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好きなことだらけさ…

『ブベニチェク・ニューイヤーガラ カノン』

2013年01月07日 | バレエ

2013年1月5日(土) 19:00開演 Bunkamuraオーチャードホール

今年のバレエ観賞は楽しみにしていたブベニチェクからです。
日本初演の「ドリアン・グレイの肖像」が観たくて取ったチケでした。

ガラ公演でしたが、今回のプログラムは一つ一つの演目が20~30分の長いものでした。
パンフの言葉を借りると
“それぞれ独自の空想的世界観とストーリーや雰囲気を持つ作品”とありました。
でもそこはオールブベニチェク、
振付のイリ・ブベニチェク、音楽や衣装、ステージデザインのオットー・ブベニチェク
それこそブベニチェク兄弟の美意識で統一されてました。


「トッカータ」
ドロテ・ジルベールカテリーナ・マルコフスカヤアンナ・メルクロヴァエルヴェ・モロー
ヨン・ヴァイエホクラウディオ・カンジアロッシマイケル・タッカー

音の無い動きから始まり、二人、三人と重なり音楽が入ってくるという静謐な始まりでした。


「ドリアン・グレイの肖像」
ドリアン・グレイ――オットー・ブベニチェク
画家バジル・ホールウォード――イリ・ブベニチェク
ヘンリー・ウォットン卿――イリ・ブベニチェク
ドリアン・グレイの肖像画――イリ・ブベニチェク
シビル・ヴェイン――ラケル・マルティネス

これはもう、双子であるブベニチェク兄弟でなければ表現できないであろう演目でした。
踊りに魅入っているといつの間にか肖像画の方のドリアン・グレイが老いていて、
演劇を観ているような感覚でした。
音楽がK.ジャレットでまた驚いた。(B.モレッティの方はよく知らないです。)
キースの「パリ・コンサート」アルバムの中から、
録音した日がタイトルになってる「1988年10月17日」と
キースが弾くラス・フリーマンの「ザ・ウィンド」。これを『ドリアン・グレイ』に当てているんですから。
自己中過ぎじゃないかという声も聞こえる賛否両論のアルバムです。
パリの物憂い雰囲気満載だなと思っていた音楽も
こうやってブベニチェクの踊りを観ながらだと、別物のように感じます。
観に来て良かったー!!


「牧神」
ラファエル・クム=マルケヨン・ヴァイエホクラウディオ・カンジアロッシ
マクシミリアン・ゲノフファビアン・ボランジェマイケル・タッカー
ジャン・オラティンスキーフランチェスコ・ピオ・リッチ

『ドリアン・グレイ』に惚れ々していたら休憩挟んで衝撃の『牧神』でしたw
いいのか!?キリスト教圏で踊ってもいいのか!!と思えるほどの演出。
本来の「牧神」は曲がりなりにも男女の性愛を意味してますが、
これは神父様と少年!
ラファエル・クム=マルケの尖がった髪型と神父の衣装は
少女漫画かコスプレか!って感じで(゜∀゜)キターーー!!
そしてクラウディオ・カンジアロッシの牧神はエロ過ぎーーw
神父を唆すわ唆すわ!!
ちょっと残念だったのは少年役のヨン・ヴァイエホかな。
いや、踊りも演技も何の文句も無いんですが、単に見てくれの問題で、
いや彼が醜いんじゃなくて、好みの問題ですw
もっと華奢な印象の人だったら、萌ポイントかな~りアップでした。


「プレリュードとフーガ」
ドロテ・ジルベールエルヴェ・モロー
ピアノ:榎本真弓

これは残念ながらよく観えなかった(ノω・。)
8列目って段差のない席の一番後ろ。
真ん中で踊ってくれると観えるんだけど、この二人、ススーっと通り過ぎて両脇でなんかやってる。
ノーブルな美しい踊りはピンの時、ピアノのすぐそばで踊ってるのが観えるだけでした。
(改装しても観辛いよオーチャード!)


「ル・スフル・ドゥ・レスプリ ―魂のため息―」
イリ・ブベニチェクオットー・ブベニチェクヨン・ヴァイエホ
ラケル・マルティネスドゥオシー・ジュウカテリーナ・マルコフスカヤ
アンナ・メルクロヴァマクシミリアン・ゲノフクラウディオ・カンジアロッシ
マイケル・タッカーフランチェスコ・ピオ・リッチ

始まりと終わりに現代音楽のような重厚な地響きに似た音が流れます。
続いて聴きなれた古典音楽が流れる実に綺麗な演目。
みんな白の衣装で舞台もシンプル、
G線上のアリアやパッヘルベルのカノンなんかを使っていました。
そんな中、次々と繰り出される踊り、
特にストーリーがあるわけではないのに、30分の演目はあっという間に終わりました。
ホフシュテッターの弦楽四重奏はもっとゆっくりした動きだと思ってのに、
アップテンポでへぇ~でした。
バックに映し出される古典絵画、音楽も古典、
衣装はシンプルモダンで一見コンテンポラリーのような顔をしながら、
振りはしっかりバレエじゃないかな?
緩急の付け方も美しく、ブベニチェク兄弟の才能を存分に楽しめるものでした。


全体的に男性ダンサーの魅力満載の公演でした。
女性はドロテ・ジルベール以外の印象が薄い薄いw
また、観てみたい演目ばかりです。
最後にパンフの中に載ってた写真を。

このふたり、これで完結してるよなーw






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