昨夜は「あんこう鍋」だった。
やっと仕事も一段落ついたので晩酌にビール一本追加!(笑)
その後、ホロ酔いでBSにチャンネルを合わせたら懐かしい映画が始まった。
ご存じ「緋牡丹博徒」シリーズである。
と言っても、40年も前の映画だから知らない人の方が多いのだろう。
主演は藤純子、四代目尾上菊五郎夫人である。
と言うより女優・寺島しのぶのお母さんと言った方がわかりやすいか。
私の世代には鮮烈な印象を刻み付けた女優さんだった。
独断と偏見で言えば
映画界で三本の指に入る美貌の女優さんだと思う。
鼻筋が通った知的な面差しに、澄んだ大きな目、色香を感じさせる口もと。
見ているだけでウットリするような輝きを放っている。
役どころは「緋牡丹のお竜」こと矢野竜子。
闇討ちで殺された父の敵を求めて全国の賭場を渡り歩く女渡世人である。
第一作で見事に仇討ちを果たすが、その後も渡世修業と称して諸国をめぐり歩き
義理と人情を踏みにじる悪党たちと戦うストーリーである。
片肌を脱ぐと背中にはあざやかな「緋牡丹」の刺青。
観客席からは「待ってました、お竜さん!」の声がかかりヤンヤの喝采となる。
このシリーズが封切られたのは60年代から70年代にかけて。
全国で大学紛争の嵐が吹き荒れた時代である。
当時の学生たちは、敵陣に一人で乗り込んでいくお竜さんの姿を
自分たちの「正義」と重ね合わせて声援を送った。
私自身はそれとはちょっと遅れた世代ではあったが
京都一乗寺のくたびれた映画館の客席で
挫折感と孤独を抱えながらお竜さんに熱い視線を送っていた。
健さんが共演でもお竜さんばかりを見ていた。(笑)
呆れるほどワンパターンの「勧善懲悪」のストーリーではあったが
逆にそれがよかった。
ややこしい筋立てなど関係なく、ひたすらお竜さんを見ていればよかった。
ただただ美しい、ただただカッコいい!
背筋がゾクゾクするような、身震いするようなカタルシスだった。
思えば、そんな映画も絶えて久しいなあ・・・
そして録画しておいた、この「緋牡丹博徒 花札勝負」を観ました。ただただ藤純子の美しさにみとれるだけの2時間でしたね。
まさか「あんこう鍋」も「緋牡丹博徒」も一緒とは・・・
とても偶然とは思えず、深い縁を感じてしまいます。(笑)
ホント、その美しさに見とれるだけで十分でした。目の正月でしょうか・・・