日々是好日

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「罪の巨塊」とは守屋武昌前防衛事務次官のことか そしてシーメンス事件

2007-11-29 10:23:36 | Weblog
守屋武昌前防衛事務次官がついに収賄容疑で昨日(11月28日)逮捕された。「身分なき共犯」としてその妻も一緒に逮捕という。守屋前事務次官は山田洋行の元専務から8年間の間に300回以上のゴルフ接待を受け、その費用が1500万円を上回るそうである。今回は2003年8月から2006年5月の間に12回、妻と一緒にゴルフ旅行の接待を受けたのが収賄容疑の対象となっているとのことである。

連日報道される守屋前事務次官の無軌道ぶりに、私は辟易してしまったので今更コメントすることもないのであるが、逮捕という事態を迎えて彼こそ「罪の巨塊」そのものではないか、と私の頭の中で回線がつながったのである。

「罪の巨塊」というのは大江健三郎氏による罪作りな『造語』である。私のブログ大江氏による「罪の巨塊」の変な説明で指摘したように、言葉を作った当人もそれで何を云いたいのか、その説明が自己矛盾を来しているだけに、聞かされた方も訳が分からない変な言葉である。訳が分からないままそのおどろおどろしい語感から「罪の巨塊」という言葉が、守屋前事務次官にぴったりとはまったのである。

大正のはじめ、シーメンス事件という外国からの艦船購入にまつわる海軍の大疑獄があった。ドイツのシーメンス会社社員が会社の重要書類を盗み、時の東京支店長を強迫するという一商社内のトラブルからことが起こった。その盗んだ書類の中に会社が発注者の日本海軍将校にリベートを送ったとの記載があったというのである。これが引き金になり、不祥事が次から次へと明るみに出て、イギリスのビッカース商会日本代理店三井物産の重役が贈賄容疑で逮捕された。そして当時の艦政本部長が巡洋艦金剛をビッカース商会に注文させることの見返りに三井物産の手を経てビッカース商会から40万円の賄賂を受け取っていることが判明したのである。

その間貴族院は海軍予算7000万円削減を可決し、結局予算案が不成立となったことから時の第一次山本権兵衛内閣は大正3(1914)年3月24日に総辞職した。

昔軍人今文民と違いはあってもまさに「歴史は繰り返す」である。福田内閣の命運これいかに。

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