこんにちはだよ」・・・とスノー先生。

「すーさん、こんにちは」・・・とこうちゃんが言ってくれると不思議にすーさんはこうちゃんを目で捕らえた。

不思議な空気。 なんでだ? きれいな声じゃな。


「婆さん、私、すーさんのこと覚えています」とスノー先生が言った。
「保育園でのコンサートの時はピアノに擦り寄って行ったと保育士の先生から聞きましたしね」
「そうですよね、そうですよ、すーさん、やっぱりすーさんだ」・・・スノー先生はかなりハイテンションな声だった。


「すーさん、椅子のもう少し向こうに座ってくれる? 先生、こっちに座りたいの」
電子ピアノの長椅子にすーさんとスノー先生が座った。
その二つのキュートなお尻が並んでいるのを見て、わしは正直夢を見ているみたいだった。

「じゃ、すーさん、あらぺこあおむし  いくよ。 知ってる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「これ・・絵本」 そう言って、譜面台に「はらぺこあおむし」の本を置いた。

「はらぺこあおむし」の絵本は最初に小児科のカバ先生の所で知って、保育園でチュー先生が読んでくれていた。
2ヶ月位前にすーさんが「げつようび~あおむしは~・・・」と自宅で突然歌い出したので
「どっかで聞いたことあるな」と思ったら、我が家にもプレゼントでもらった「エリックカール」の絵本うたに入っている「はらぺこあおむし」の歌だった。

「これは知ってます」・・・と婆さんはスノー先生にすーさんの代理で返答したが、
すーさんは一向に歌わない。

でも、歌えないのである。
だって、だってだって、心も体も全部鍵盤の上を走る先生の指に、そこから聴こえてくる音に集中しているんだもん(笑)

一人で音楽スタジオへやって来たこうちゃんのお母さんが後から入ってきた。

「スノー先生、今日はご挨拶だけで・・・。」 婆さんは切り上げを要請した。

「そうでしたね、そうそう、じゃ、来週7日土曜日に。すーさん、その時また一緒に唄おうね」

夢中になっていることを取り上げられると癇癪を起こすすーさんなのにこの時はすんなり椅子から降りた。

婆さん:「みんなにご挨拶だよ~~~」
「こうちゃん、さようなら」・・・あらま、こうちゃんのこと覚えていたの??

「スノー先生にもさようならだね」
「しぇんしぇい、さようーなーら、ありがとごまいす (訳:ありがとうございます)」

「こうちゃんのお母さんにもね」
「こうちゃんのおかーしゃん、バイバ~~~イ」

婆さんは「これだけは絶対に忘れてはいかん」と出かけに決心した

ピアノとスノー先生の写真の撮影の承諾を得て、思わず出会ったこうちゃんの写真も撮って外に出た。

スノー先生のお母さんが車まで見送りに出て来てくれた。

スノー先生のお母さんとは年が近いせいか(婆×2)、庭にある巨大な馬の置物(馬の等身大)について話が盛り上がってしまった。

この馬の置物は近くにある競馬場のイベントにはちょくちょく借り出されるらしい。
どうりでゼッケンやら手綱やら本物だと思ったよ・・・・。(これは有名旗手さんからのプレゼントらしい)

わしはすーさんを車に乗せジュニアシートのベルトをして・・、改めて思った。

「音(楽)は全ての人を受け入れる」


「保育園児すーさんはその後すぐに保育園へ行った。
門の前で「あっち」と保育園とは反対方向を指差しわしの顔を見た。
「あっちはまたね」 
チクッ・・

保育園ではちょうど給食タイムだったのではらぺこすーさんにはグッドタイミングと思った。

手を洗い終えたすーさんが、「もう、ダメ!!かえるぅぅぅ」とベソをかいた。

いつもは保育園を後にする爺婆にほとんど未練なく、低い声で「バイバイ、いってらったい」と言うくせに・・・。

今日に限って・・婆さん泣かせてどうすんだよ!!

バッキャロー!! うれしいぜ。




音のつながり

2005-03-08 14:25:05 | 音の不思議
 昨日は、雑用と仕事、そしてピアノ教室(音楽教室)のことでかなりバタ子さんしてた。

 その中でも昨日の朝から「すーさんと音を一緒に楽しんで貰える人」と「楽しめる場所探し」をスタートさせたばかりだったのに夕方にはなんとなく先が見えて来ていた。

 まず、爺さんを病院へ(検査のため)送って行ってボスの所へ顔を出した。
 税理士のボスは今確定申告中だと言うのにすーさんの音への反応についての話を手土産に持って行った「鳩サブレ」をボリボリ食べながら聞いてくれた。

 そして、2人のピアノの先生の連絡先を教えてくれた。

 「これはすーさんへだからね、婆さんへじゃないからね!」と念押しされ、箱には

「すーさんへ さいんちょうだいね。

おおきくなったらいんぜいの(に)ぱーせんとをちょうだいね やさしいおばさんより


とマジックで書いて Swiss miss のマショマロ入りミルクココアを持たせてくれた。

 最初は「印税1%」だったのに話している最中に「2%」に引き上げ書き直ししやがって・・抜かりないボスだ。

 教えて頂いた2人の先生のうちわしが最初に電話を差し上げたのは「幼い時に絶対音感を持っていたかもしれない」と語ったことのある先生の方だった。

 「はじめまして、いい婆さんと申しますがスノー先生はご在宅でいらっしゃいますでしょうか?」
 「はい、スノーは私ですが・・」
 「えっとですね、背高ノッポのボスよりご紹介頂きましてこちらへお電話させてもらったんです」
 「ああ~、今ボスさんからのメール読み終わった所だったんですよ。お返事はまだ書いてないんですけどね。実は、今日『もうこれ以上生徒さんをお預かりできないわ。手一杯だからしばらくは新しいお子さんを増やすのはやめよう』と決心したところだったんですよ」

 「グワ~~~~ン(声にならず)

 ダメもとですーさんと音楽との濃厚な(笑)関係をサワリだけ話してみた。

 「特に先月保育園で開かれたピアノのコンサートにはいつもなら全児童の集まる場所ではパニックを起こすすーさんもノリノリで『ピアノ』と言いながらどんどん前のピアノに触ろうとしていた。すーさんの嫌いなクイズ形式の場面もあったそうなんですが、それもとても楽しそうだった。最後まで上機嫌だった。と担任の先生から連絡帳で報告を聞きました。これは婆さんの想像でしかないが、たぶん、今回のコンサートは音楽主体で普通のクイズではなかったのじゃないかと思われます。ピアノの生演奏に今までにない心地よさがあったのじゃないかと思われます。」

 「私も先月保育園でコンサートをしたんですけど・・なんかお話聞いてたら鳥肌立ってきちゃいました。・・今までは3歳クラス以下の子供達は途中で泣き出してしまう子も多いので席を離れることもOKってことになっていたんですが、今年は1人も泣いてホールを出て行くお子さんはいなかったんです。歌のお姉さんからの問いかけに今年はほとんどピアノで答えるように変えてみたのです。当たり!悲しい、嬉しい、ドキドキなどの表現をピアノだけを使ってしていたんです」

 「あの~~~もしかして、もしかすると・・すーさんの通っている保育園ってすぐそこの×○保育園なんですけど・・」

 「じゃ、すーさんが最後まで楽しんでくれたコンサートでピアノを弾いていたのは私です」

 「そのお話はマジでございますでしょうか??!!」

 「・・マジでございます(爆」

 
 普通ならいい婆さんは「これだ!!」と思ったら年甲斐もなく後先なしで突進するが、今回は話の流れと音のつながりに身を任せようと思った。

 とにかく、すーさんが音にどのような反応をしてきたかを話した。すーさんに会ってもらえるか?はスノー先生のお考えに従おうと思って話した。

 途中、スノー先生は
「隣の市で障害者の人に音楽と触れ合ってもらうことを専門とする場所があると聞きました。私も一度そこへ行ってみようかと思っていたんですが・・」とおっしゃったが、その時だけ婆さんは力説した。

 「確かになんらかの障害を持っている方の為の・・となると音楽に自分の意思や表現を乗せるってことができにくい方々や音楽をその字の通りに音を楽しむことを知らなかった方に知ってもらうには有効な方法があるのかもしれません。たぶん、あると思います。でも、すーさんは今現在既に音を楽しみ、自分の中で心地よい音と苦痛を伴なう音を体全体で選り分けることをしています。婆さんとしては心地よい音と接する時間を少しでも多くすーさんに持ってもらいたいと思っているだけです。ピアノのレッスンと言う考え方ではなく、ある意味、すーさんの心地よい音とは何か?を知るヒントを探りたいだけなんです。結果的にすーさんの心休まる場所が増えるとなればそれだけで万々歳なのです。先生が弾いて下さるピアノの音色を聞くだけもよし、なんです。
 優秀な生徒さんを育てることが先生のお仕事でもあるのはわかっております。すーさんはなんの成長もないかもしれません。それどころかそちらへお伺いしても『帰るの、おしまい、ヤダ』と言ってパニックを起こすことも大いに予想できます。
 でも、まずはピアノに自由に触れることのできる場所でのすーさんを見てみたいと言う婆さんのわがままなんです。」

 「よくわかりました。4月3日は年1回の発表会があります。ですから、3月中は発表会に向けて多忙ですのでお会いするのは無理なんですが、5月からは新しいレッスンスケジュールがスタートしますので、4月中に一度すーさんに会わせてもらえますか?私は障害のことは恥ずかしながら勉強不足です。でも、うちにも障害を持ったお子さんが2人来てくれています。全くレッスン内容が違うんですけど、1人は歌がもの凄く上手な男の子で伴奏する私も緊張するほどなんです。もう1人のお子さんはピアノは弾くことができませんが、絵本と音を組み合わせて音と親しむ時間にしています。
 婆さんの話を聞いていて、たぶん、すーさんは私が初めて出会うタイプのお子さんじゃないかと思われます。でも、とてもすーさんの中で音が大きな影響を与えているのだと言うことはわかります。「あいうえお」はわかるけど字が読めないのは婆さんがおっしゃるように「あいうえお」を1つの音階としてとらえているからじゃないかと私も思いますし、音に対する反応が普通のお子さんよりもかなり敏感なのではないでしょうか。お会いできる日を楽しみにしています。」


 電話を切ってからスノー先生の芸名wを聞いたので検索をしてみたら・・なんと絵本をイメージして作曲・演奏したり、NHKの歌のお姉さんのパートナーとして全国でコンサートをしている有名人であった。(汗

 音、そして人、とにかくつながりは素晴らしい。
いい婆さんはこのつながりをあまりのアポさでブチッと切れさせないようにせにゃあかんな。

 って・・どうすりゃよかか? どなたか教えてケロ?

音の不思議

2005-03-07 17:37:12 | 音の不思議
 「五感の敏感なすーさんを今まで育ててきて、その中で婆さんが一番大変と感じたのは五感うちどれですか?」
 「ええっ~~、五感の中でですか??やっぱり聴覚ですね」

 これは去年の10月に発達検査の2回目に発達支援課のO先生から質問され、婆さんはほとんど迷わず「聴覚」と答えた時の話である。

 「初めての発語はなんでしたか?」
 「歌でした」

 生後まもなくすーさんが落ち着いた眠りを手に入れたのは音に包まれている環境下であった。悲しいかな・・婆さんの子守唄ではなかったが。

 それからと言うものの絵本を積極的に開くのは歌絵本。そこに出てくる歌を片っ端から歌わされてきた。爺婆だけではなく、婆さんの兄も兄嫁も・・・全員。

 「疲れたから休憩するね」そんなことは許されない。歌が途切れれば体に見合ったデカイ声で泣き出すのだ。

 絵本を持って来てはクレーンでページを指し「歌え」と要求する回数は数え切れなかった。数える余裕はなかったが正解だな。ただただ、すーさん本人以外が歌うだけだった。

 2歳の誕生日を過ぎた頃、突然自分で歌い始めた。それも歌詞もメロディーも完璧だった。嬉しくなって爺婆が一緒に歌って、歌詞をほんの少し間違おうものなら無表情で「歌い直し」する。

 「おっと、失礼しました・・・あっはっはっは」そんな謝罪の言葉などすーさんの耳には届いていない。

 
 最近、耳ふさぎがまた増えて来ていた。それが、大好きなノンタンDVDやしまじろうのDVDの大好きな歌の部分だった。時々、テレビの音でも耳ふさぎをする。

 わしは、今まで大好きで見ていた場面で何故耳ふさぎをするのか?と思いながらすーさんの後姿を見ていてあることに気がついた。

 すーさんは決まった場面でのみ耳ふさぎをするのである。それには一定の決まり事があったのだ。

 たとえば、しまじろうのDVDの中で英語の歌をギャージンのお姉ちゃんが手本として歌う。それはOK。ただ、「さぁ、みんなで歌おう」としまじろうや子供達が次に続いて歌い始める0.1秒前に耳ふさぎをする。

 他の耳ふさぎも同じように多人数もしくは音の重なりが増える瞬間にすーさんは耳ふさぎをする・・・そんな決まり事を発見した。

 よく言う、和音だったりハーモニーと言われる部分に対してなんらかの不快感を感じたり、敏感に体が反応してしまうのだろう。

 
 もう1つ疑問に思っていたことがあった。

 音楽好きのすーさんの為に2年以上前に1,000円でおもちゃのキーボートもどきを買った。そのキーボードは安価なものだったので和音は出ない。だから、メロディーだけ弾いて聞かせていたが、すーさんがやりたかったのは音色を変えるボタンや動物の鳴き声が出てくるボタンを押すことだけだったようだ。

 いつしか我が家の無用なオブジェとなっていき、今は視界の中にあってもすーさんは手に取る事はなかった。

 だが、最近では休日のお散歩コースであるサティや他の大型スーパーなどに展示されている電子ピアノをまるでピアニスト気取りで両手でパタパタ弾くのが大のお気に入りとなっていた。

 知っている曲のメロディーだけ弾いてあげると「いらないの」と言って婆さんのしわくちゃな手を鍵盤から排除しやがる。

 すーさんが闇雲に弾いているのがなんなのか婆さんにはわからないが、すーさんには両手で鍵盤の上に指を滑らせて出てくるデタラメの音でも良いようだ。

 あんなに音にウルサイすーさんがこれでもいいのかよぉ~~!!

 キーボードや電子ピアノのボタンにはほとんど興味がない。

 デモの「乙女の祈り」とかを流してあげると隣のピアノへさっさと移動してしまうのである。

 あの~すーさんの弾いて下さる曲よりこっちの方が婆さんには心地よいのでござるが・・・いかがなもんでしょうか?

 そんな想いも届きやしない。婆さんはいつも置き去りだ。

 何故両手なんだ?何故メロディーを追わない?歌嫌いならともかくもあのノンタン様同様歌も大好きだっていうのに。

 2005年2月8日、婆さんが夕方5:10からチュー先生と村先生と自閉症と診断されたすーさんのこれからについて保育園で話をしている時、フジテレビのスーパーニュースで自閉症の天才ピアニスト高校生の話題を取り上げていたらしい。

 わしは次の日に垢パンダ殿からその話を手短に聞いたので知った。垢パンダ殿の言葉の中に魅力的なものが多々あった。

 すーさんが大好きなタコ先生(保育園の隣のクラスの保育士さん)が、まだ「光とともに」を読んでヨレヨレになっている保育参観の日に「婆さん、その時のビデオお貸ししますね」っておっしゃって下さったので、本当は「今、気持ちとしては目いっぱいだから・・もう少し時間を置いてから貸して下さい。」って気分だったのだが、お調子者の婆さんはつい「是非貸して下さいマセマセ」なんて言ってしもた。

 3月6日0:00にやっと寝てくれたすーさん。でも、こんな時位しかビデオを爺さんと一緒に観る時間がないので一緒に観る事と相成った。

 ビデオの最初は2005年1/31日に日本テレビで「我が子は自閉症 奇跡の子育て奮戦記」が放送されたが、その1年半前の2003年7月に最初に放送された番組1回目のものが収められていた。

 タコ先生はさすがだね。

 このお話はちょっと後の機会にするとしてその後のフジテレビのスーパーニュースで放送された自閉症の天才ピアニスト高校生のお話を観た。

 わしは、降りしきる雪の中コウスケ君がラジカセを持って波の音を録音する姿を見て、今までのすーさんの音へのこだわりの数々のシーンが重なり身震いがした。

 「同じだ!!」

 コウスケ君は楽譜が読めない。
 コウスケ君がピアノを習い始めたのは8ヶ月前。
 なのにコウスケ君は曲を数回聴いただけでその曲の伴奏を弾ける。

 伴奏・・婆さんはそれを注目した。

 伴奏はメロディー(旋律)ではない。メロディーではないが、メロディーを知らなければ伴奏は弾けない。伴奏は和音である。

 そして、コウスケ君は正確な指使いも習っていないのだろうがまるでピアニストだ。

 コウスケ君が奏でる伴奏は絶対にメロディーよりも前には出て来ない。

 コウスケ君の家では家族がメロディーを歌う。お母さんが連弾で主旋律を担当する。コウスケ君は伴奏を楽譜なしで奏でる。

 非常に婆バカな発言で申し訳ないが、婆さんは上記の最近持っていたすーさんへの疑問がこのビデオを観ている内に解決されたと思っていた。

 すーさんは大好きな歌の伴奏を弾きたかったのである。

 すーさん、あんたはスゲーかもしれん。

 わしは爺さんに「ピアノを自由に弾ける場所を見つけてやりたい」と主張した。

 1月下旬から毎日のように幼児の習い事のDM(ダイレクトメール)がポストに入っていたが、取っておいていたのはヤマ○音楽教室やカワ△音楽教室などの音楽教室のだけであった。

 集団レッスンなんてすーさんには無理だ、カワイそうだ。

 そうわかっていても捨てられなかった。

 爺さんは「キーボードを買ってみてから様子をみても遅くない」と言ったが、わしの賃貸マンションでは「楽器はダメ」という決まりがあるのですーさんがヘッドホンを装着できるようにならなければそれも不可能である。

 防寒の耳あても嫌がるすーさんにヘッドホン装着など問題外である。

 それに「こだわりのすーさん」がもしキーボードに心奪われたら「生活」を忘れそれに没頭したいとパニックを起こすのは目に見えている。

 時間区切りの理解をもっと深めないと無理だ。

 「個人レッスンのできるピアノ教室を探そう」

 婆さんはそう決めた。自閉症すーさんの話に耳を貸してくれる先生を近所で探してみよう。

 そだ・・ボスに相談してみよう。村先生にも聞いてみよう。村先生はこの近所に住んでいるジモティーだから。

 爺婆はすーさんの名前に「音」と言う字を入れた。音にこだわる人間になるように・・・なんて願いはなかったが(笑)すーさんの生きる過程に「音」がなんらかの力になってくれるような気がしてきた。

 婆さんの読みが大ハズレであってもいい。とにかく、可能性に賭けてみよう。

 今朝、久し振りに婆さんがすーさんを保育園へ送っていった。チュー先生にビデオを手渡しながらこの話をちょっとだけしてみた。

 チュー先生は「すーさんもスゲーけど、婆さんがそのことに気がついたのはもっとスゲーことだ!!大収穫だ!!」とその場で踊っていたww

 すーさん、あなたはそのままでいいよ。嫌なら嫌でいいんだからね。これは婆さんのただの思いつきなんだからさ。

 追伸:このブログを書いている間にすーさんに会いたいと言ってくれるピアノの先生(実はかなり有名なお人だった)とお話することができた。何かがまた動き出すかな。