日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

商品がない幸せな「一澤信三郎帆布」

2006-06-01 20:06:15 | Weblog

京都国立博物館に行って「大絵巻展」にふられたものだから、バスに乗って東大路通知恩院前上ル東側にある「一澤信三郎帆布」店に向かった。

「一澤帆布」のトートバッグを始め袋物はかれこれ三十年愛用している。ところが先代の一澤信夫氏が2001年に死去のあと『お家騒動』が起こり、過去25年間カバンの製造販売に携わってきた三男信三郎氏が「一澤帆布」を追われてしまったらしい。そして製造部門の職員全員とともに新会社「一澤信三郎帆布」を立ち上げて、仮であるが新しい店舗を以前の店舗の斜め向かいに構えたとのこと、そのお店を覗こうと思ったのである。

店頭にはいつも行列がと、報じられていたので、ここでは少々の待ち時間は覚悟していたが、並んでいる人は一人もいない。「ラッキー」とばかり店内に入って度肝を抜かれた。陳列棚が空っぽ、商品がないのである。(念のためお店の人にお断りをして写真を撮らせていただいた。)



正確に言うと入り口のベンチあたりに四点ばかり置かれていた。



朝九時の開店時には毎日四百点は陳列しているとのこと。それが早々と売れてしまうのだ。私が訪れたのは四時前後。商品がなくなったら閉店するとのことなので、まさに閉店間際だったのだろう。

気に入ったものがあることを期待して訪れたがここでもまたふられてしまった。それにしても今時、朝並べた商品がその日のうちに全て売れてしまうというお店があることに感動してしまった。顧客の『熱い心』を一番感じているのはお店の人たちであろう。まだこれからも紆余曲折があるだろうがそれを乗り越え、顧客を満足させる商品を供給し続けて欲しいと思う。

最新の画像もっと見る