日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

北京五輪日本選手団団長のお言葉ですが

2008-08-25 13:49:25 | Weblog

朝日朝刊一面に北京五輪日本選手団団長の苦言が報じられていた。矛先の向けられたのは不振に終わったマラソンや野球で、《五輪選手は選手村に入らないとだめだ。野球にしてもマラソンにしても特別扱いをしているところは大いに問題がある》というのがその要点である。

選手村に入ったからといって野球チームが強くなるとは思わないが、マラソン選手の欠場や途中棄権に関して《調子が悪くても情報が入ってこないため、補欠の手続きも間に合わない》というのは一理あるかも知れない。しかし重要な情報が選手団本部に伝わらなかったというのがもし事実なら、それは選手団の組織に問題があるのであって、あとになって云うのはおかしい。昔で云えば指揮系統も決めず、そして通信網も持たずに数だけかき集めて戦地に出かけた軍隊のようで、旧日本陸軍よりたちが悪い。574人の選手団の4割強を占める235人の役員(7月18日のデータ)はやっぱり有象無象だったのだろうか。

それはともかく野球やサッカー男子が惨敗したことについて、《直前に集めてちょっと練習して勝てるような甘いもんじゃない》と素人の私ですら思っていたことが、オリンピックも終わった今頃に語られるとは摩訶不思議である。だから私は反町ジャパンを一試合だけは観たが、星野ジャパンの試合は一試合も観ていない。案の定、銅メダルすら取れなかった。星野ジャパンの欠陥を知り尽くしているはずのマスメディアが、金メダルを煽り立てたのはいつもながらの無節操ぶりである。

男子400メートルリレーでの銅メダル、日本陸上にとってまさに「金」と「同」じメダルだと思うが、バトンの受け渡しの技を磨き上げたことが今回のメダルに繋がった。参加16チームのうち6チームがバトンミスで失格したと聞くからその技の重みはたいそうなものである。練り上げたチームプレーの極致であろう。もちろんリレーと野球とはチームプレーの内容は異なるだろうが、チームの一体感がチームプレーである野球の微妙な局面を大きく左右することは十分想像される。その一体感が生まれるまでの時間的余裕が最初から見込まれていなかったというのはおかしい。

日本でまだプロ野球のシーズン中なのに、各チームから有力選手を引き抜いてオリンピックチームに入れる。これ自体がすでにおかしい。選ばれた選手は所属チームでのプレーへの思いを封じて参加せざるを得なかったのだろう。一方有力選手を引き抜かれるチーム関係者の複雑な思いもあっただろうし、有力選手を欠いたチームのプレーに釈然としないプロ野球ファンも多かったのではなかろうか。そのうえ時間不足でチームプレーを練り上げきれないまま、中途半端な状況で出場することになる。勝負を賭けるオリンピックをよほど甘く見たのだろう。元はといえばアマチュアの祭典であるはずのオリンピックに、プロ野球の選手が出場すること自体がもともとおかしいのである。引っ張り出された選手にはご苦労様と云おう。

ついでにもう一言。ふるわない成績だったのに「頑張った結果の成績なので悔いはありません」と宣う選手が目立った。いつの間にナルシスト選手が増えてしまったのだろう。このような選手は以後、出場お断りである。「悔しい」と云った選手が新鮮であった。


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