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好きなことだらけさ…

シアターコクーン・オンレパートリー2017 DISCOVER WORLD THEATRE vol.2『危険な関係』

2017年10月18日 | 舞台(演劇・音楽)

2017年10月17日(火) 開演14:00 Bunkamuraシアターコクーン

〈ストーリー〉
原作は18世紀末のパリ、華麗なる社交界が舞台。
社交界に君臨する妖艶な未亡人メルトゥイユ侯爵夫人(鈴木京香)は、
かつての愛人ジェルクール伯爵への恨みから、
その婚約者セシル・ヴォランジュ(青山美郷)の純潔を踏みにじろうと
稀代のプレイボーイであるヴァルモン子爵(玉木宏)に助力を求める。
しかしヴァルモンは、叔母ロズモンド夫人(新橋耐子)のもとに滞在している
貞淑なトゥルヴェル法院長夫人(野々すみ花)を誘惑しようとしているところで、
その依頼を断る。
ところがセシルの母ヴォランジュ夫人(高橋惠子)こそが、
トゥルヴェル夫人に彼を非難し近づいてはならぬと忠告していることを知り、
ヴォランジュ夫人への復讐を決意、メルトゥイユ夫人の計画にのる。

一方、清純なセシルは純粋な若き騎士ダンスニー(千葉雄大)と恋に落ちていた。
そこにメルトゥイユ夫人の策略が、そしてヴァルモンはトゥルヴェル夫人を誘惑に……。

二人が仕掛ける退廃に満ちた恋愛ゲームが繰り広げられていく。
(Bunkamuraサイトより)

玉木宏のヴァルモン子爵観てきました~。
どちらかというと、生で観たかったのは千葉くんの方かもw
NHK朝ドラからもとっとと撤退してしまって、もう少し生きてて欲しかった。

ラクロの「危険な関係」は何度も映画化されてますよねー。
グレン・クローズ&ジョン・マルコヴィッチ版が一番好きです。
舞台もあるし、アダム・クーパーも自身の新作バレエとして日本に持ってきましたよね。
(あ~懐かしい)
中身は恋の駆引きって言やぁ聞こえはいいけど、貴族社会の道徳的退廃と紊乱。
今の道徳観念と違う男性貴族優位の価値観の上に成り立ってる恋愛模様。
表面さえ取り繕う事ができれば裏で何があろうと、それはそれと問題無い世界。
そこで名を馳せてる稀代のプレイボーイ、ヴァルモン!!ってとこです。

演出はリチャード・トワイマン、美術・衣装はジョン・ボウサー
どちらもロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身。
なのに舞台美術は
和風。
和室のような趣き。ドアは引戸、奥に見える庭も和風。(寝間はベッドでしたがw)
女性の衣裳もコルセットギューギューのロングドレスではなく、
前合わせのワンピース風(ゴージャスですけどね)。
セシルの衣裳は男性を知ってからはTシャツ着てたかもw
ヴァルモンがランニングマシン使ってたりと、ちょいちょい現代の小道具も登場する。
それが結構面白く、日本人がおフランスモノやる時の、
妙に浮いた感じがしなくてとても良かった。
舞台の暗転も効果的に使ってたし、音楽もOK。

この舞台女性陣の力量でもってるかな?
4年ぶり二度目の舞台出演というヴァルモン玉木、セリフ噛み過ぎ~w
いや、大量で長~いセリフはさぞ大変だろうなぁ、とは思う。
しかし、言葉に感情が乗ってこない。
いつも1本調子で長々話してると、眠くなっちゃうよ。
あの量をやっと頭に入れたところで、こなれてない感じがする。
公演後半に観に来た方がよかったかなぁ。
見てくれが完璧なだけに残念過ぎるよ。
(そう恰好はいいぞー、着ても脱いでもカッコイイw)
それとヴァルモンとメルトゥイユのドロドロした大人の関係が見えてこない。
二人で結託してるのは分かるけど、なんかサバっとして見える。
う~ん、玉木の色気がサッパリしてるのが、このストーリーに合ってないのか?
いや自分がジョン・マルコヴィッチ刷り込まれ過ぎなのかもw
鈴木京香、新橋耐子、はさすがw
千葉くんはいつものカワイイキャラで声もよく通り問題無い。
彼は自分のキャパ以上の役をやってるの観た事ないからさw
玉木と並ぶとちょっともっさり感が出てて、そこもカワイイ。
セシルがおバカちゃんな女の子になってしまってて、
清楚な感じで観たかったなぁ。
それとトゥルヴェル法院長夫人がヴァルモンも入れ込む魅力的な女性に
あんまり見えなかったのも残念。
ヴァルモンにくっついてるアゾランが面白かった。

〈キャスト〉
ヴァルモン子爵:玉木宏
メルトゥイユ侯爵夫人:鈴木京香
トゥルヴェル法院長夫人:野々すみ花
ダンスニー騎士:千葉雄大
セシル・ヴォランジュ:青山美郷
アゾラン:佐藤永典
エミリー:土井ケイト
ロズモンド夫人:新橋耐子
ヴォランジュ夫人:高橋惠子
家令・召使:冨岡弘
女中:黒田こらん