読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

街の灯 北村薫 文春文庫

2009-10-18 14:32:04 | 読んだ
第141回直木賞受賞作「鷺と雪」のいわゆる『ベッキーさん』シリーズの第1作である。
オール読物に掲載されていたのであるが、読んだり読まなかったりしていたので、今回の受賞を機に初めっから読んでみようと思ったのである。

ベッキーさんシリーズ、というからにはベッキーさんといういわゆる外人さんが登場するのではないかと思うのであるが、ベッキーという名の外人さんは登場しない。

主人公は士族出身の花村家の令嬢・英子である。
年代は昭和7年。
花村英子の父は「日本でも5本の指に折られる財閥の系列の、商事会社の社長」であり、彼女は専属運転手の送迎で女子学習院へ通い家族の級友との交際もある。

この設定ではなんとなく「イヤラシイ」というか「イヤミ」というか親近感がないというか、なのであるが・・・
お嬢様は無垢なのである。

無垢なくせにその気になれば情報を手に入れることも、場合のよっては権力さえも行使することができる。

そういうお嬢様の専属運転手が交代する。
その時、英子はサッカレーの書いた「虚栄の市」を読み、その主人公の一人である「ベッキー」に感銘を受ける。
新たにやってきた運転手は、なんと女性。
別宮みつ子(べっく みつこ)という名前に、英子は「ベッキー」を連想する。

ということで、ベッキーさんとは花村英子の専属運転手の名前なのである。

さて、この物語は「ミステリー」なのである。
といえば、探偵役はこのベッキーさんで、助手的役割を果たすのが英子、というのが思い浮かぶのだが、これが期待を裏切って英子が探偵で謎を解くのである。

その謎を解くにあたって重要なサジェスチョンをするのがベッキーさんなのである。

読むにあたっては、エピソードや背景をわかっていないと深く楽しめない、というところがあるようだ。

とはいうものの、私のようにそんなところに構わないでいても十分面白い。
続いてシリーズ第2編「玻璃の天」を読もうと思っている。

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