日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

「サンデープロジェクト」の田原総一郎さん お疲れ様でした

2010-03-30 18:35:12 | Weblog
テレビで亀井静香郵政改革担当相と菅直人副総理兼財務相が郵政改革法案をめぐり、言ったとか言わなかったとか言い合っている。前向きに論議をすすめるのならともかく、こういう愚にもつかぬやりとりを国民の目の前で臆面もなく繰り広げる光景に、これ、本物の大臣?と疑ってしまった。これは3月28日(日)の「サンデープロジェクト」で収録されたもののようであるが、そういえばその日の朝日朝刊に司会の田原総一郎さんのインタビュー記事が出ていたのを思い出した。21年間続いたこの番組が28日で最終回を迎えるのである。

「毎日が日曜日」の身分になって、土曜日は竹村健一さん、日曜日は田原さんの出てくるいわゆる政治討論番組を観るのが楽しみだった。全くの別世界であった政治が身近に感じられる気がしたのと、政治家のいろんなキャラクターをかいま見るのも面白かった。テレビ写りを気にしている人からは芝居気を感じたり、恬淡としている人には誠実みを覚えたりした。田原さんの番組に出た政治家で私が一番印象づけられたのは中曽根康弘元総理で、真正面からものを言う姿勢と見識の高さがまさに政治家らしくてよかった。だからこそ「政界の風見鶏」たり得たのだと思うようになった。

ここ二三年は熱心な視聴者ではなくなった。政治家の粒が小さくなって、薄っぺらくなって、話を聞いてよかったと感じることがなくなってしまったからである。私が5年前に政治家を積極的に評価したことがあるが、その世耕弘成参議院議員の「郵政民営化関連六法案」に対する賛成討論は名演説なるブログを偶然にも昨日わざわざ訪れて下さった方がいた。今読み返してまさに隔世の感であるが、この時のように政治家の演説の鮮烈さを味わうことはその後なくなってしまった。

竹村さんが「報道2001」から姿を消し、筑紫哲也さんも亡くなり、残るは田原さんの「サンデープロジェクト」になってしまったものの、いったん足が遠のくと戻るのが億劫になり、28日の最後の番組も申し訳ないことに結局観ずじまいであった。田原さんはやる気十分なのに、どうも局の都合で打ち切られたように伝わって来て、私のような聴視者が増えてきたせいかとも思ったりした。でもそれは田原さんのせいではなくて、政治家が小さくなってしまったからで、早い話が亀井大臣と菅副総理のようなやり取りのどこに聴視者を引きつける力があると言えよう。残るは政治家がタレント化したバライアティ番組ぐらいであろう。これとてもいずれは飽きられてしまうこと疑いなしである。

インタビュー記事を見て田原さんが私と同年であることを再認識した。次のような言葉である。


『敗戦』と戸惑い無く言い切れる世代なのである。私もまったく同じ、疑うことが業となり、科学者を卒業した今でも好奇心は衰えることなく疑い続けている。『天皇陛下万歳!』をたたき込まれ、そしてひっくり返されたのがよかった。そして田原さんはこうも言う。


これぐらい、言わして貰ってもいいじゃないの、と私も同調する。次の世代、その次の世代への檄なのである。もって「サンデープロジェクト」の田原さんも瞑すべし、と申し上げよう。


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