読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

闘将伝 小説 立見尚文  中村彰彦 文春文庫

2012-06-27 22:57:24 | 読んだ
海将伝に続く「闘将伝」である。
というのは、私の読み方の順番であって、著者から見れば、闘将伝-海将伝になる。

物語の主人公である立見尚文は以前から興味のあった人物である。
『以前』というのは、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んだときに立見尚文がよく描かれていたのを読んだときである。

海将伝でも思ったことであるが、明治初期の将軍や提督たちの出自の多くが武士であることから、人間の芯或いは核みたいなものにきっちりとしたものがあるように思える。
それは「やせ我慢」のようにも思える。
それともう一つは「合理性」である。
この二つがうまく融合している人が多い。

さて、この小説の主人公立見尚文は、桑名藩出身である。
幕末の桑名藩といえば「会桑」と呼ばれたように、佐幕派の中心である。
会津、桑名の藩主が兄弟であるということ。
会津は京都守護職、桑名は京都所司代として幕府を支え、討幕派と戦い続けなければならなくなったことから、思うに、主義主張としての佐幕派ではなく敵対心とか憎悪とかの感情的なものになって行ったのではないか。

そういう桑名藩のなかで、立見尚文は佐幕派として、鳥羽伏見の戦いから江戸、宇都宮、越後、会津、出羽と抗戦を続ける。

戦い破れて降伏するが、赦免され、桑名県に出仕その後司法省を経て陸軍に入る。
西南の役での活躍、更には日清戦争、日露戦争と将軍として活躍する。

この小説では、維新の時の立見に多くのページが割かれているが、ともかく、すがすがしい男である。

私としては、日清戦争や日露戦争の部分を読みたかった、という気持ちがあったが、期待を裏切るようなものではなかった。

「男」としてこうありたい、みたいな気持ちになった読後であった。

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