[個人史]: 祖母、祖父母
・個人史 を記録しようなどとの考えは 何も無ければ思い浮かぶものではない。 社会記事に時間を取られるヒマはない。 さっさと記録を続けよう ..
<見舞い>
遠方に住む親戚から 入院中の祖母が 食事も出来なくなってきて 「もうろそろかも..」 と連絡が入ったので 祖父の墓参り を兼ねて 11月の始め、祖父が亡くなった病院 へと向かった。
数年ぶりに会った 祖母はすっかり元気を無くしベッドに伏せっていたが 私の顔を見つけた祖母はいつものように 笑顔で嬉しそうに迎えてくれた。
<死後の世界>
挨拶をかねて何気ない世間話をしていたが 親戚らが用事で場を離すと 祖母はカスレ気味のか細い声で話し始めた。
(要約)その日、病院の隣のベッドで寝ていた 祖父が亡くなる時 「ウゥッ!」 とうめき声を上げてそのまま逝ったところを祖母は見送った。 そして不安げに祖母は私に尋ねた。
「 ヒトは死んだらどうなるの? 」
私は答えて、
『 簡単な事だよ。 ◇ 身体(body)と魂(sprit) は相別れて死を迎える、 ◇ 無用になった身体は 焼いたり埋めたりして葬られるが、 ◇ 魂(Sprit)は無くならないから そのまま すでに亡くなった人々のところへ行く。 そこには 半年前に亡くなった祖父もいるし (祖母の) 両親もいる。 私もやがて行くところだから 先に行って (私たちを) 待っていればいいさ。』
そしてさらに、
『ただし、生きている間の自分の行いを思い起こしながら ◇ 義しく生きた事を誇りに思いながら 間もなく受ける 自分の救い を待ち望む 者もいれば、 ◇ 不正な事を追い求め 他の人々を苦しめながら生きた事を 大きな苦痛を味わいながら 間もなく来る 恐怖の裁き を待つ者もいる。』
私が、
『さて、ばあさんは 他人を騙して自分に都合良く生きたり、 不正な事をしてまでお金を追い求めたかい? 』 と 尋ねると、 祖母は自信を持って 「うぅん! そんな生き方はしてこなかった」 と、はっきりと答えた。
それで私は、
『そうだよ..。 ばあさんが 正直に生き、誰にも親切に一生懸命働いて生きてきた事は ばあさんを知る誰もが知っている。 だから死ぬ事は (祖母にとって) 全然心配ない事なのさ 』
そのように 祖母の質問に答えると、 すっかり安心して 不安な様子は 祖母の 身体全体から消えたのだった。
(続)
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08/01 回想: 祖母を送った日(7) 『いたこ』
07/19 回想: 祖母を送った日(6) 『気合い』
07/04 回想: 祖母を送った日(5) 『告白』
07/03 回想: 祖母を送った日(4) 『祖母の記憶』
07/02 回想: 祖母を送った日(3) 『深夜の異変』
05/28 回想: 祖母を送った日(2) 『見舞い』 ・・・ 本記事
05/12 回想: 祖母を送った日(1) 『その一年前』
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挨拶をかねて何気ない世間話をしていたが 親戚らが用事で場を離すと 祖母はカスレ気味のか細い声で話し始めた。
(要約)その日、病院の隣のベッドで寝ていた 祖父が亡くなる時 「ウゥッ!」 とうめき声を上げてそのまま逝ったところを祖母は見送った。 そして不安げに祖母は私に尋ねた。
「 ヒトは死んだらどうなるの? 」
私は答えて、
『 簡単な事だよ。 ◇ 身体(body)と魂(sprit) は相別れて死を迎える、 ◇ 無用になった身体は 焼いたり埋めたりして葬られるが、 ◇ 魂(Sprit)は無くならないから そのまま すでに亡くなった人々のところへ行く。 そこには 半年前に亡くなった祖父もいるし (祖母の) 両親もいる。 私もやがて行くところだから 先に行って (私たちを) 待っていればいいさ。』
そしてさらに、
『ただし、生きている間の自分の行いを思い起こしながら ◇ 義しく生きた事を誇りに思いながら 間もなく受ける 自分の救い を待ち望む 者もいれば、 ◇ 不正な事を追い求め 他の人々を苦しめながら生きた事を 大きな苦痛を味わいながら 間もなく来る 恐怖の裁き を待つ者もいる。』
私が、
『さて、ばあさんは 他人を騙して自分に都合良く生きたり、 不正な事をしてまでお金を追い求めたかい? 』 と 尋ねると、 祖母は自信を持って 「うぅん! そんな生き方はしてこなかった」 と、はっきりと答えた。
それで私は、
『そうだよ..。 ばあさんが 正直に生き、誰にも親切に一生懸命働いて生きてきた事は ばあさんを知る誰もが知っている。 だから死ぬ事は (祖母にとって) 全然心配ない事なのさ 』
そのように 祖母の質問に答えると、 すっかり安心して 不安な様子は 祖母の 身体全体から消えたのだった。
(続)
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