Officer's '70s Theater

'70年代の恐竜的ハイパワー車ファンが昔を懐かしむブログ

ストームゲート

2013-10-02 10:10:36 | 映画(戦争)
<iframe src="//www.youtube.com/embed/IjSPiaPUGyg" frameborder="0" width="420" height="315"></iframe>

2010年ロシア映画
監督:アンドレイ・マリュコフ
主演:ミハイル・ボルチェンコフ、ヴァチェスラフ・ラズベガーエフ、アナトリー・パシーニン

<TV映画>
これは元々、TVの連続ドラマ枠で放送されたものを2時間映画にまとめたものです。なので「恋人の回想シーン」が短く切れ切れに挿入される結果になり、やや違和感があります。

<あらすじ>
1994年の第一次チェチェン紛争。武装勢力の支配地域と政府軍の軍事境界線である丘稜地「ストーム・ゲート」を守るロシア軍一個中隊(80~100名)がチェチェン兵1,000名に包囲され、決死の陣地防衛戦が始まる。

<特徴>
米国映画のプラトーン、プライベート・ライアン、そしてスクワッド(Siege of Fire-base Gloria)の影響を受けています。
23mm機関砲で撃たれた敵兵の腹が吹っ飛ぶ描写や、88mm迫撃砲の至近弾を受けたロシア兵の腕が千切れ飛ぶなど、リアル指向が随所に見られます。
ただ、敵兵が「命知らずにも」棒立ちのまま横隊になって機銃陣地のある丘を登ってくる描写は余りに非現実的であり敵を「無能な狂信者」に描き過ぎで、そんな欠点までも「スクワッド」に似ています。

主役のドロニン中尉(アナトリー・パシーニン)は線が細く、何となくマーチン・シーンに似ています。

脇を固める歴戦の士官ワレーラ(ミハイル・ポレチェンコフ)は2005年の映画「アフガン」で新兵訓練所の鬼教官を演じたマッチョな大男です。


ロシア軍に協力するチェチェン人傭兵シャーフ(ヴァチェスラフ・ラズベガーエフ)は「一人で敵地の中に放り込んでもサバイバルして帰ってきそうな、頼りになる戦士」です。


この作品の目玉は「ロシア軍全面協力」で、実物のMi-24ハインド2機編隊が要所で支援銃爆撃に登場し、守備隊が空挺歩兵戦闘車BMD-1を4両持っているなど、大道具に比較的ゼニがかかっているところです。地上攻撃ヘリ:ハインドの恐るべき破壊力が良く表現されています。

<BMD-1歩兵戦闘車>
一般的なBMP-1歩兵戦闘車を元に落下傘投下可能なようにアルミ装甲に再設計して軽量化したもので、外観ではノーズ部分が船首型になっているのが特徴です。
移動時に歩兵が車両上部にしがみ付いたり座ったりしていて一見、無用心に見えますが、これには理由がありました。

1.リアエンジンなので後部大型ドアが無く、上部ハッチから狭い車内に出入りしなければならないので、いざ飛び出す際に高い位置に身を晒すことになる。それくらいなら車上から飛び降りて陰に隠れたほうが生存性が高い。
2.車内兵員室が極端に狭く、内部に1時間も入っていると、それだけでエコノミークラス症候群になってしまう。
3.装甲が薄いので14.5mm重機関銃(米軍のM2ブラウニング12.7mmに相当)で簡単に貫通されてしまうし、地雷で簡単に床が抜けてしまうので、文字通り「鉄の棺桶」であり、会敵したら絶好の大型攻撃目標となるので、歩兵は一刻も早く車体を離れて散開したい。

「泣きっ面に蜂」で、BMDやBMPの最大の欠点は、主砲の76mmグレネードランチャーの弾体が横風の影響を受け易く、500mで命中率が50%しかない点です。つまり敵歩兵が持つ有効射程1,200mの14.5mm対戦車ライフルに容易にアウトレンジされてしまうのです。(;^ω^)

<小火器>
兵が持っている銃はAK-74とドラグノフ狙撃銃とPK機関銃です。敵軍も元はワルシャワ条約機構軍だったので全く同じ銃・弾薬を使っています。
PK機関銃は西側の機関銃とは反対で、右からベルト給弾する機構なのが珍しいです。弾薬ベルトは金属製非分離式で、25発用を4連結して100発ベルトにして弾薬箱に収め、銃の下に装着して使います。
米軍のM60のようにキャリングハンドルを使ってワンタッチで銃身交換が出来ますが、劇中で銃身交換シーンはありません。

<小道具>
防御側はクレイモア似た指向性地雷や手榴弾にワイヤーを張ったトラップを仕掛けてあるのですが、チェチェン軍は爆導索で地雷を除去し、携帯ロケット砲でBMD戦闘車や機関砲陣地を破壊してきます。
おまけに防御側が持っていない88mm迫撃砲を持っていて、迫撃砲弾が間断なく防御陣地に降り注ぎます。「敵ゲリラが自軍と全く同じかそれ以上の近代的攻撃兵器を持っている恐怖」が感じられます。
「泣きっ面に蜂」で、ゲリラ側は携帯対空ミサイル「スティンガー」のコピー品まで所持していて、頼みの綱の空中騎兵隊であるハインドが撃墜されてしまいます。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。